人権施策推進課では、人権に関する特集記事「じんけん通信」を毎月、ホームページ上で発信しています。
特集記事にあわせて、ジンケンダーラジオの放送予定と、「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ」で実施される競技種目についても掲載しています。
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令和7年11月号 (PDF:2 MB)
令和7年(2025年)11月(第211号)
11月25日から12月1日までは、犯罪被害者週間です。
今回は、県が犯罪被害者総合窓口の業務を委託している「公益社団法人おうみ犯罪被害者支援センター」を取材しました。
犯罪被害者やそのご家族は、被害後も、周囲の心ない言動や誹謗中傷等で再び傷つけられることがあります。犯罪被害者等の人権について、社会全体で考えていく必要があります。もし、あなた自身や身近な人が犯罪の被害にあったらどうすればよいか、一緒に考えてみませんか?
交通事故や性暴力、窃盗、DV、虐待、詐欺など、犯罪被害にあう可能性は誰にでもあります。明日、あなたが犯罪被害者になるかもしれません。
犯罪被害にあうと、けがをする、お金を盗まれるといった直接的な被害だけでなく、次のような様々な問題に苦しめられます。
●心身の不調
動揺、混乱、恐怖、不眠、食欲不振、自責感、後遺症など
●生活上の問題
医療費の負担、仕事を失う、住む家を失うなど
●再被害のおそれ
加害者から更なる被害を受けることへの不安
●捜査や裁判の負担
法廷への出廷、証言などによる精神的・時間的な負担
●周囲の人々の言動
心無いうわさ話や過剰な取材、報道によるストレス
犯罪被害者の権利や利益を保護するために、平成17年(2005年)に犯罪被害者等基本法が施行されました。
本県では、平成19年(2007年)から犯罪被害者総合窓口を開設し、(公社)おうみ犯罪被害者支援センターに窓口業務を委託しています。また、平成30年(2018年)には、滋賀県犯罪被害者等支援条例を策定しています。
犯罪被害者等に対する理解を深め、共に支え合い、安心して暮らしていくことができる社会を目指しています。
犯罪被害にあわれた方やそのご家族の支援を行っています。
今年で、設立25周年を迎えます。
設立当初は、週に2回、ボランティアでの電話相談から始まりました。ニーズの高まりから、平成20年(2008年)に相談日を週5日に拡大し、直接支援が本格化しました。その翌年に、公安委員会の犯罪被害者等早期援助団体として指定を受けました。
電話や面談で、被害者から悩みごとや困りごとをお聞きしています。その内容に応じて、必要な情報をお知らせしたり、関係機関・団体と連携して支援しています。
また、犯罪被害者等に対する理解を深めていただくために、駅や商業施設での街頭啓発、学校でのデートDVや包括的性教育の研修、市民向け講座なども行っています。
1.司法的支援
1人で警察や検察、裁判所、弁護士相談に行くことは勇気がいりますし、不安に思われる方が多いです。そのため、当センターでは、被害者への付き添いを行っています。
被害者が証言しなければならない時には、裁判所の法廷内や、ビデオリンク室※への付き添いが認められています。
※被害者の精神的負担を軽くするために、モニターを通じて尋問を行う部屋。
2.医療的支援
性暴力被害者に対する総合的なケアのため、産婦人科医会と県、警察、当センターが連携して、性暴力被害者総合ケアワンストップびわ湖「SATOCO(サトコ)」を立ち上げました。
「SATOCO」では、専門的な資格を持つ看護職※が24時間体制で対応しています。被害者からの話を聞いて、緊急性を判断しています。状況に応じて、医療機関や警察、当センターにつなげていきます。
※性暴力被害者に適切なケアを行うための訓練を受けた看護職(SANE(セイン))
また、精神科等の医療機関の受診時、被害者が医師に自らの状況を説明することは精神的な負担になります。本人の承諾が得られれば、当センターが代わりに状況を説明したり、必要な診断書の作成を依頼することもあります。
