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じんけん通信

 人権施策推進課では、人権に関する特集記事「じんけん通信」を毎月、ホームページ上で発信しています。

 特集記事にあわせて、ジンケンダーラジオの放送予定と、「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ」で実施される障害者スポーツについても掲載しています。

 ブラウザの「お気に入り」に入れていただければ幸いです。

 「じんけん通信」は、バックナンバーもご覧いただけます。

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令和7年(2025年)4月(第204号)

 県では、子どもの権利が守られる社会づくりに関する基本理念などを定めた「滋賀県子ども基本条例」を本年4月1日に施行しました(10月1日完全施行)。この条例では、子どもの権利が守られる社会づくりを社会全体で推進する旨を定めるとともに、県、保護者、学校等、事業者、県民の責務を明らかにしています。

 今回のじんけん通信では、「滋賀県子ども基本条例」の制定に携わった県子ども若者政策・私学振興課の担当者である小島さんにお話を伺いました。

特集 「滋賀県子ども基本条例」について

Q.この条例のポイントは何ですか。

ポイントは3つあります。

 ・1つ目は、子どもの権利を守ることを明確に位置付け、社会全体で取組を推進していくことです。

 「滋賀県子ども基本条例」は、子どもの権利条約を踏まえた、子どもの権利が守られる社会づくりを推進するにあたっての大切な考え方を定めた条例であり、子どもの権利が守られ、全ての子どもが心身ともに健やかに安心して成長することができる社会の実現に寄与することを目的としています。

※ 子どもの権利条約…18歳未満のすべての子どもが享受すべき基本的な権利を明文化した国際条約。この条約は、平成元年(1989年)11月20日に国連総会で採択され、1990年9月2日に発効しました。日本は平成6年(1994年)4月22日にこの条約を批准している。

滋賀県子ども基本条例の基本理念説明画像

・2つ目は、子どもの意見の尊重や、意見聴取に当たっての配慮事項を盛り込んでいることです。

 条例では、上記の関係者が子どもの意見を聴き、その意見を尊重することを社会全体で推進されるよう努めなければならないこととされています。

 また、子どもから意見を聴くときは、次の9つのことに留意しなければなりません。

子どもの意見を聴くときの9つの留意事項

 さらに、関係者は子どもの意思をくみ取り、子どもの意見を必要に応じて代弁するよう努めなければならないとされています。

 また、県が子ども施策の策定・実施・評価をするに当たっては、子どもの意見を反映させるための取組を行うこととしています。

関係者の責務・役割を表した図

 ・3つ目は、子どもを権利侵害から守る個別救済などを行う「滋賀県子どもの権利委員会」を設置することです。(10月1日設置)

 滋賀県子どもの権利委員会は、当事者と関係する機関や個人との間に入り、解決に向けた調査または調整を行い、必要に応じて、知事に対し必要な措置を講ずることや、関係者に対し必要な意見を述べるよう求めることができる機関です。

滋賀県子どもの権利委員会救済の流れ

このほか、県民の関心・理解の増進、社会的気運の醸成や基本計画を策定することなどを定めています。

 県は、社会全体で子どもの権利が守られる取組が行われるように、この条例や子どもの権利条約の内容などについて、県民のみなさんに広く伝えていきます。

Q. この条例を機に新たに始まる取組にはどのようなものがありますか?

新たに始まる取組としては、3つあります。

 ・1つ目は、滋賀県子どもの権利委員会を10月1日から設置します。

 ・2つ目は、条例や子どもの権利についての周知啓発に力を入れて取り組みます。
例えば、県内のいくつかの地域で子どもたちを含めたワークショップを開き、子どもの意見を取り入れた分かりやすいパンフレットを作成することや、子どもの権利委員会と連携した出前講座などの取組を実施します。

 ・3つ目は、子ども施策が県庁内の複数の部局に関わるため、県庁内で子どもの意見を反映させるための職員向けのガイドラインを作成し、取組を進めていきます。

 条例が作られたことにより、例えば「県に対して意見を言う機会が増えた」、「意見が反映された」など、「子どものために、子どもとともにつくる県政」を県民のみなさんに実感していただけるよう取組を進めていきます。

子どもの権利を守る取組が進んでいくんだね

Q. 滋賀県子ども基本条例の制定背景について教えてください。

県では、平成18年(2006年)に「滋賀県子ども条例」を制定し、様々な子ども施策を進めてきました。

 現在、「滋賀県子ども条例」を制定した当時から子どもを取り巻く環境は大きく変化しています。国ではこども家庭庁ができ、子どもの権利条約の精神にのっとった「こども基本法」が施行されるなど、子ども政策への関心が高まっている中、当事者である子どもの権利や意見をより重視する「子どものために、子どもとともにつくる県政」を推進するため、新たな条例を制定することになりました。

Q. この条例を制定するにあたり、苦労したことはありますか。

 新たな仕組みである滋賀県子どもの権利委員会について検討するにあたって、何ができるのか、国連から求められている、政府から独立した委員会の設置を県の機関としてどこまでできるのかなど、整理・判断が必要でした。そのため、副知事と何度も勉強会を重ねるなど、仕組みを形にすることが特に大変でした。

Q. この条例制定にあたり、忘れられない出来事はありますか?

 条例を検討するために設置した条例検討部会には、高校生や大学生も含めた様々な子どもに関連する委員に参画していただきました。令和6年4月に開催した第6回条例検討部会で高校生の委員や他の委員から「思っていたものと違う」と発言されたことは、条例を形作る上での大きな転機となりました。

