人権施策推進課では、人権に関する特集記事「じんけん通信」を毎月、ホームページ上で発信しています。
特集記事にあわせて、ジンケンダーラジオの放送予定と、「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ」で実施される競技種目についても掲載しています。
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令和7年(2025年)10月(第210号)
10月は、里親月間です。
今回は、里親や里子を支援されている「里親支援センターしが」を取材しました。このセンターは、児童福祉法に基づく児童福祉施設で、社会福祉法人 小鳩会が運営されています。
里親制度の意義や仕組み、現状などがよくわかる内容となっています。
ぜひご覧ください。
社会には、親の病気や離婚、貧困、育児放棄、虐待など、様々な事情により家庭で暮らすことができない子どもたちがいます。
里親制度は、こうした子どもたちを自らの家庭に迎え入れて養育する制度です。
・養育里親:必要な期間、子どもを預かって養育します
(短期、長期、施設の子を預かるホームステイなど様々)
・養子縁組里親:養子縁組を前提として養育します
このほかにも、親族里親や専門里親があります。
必要な研修や実習を受け、審査の上、県から里親として認定されます。
親と離れて暮らす子どもは、県内に約260人います。そのうちの約7割は、乳児院や児童養護施設などで暮らしています。これらの施設では、複数の職員が交代で養育を行うため、特定の大人との関係を築く機会が限られています。
子どもの自己肯定感や安心感、信頼感を育むためには、特定の大人と生活を共にする経験も大切です。
また、滋賀県では、子どもが学校を転校しなくていいように、県内すべての中学校区に里親家庭が存在することを目指しています。
当センターは大津市にあります。里親や里親家庭で生活する子ども、里親になりたい方を対象とした支援を行っています。
このセンターは、各都道府県にあるわけではありません。滋賀県は、早い段階で立ち上げました。
また、県内各地の児童養護施設等の職員に出向いただき、センターの支部職員になっていただいています。これは、全国的に珍しい体制です。
里親の普及啓発から、子どもの自立に至るまで幅広い支援を行っています。
例えば、里親になりたい方から相談を受けたり、研修・グループワークを開催したり、家庭訪問、レスパイトケア※の調整などを行っています。
※里親が一時的に休息をとるための制度。里親家庭で預かっている子どもを、一時的に他の里親家庭や施設でみてもらうことができます。
研修では、SNSの危険性や愛着、思春期や性についてなど、子どもを養育するうえで必要な内容を学んでもらったり、施設の子どもと関わる実習なども行っています。グループワークでは、里親さんはもちろん、子ども同士が交流できるような、カードゲームやお菓子づくりなど、子ども向けの内容も開催しています。
県内で里親登録をいただいている件数は250ほどあり、やや増加傾向にあります。
里親制度について多くの方に知っていただくために、街頭啓発や出前講座、イベントなどを行っています。
相談しやすい関係性を築くために、里親家庭のニーズに合わせながら、途切れることのないよう各家庭を訪問するようにしています。
センターの本部の職員と、支部の職員の2名で訪問し、家庭の状況を伺っています。
子どもの前で相談しにくい話がある場合、片方の職員が子どもと関わっている間に、もう片方の職員が里親さんの相談にのることができます。
「子どもが全然言うことを聞かない」「ゲームばっかり」といった、どんな親も持っていそうな悩みが多いです。
そんな中でも、里親特有の悩みとして、「生みの親ではないことをどのように伝えたらよいか」、「子どもから、生みの親に会いたいと言われた」、「生い立ちに関する宿題が出た」という相談を受けることもあります。
里親は、子どもに対して、生い立ちを伝える必要があります。
単に「生みの親ではない」という事実だけを伝えるのではなく、「血はつながっていないけど、ずっと家族だよ」、「かけがえのない、大切な存在だよ」といった、親の気持ちを伝えることが大切とお話ししています。
