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更新日:2026年11月2日

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じんけん通信(最新号)

人権施策推進課では、人権に関する特集記事「じんけん通信」を毎月、ホームページ上で発信しています。

また、ジンケンダーラジオの放送予定についても掲載しています。

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じんけん通信

令和8年(2026年)11月(第223号)

 11月は「感染症を考える月間」(※)です。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は私たちの暮らしを大きく変えただけでなく、感染者や医療従事者、その家族等への差別・偏見や個人情報の流出、偽・誤情報の発信などの深刻な人権問題が発生しました。

 あのとき、何が起き、どこに難しさがあったのか。未来に備え、「感染拡大の防止」と「人権の尊重」の両立をどう図っていくのか、当時、県の感染症対策に携わった健康医療福祉部 切手次長に、その経験と次への教訓を伺いました。

(※)「感染症を考える月間」とは、新型コロナウイルス感染症の教訓を風化させず、また、冬の感染症予防への意識を高めるため、滋賀県が全国で初めて制定したものです。感染症が流行しやすくなる初冬の11月を、その期間としています。

特集 ”未知への恐れ”が差別を生む ~コロナ禍の経験を次に活かす~

健康医療福祉部 切手次長 インタビュー

PROFILE:切手 俊弘(きって としひろ)切手俊弘次長

滋賀県健康医療福祉部次長(医師)。2020年の新型コロナウイルス感染症流行初期には、県独自の対策ルール策定など、最前線で県の危機管理・感染症対策の舵取りを担当。現在は地域医療構想の策定や医師・医療従事者の確保・育成など、持続可能な県民の健康と福祉を支える取組を統括。

Q.コロナ禍での差別・偏見の実態と、行政として苦慮された点を伺います。

 新型コロナウイルスが日本に入ってきたのは2020年(令和2年)です。滋賀県内で初めて感染が確認されたのは、同年3月初め頃だったと記憶しています。

 当時は、目に見えず、正体も十分に分からない未知のウイルスへの不安が、社会全体を覆っていました。県としての役割は、感染がどのような場面で広がるのかを伝え、感染拡大を防ぐことでした。

 最も苦慮したのは、感染拡大を防ぐための情報提供と、感染された方の人権を守ることとの両立でした。当初は、感染者の年齢や居住地(町丁単位)まで公表していました。「どのような状況で感染が起きるのか」を具体的に伝え、予防行動につなげてもらう意図でした。しかし結果として、個人の特定につながるおそれがあり、人権面への配慮が十分とは言えませんでした。感染者情報の「公表」が、差別や偏見を生む一因になってしまったことは、大きな反省点です。

 差別の実態としては、医療従事者やそのご家族が周囲から避けられ、地域で孤立するような事例がありました。また、「クラスター(集団感染)」という言葉が否定的なイメージと結びつき、家庭内感染が起きたご家族が「生活がだらしないからだ」といった偏見にさらされることもありました。感染した人を社会から遠ざけようとする空気が強まっていることを、現場で痛感しました相手の気持ちを思いやった冷静な行動をお願いします。

 こうした状況や当事者の方々の声を受け、県として、情報発信の方法を見直し、人権への配慮を強めていきました。ただ、最後まで人権侵害をゼロにできたとは言えません。それが、この経験を通じた率直な実感です。 

Q.感染拡大の防止と人権の尊重の両立には、何が必要でしょうか?

 感染症対応で人権を守るためには、「感染症について正しく伝えることは簡単ではない」という前提を、常日頃から社会全体で共有しておく必要があります。

 「正しく伝える」とは、事実をすべて並べることだけではありません。恐怖をあおらず、「ウイルスと共存しながら、日々の生活をどう守るか」という視点で情報を届けることが重要です。コロナ禍でも、感染症の実態や対策が分かってくるにつれて、差別や偏見は徐々に薄れていきました。正確な情報が、誤解や不安を小さくしていった面があったと思います。

 仕組みの面では、感染症法上の位置づけに応じて、情報の公表範囲や方法を切り替えられるよう、あらかじめ基準を定めておくことが重要です。あわせて、パンデミック(感染症の世界的大流行)の初期段階から、誹謗中傷を受けた方のための相談窓口や、感染者・医療従事者への心のケア体制を組み込んでおくことも欠かせません。

 そして何より大切なのは、経験を風化させないことです。何が起き、どのような人権侵害があり、行政がどう対応したのか。流行が落ち着いた時期を逃さず、早い段階で検証し、記録として残す。その教訓を次へ引き継ぐ仕組みを、日頃から整えておくことが求められます。

 

挿絵1

【挿絵:生成AIを使用して作成】

Q.「感染症を考える月間」を、どのような機会にしてほしいとお考えですか?

