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ペルテス病とは生後18ヶ月(1歳半)より骨成熟(大腿骨頭の成長が終了する)までの間に発症した、大腿骨頭の血行障害により生じる壊死の病気をいいます。骨頭の血行障害は外傷や股関節の手術や股関節脱臼の治療過程においても生ずることがありますが、ペルテス病には主にそのような明確なきっかけ無しで生じるところが一つの特徴です。股関節が急に炎症を生じて関節内に水がたまる股関節炎(単純性股関節炎)よりペルテス病に発展するリスクも報告されていますが、詳細な検討によれば意外と少なく、股関節炎からペルテス病に移行するのは多くみても確率は1~2%程度とも言われています(Landin)。
これまでにペルテス病の原因として報告されているものとしては以下のごとくです。
ペルテス病の発症原因はいまだ明らかではありませんが、現状では上記のごとく報告されている要因が様々に組み合わさって生じる疾患であるように考えられています。
@ペルテス病の治療
ルテス病の治療には大きく分けて保存的治療と手術的治療があります。いずれの治療を採用するにしても最大の目的は治療後骨成熟期にいかに骨頭が球面に近づくか、ひいては成人期に変形性関節症にならないようにするのが目的です。次に重要なのは脚の長さ(脚長差)や股関節の形態の保持であり、これらは歩容に関係します。治療方法を決める上で重要なのは発症年齢、重症度(どれだけの範囲が壊死か、もうどれだけ骨頭が潰れているか)、地理的・家庭環境の状況です。これらの因子を勘案して、私どもは同等な成績が得られるなら保存的治療を、そうでなく手術的治療の方が優れた成績をもたらす可能性が高い場合には躊躇なく手術的治療をお勧めしています。
年齢から見た治療選択
可動域を保ちながら見守る(supervised neglect)手法がよく採用されます。多くの場合この方法で最終成績も良好、つまり丸い骨頭になってくれます。しかし中にはそうで無い方もおられるのも事実です。”低年齢発生は必ずしも良好な成績へのフリーチケットではない。”という記載も近年学会や学術誌でみられています。この点について当センターで調査してみました。
調査結果によれば、5歳未満で発生した例において、発症後3年経過した時点で骨頭変形が明確であったり、骨頭が臼蓋(股関節の受け手、ソケット側)より30%以上はみでている場合には最終成績が不良となる可能性が高いことが判明しました(片岡2006)。今後はこのデーターを基にして補正手術の追加なども検討したいと思っています。
5歳代発症はどれだけ壊死範囲があるか、どれだけ潰れているかの重症度に応じて治療を必要とするかを決定しています。軽微な方は比較的少数ですので、実際は保存的治療(装具)や場合により手術的治療が必要な方が多いと思います。この年代を含め、5~7歳代発症で、治療開始時にほとんど骨頭が潰れていなければ装具療法でも良好な成績が得られることも少なくありません。重要なのは装具療法には患者家族を含め、治療者側にも継続した情熱が必要であることです。装具が家庭環境の事情などでうまく着けられない、地理的に遠くに居住していて、装具や可動域のチェック目的での月1回程度の診察に来ることができないなどの場合には成績が低下することもあります。装具治療は確かに活発なお子さんをいろいろな点でコントロールしていく上でも難しい面があり、治療者側にも装具治療を遂行していく十分な情熱が必要です。
私どもの調査(SPOC装具治療を行った85例の骨成熟期までの調査、二見 2004)では8歳代発症は治療選択における一つの分岐点でした。8歳発症例に装具治療(SPOC装具)を行った症例を検討すると最終成績不良例が8歳未満発症に比べ増加する傾向にありました。特に治療過程で骨頭の高さがもとの60%以下に潰れてしまった場合には最終的に骨頭は丸くならず成績不良になっていました。したがって、当センターでは成績不良になるリスクをお持ちの8歳代発症の方には手術治療をお勧めしています。
