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じんけん通信

 人権施策推進課では、人権に関する特集記事「じんけん通信」を毎月、ホームページ上で発信しています。

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令和2年(2020年)4月(第144号)

 あなたは「デートDV」という言葉を聞いたことがありますか?

 デートDVとは、恋人間で生じる暴力のことです。

 平成29年度に実施された、20歳以上の男女を対象とした国の調査によると、女性の21.4%、男性の11.5%がデートDVの被害経験があると回答しています。

グラフ

 普段の何気ない行動も、もしかすると相手を傷つけてしまっているかもしれません。自分のことも相手のことも大切にした素敵な恋愛をするために、まずはデートDVとはどのようなものなのかを知ることが大切です。

 そこで今回は、四天王寺大学人文社会学部 准教授 上野淳子さんより大学生向けに講義いただいた内容をご紹介します。この記事を通して、恋人だけでなく、上司や友達、家族など周りの人との関わり方も振り返り、自分も相手も尊重することの大切さについて、考えていただければと思います(※)。

() 2月18日に滋賀県立大学において開催した「若年層向け人権啓発講義」の講演内容を基に記事を作成しています。

特集 恋愛と暴力の境界は?―デートDVを知ろう―

デートDVって何?

恋人間に生じる暴力のこと。夫婦間の暴力(DV)に比べ認識されにくい。

 デートDVとは、恋人同士の間に生じる暴力(英語ではdating violence)のことです。

 恋人のいる人ならば、未成年でも被害者や加害者になる可能性があります。交際経験のある10代のうち、女性では43.8%(約2人に1人)、男性では26.7%(約4人に1人)がデートDVの被害を受けたことがあるとの調査結果(※)もあり、その数は決して少なくありません。

 また、公的な関係である夫婦とは違い、恋人関係であることはあまり周りが知らないこともあるため、暴力が起きても認識されにくいという特徴があります。

 デートDVは大きく分けて4種類あります。

 (1)身体的暴力:殴る、蹴る、腕などを強くつかむ、物を投げる など

 (2)精神的暴力:死ぬと脅す、行動を監視する、馬鹿にする など

 (3)性的暴力:性交渉を無理強いする、いやらしい動画などを見せる など

 (4)経済的暴力:お金を返さない、おごらせる、アルバイトをさせない など

 暴力と聞くと、身体的暴力を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、とても分かりにくく巧妙に相手を追い詰めていく精神的暴力もあります。人によっては「それって暴力なの?」と思ってしまう行為もあるかもしれません。どうやって暴力を見分ければ良いのでしょうか。

(※)認定NPO法人エンパワメントかながわ 2017「デートDV白書VOL.5全国デートDV実態調査報告書」より

デートDVの見分け方と考える際の注意点

ふたりの間に支配関係を生みだす行為が暴力です。

 次の3つの行為について、あなたは暴力だと思いますか?暴力ではないと思いますか?

○ 服装を指定する

○ 他の人と遊びに行くのを止める

○ キスさせてくれないから怒る
 

 その行為をされたせいで、恋人の前でのびのびできない、びくびくしてしまう、自信や希望が持てない、暗く苦しい気持ちになる、というように恋人に支配されてしまう関係が築かれれば、それは暴力です。ですから、暴力かどうかは、その行為をされた側の気持ちに注目して判断する必要があります。「つきあっていれば当たり前では?」「些細でよくあることでは?」と思われる行為でも、重大な暴力になる場合があるのです。

これって当たり前?
↑クリックすると内閣府男女共同参画局のHPが開きます。

 また、暴力を受けるのは女性というイメージを持つ方も多いかと思いますが、男性被害者もいます。むしろ、デートDVの身体的暴力と精神的暴力の被害は女性よりも男性の方が多く受けているという研究結果も出ています。

 しかし、男性の被害は軽視される傾向があります。体格差や「男=強い、女=弱い」といったイメージなどから、男性が暴力を受けてもかわいそうではないという雰囲気があるのかもしれません。男性自身、男である自分が暴力を受けているとは認めにくく、周囲に相談したり助けを求めたりもしにくいようです。

被害者にも加害者にもならないために

自己肯定感を高める。恋愛観や行動を意識して変えてみる。

 被害者になりやすいのは自分に自信のない人ですが、加害者になりやすいのも自分に自信のない人です。

 つまり、被害者にも加害者にもならないためには、自己肯定感を高めることが大切なのです。

 恋愛観や相手に対する行動を普段から意識して変えてみるという方法もあります。

講義

 恋愛をすると、「女だからおしゃれしないと」「男だからおごらないと」というように、「女らしさ・男らしさ」や「男の役割・女の役割」をつい意識してしまいがちです。しかし、「女らしさ・男らしさ」や「男の役割・女の役割」にこだわる人ほど、デートDVの被害者・加害者になりやすくなっています。