民生委員さんやファミサポさん※など、子どもと関わる団体や、教育委員会を通じて、学校の先生方へ里親制度について周知しています。
里親家庭で暮らす子は、学校生活の中で周りの子どもたちとの違いを意識するさまざまな機会があります。その一つが、小学2年生の時によく行われる、生い立ちの授業です。
他にも、理科や保健体育の授業で血液型や生殖について学ぶ際に自身の出自について複雑な思いを抱くことがあります。
子どもたちがしんどい思いをしないよう、先生方に授業の工夫や配慮をお願いしています。
※子育て中の家庭を地域で支え合う組織。
まずは、里親制度について多くの方に認知していただきたいです。
里親委託には、実の親の同意が必要であり、また施設での専門的なケアが必要な子どももいるため、すべての子どもが里親のもとで生活できるわけではありません。ただ里親のもとで家庭生活を送ることは、子どもにとって大切な経験になることも知っていただきたいです。
また、子どものニーズにあった里親が増えてほしいなと思います。
最近は、短期間(一時保護)や高齢児の委託、実の親との交流がある子どものニーズが高くなっています。また、施設で生活する子どもを週末や学校の長期休みの間に預かって家庭体験をさせてもらう「ホームステイ」にもニーズがあります。
ただ、預かり方について里親の希望と子どものニーズが合わず、委託先がなかなか見つからないとことも少なくありません。
社会福祉法人 小鳩会では、乳児院や児童養護施設も運営しており、0歳から18歳までの子どもたちが暮らしています。その中には、親との交流がない子もいます。
ホームステイ里親と繋がりが持てた子は、家庭体験をすることで社会に出た後の生活をイメージできたり、特定の大人が自分だけを見てくれる安心感を持つことができます。特別なことではなく…例えばゴロゴロしながらテレビを観る、一緒に買い物に行って食材を選ぶ、あてもなく散歩するなど、そういう何気ない日々が子どもにとって、とても大切な経験になります。
気にかけてくれる大人がいることは、子どもたちにとって心の支えになります。
里親制度について、ぜひ関心を持っていただきたいと思います。
里親支援センターでは、里親のなり手を探すだけではなく、里親や里親家庭で暮らす子どもが安心して生活できるようサポートをされていることがわかりました。
里親制度は、健やかな育ちの場を必要とする“子どものため”の大切な制度です。
様々な事情で親と離れて暮らしている子どもたちに、家庭のあたたかさを知ってもらうために、多くの方に里親制度について知っていただきたいです。
里親制度について、もっと知りたい方は「滋賀県里親制度」で検索してみてください。
心身ともに健やかに成長することは、子どもの大切な権利です。子どもたちをみんなで支えていくという意識を持つことが大切です。
ジンケンダーのちょっと一言
\子どもたちが幸せに暮らせる社会にしたいのだー!/
里親制度の普及・啓発のために、東大津高等学校吹奏楽部によるミニコンサートが開催されます。ぜひお立ち寄りください!
日時:11月1日(土)10:00~12:00※雨天中止
場所:草津エイスクエアアヤカ広場
不登校にまつわる悩みや迷いについて、一緒に考えてみませんか。子どもの不登校や、登校しぶりで悩んでいる方、不登校支援者や不登校経験者の話を聞いてみたい方は、ぜひご参加ください!
【第2回】
日時:11月23日(日)14:00~15:30
場所:キラリエ草津
【第3回】
日時:1月31日(土)14:00~15:30
場所:G-NETしが 県立男女共同参画センター
詳細は県ホームページをご覧ください。
県では、日々の暮らしの中で人権について考え、行動につながるきっかけとなるよう、エフエム滋賀(e-radio FM77.0)で人権啓発ラジオ番組を放送しています。※「style!」の番組内
【今月の放送予定】
毎週火曜日9時30分頃~(5分間)
10月 7日・・・・「国スポ・障スポ2」
10月14日・・・・「子どもの人権」
10月21日・・・・「吃音」
10月28日・・・・「感染症と人権」
番組には、エフエム滋賀のパーソナリティー林智美さんと、滋賀県人権啓発キャラクター「ジンケンダー」が出演しています。ちょっと難しい人権課題を、毎週わかりやすく解説しています。
放送から1週間以内であれば、「radiko」(アプリ)で聴くこともできます。ぜひお聴きください!
