消化器センター

消化器センター

センターの概要

消化器領域のがんを中心とした診断・治療をチームで行います。消化器の臓器とは食道、胃、大腸、小腸、肝臓、胆嚢、胆管、膵臓などです。
その目的は

  1. 診断・治療・フォローアップまで垣根のない継続性のある医療のために外科・消化器内科で情報を共有するチーム医療の推進。
  2. 若手医師の教育体制の充実。

であります。

初診時に外科、消化器内科どちらを受診しても均一な標準的な治療の実践が可能になります。また、治療の経過においても緊密に連携をとり、各専門領域の英知を集め、最善の医療を常に模索していきます。

例を挙げると早期の胃がんにて外科に手術目的で紹介を受けた方が、内視鏡治療が適切と判断され、消化器内科で内視鏡治療を行う例もあります。しかしながら、今後もより明確に関係部署との連携を強め現在よりも更に高いレベルでの医療を目指して行くために外科・消化器内科を中心に「消化器センター」としてまとまることに致しました。

毎週月曜日17時より消化器センター合同カンファレンスで手術症例を中心に症例を検討し、診療レベルの維持向上を目指しております。

消化器内科の役割

消化器内科の役割

消化器内科は食道・胃・大腸の早期がんの診断治療、胆道・膵疾患の内視鏡治療、消化器がんの化学療法、肝疾患全般に加えて胃潰瘍。胆石などの良性疾患も踏まえた幅広い領域を担当する診療科です。

なかでも内視鏡検査・治療は中心となる診療手技です。上部内視鏡4643件、大腸内視鏡3126件と多くの検査と大腸ESD 32件、食道・胃ESD 79件と多くの早期がんの治療を行っています。

今回は2016年11月に開設した新しい内視鏡室についてご案内させていただきたいと思います。新内視鏡室は検査室4室+専用内視鏡透視1室+カプセル内視鏡読影室+リカバリー室+大腸内視鏡前処置室からなります。以前は内視鏡検査室3室+リカバリー室+大腸前処置控室に少し離れた場所に各科兼用の透視室がありました。検査室数が少し増えただけであまり変わり映えがしないように思う方もいらっしゃるかと思いますが、新しい内視鏡室では大きな変化が3点あります。

変化1

複雑で専門的な治療に用いる内視鏡透視室が内視鏡室内にあることにより、検査枠の自由度が高まり、迅速な治療が可能になりました。また複雑な処置具、内視鏡機器などが集約化されたことにより機器管理がより確実になりました。それに伴い、スタッフの知識向上にもつながり、専門治療に携われる医療スタッフが増えつつあるうれしい効果がありました。

変化2

以前の手狭な内視鏡室は、トイレの数が足りず、非常にご迷惑をおかけしておりました。異常があり検査を早く受けたいとの要望に応えるために検査数を増やす必要もあり、頭を悩ませておりました。今回の新しい内視鏡室では、下剤での前処置用のトイレも増え、今までのご不便も少しは改善されたと思います。また、検査室の前処置室とも分かれたことにより、いっそうプライバシーにも配慮できるようになったかと思います。

変化3

新しい内視鏡室は医療スタッフの動線に配慮し、コンパクトで機能的な構造になっています。また、建物、機器が新しいだけではなく、それを使いこなす医師、看護師、メディカルスタッフも日々ブラッシュアップをしていけるよう研鑽を積んでいます。

外科の役割

外科の役割

消化器センターではあらゆる消化器、つまり食道、胃、小腸、大腸、直腸といった消化管と肝臓、膵臓、胆管、胆嚢などの臓器の疾病を扱っています。これらの疾病の治療としては薬物治療、手術治療、放射線治療などさまざまな治療法があり多くの職種のスタッフがかかわっていますが、その中で手術治療を担っているのが消化器外科です。当科ではヘルニア手術など消化器疾患以外の手術も行っていますので院内での標榜は単に「外科」となっていますが、消化器外科とほぼ同じと考えてもらってよいかと思います。

特色ある治療法など

上に述べましたように消化器センターではあらゆる消化器疾患を扱っており、外科においても臓器移植以外のあらゆる消化器外科手術に対応しております。そのなかで、外科の特色をいくつかご紹介します。