 また、付き合っているからといって相手になんでも要求するのではなく、「相手の自由を尊重できることが愛の証」という気持ちで相手に接してみませんか?もちろん、相手からの要求に何でも従う必要もありません。

 性別よりも、自分らしさ、その人らしさを尊重し、お互いの自由を認めれば、のびのびとした気持ちで付き合えますね。

 嫌だと感じた時や怒った時に我慢するのもよくありません。暴力的、支配的にならない伝え方や怒り方があります。上手に自己表現する方法を知り、普段から使ってみましょう。

 例えば、嫌なことを断りたい時には、相手の気持ちに配慮しながら、自分を主語にして、自分の気持ちを素直に伝えて断りましょう。本当は嫌だけど受け入れてしまったり、言葉にせず察してもらおうとしたりすると、あとでもやもやしてしまいます。相手を主語にすると相手を責める内容になってしまいますし、大きな声で怒鳴るなど暴力的な方法を使う必要はありません。こういった上手な自己表現は「アサーション」と言います。

 しかし、このような方法でも解決できない場合もあります。困ったときは一人で悩まずに相談してください。また、先に書いたとおり、どんな行為も暴力になる可能性があります。もし相談を受けた際には、「そんなことで…」などと思うのではなく、しっかりとその人の問題に寄り添ってあげることが大切です。

<相談窓口>

 滋賀県立男女共同参画センター(G-NETしが)

 電話:0748-37-8739

 受付時間:火・水・金・土・日曜日 9:00~12:00、13:00~17:00

 木曜日 9:00~12:00、17:00~20:30

※ 他にも、県内にはさまざまな相談機関があります。詳しくは、県のホームページをご覧ください。

● デートDVに関する情報として、以下も参考にご覧ください。

 ・デートDV防止啓発冊子「あなたの恋愛充実度は何パーセント?」(滋賀県女性活躍推進課作成)

冊子「あなたの恋愛充実度は何パーセント?」

人権カレンダー4月

・AV出演強要・「JKビジネス」等被害防止月間

いわゆるアダルトビデオ出演強要問題や「JKビジネス」問題等は、「女性に対する暴力」に当たる重大な人権侵害であり、新たな被害者を生まない、万一被害に遭った方を支援するため平成29年(2017年)から始まりました。

内閣府「いわゆるアダルトビデオ出演強要問題・「JKビジネス」問題等に関する啓発サイト」

・2 日 世界自閉症啓発デー /2 日~8 日 発達障害啓発週間

平成19年(2007年)12月の国連総会で定められ、世界各地で自閉症に関する啓発の取組が行われています。日本でも、世界自閉症啓発デー日本実行委員会が組織され、自閉症をはじめとする発達障害について社会全体の理解が進むよう広く啓発する活動が展開されます。

世界自閉症啓発デー 日本実行委員会公式サイト(外部サイトへリンク)

・7 日 世界保健デー

昭和23年(1948年)4月7日、「すべての人々が可能な最高の健康水準に到達すること」を目的として、世界保健機関(WHO)が設立されました。これを記念して、WHOでは毎年4月7日を「世界保健デー」と定めています。この日を中心に、世界各国で健康的な生活について考えてもらうためのさまざまなイベントが開催されます。

・10 日 法テラスの日

法テラス(正式名称:日本司法支援センター)は、国民の皆さんが、どこでも法的なトラブルの解決に必要な情報やサービスの提供を受けられるよう、平成18年に、総合法律支援法に基づき設立された公的な法人です。その設立日である4月10日を「法テラスの日」とし、毎年その前後の日に全国各地で無料法律相談会や街頭啓発活動など様々なイベントが行われます。

・22 日 「児童の権利に関する条約」 批准

日本は、平成6年(1994年)のこの日に批准しました。子どもの生きる権利、守られる権利、育つ権利、参加する権利を柱とする条約で、平成元年(1989年)の国連総会で採択、令和元年(2019年)8月現在、196か国・地域が締結(批准)しています。

・28 日 職場での安全と健康のための世界デー(労働安全衛生世界デー)

この日は、職場での安全・健康文化の創造と推進について世界の人々の関心を集めるとともに、仕事に関連する死亡者数の削減を図ることを目指して、平成25年(2013年)から毎年実施されています。

ジンケンダーのちょっと一言

ジンケンダー
白



誰に対してもお互いを尊重することを大切にして

みんなが自分らしくいきいきと暮らせる社会にしたいのだー!

お問い合わせ
滋賀県総合企画部人権施策推進課
電話番号:077-528-3533
FAX番号:077-528-4852
メールアドレス:cf00@pref.shiga.lg.jp
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