3.生活的・福祉的支援
犯罪被害者やそのご家族が、平穏な暮らしを取り戻すためには、生活的・福祉的な支援が不可欠です。
当センターでは、行政機関と共に住宅、就労、障害手帳、障害年金、労災の窓口などにつないで、中長期的な支援を続けていきます。
4.経済的支援
けがをしたり、精神的な支援が必要な方には、治療費がかかります。
また、通院や裁判により、仕事を休まなければならなくなったり、後遺症のために仕事を辞めざるを得なくなってしまうこともあります。
さらに、家計を担う人を失った場合、ご遺族は深刻な状況に陥ります。
行政機関による支援として、国の給付金や市町の見舞金などがありますが、当センターでは、ただちに資金が必要な方のために、緊急支援金制度を設けています。各都道府県の犯罪被害者支援センターで、この制度を設けているのは全国的に珍しいです。
5.心理的支援
犯罪被害カウンセラーや臨床心理士、公認心理師によるカウンセリングを行っています。ご本人のお気持ちを尊重しながら、丁寧にお話をお聴きします。
6.その他
子どもの被害が激増しているので、教育委員会や教育機関と連携して対応しています。
相談支援件数は年々増加していて、令和6年度は、過去最高の3,422件でした。この件数は、人口比にすると、全国で最も多いのです。
相談される方は、最近犯罪被害にあったという方から、裁判は終わったけれど気持ちが落ち着かない方、幼い頃のつらい体験を話してくださる方など、様々です。
「相談してよかった」と思っていただけるような対応を心がけていることで、信頼をいただいているのではないかと思います。
犯罪被害者等の方が受けたい支援について、すぐに担当部署がわかることが望ましいのですが、関係機関・団体は多岐にわたります。また、つらい体験を何度も窓口で説明することは、大きな負担がかかります。これらが課題でした。
当センターでは、現在、県内の全19市町と、犯罪被害者等支援に関する連携協定を締結しています。各市町と個人情報を安全に共有することで、円滑に担当部署へつなぐことができるようになりました。
また、県から犯罪被害者等支援コーディネーターを委託されて、担当部署と連携・調整を行う仕組みができました。被害者等の精神的・時間的な負担を軽減し、途切れのない支援ができるよう、引き続き取り組んでいきたいと思います。
亡くなられた犯罪被害者のご命日にあわせて、ご遺族にお花をお贈りしています。
被害からかなりの時間が経過しても、つらさや苦しさは消えず、落ち着かないことがあります。しかし、事件や事故は、時間とともに周囲の関心は薄れていきます。
お花には、「私たちは忘れていません」という気持ちを込めています。
犯罪被害者やご家族は、「あの時こうしていれば」「もっとこうしてあげればよかった」「自分のせいでこうなった」など、自分を責めたり罪悪感を抱える方が多いです。
私たちは、「あなたは悪くない」というメッセージを繰り返し伝えています。もし、あなたの身近に犯罪被害者やそのご家族がいらっしゃったら、「あなたは悪くない」というメッセージをぜひ伝えてほしいです。
また、犯罪被害にあって困っておられる方は、ひとりで抱え込まずに、当センターにご相談ください。つらい気持ち、不安な気持ちなど、あなたの「たすけて」を聴かせてください。
(公社)おうみ犯罪被害者支援センターでは、様々な関係機関や団体と連携して、犯罪被害者やそのご家族を多岐にわたって支援されていることがわかりました。また、緊急支援金やご命日に贈るお花など、独自にきめ細やかな取組をされていることが印象的でした。
「あなたは悪くない」というメッセージを伝えることの重要性もよくわかりました。
事件や事故に遭うと、被害者やその家族は心身ともに大きく傷つき、被害後も様々な負担が押し寄せます。
「がんばって」や「早く忘れたほうがいいよ」など、周囲の方がよかれと思ってかけた言葉で、さらに傷つくこともあります。また、噂やデマ、偏見、誹謗中傷など心無い言動に悩まされることがあります。
