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先天性股関節脱臼の手術的治療

先天性股関節脱臼における手術的整復は最後の手段と考えています。本センターでの経験によれば、いわゆる先天性股関節脱臼であるかぎり、たとえタイプCのように重度の脱臼であっても保存的整復に成功してきました。ただし、先天性股関節脱臼の中でも特別な場合、たとえば全身の奇形を伴っている場合、4-5才以上になって初めて発見された場合、或いは既に手術的整復を受けながらも不幸にして再度脱臼してしまったようなケースでは保存的治療が困難であり、手術的整復をおこなわざるを得ません。本センターでは2003年10月までに股関節完全脱臼72例に対し手術的整復をおこなってきました。これらは上に述べたような様々な理由で保存的治療が困難であったり、或いは困難と考えられた症例であります。

手術的整復において重要なことは、保存的整復と同様に無理なく骨頭を臼蓋におさめることです。そのために3つの留意すべき点があります。第1は、関節の中にあって整復を妨げている組織を除去すること、第2に骨頭が正しく臼蓋の中心に向かうようにすること、第3に一度整復された骨頭が安定するようにすること、であります。意外と第2、3が忘れられているのを見かけることがありますが、これらをおろそかにすると間違い無く再脱臼あるいは亜脱臼がおこって来ます。

整復を妨げている組織とは、肥大した円靱帯、翻転した関節唇ならびにそれを繋ぐ横靱帯、臼蓋内の増殖した脂肪組織、そしてしばしば忘れられるのですが肥厚し弾力を失ったたり、上方に持ち上がった関節包などです。これらを完全に除去或は形成するなどして骨頭が無理なく臼蓋におさまることができるようにしなければなりません。

術後には骨頭が正しく臼蓋の中心に向かっていなければなりません。整復を妨げている関節内の組織を完全に除去或は形成しても、たとえば骨頭が外に向いていたり強い捻れなどの変形が残存していれば、通常の立位や歩行の際に、骨頭が臼蓋から出ようとする力が働いてしまうからです。臼蓋と骨頭の正しい力学的関係を再構築するためには大腿骨骨切りが必要かもしれません。また、通常腸腰筋や内転筋などは短縮しているものですが、これらの筋肉のアンバランスも臼蓋と骨頭との適切な力学的関係を崩してしまいますので、必要に応じて延長などをおこないます。

手術によって関節内の整復障害因子を除去し、骨頭と臼蓋のの正しい力学的関係をとりもどしたとしても、整復された骨頭が安定していなければ股関節はやがて亜脱臼おこしてきます。脱臼している関節は通常臼蓋形成不全を伴っています。臼蓋形成不全というのは、骨頭を覆う部分が狭く急峻となっている状態をいいます。このままでは股関節は極めて不安定ですので、私達は多くの場合、ソルター手術などの骨盤骨きりを同じにおこなって関節に安定性をもたらす配慮をしております。

このように、手術的整復というのは、単に骨頭を臼蓋内に納める、といった単純なものではありません。手術手技に習熟するのは当然ですが、それ以上に重要なことは考え方です。手術の最終目標を設定し、目標達成の為になにをすべきか、そして何をしたらいけないか、ということを股関節の機能と解剖(すなわち可動性と安定性)を考慮しながら深く検討しなければなりません。

お問い合わせ
病院事業庁 小児保健医療センター
電話番号:077-582-6200
FAX番号:077-582-6304
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