9.0歳以降の発症では保存的治療の成績が低下することは学会、学術誌でも一致した見解です。その要因としては骨修復までの時期が短い、骨修復能自体が低年齢児と比較して不十分であることなどです。当センターでは9歳以上の場合には臼蓋側、大腿骨側、あるいは両者の同時手術により少しでも骨頭が球面となり成人期以降の変股症の予防を目指しています。
成人の骨頭壊死に次第に近づく、通常の治療(ソルター手術単独、大腿骨内反骨きり術単独)では成績不良例が多くなるグループです。この年齢では治療開始して1年以内に骨端線が閉鎖するかどうかを予測することがきわめて重要です。もし1年以内(骨頭の修復には最低1年必要)に骨端線が閉鎖してしまうと骨頭の壊死部分の修復は極めて不良となってしまいます。その際には成人と同様な壊死部分を荷重部位より逃がす、杉岡式骨頭回転骨きり術などの適応となります。当センターでは骨盤の骨年齢(Oxford式)より骨端線閉鎖までの期間を推定し、小児のペルテス治療である包み込み(containment)か成人の骨頭壊死の治療かを選択しています。これまで9歳以上12歳代発症までの高年齢ペルテス病に対して、トリプルオステオトミーを中心とした包み込みによる治療を行い予想以上の良好な成績を得ています。詳細のデーターは近くこのHPに掲載します。
ペルテス病で重要なことは、1)早期診断、2)骨頭の包み込み、3)可動域を広げる訓練、の3つです。
まず、早期診断の重要性です。この疾患の特徴は、病変部と症状出現部位とがかならずしも一致しなかったり、初期にX線診断が難しいことです。そのため発症初期において非常に見逃されやすく、発見された時はすでに骨頭は完全に潰れて著しく変形していることがまれではありません。高度な変形が生じるとこれを球形に形成してゆくことは容易ではありません。
治療学において重要なことは、骨頭を臼蓋の中に完全に包み込み、その上で可動域を拡大する訓練をすることです。包み込みと同時に訓練が重要なのです。これはどの教科書にも書いてあるはずですが、このことが意外と忘れられています。
ペルテス病の診断は早期の治療に直結します。治療の開始が遅れると最終的な治療成績に影響することはよく知られた事実なので、早期診断は極めて重要です。
ペルテス病は股関節より膝や太ももを痛がる場合が多い。また徐々に緩やかに痛みが増すこともおおい。
臨床症状
痛みと跛行です。重要な事は、痛みは股関節に限らず、大腿部あるいは膝関節痛を訴える場合もあることです。このため、非専門医により膝関節疾患と誤診されることが多く、発見された時には骨頭が完全に潰れて著しい変形を呈している、というこが稀ではありません。小児の跛行を見つけたらまずペルテス病を疑え!、ということは憶えていて下さい。
膝や大腿部を痛がる子に対して、股関節の動きを左右で比較することはペルテスの可能性を考え、それを調べる上で最初のステップであると同時に極めて重要な見きわめの方法です。
痛みは極めて軽い場合もあり、また早期に消失することもありますが、この疾患においては痛みが消失しても跛行が持続することが普通ですが、痛みと跛行が消失したり発現したりと、繰り返す場合もあるので注意が必要です。通常症状発現後、3~4週間もするとX線検査で診断できることがありますが、稀に2ヶ月くらいX線画像上所見のないことがあります。
鑑別すべき疾患は、単純性股関節炎、リウマチ熱、溶連菌感染後の反応性股関節炎、化膿性股関節炎、若年性慢性関節リウマチなどの膠原病、心因性関節炎などです。
単純性股関節炎は同じように股関節痛と跛行が見られますが、自然治癒し、後遺症も残る事がないとされています。実際に本センターの経験でも問題になったことはありません。超音波断層像では濁りのない関節液が関節包内に貯留していることが多いのですが、関節液貯留のない場合も少数ですが存在します。