 子どもの権利を守るということに関して、委員と事務局の思いは一緒でしたが、それを言葉でどのように表現すればいいか、改めて、当事者である子どものことを思い、委員と事務局が一体となって議論を交わしました。最終的に委員から、「本当に良いものができあがった」と言っていただいたことは、事務局にとって大きな励みとなりました。

素敵なお話しなのだ~

Q. 最後に、滋賀県の未来を担う子どもたちへメッセージをお願いします。

 条例の前文にも盛り込んでいますが、子どもは、子ども一人ひとりが主体であり、社会の大切な一員であり、未来への希望です。今回の条例を検討するためのアンケートでは1万1千人以上の子どもから回答があり、「意見を聴いてくれてうれしい」「今後も意見を反映する機会をつくってほしい」という声も多くいただきました。

 「子どものために、子どもとともにつくる県政」を実現するため、滋賀県にしてほしいことや悩んでいることなど、何でも大丈夫ですので、皆さんからの意見をお待ちしています。

★「滋賀県子ども基本条例」について詳しく知りたい方は、県ホームページをご覧ください!
https://www.pref.shiga.lg.jp/ippan/kosodatekyouiku/kosodate/342517.html

ありがとうございました!
ジンケンダーのちょっと一言
子どもも大人も同じ社会の一員なのだー!

ジンケンダーラジオ 放送中♪

 県では、日々の暮らしの中で人権について考え、行動につながるきっかけとなるよう、エフエム滋賀(e-radio FM77.0)で人権啓発ラジオ番組を放送しています。※「style!」の番組内

今月の放送予定

毎週火曜日9時30分~(5分間)※4月から放送時間が変わりました

4月 1日・・・・「発達障害」
4月 8日・・・・「性の多様性1」
4月15日・・・・「外国人の人権」
4月22日・・・・「補助犬」
4月29日・・・・「ジェンダー平等」

 番組には、エフエム滋賀のパーソナリティー林智美さんと、滋賀県人権啓発キャラクター「ジンケンダー」が出演しています。ちょっと難しい人権課題を、毎週わかりやすく解説しています。

 放送から1週間以内であれば、「radiko」(アプリ)で聴くこともできます。
ぜひお聴きください!

人権について一緒に考えよう!

わたSHIGA輝く 国スポ・障スポ ~障害者スポーツのご紹介11~

 じんけん通信では、本年開催の「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ」に合わせて、「障スポ」で実施される障害者スポーツを、毎月紹介しています。

 今回は、正式競技の1つ、「ソフトボール」の概要について、ご紹介します。

◆ソフトボール

 知的障害のある選手が、1チーム9名(指名選手を採用した場合は10名)で競技を行います。

 一般のソフトボールとほぼ同じルールで実施されますが、盗塁やスクイズは認められていません。

障害区分 知的障害
準備運営 滋賀県・高島市
競技会場 高島市今津総合運動公園 第1グラウンド・第2グラウンド
競技日程 令和7年(2025年)10月25日~26日)

詳細は、大会公式ホームページをご覧ください♪
https://shiga-sports2025.jp/shospo

人権カレンダー4月

●若年層の性暴力被害予防月間
 性犯罪・性暴力は、重大な人権侵害であり、決して許されるものではありません。政府は、進学・就職など新生活が始まる時期である4月を、「若年層の性暴力被害予防月間」として、若年層が性暴力の加害者、被害者、傍観者にならないための広報・啓発を集中的に実施しています。月間中は、性暴力被害の予防や相談先の周知などの啓発を行い、「同意のない性的な行為は性暴力」「被害者は悪くない」という認識を、社会全体に広げていきます。

●2日 世界自閉症啓発デー /2日~8日 発達障害啓発週間
 平成19年(2007年)12月の国連総会で定められ、世界各地で自閉症に関する啓発の取組が行われています。日本でも、「世界自閉症啓発デー・日本実行委員会」が組織され、自閉症をはじめとする発達障害について社会全体の理解が進めるため、シンポジウムの開催やランドマークのブルーライトアップなどの様々な啓発活動を実施されます。

●7日 世界保健デー
 昭和23年(1948年)4月7日、「すべての人々が可能な最高の健康水準に到達すること」を目的として、世界保健機関(WHO)が設立されました。これを記念して、WHOでは毎年4月7日を「世界保健デー」と定めています。この日を機会に、WHOは、世界各国で健康的な生活について考えてもらうことを呼びかけています。

●10日 法テラスの日
 日本司法支援センター(通称:法テラス)は、国民の皆さんが、全国どこからでも法的なトラブルの解決に必要な情報やサービスの提供を受けられるよう、平成18年(2006年)に、総合法律支援法に基づき設立された公的な法人です。法テラスでは、法人設立日である4月10日を「法テラスの日」としています。これを記念して、法テラスは、毎年4月10日前後に全国各地で弁護士会等との共催による無料法律相談会などを実施しています。

●28日 職場での安全と健康のための世界デー(労働安全衛生世界デー)
 この日は、職場での安全・健康文化の創造と推進について世界の人々の関心を集めるとともに、仕事に関連する死亡者数の削減を図ることを目指して、毎年様々な啓発が実施されています。

●30日 国際盲導犬の日
 平成元年(1989年)4月26日に国際盲導犬学校連盟が発足したことを記念して、平成4年(1992年)に国際盲導犬学校連盟が制定しました。目の不自由な人にとって大切な盲導犬の普及と、盲導犬に対する人々の理解を高めるのが目的です。日付は国際盲導犬学校連盟の発足した日から4月の最終水曜日となっています。

お問い合わせ
滋賀県総合企画部人権施策推進課
電話番号:077-528-3533
FAX番号:077-528-4852
メールアドレス:[email protected]
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