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内反足の概略

内反足とはどういうものか?

この疾患における変形の本質は、足にある骨(足とは通常の靴を履く部分と考えて下さい)のうち距骨と、距骨と関節を形成している骨(踵骨、舟状骨)とが正しい位置関係を失った状態、すなわち、距骨に対し、周りの骨群が全体として内転(内回旋)していると考えられます。最近MRI,三次元CTによって変形の様子がより明らかになってきました。

上の図は今、私達が研究をしている3次元CTによる足の立体画像です。左図が内反足(右足像)、右図が正常足(左足像)で、足の裏から眺めたところです。正常足(右図)で見てみましょう。図の一番下にある骨(立体図の一番下でかつ手前の骨)が踵骨です。その上に乗っているのが距骨で、距骨の先端は丸く、その先にある小さい骨が舟状骨です。

距骨と舟状骨の関係を見ると、正常足(右図)では舟状骨は距骨の先端部分に対しやや外側に位置しているのですが、内反足(左図)では、舟状骨は距骨に対し大きく内側に転位していることがわかります。

距骨と踵骨の関係を調べると、内反足(左図)では、踵骨は距骨の下に向かって内転・回旋しながらもぐり込んでいるのがわかります。このため距骨の前方部分は上に持ち上げられ、足全体としては凹足(足の甲が高い)となってしまいます。正常骨(右図)を見ると両者の骨は関節によって結合しているのですが、踵骨は距骨の真下にあるわけではないことに注目してください。

内反足における骨どうしの配列は細かい点ではさらにいくつかの異常があります。また、研究者によってはそれらの細かい変化については意見が異なる場合もあります。しかし、すべての研究者が認めているもっとも大きい変化でかつ内反足の本質的な部分は、踵骨は回旋しながら距骨の下に内転してもぐり込み、同時に舟状骨は距骨の先端から内方に転位している、ということです。簡単にいえば、距骨の周りの骨(踵骨、舟状骨、その他)が距骨に対して本来の位置から回旋を伴いつつ内方にずれている、といえましょう。

先天性内反足のまま成長すると、足底が正しく接地することが出来ず、足の外側をついて歩く事になります。このような状態では靴も履きにくく、歩行が著しく制限されます。治療にかかわらず変形が残存すると、歩行時に体重が足の外側に過度に加わり、足の指の骨折や、痛みを将来する原因となります。また、歩行時に筋肉が正しく働かない為に、疲れやすくなります。内反足がある側の筋肉は萎縮しているのが普通で、下腿は細く見えます。これは治療の有無に関わらず存在します。治療は早い時期に距骨と、踵骨、舟状骨の位置関係を正すことが大切であり、場合によっては2次的に生じた変形を矯正することも必要となります。治療開始が遅れた場合には多くの場合最初から手術療法が必要です。

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