 「感染症を考える月間」は、コロナ禍で経験したことを記憶にとどめ、次の世代へつないでいくための大切な機会です。

 感染症は人々の暮らしに大きな影響を与えます。そして流行するたびに、差別や偏見の問題も繰り返されてきました。この月間を通じて、県民の皆さんに「あのとき何があったのか」を改めて振り返っていただき、「自分には何ができるか」を考えるきっかけにしてほしいと思います。

 今年の11月の月間期間中には「感染症と共に生きる社会~不確実な状況の中で、どう判断し、どう伝えるか~」と題したシンポジウムの開催を予定しており、コロナ禍で中心的な役割を担われた尾身先生を講師としてお迎えします(詳しくは下部参照)。一人でも多くの方に参加いただき、気づきを得てくださることを期待しています。

Q.”未知への恐れ”による差別を防ぎ、過去の記録と反省を未来につなぐためのメッセージをお願いします。

 人は、自分が理解できないものや、自分と異なるものに対して、不安や恐れを抱きます。そして、「自分たち」と「そうでない人たち」の間に線を引くことで、その不安を和らげようとしてしまうことがあります。コロナ禍での差別も、そうした心理の延長線上にあったのではないでしょうか。

 けれども、歴史を振り返れば、私たちは苦境の中で助け合いながら立ち上がってきました。戦後の復興も、震災からの再起も、そしてコロナ禍も、同じ痛みを分かち合い、支え合うことで乗り越えようとしてきました。

 未知への恐れが、差別につながることがあります。その恐れを和らげるのは、正しい知識と想像力です。感染した方やそのご家族、医療の最前線に立った方々が、どれほどの苦しさの中にいたか。そこに少し思いを馳せるだけでも、言葉や態度は変わっていきます。

 経験は、記録してこそ教訓になります。コロナ禍で起きた差別・偏見を忘れず、次の世代に伝えていきましょう。感染症をめぐる差別は、障害のある方やさまざまな背景を持つ方々への差別とも、根の部分でつながっています。多様な人々が共に生きていることを「当たり前」として受け止められる社会に向けて、一緒に考え続けていきましょう。

挿絵2

【挿絵:生成AIを使用して作成】

取材を終えて

 「感染した方やそのご家族が、どれほどの苦しさの中にいたか。そこに少し思いを馳せるだけでも、言葉や態度は変わっていく」。切手次長のこの言葉に、人権が尊重された社会を作るための原点を改めて教えられた気がします。

 コロナ禍の記憶は少しずつ薄れつつあります。しかし、次の感染症がいつ私たちの前に現れるかは分かりません。そのとき再び“未知への恐れ”が差別を生まないよう、流行が落ち着いた今こそ、経験を振り返っておくことが大切です。

 皆さんも、この月間を機に、当時の自分の言動や周囲の様子を思い出してみてください。その小さな振り返りが、誰もが安心して暮らせる社会への一歩になると信じています。

ジンケンダーのちょっと一言

差別を繰り返さないために、正しく知って、相手を思いやるのだー!

ジンケンダー画像

データで見るコロナ禍

 県では、新型コロナウイルス感染症への対応を振り返り、記録として冊子(新型コロナウイルス感染症にかかる振り返りについて)にまとめています。その記録から、インタビューで語られた「あのとき」を振り返ります。

人権侵害の対象は、次々と広がった

 コロナ禍では、その折々に、さまざまな人が嫌がらせや誹謗中傷の対象となりました。

 感染者/医療従事者/帰国者/外国人/感染症発生施設等の従業員/ワクチン接種を受けていない人(いずれも、その家族を含む)

 当時は、ソーシャルディスタンス、県外ナンバーお断り、マスク警察、ワクチンハラスメントなどの言葉が社会にあふれていました。

 流行の段階が変わるたびに、不安の矛先は形を変えて、別の誰かへと向かいました。

数字で見る相談

 県では、(公財)滋賀県人権センターの協力を得て、専用の相談窓口「新型コロナ人権相談ホットライン」を設置し、新型コロナに関する人権侵害の相談に応じました。

相談件数 合計270件(延べ335件)

相談窓口 対応期間 件数
新型コロナウイルス感染症ホットライン 令和2年9月1日から 210件(延べ268件)
県庁内の人権侵害対応チーム 令和2年9月1日から 32件(延べ34件)

人権相談室(公財)滋賀県人権センター

令和2年8月31日まで 10件
滋賀県人権施策推進課 令和2年8月31日まで 18件(延べ23件)
合計 - 270件(延べ335件)