犯罪被害者等の人権が守られ、平穏な暮らしを送れるようにするためには、私たちが犯罪被害者等の置かれた状況を理解・共感し、配慮することが大切です。
犯罪被害者週間にあわせて、犯罪被害者等に心を寄せてみませんか。
ジンケンダーのちょっと一言
\犯罪被害者やそのご家族の気持ちを考えてほしいのだー!/
●性暴力被害者総合ケアワンストップびわ湖(SATOCO)
電話番号:090-2599-3105(全国共通短縮番号#8891)
受付時間:24時間365日
●滋賀県犯罪被害者総合窓口おうみ犯罪被害者支援センター
電話番号:077-525-8103、077-521-8341
受付時間:月曜日~金曜日(祝日、年末年始を除く)10:00~16:00
(公社)おうみ犯罪被害者支援センター設立25周年の記念大会が開催されます。
日時:11月18日(火)14:00~16:00
場所:コラボしが21大会議室(大津市打出浜2-1)
プログラム:
【第1部】主催者挨拶、ご来賓祝辞、感謝状贈呈式
【第2部】事例発表
【第3部】記念シンポジウム
パネラー 滋賀県知事 三日月大造、大津市長 佐藤健司、甲賀市長 岩永裕貴、(公社)おうみ犯罪被害者支援センター 副理事長 松村裕美
コーディネーター (公社)おうみ犯罪被害者支援センター 理事長 西嶋栄治
県では、日々の暮らしの中で人権について考え、行動につながるきっかけとなるよう、エフエム滋賀(e-radio FM77.0)で人権啓発ラジオ番組を放送しています。※「style!」の番組内
【今月の放送予定】
毎週火曜日9時30分頃~(5分間)
11月 4日・・・・「児童虐待」
11月11日・・・・「女性に対する暴力」
11月18日・・・・「セクハラ・マタハラ・パタハラ」
11月25日・・・・「犯罪被害者支援」
番組には、エフエム滋賀のパーソナリティー林智美さんと、滋賀県人権啓発キャラクター「ジンケンダー」が出演しています。ちょっと難しい人権課題を、毎週わかりやすく解説しています。
放送から1週間以内であれば、「radiko」(アプリ)で聴くこともできます。ぜひお聴きください!
国内最大のスポーツの祭典「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ」が閉幕しました!
じんけん通信では、障スポで実施される競技種目を毎月紹介してきました。
最終回となる今回は、オープン競技の1つ、「スポーツウエルネス吹矢」の概要について、ご紹介します。
今回の大会や、これまでの紹介記事をきっかけとして、障害者スポーツや障害者への理解がより進むことを願っています。
◆スポーツウエルネス吹矢
身体障害、知的障害、精神障害のある選手が参加できる競技です。
障害の程度等により競技クラスを分け、6メートル、8メートル、10メートル離れた的に矢を吹きます。
特に障害の重い選手については自己申告により、3メートル、4メートル、5メートルでも吹くことができます。
1ラウンド5本の矢を吹き、1人4ラウンドの合計点数を競います。
詳細は、大会公式ホームページをご覧ください♪
https://shiga-sports2025.jp/shospo
●秋のこどもまんなか月間
こどもや子育て世帯を社会全体で支える機運を醸成するため、こども家庭庁では、11月を「秋のこどもまんなか月間」と定めています。「こどもまんなか応援サポーター」の取組をはじめ、企業・個人・地方自治体、政府などの取組をさらに広げていきます。この取組の一つとして、オレンジリボン・児童虐待防止推進キャンペーンを実施します。
●滋賀県子ども・若者育成支援推進強調月間
期間中に子ども・若者育成支援のための諸事業、諸活動を集中的に実施することにより、県民の子ども・若者育成支援に対する理解を深めるとともに、各種活動への積極的な参加を促し、県民運動の一層の充実と定着を図ることとします。
●過労死等防止啓発月間
月間中は、過労死等を防止することの重要性について国民への周知・啓発を目的に、各都道府県で「シンポジウム」を行うほか、無料の電話相談を行います。