リウマチ熱・溶連菌感染後の反応性股関節炎の場合にもしばしば股関節痛みが初発の場合があります。疑わしいときには血液検査( ASLO) をおこなうと判明します。実際に股関節痛からリウマチ熱が発見され、そこから心臓の異常が診断されたことがあります。溶連菌感染後の反応性股関節炎は比較的症状が強く、初期は化膿性股関節炎のような強い臨床症状(発熱・疼痛)を示すことがあります。その後症状は軽減しますが、長期にわたって症状(動きの制限・疼痛)が残存し、抗生物質の内服が必要になります。
化膿性股関節はいつでも疑わなくてはなりません。股関節痛だけでなく熱発などの感染症症状を呈することが多いのですが、全身所見がなく、また痛みも軽度で血液検査で所見の出ない例もありますので注意が必要です。超音波断層像では濁った水腫の像が見られるのが普通です。MRIが病巣の確定などに極めて有用です。診断の過程で疑いがあればただちに関節鏡をおこないます。感染が激烈な場合には切開による排膿と持続的な洗浄が必要になる場合もあります。
若年性慢性関節リウマチなどの膠原病においては、股関節以外にも多彩な症状が出てきます。心因性関節炎では他人が見ていない所で跛行が消失しますので鑑別できます。
股関節のある方向への動きが制限されることもこの疾患に特徴的です。上向きに寝かせ、膝を曲げ股関節を曲げてゆきます。そして90度曲がったところから膝がおへそに向かうように股関節をさらに曲げてゆくと痛みが発現します。この所見はこれまで例外を経験したことがないほど特徴的です。また、骨頭を圧迫すると痛みを訴えます。骨頭は、ももの付け根の内側の部分で大腿動脈と交差する部分の下にあるので、両側のこの部分を同時に軽く圧迫すると患側に痛みを訴えます。
ペルテス病の場合には骨頭の変形が軽微な内に治療を開始するのが理想的です。変形がわずかであれば、治療は変形を予防することが要点になります。診断が遅れ、骨頭の変形が著しくなってしまった場合には変形を矯正することからはじめなくてはなりません。変形矯正には時間がかかりますし、年長児であれば矯正にも限界があります。したがって、早期診断が極めて重要です。とにかく小児で跛行が見られる場合はペルテス病を疑う必要があります。
検査
発症直後のレントゲン診断は難しい場合があります。骨頭の変化がまだ明確になっていない事が多いからです。しかし、注意して画像を見れば、大腿骨頭がわずかに外方にずれ、骨端(骨頭の骨の部分)の高さが反対側と比べわずかに低くなっていることが多いものです。発症後3~4週もすると骨変化がはっきりしてくるので診断は容易になってきます。診断をより正しいものにするにはレントゲンは正面像でなく、側面を含む2方向でみるべきです。ただし、発症後2ヶ月くらい骨変化の無かった例を経験していますので、注意が必要です。X線写真においてペルテス病と良く似た画像を呈するのがマイヤー病です。これは害のない疾患(骨化障害)です。ペルテス病のように壊死、吸収、再生といった一連の病理的変化がない、両側に同じような状況にある変化があることで鑑別は容易です。
マイヤー病と似てはいますがことなるものとして多発性骨端異形成症(MED)という疾患があります。家族性に関節が早く老化したり、痛みが出ている場合にはこれを疑うことがあります。両側がほぼ同じ状態でしかも壊死、修復の過程がペルテスのように進まず変化がたいへんゆっくりしている場合、(マイヤーは低年齢のうちに正常化します)この疾患を疑います。
超音波診断は参考になります。単純性股関節炎と異なり、多くの場合、水腫は濁っています。ただし、発症の超早期では清澄な場合があるので注意が必要です。清澄な場合でも穿刺すると粘稠度が高いのが特徴です。
MR I診断は確定的です。血流が途絶え、骨の壊死した部分があれば信号がなくなり診断は容易です。また、この検査方法によればどの範囲までが壊死になっているのかわかりますので、治療方法を決定する場合に有力な情報を与えてくれます。なくてはならない検査と言えます。以前は骨シンチグラフィーにより壊死を早く察知していましたが、MRIがほぼこれにとって変わった状況です。
ペルテス病と他の小児有痛性股関節疾患(股関節が痛い病気)との鑑別は重要です。以下は概要です (注) 患者さんの特徴:それぞれの疾患に比較的見られる特徴であり、もちろん例外はあります。