内視鏡手術

内視鏡手術は腹部の場合は腹腔鏡手術、胸部の場合は胸腔鏡手術と呼ばれているものです。
最近では認知度も高まりご存知の方も多いと思いますが、腹部や胸部を大きく切開せず体内に細いカメラを入れて鉗子を用いて体外から手術を行う方法です。腹部の場合は腹腔内に二酸化炭素を注入してスペースを作ります。滋賀県立総合病院では滋賀県下では他院に先駆けて2006年より早期胃癌、大腸直腸癌に対する標準的治療としての腹腔鏡下手術を開始しました。胃癌に関しては病期1および2の一部の症例を腹腔鏡下手術の適応としており現在まで約400例の経験があります。近年では胃癌手術の約3分の1が腹腔鏡手術で行われています。また、大腸直腸癌では開腹手術既往例や他臓器浸潤例以外は原則として腹腔鏡下手術を行っており、総症例数は約800例で、現在では大腸直腸癌手術の約3分の2が腹腔鏡下に行われています。胃癌、大腸直腸癌以外の疾病においても当科では食道、肝臓、膵臓、脾臓などの手術において内視鏡手術を行っております。内視鏡手術は傷が小さく低侵襲で体にやさしいというのが売りになっていますが、実はもっと重要な長所があります。

それは内視鏡手術では体の奥まで細いカメラを入れますので、従来は見えなかったような深部までまるで虫眼鏡で見るように拡大され細い血管や神経まで鮮明に見えるようになったということです。そのため特に従来開腹手術では見えにくかった下部直腸癌の手術に最も威力を発揮し、今までは肛門を摘出して人工肛門をつくらざるをえなかったような肛門に近い下部直腸癌でも根治性を損なわずに人工肛門を造ることなく括約筋を温存する正確な手術が可能となっています。これは括約筋間直腸切除術(ISR)とよばれる術式で当科では15例の経験があり良好な成績をおさめています。

直腸切除術

転移性肝癌の治療

消化器癌、とくに胃や大腸癌はしばしば肝臓に転移することがあります。癌が肝臓に転移したといえば従来はすでに治癒不能の状態と考えられておりました。しかし近年手術技術の向上と有効な新薬の開発により転移性肝癌の治療成績は画期的に向上しています。その中でも特に大腸直腸癌の肝転移は最近数年の間に次々と出現した新規抗癌剤と先進的な技術を駆使した外科手術との組み合わせで約10年前には考えられなかったほど予後が改善しています。2006年以後の当科での大腸癌肝転移切除全症例150例の3年生存率は約60%となっていますが、その中には初診時手術不能と判断され抗癌剤投与にて治癒切除可能となった症例もふくまれています。また大腸癌と比べて予後が不良と考えられている胃癌の肝転移についても当科では積極的に切除手術を行っており、2006年以降胃癌肝転移25例に肝切除手術を行い8例がすでに5年を越えて無再発生存中です。

化学療法著効により治癒切除できた肝転移症例

進行癌の集学的治療

血管再建手術

消化器に発生する進行癌は今のところ概ねは外科的切除以外に根治法はありませんが、これらは血管が錯綜した部位に発生したり、周囲臓器に進展するなど切除が困難な症例も少なくありません。また幸い治癒切除しえた症例でも再発率は高いのが現状です。このように現在においても治療が困難な消化器進行癌の治療のため、当科では外科切除を行う上においても他科との緊密な協力による治療を行っています。
内科による薬物治療や内視鏡治療はもとより、放射線治療科による手術前後の放射線照射や、血管外科、形成外科の協力による血管再建手術、また上部食道手術においては耳鼻科との協力も欠かせません。このような多診療科の協力による治療を集学的治療とよんでいますが、消化器センターはまさに集学的治療のセンターの役割を担っています。

連携する診療科

施設認定

日本外科学会外科専門医制度修練施設

日本消化器外科学会専門医修練施設

日本消化器病学会専門医制度審議委員会認定施設

日本消化器内視鏡学会専門医制度指導施設

日本胆道学会認定指導医制度指導施設

日本肝胆膵外科学会肝胆膵外科高度技能専門医修練施設A

日本食道学会食道外科専門医準認定施設

受診ご希望の方は、かかりつけ医に相談するか、初診受付にお越しください。