がんの予防対策のご紹介
滋賀県内の市町が行うがん検診は、滋賀県がん対策推進計画(第3期)の全体目標「科学的根拠に基づくがん予防・がん検診の充実」の達成のために、厚生労働省の「がん予防重点教育及びがん検診実施のための指針」に基づいた「がん検診実施のための指針」により実施し、がん検診の種別ごとにがん検診検討会を開催し精度管理を行っています。
がん検診の事業評価は、厚生労働省の平成20年の報告書「今後のわが国におけるがん検診事業評価の在り方について」に示されています。
がん検診の精度管理指標には、「技術・体制指標」「プロセス指標」「アウトカム指標」があります。がん検診の効果は死亡率の減少であるため、「アウトカム指標」は死亡率の減少が最もふさわしい指標ですが、検診が死亡率に与えた影響が判明するには相当の時間を要します。そこで、短期の指標として「技術・体制指標」と「プロセス指標」2つの中間評価を使います。
指標 | 指標の意味 |
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技術・体制指標 | 検診機関の体制(設備・医師・技師等)が確保されているか実施手順等が確立されているか |
プロセス指標 | 上記の技術・体制の下で行われた検診の結果(検診受診率、要精検率、がん発見率、陽性反応適中度等) |
アウトカム指標 | 死亡率(子宮頸がん検診では、死亡率とともに浸潤がん罹患率が用いられることもある) |
事業評価のためのチェックリストは、「都道府県用」「市区町村用」「検診機関用」の3種類に分かれています。検診関係者はそれぞれチェックリストに基づいて、現在の体制を自己点検し、課題に応じて改善策を検討することが求められています。
プロセス指標は、各プロセスが適切に行われているかを評価するための指標です。厚生労働省は、平成20年に、各プロセス指標の基準値(許容値・目標値)を決定し公表しました。滋賀県ではこの基準値に基づいた精度管理を行っています。
・要精検率 :検診において、精密検査の対象者が適切に絞られているかを測る指標【要精検者数/受診者数×100】
・精検受診率:要精検者が実際に精密検査を受診したかを測る指標【精検受診者数/要精検者数×100】
・精検未受診率:要精検者が実際に精密検査を受診したかを測る指標【未受診者数/要精検者数×100】
・精検未把握率:精検受診の有無や精検結果が、適切に把握されたかを測る指標【未把握者数/要精検者数×100】
・がん発見率:その検診において、適正な頻度でがんを発見できたかを測る指標【がんであった者/受診者数×100】
・陽性反応適中度:その検診において、効率よくがんが発見されたかを測る指標(検診の精度を測る指標)【がんであった者/要精検者数×100】