じんけん通信では、本年開催の「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ」に合わせて、「障スポ」で実施される競技種目を毎月紹介しています。
先月から国スポが始まり、今月下旬には、いよいよ障スポが始まります。
今回は、オープン競技の1つ、「ゴールボール」の概要について、ご紹介します。
◆ゴールボール
光が入らないゴーグルを着ければ、誰でもできる球技です。
鈴の入った重さ1.25キログラムのゴム製のボールを転がし、ゴールを奪い合います。
1チーム3名による対戦で行われます。
詳細は、大会公式ホームページをご覧ください♪
https://shiga-sports2025.jp/shospo
【開催期間】
わたSHIGA輝く国スポ
9月28日(日)~10月8日(水)
わたSHIGA輝く障スポ
10月25日(土)~10月27日(月)
●里親月間
里親とは、さまざまな事情で家族と暮らせない子どもたちを、自分の家庭に迎え入れ、温かい愛情と正しい理解を持って養育する方々です。より多くの方に里親制度を知っていただき、社会全体で支援する機運を高めるため、毎年10月を「里親月間」とし、全国各地で里親制度の説明会や里親による体験発表会など、さまざまな周知活動を行われます。
里親になるには特別な資格は必要ありません。あなたも子どもたちの未来のために、仲間に加わってみませんか。
●臓器移植普及推進月間
臓器移植とは、臓器の機能が低下し、移植でしか治らない人に、臓器を移植し、健康を回復しようとする医療で、広く社会の理解と支援があって成り立つ医療です。臓器提供に関する意思表示においては、「臓器を提供する」という意思、「臓器を提供しない」という意思、どちらの意思も尊重されます。
厚生労働省では、臓器移植医療に関する知識の普及と啓発を目的として、毎年10月を「臓器移植普及推進月間」と定め、様々な啓発活動が集中的に行われています。
●骨髄バンク推進月間
白血病など命の危険にかかわる血液疾患の患者さんは、骨髄移植および末梢血幹細胞移植により治ることが期待できます。これらの移植は、患者さんの血液と同じ血液のタイプ(白血球の型=HLA型)を持つ方が、骨髄液(骨の中心部にある血液で、慣例的に「骨髄」とも言います)などを提供してくださることにより行われます。一人でも多くの方に骨髄等提供希望者(ドナー)として登録していただくことで、多くの患者さんの命が救われます。骨髄などの提供について皆さんのご理解、ご協力をお願いします。
●高年齢者雇用支援月間
事業主のみならず、広く国民に対して高齢者の雇用問題についての理解と協力を要請するため、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構によって厚生労働省等と協力して、さまざまな啓発活動を展開されます。
●1日 法の日/1日~7日 「法の日」週間
「法の日」(毎年10月1日)は、法を尊重し、法によって基本的人権を擁護し、社会秩序を確立する精神の高揚を図ることを目的として昭和35年に制定されました。以来これに基づいて、10月1日からの1週間が「法の日」週間とされ、「法の日」の趣旨の徹底を図るため無料法律相談などの各種行事が実施されます。
●1日国際高齢者デー
昭和57年(1982年)の高齢者問題世界会議で採択され、同年に国連総会によって承認を得た「高齢化に関するウィーン国際行動計画」などを受け、平成2年(1990年)12月14日の国連総会で10月1日を「国際高齢者デー」とすることが採択されました。
●2日 国際非暴力デー
この日はインド独立運動の指導者であるマハトマ・ガンジーの誕生日に当たり、「非暴力の原則の普遍的意義」および「平和、寛容、理解および非暴力の文化を実現する」意思を再確認し、「教育や国民意識を高める運動を通して非暴力のメッセージを広める」ための機会とされています。
●10日 世界メンタルヘルスデー
平成4年(1992年)にNGO世界精神保健連盟(WFMH)が、メンタルヘルス問題に関する世間の意識を高め、偏見をなくし、正しい知識を普及することを目的として、この日を定めました。
●11日 国際ガールズデー
平成23年(2011年)12月の国連総会で定められました。世界の国々、とりわけ開発途上国では、女の子の多くが、経済的、文化的な理由により学校に通えず、10代前半での結婚を余儀なくされ、貧困の中で暮らしています。こうした状況の改善を目指し、さまざまなイベントが行われます。
●17日貧困撲滅のための国際デー
昭和62年(1987年)のこの日、10万人以上の人々が世界人権宣言の採択されたパリのトロカデロに集まり、「貧困は人権の侵害である」と声をあげたのが由来です。あらゆる国々において貧困撲滅の必要性を広く知ってもらうことを目的として定められました。