滋賀県消費生活センターでは、最近相談の多い事例やタイムリーな情報を発信しています。
実家の母が、訪問販売で高額な布団の打ち直しサービスの契約をした。布団販売店を名乗る事業者が、「昔、高級布団を購入してもらったので御礼の布団カバーを届けに来た。」と来訪。状態を確認するからと布団を出させて、「状態が悪いので打ち直しが必要。」と契約を迫ったらしい。契約翌日に私からクーリング・オフの電話をしたが、既に布団は洗浄工程に入ったので解約できないと言われた。(50歳代・女性)
訪問販売で契約した場合、契約書面を受領した日を含め、8日間はクーリング・オフにより無条件で契約を解除することができます。しかし悪質な事業者の場合、電話でクーリング・オフを告げると事例のように理由を付けて拒否されることがあります。クーリング・オフは必ず書面で通知してください。通知した時点で契約は解除されます。支払った代金は全額返金され、預けた布団も返してもらえます。布団の返却にかかる費用も事業者負担となります。
クーリング・オフは消費者の強い権利ですが、トラブルには遭わないに越したことはありません。訪問販売のトラブル防止には、ドアを開ける前に訪問者や用件をよく確認し、必要なければきっぱりと断ることが大切です。勧誘されてもすぐに契約せず、身近な人に相談しましょう。悪質な事業者は高齢者を狙っています。ご家族や周囲の人の見守りが被害防止には大変重要です。