文字サイズ

  • ホーム
  • センター紹介
  • センターご利用案内
  • 診療科案内
  • 採用情報
  • 地域医療連携~医療機関の皆様~

内反足の診断

足の変形は様々な原因で発生します。したがって、診断にあたっては、全身状態をよく見て、先天性内反足以外の内反足と鑑別することが大切です。

まず、脊椎を詳しく観察します(足の変形を見たら脊椎脊髄疾患を疑うこと)。二分脊椎などでは下位の障害でも足の変形が生じます。先天的な脊椎奇形による神経麻痺が原因のこともあります。生まれつきの骨系統疾患、たとえばラルセン症候群などでは内反足は必発です。脊椎骨端異形成症、クニースト症候群、その他いくつもの疾患で高い発生率となります。神経筋疾患たとえば関節拘縮症なども重要診断項目です。もしこうした疾患が根底にあるとすると、他の変形治療との関係で治療方針はガラリと変わることがあります。これらが原因となって発生する内反変形の治療はほとんどの場合手術療法が必要です。脳性麻痺において発生する場合は通常後天的ですが、時に先天的な場合もあります。

局所に目をやれば、拘扼輪症候群、半肢,中足骨内反,などとの鑑別も必要となってきます。中足骨内反と内反足は混同しやすいので気をつけなければなりません。中足骨内反では、足の指の骨(中足骨)が内側に曲がっているもので内反足とは変形部分が異なっております。6割りが自然治癒することがわかっています。また、しばしば間違えられるのが、単なる内反位足です。これはお母さんのお腹のなかで内反位をとっていた、ということが原因と考えられますが、外見は似ていても、骨どうしの配列には問題が無く、柔らかく殆どが自然治癒します。時々先天性内反足と間違われてとんでもない治療を受ける例があります。とにかく正しい診断が重要です。半肢(特に脛骨欠損)の場合は見た目は内反足でも病態と治療方針は先天性内反足とはまったく異なります。

先天性内反足であることが確実になったなら、解剖学的診断と重症度評価をおこないます。視診・触診でおよその重症度は判定できます。矯正位でX線撮影をおこなって診断するのも良い方法です。しかし、生後間も無い赤ちゃんでは骨がまだ出現していないため正確なX線診断が出来にくいことがあります。また、年長児でたとえ骨が出現しても内反足の変形は3次元的でかつ複雑である為単純X線撮影での診断が難しいことがあります。このように診断学はまだ決定的なものが確立していないと思います。もっとも最近ではMRI,3D-CTなど診断に利用されてきており、明るい展望が開けつつあります。

戻る 次へ

お問い合わせ
病院事業庁 小児保健医療センター
電話番号:077-582-6200
FAX番号:077-582-6304
ページの先頭へ戻る