※人権相談の件数は令和5年3月末時点。人権侵害以外の感染症に関する不安などの相談も含む。

寄せられた相談の例新型コロナ人権相談ホットライン

  • 感染者の個人情報が、インターネットの掲示板に書き込まれた
  • 感染者の子どもの習い事先で、親の感染情報が流された

人権侵害を防ぐための県の取組 

  • 本誌(じんけん通信)、県広報誌、テレビ・ラジオCM、YouTubeなどで、差別防止を呼びかけました。
  • レジに並ぶ際の目印となる床シールを、人権啓発ポスターのデザインで作成して県内の商業施設47店舗に配付しました。
  • 令和4年1月、大津地方法務局長、滋賀労働局長、滋賀弁護士会長、滋賀県人権擁護委員連合会会長、知事、教育長の6者が、「STOP!!コロナ差別、NO MORE!!ワクチンハラスメント」県民運動共同メッセージを発出しました。

◎テレビスポット広告(びわ湖放送)、YouTubeにおける動画配信

テレビスポット広告(びわ湖放送)、YouTubeにおける動画配信

◎県広報誌「滋賀プラスワン」(令和2年9・10月号 Vol.187)

県広報誌「滋賀プラスワン」(令和2年9・10月号、Vol.187)

◎人権啓発床シール

人権啓発床シール

◎「STOP!!コロナ差別、NO MORE!!ワクチンハラスメント」県民運動共同メッセージの発出

「STOP!!コロナ差別、NO MORE!!ワクチンハラスメント」県民運動共同メッセージ

記録が残した教訓

振り返りの冊子は、次のような教訓をまとめています。

  • 情報の公表は、「感染拡大の防止」と「人権侵害の防止」を比較・考慮し、人権侵害や風評被害につながらないよう配慮する。
  • 正しい情報の発信と人権侵害の防止は、セットで対応する。
  • デマや噂に惑わされて加害者とならないよう、情報リテラシー教育に取り組む。

(出典:新型コロナウイルス感染症にかかる振り返りについて(滋賀県、2025年12月))


 数字の一つひとつの向こうには、不安や悔しさを抱えた誰かがいます。「正しく知ること」と「相手を思いやること」が、差別を防ぐ力になる。データは、そのことを私たちに教えてくれます。

 この経験を一緒に振り返り、次に備える機会として、「感染症を考える月間」に次のイベントを開催しますので、ぜひご参加ください。

感染症を考える月間 メインイベント 

11月12日(木曜日)開催 「感染症と共に生きる社会~不確実な状況の中で、どう判断し、どう伝えるか~」

感染症と共に生きる社会

イベントの詳細

二次元コード(イベントの詳細)下記リンク先または左記二次元コードからご確認ください。

https://www.pref.shiga.lg.jp/ej00/33033.html

申込方法

下記リ二次元コード(申込方法)ンク先または左記二次元コードからお申し込みください。
https://ttzk.graffer.jp/pref-shiga/smart-apply/apply-procedure-alias/idam2026-main-event

※定員に達し次第、締め切ります。

ジンケンダーラジオ 放送中♪

 県では、日々の暮らしの中で人権について考え、行動につながるきっかけとなるよう、エフエム滋賀(e-radio FM77.0)で人権啓発ラジオ番組を放送しています。※「style!」の番組内

 今月の放送 毎週火曜日9時30分頃~(5分間)

  • 10月6日・・・・「児童虐待」
  • 10月13日・・・・「女性に対する暴力」
  • 10月20日・・・・「犯罪被害者支援」
  • 10月27日・・・・「ハラスメント(2)カスハラ」

 番組には、エフエム滋賀のパーソナリティー 林智美さんと、滋賀県人権啓発キャラクター「ジンケンダー」が出演しています。ちょっと難しい人権課題を、わかりやすく解説しています。

 放送から1週間以内であれば、「radiko」(アプリ)で聴くこともできます。

 ぜひお聴きください!