●感染症を考える月間
新型コロナウイルス感染症の教訓を風化させることのないよう、また季節性インフルエンザ等の冬の感染症予防にもつながるよう、県では11月を「感染症を考える月間」と定めています。月間中は、感染症に対する意識と知識を深め、改めて感染症について考えるきっかけを提供する取組を重点的に行い、平時からのリスクコミュニケーション体制整備につなげていきます。
●仕事と生活の調和推進月間
県では、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の推進に取り組むため、「仕事と生活の調和・女性活躍推進会議しが」を設置し、職場や地域での実践、社会的気運の醸成等に取り組んでいます。11月を「仕事と生活の調和推進月間」と定め、県民一人ひとりがライフスタイルや職場環境を見直すことにつながる広報・啓発活動を集中的に実施しています。
●1日 滋賀教育の日
県民がこぞって滋賀の教育について考える機運を高め、社会全体で子どもの育ちを支える環境づくりを促進することを目的に、平成18年(2006年)に制定されました。 県民をはじめとして、地域、企業、学校など、教育に関係する機関・団体それぞれが主体的に取り組み、互いに連携・協力して「滋賀教育の日」の趣旨の普及・啓発を図ります。
●4日~17日 福祉人材確保重点実施期間
広く福祉・介護サービスについての理解を深めるとともに、福祉人材の確保・定着を図る観点から、介護の日(11月11日)を中心として11月4日から17日までを「福祉人材確保重点実施期間」と定めています。期間中は、全国各地で関係団体などによる、さまざまな行事が開催され、広く周知を図ります。
●9日~22日 家族の週間/16日 家族の日
子どもと子育てを応援する社会の実現のためには、子供を大切にし、社会全体で子育てを支え、個人の希望がかなえられるバランスの取れた総合的な子育て支援を推進していく必要があり、平成19年度から、11月の第3日曜日を「家族の日」とし、さらに、その前後1週間を「家族の週間」と定め、地方公共団体、関係団体等と幅広く連携・協力し、行事の開催や啓発を実施します。
●11日 介護の日
介護についての理解と認識を深め、介護サービス利用者及びその家族、介護従事者等を支援するとともに、地域社会における支え合いや交流を促進するため定められました。この日には、全国各地で関係団体などによるさまざまな行事が開催されます。
●12日~25日 女性に対する暴力をなくす運動
夫・パートナーからの暴力、性犯罪、売買春、セクシュアル・ハラスメント、ストーカー行為等女性に対する暴力は、女性の人権を著しく侵害するものであり、男女共同参画社会を形成していく上で克服すべき重要な課題であり、期間中に地方公共団体、女性団体その他の関係団体との連携、協力の下、社会の意識啓発など、女性に対する暴力の問題に関する取組を一層強化します。
●20日 世界子どもの日
昭和29年(1954年)、国連総会は全ての加盟国に対し「世界の子どもの日」を制定して、子どもたちの世界的な友愛と相互理解の日に、また世界の子どもたちの福祉を増進させる活動の日に当てるよう勧告しました。一般的には「子どもの権利宣言」「子どもの権利条約」が採択された11月20日に制定されていますが、日本は5月5日のこどもの日を日本版「子どもの日」としています。
●25日~12月1日 犯罪被害者週間
犯罪被害者等は、犯罪等による直接的な被害に加え、社会の無理解・無関心などから配慮に欠けた対応をされるなど、二次的な被害にも苦しめられています。このような犯罪被害者等の置かれた状況について国民が理解を深め、犯罪等による被害について考える機会として定められました。期間中、全国各地で広報啓発行事を行い、犯罪被害者等への理解・配慮・協力を呼びかけます。
現在、特殊詐欺被害が多発しています。お金やキャッシュカードを要求する話の電話は、詐欺電話です!「他人にキャッシュカードを渡さない。暗証番号を教えない。」を徹底していただきますようお願いします。