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がん情報しが

滋賀県のがんに関する情報を集めた、
がん情報ポータルサイトです。

がんとともに生きる

がん相談・緩和ケア

社会福祉の立場から、がん患者さんの「今」と「これから」をともに考えたい

滋賀県立総合病院 地域医療連携室 医療ソーシャルワーカー岡村 理さん

現在のお仕事、専門分野について教えてください。

写真:岡村理さん1

滋賀県立総合病院のがん相談支援センターでがん専門相談員として働いています。
がん相談支援センターとは全国の「がん診療連携拠点病院等」に設置されている、がんに関する相談窓口です。
がん専門相談員は、ご本人やご家族、あるいは地域の方々、医療・福祉・保健従事者の方々より、がんに関するさまざまな相談をお受けしています。病気や医療について、病気や医療にともなう不安、家族や医療者とのコミュニケーション、治療と仕事・家事の両立、育児や介護のこと、治療や生活に関わるお金の相談など、相談内容はさまざまです。がん専門相談員は相談者の「からだ」「こころ」「くらし」の視点を大切に、病気や医療のこと、制度などについて相談支援・情報提供し、ともに考えることで病気の理解、気持ちの整理を行っていただけるようサポートします。がんになる前と変わらず、その方らしく、これからの生き方を決めて行かれるお手伝いをさせていただいています。

医療ソーシャルワーカーのお仕事についてお教えください。

医療ソーシャルワーカーとは保健医療機関において、社会福祉の立場から患者やその家族の方々の抱える経済的・心理的・社会的問題の解決、調整を援助し、社会復帰の促進を図る業務を行います。

具体的には

写真:岡村理さん2
  1. 療養中の心理的・社会的問題の解決、調整援助
  2. 退院援助
  3. 社会復帰援助
  4. 受診・受療援助
  5. 経済的問題の解決、調整援助
  6. 地域活動

を行っています。(厚労省『医療ソーシャルワーカー業務指針』より)多くの医療ソーシャルワーカーは社会福祉士や精神保健福祉士の国家資格を取得し相談援助業務についています。「医療」がついていますが医療職ではなく社会福祉の専門職です。
社会福祉学には"ソーシャルワークは、人間の行動と社会システムに関する理論を利用して、人びとがその環境と相互に影響し合う接点に介入する"という専門性があります。
医療ソーシャルワーカーは病気を機に、社会生活を送る上で出てくるたくさんの困りごとに対し、一人ひとりの立場に寄り添い援助し、社会復帰の促進を援助しています。

どのような思いで医療ソーシャルワーカーとなられたのですか

写真:岡村理さん3

幼少時より入院・通院など医療機関にかかる機会が多くありました。治療の中で長期入院も経験しました。病気との付き合い方、死への恐怖、入院仲間との別れ、思い描いた人生の修正、治療に係る医療費と生活費の問題、社会(学校や地域社会)とのつながり、両親・きょうだいとの関係、友人関係など、病気を機に社会生活を送る上で出てくる、たくさんの困りごとを自分自身の闘病体験、自分自身の家族、入院仲間やその家族を通し感じることがありました。
そのようなたくさんの困りごとに、医療機関の中で体の治療を主とする医師、看護師などの医療スタッフとともに、社会福祉の立場からこれからの生き方について、ともに考えるソーシャルワークの必要性を痛感し医療ソーシャルワーカーを目指すことになりました。

県民のみなさんへのメッセージをお願いします。

「がん」といわれたり、何か気になることがあったら、どんな些細なことでも結構です。一度がん相談支援センターのがん専門相談員にご相談してください。
守秘義務がありますので、お話されたことは主治医をはじめ、どこへももれることはありません。ご本人だけでなく、パートナー、家族、友人、不安な気持ちを持っている一般の方、どなたでもご利用いただけます。どこにお住まいになっていても、その病院にかかっていなくてもご利用いただけます。料金も無料です。
「がん」には個別性があります。病気のことも、それにまつわる様々なことも。治療の選択や決断、覚悟、一度にたくさんのことが押し寄せます。がん専門相談員は医療の視点はもちろんのこと、くらしの視点を大切に、治療のことから日々抱えられる不安、ご家族のこと、お金のこと、仕事のこと、どんなことでもお話をうかがっています。
「がんと診断されて頭が真っ白。不安で何も手につかない・・・」
「どんな治療が良いのか・・・」
「医療費や生活費のことが心配・・・」
「仕事や家事、育児は続けられるのか・・・」
「同じがん患者の方から話が聞きたい・・・」

その方にあった「情報」や利用できる「制度」も様々です。漠然とした不安、何をきいていいかもわからない、といったこともあるかもしれません。話をすることで、悩みがわかったり、ちょっと気持ちが軽くなることもあります。
今「がんと共に生きていく」そういう時代になりつつあります。がん相談支援センターは病気や制度について情報提供し、共に考えることで病状の理解、気持ちの整理を行っていただけるようサポートします。がんになっても生き方をかえない。がんになる前と変わらず、あなたらしく生きられるようお手伝いをしています。テレビや雑誌、インターネットなど情報のあふれる中、とまどわれる方も多いのではないでしょうか。「こんなこと聞いてもいいのかな、しょうもないこと」はあなたにとって「とても大事なこと」です。一緒に考え、あなたの中にもある「答え」を一緒に考えさせていただきます。どなたでも、どんなことでも、まずはがん相談支援センターの相談員にご相談ください。

各病院の相談窓口は下記ページからご確認いただけます。

お問い合わせ
健康医療福祉部 健康しが推進課
電話番号:077-528-3655
FAX番号:077-528-4857
メールアドレス:[email protected]