人権カレンダー 11月

秋のこどもまんなか月間

 こどもや子育て世帯を社会全体で支える機運を醸成するため、こども家庭庁では、11月を「秋のこどもまんなか月間」と定めています。「こどもまんなか応援サポーター」の取組をはじめ、企業・個人・地方自治体、政府などの取組をさらに広げていきます。この取組の一つとして、オレンジリボン・児童虐待防止推進キャンペーンを実施します。

オレンジリボン・児童虐待防止推進キャンペーン(令和4年度までは「児童虐待防止推進月間」)

 家庭や学校、地域等の社会全般にわたり、児童虐待問題に対する深い関心と理解を得ることができるよう、期間中に児童虐待防止のための広報・啓発活動など種々な取組を集中的に実施します。

滋賀県子ども・若者育成支援推進強調月間

 期間中に子ども・若者育成支援のための諸事業、諸活動を集中的に実施することにより、県民の子ども・若者育成支援に対する理解を深めるとともに、各種活動への積極的な参加を促し、県民運動の一層の充実と定着を図ることとします。

過労死等防止啓発月間

 月間中は、過労死等を防止することの重要性について国民への周知・啓発を目的に、各都道府県で「シンポジウム」を行うほか、無料の電話相談を行います。

感染症を考える月間

 新型コロナウイルス感染症の教訓を風化させることのないよう、また季節性インフルエンザ等の冬の感染症予防にもつながるよう、県では11月を「感染症を考える月間」と定めています。月間中は、感染症に対する意識と知識を深め、改めて感染症について考えるきっかけを提供する取組を重点的に行い、平時からのリスクコミュニケーション体制整備につなげていきます。

仕事と生活の調和推進月間

 県では、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の推進に取り組むため、「仕事と生活の調和・女性活躍推進会議しが」を設置し、職場や地域での実践、社会的気運の醸成等に取り組んでいます。11月を「仕事と生活の調和推進月間」と定め、県民一人ひとりがライフスタイルや職場環境を見直すことにつながる広報・啓発活動を集中的に実施しています。

1日 滋賀教育の日

 県民がこぞって滋賀の教育について考える機運を高め、社会全体で子どもの育ちを支える環境づくりを促進することを目的に、平成18年(2006年)に制定されました。 県民をはじめとして、地域、企業、学校など、教育に関係する機関・団体それぞれが主体的に取り組み、互いに連携・協力して「滋賀教育の日」の趣旨の普及・啓発を図ります。

1日~12月1日 犯罪被害者月間

 犯罪被害者等は、犯罪等による直接的な被害に加え、社会の無理解・無関心などから配慮に欠けた対応をされるなど、二次的な被害にも苦しめられています。このような犯罪被害者等の置かれた状況について国民が理解を深め、犯罪等による被害について考える機会として定められました。期間中、全国各地で広報啓発行事を行い、犯罪被害者等への理解・配慮・協力を呼びかけます。

 現在、特殊詐欺被害が多発しています。お金やキャッシュカードを要求する話の電話は、詐欺電話です!「他人にキャッシュカードを渡さない。暗証番号を教えない。」を徹底していただきますようお願いします。

4日~17日 福祉人材確保重点実施期間

 広く福祉・介護サービスについての理解を深めるとともに、福祉人材の確保・定着を図る観点から、介護の日(11月11日)を中心として11月4日から17日までを「福祉人材確保重点実施期間」と定めています。期間中は、全国各地で関係団体などによる、さまざまな行事が開催され、広く周知を図ります。

8日~21日 家族の週間/15日 家族の日

 子どもと子育てを応援する社会の実現のためには、子供を大切にし、社会全体で子育てを支え、個人の希望がかなえられるバランスの取れた総合的な子育て支援を推進していく必要があり、平成19年度から、11月の第3日曜日を「家族の日」とし、さらに、その前後1週間を「家族の週間」と定め、地方公共団体、関係団体等と幅広く連携・協力し、行事の開催や啓発を実施します。

11日 介護の日

 介護についての理解と認識を深め、介護サービス利用者及びその家族、介護従事者等を支援するとともに、地域社会における支え合いや交流を促進するため定められました。この日には、全国各地で関係団体などによるさまざまな行事が開催されます。

12日~25日 女性に対する暴力をなくす運動

 夫・パートナーからの暴力、性犯罪、売買春、セクシュアル・ハラスメント、ストーカー行為等女性に対する暴力は、女性の人権を著しく侵害するものであり、男女共同参画社会を形成していく上で克服すべき重要な課題であり、期間中に地方公共団体、女性団体その他の関係団体との連携、協力の下、社会の意識啓発など、女性に対する暴力の問題に関する取組を一層強化します。

20日 世界子どもの日

昭和29年(1954年)、国連総会は全ての加盟国に対し「世界の子どもの日」を制定して、子どもたちの世界的な友愛と相互理解の日に、また世界の子どもたちの福祉を増進させる活動の日に当てるよう勧告しました。一般的には「子どもの権利宣言」「子どもの権利条約」が採択された11月20日に制定されていますが、日本は5月5日のこどもの日を日本版「子どもの日」としています。

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