ペルテス病の治療の目的は成人になっても痛みが生じない、つまり変形性股関節症に進行せず日常生活が送れることにあります。
ペルテス病は男に多く、ペルテス病による後遺障害、すなわち骨頭が丸くならずに歩行時、立位などで痛みが生じ始めるのは主に40代以降といわれています。社会的に仕事に責任ある役割を担う世代でありこの時期は子どもの養育費や教育費などでとても家計のやりくりがたいへんになってきますので(筆者には3人の子どもがおります。現在まさにこの状況です)、身体的な理由での仕事の内容の変更や手術にともなう長期間の休職は通常かなり困難ないわば働き盛りの時期に相当します。
「ペルテス病はそこそこ治る。多少の骨頭変形があってもしばらくは症状は無いので遊びたい盛りの子どもに、やれ牽引、装具、手術といじくりまわすのはいかがなものか。成人になってから遺残変形にともなう症状に対しては関節形成術(人工関節)などで対応すればよいのではないか。」という考えもあります。現に学会でこういった発言が出たとき、ご自分がかつてペルテス病であり、遺残変形のために40代から歩行すると痛みが生じて困っているという小児整形外科の先生が質問のために立たれました。ご自身のこれまでの体験と現在の疼痛による日常生活での支障、そしてそれに基づく小児整形外科医としての見解についてお話され、ペルテスは放置でよいという発言に反対する意見を述べられました。放置でよいとした学会の重鎮でもある先生もこれにはさすがに反駁する言葉はありませんでした。
日本にはペルテス病の長期にわたる追跡調査の研究はまだ小数であり、40、50歳以降の患者さんの状況について詳細な研究はまだありません。一方、古くから研究されていた欧米にはそのことに関連したいくつかの有名な研究があります。代表的な研究であるWeinstein(アメリカ2000)、Lecuire(フランス2002)らが報告した結論に共通している点は以下の2点です。
したがって、ペルテス病の治療は血行障害による壊死の結果、形を変えた骨頭に対し、いかに球面性を再獲得し、長期にわたり痛みが出ず、通常の生活が送れるような環境にすることが最終目標となると思います。
骨の成長が終了する時期を骨成熟期といい、小児の骨には成長をする部分(成長軟骨)がありますが、これが活動を停止する時期に相当します。通常男子で15~17歳、女子で14~16歳ですので、ペルテス病では最低でも15歳以降(できれば18歳ごろ)の股関節のレントゲンを基に最終的に治療成績を決定します。このときに用いられる分類法はStulbergの分類で、下の図のように1ないし2型であれば通常予後(将来の状態)は良好であると判断されます。
ペルテス病にも軽症であるもの、重症であるもの、治療が必要なもの、不要なものなど様々なものがあります。治療をしなくても将来骨頭が丸くなる可能性が高い場合には治療はもちろん不要です。治療の要る・要らない、治療の選択には 1)病気本来の重症度、2)関節の動きなどの症状、3)発症年齢などが重要です。
Catterall(キャタレル)分類
血行障害による壊死の範囲の大小で決定する方法です。壊死範囲が骨頭全体の 約25%=group 1、約50%=group 2、約75%=group 3、約100%=group 4(Wenger, Guilleらによる簡単な目安 ) の4つに分類し、グループ1,2は治療を不要とすることも多い軽症例を意味します。レントゲンで壊死の範囲が確定するのに発症から6ヵ月以上を要することなどの問題点があり、正確なグループ分けの前に治療を開始してしまうことも少なくありません。ただし、MRIなどを用いればこの問題をある程度補える可能性があります。
Herring(ヘリング)分類
ペルテス病は血行障害により壊死を生じ、骨頭が潰れていくことがよくあります。発症から6ヵ月から1年ぐらいでもっとも骨頭が潰れ、その後回復していくことが多いのですが、骨頭の潰れ具合をもとに(正確には骨頭外側部の支持部の潰れ具合)、ほとんど潰れていない:group A、50%以下の潰れ:group B、50%以上の潰れ:group Cの3つに分類する方法です。当然A,B,Cと進むにつれ予後は不良です。
関節の動きはは行とともに極めて重要です。特に脚を伸ばしてそのまま外へひろげる(股関節外転)が不良であるときは注意が必要であり、動きを良くする治療を考慮しなくてはいけません。年齢が5歳以下であっても動きが悪い場合、牽引や理学療法などで入院していただき改善へ持っていくことがしばしば必要になります。もし外転が不能に近くなると骨頭が強く潰れていて股関節とのかみ合いが不良となっている場合もあります(hinged abduction ヒンジドアブダクション)。
もちろん例外もありますがペルテス病は一般に発症年齢によりおおよその成績良否の傾向が存在しているといわれています。主に6歳未満、6~8歳、9歳以後の三つの年齢層に分けられることが多く、この年齢グループにより治療の有無や方法を選択していくことが多いのが実情です。
治療には様々な方法があり、コンセプトも異なったものが施設により行われているのが実情です。最大の問題点として、
世界的な趨勢としては1)についてはcontainmentが基本とされ、2)については十分なcontainmentがなされていれば荷重は認めるという考え方が支持されているようですが、明確な指針は未だ確立されていません。
当センターでは年齢5歳未満での発症は経過をみていくのみが多く、それ以後の発症ではcontainmentを重視し、骨頭の圧潰を防ぐために荷重のコントロールを行うことにしています。
経過観察以外の治療法としては代表的なものとして、免荷・牽引療法、装具治療(経過観察を含めこれらを保存的治療とよびます)、手術治療があります。装具治療と手術的治療は原理に関してはまったく同じです。まず牽引により拘縮を除去し、その後骨頭を健常な臼蓋に包み込んで訓練によって関節可動性を維持し変形矯正・予防をおこないます。1)臼蓋による包み込み、2)可動域を広げそれを維持するための訓練、この2つは車の両輪のようなものでどちらも欠くことはできません。装具療法の場合には特に訓練が重要となります。
年齢、壊死の程度、初診時の変形の程度、病気の時期(初期、修復されつつある時期など)、さらに治療の環境も重要で、本人の性格、家族と本人との関係(関わり具合)、最低でも2ヶ月以上の入院が必要ですから病院から通える学校が有るか否か、また、年齢が高くなれば友達関係も考慮しながら治療法を選択します。
筆者は当センターで治療を行ってきた方の発症年齢とHerring分類、それと最終成績との関連から治療の選択はだいたい下の表のように考えています。
― ; 経過観察 C; containment therapy ( 一般的な保存的または手術治療。 6 歳未満は通常保存的治療 )
C; 厳格な containment therapy( 厳格な保存的治療= A-cast など、あるいは手術治療 )
S; 手術治療 ( 手術によるより厳格なcontainment therapy 。 12~13 歳以上では骨頭回転骨切り術なども考慮)
5~6歳では一般に装具療法が適応となりますが、関節をどのような位置にしても骨頭が臼蓋に覆われない場合や、肥満の為に装具装着が困難だったり、性格的に装具装着がうまく行かない時は手術療法を考慮します。
7~8歳では充分理解をしていただいた上で患者・家族の皆さんに治療法を選択していただいていますが、同様に装具装着が困難な場合には手術が適応となります。
患者さんが9歳以上であったり、発見が遅れて骨頭の変形が著しかったりする場合には手術療法を勧めています。
以上のように治療の選択は、病気の重症度、発症年齢、患者さんの受け入れ・キャラクター、居住されている所(病院から近いか遠いか)などの事項より最も適切な治療法を決めていくことになりますが、患者さんご本人、ご両親の考え方や希望などを基本として、十分に相談して決めています。
以下ペルテス病の治療についての詳細を述べます。