血管造影(アンギオ)

当院には血管造影検査室が3室ありますが、循環器(心臓血管)系の検査・治療にあてているのが特長で、県内有数の規模を誇っています。

アンギオ

血管造影検査とは…?

通常のX線撮影では、血管は写りません。血管造影検査では、カテーテルと呼ばれる細い管を検査目的の血管まで挿入し、造影剤という薬を注入することで血管の形状や血流の状態を確認します。さらに現在ではこの検査手技を利用して、心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患や、全身における血管性病変および腫瘤性病変の治療を行うことが可能です。

当院の血管造影装置の特徴

現在、血管造影検査用の装置では、2000年頃から実用化が始まったFPD(フラットパネルディテクター)と呼ばれるX線撮影用パネル(フィルムの代わりをします)を使うものが主流です。FPDは、それまでの装置に比べ小型軽量・高画質で、しかも患者さんの被ばく線量が少なく優れた装置です。

1. Infinix Celeve INFX8000V Biplane[循環器用]

当院では主に循環器用の不整脈治療および冠状動脈の撮影、治療にINFX8000V Biplaneを使用しています。放射線を扱う上で被ばくの問題を避ける事はできませんが、この装置では患者さんの皮膚のどの場所にどの程度の被ばくが生じているかを検査、治療中に把握することができ、放射線被ばくの低減に役立てています。

INFX8000V画像

2. AXIOM Artis dBA Twin [頭部・腹部用]

当院では主に頭部、腹部の撮影、治療にAXIOM Artis dBA Twinを使用しています。

この装置は正面、側面の大型の撮影パネル(FPD)を備えており、広範囲の撮影が可能です。

また、血管の立体画像を簡単に作成できるという利点を持つため、複雑な血管の走行を容易に把握することが可能であり、治療方針の決定に役立てることができます。

主な検査法

1. 脳血管造影検査

カテーテルを首の動脈まで挿入し、造影剤を注入して脳血管の形態や走行を調べる検査です。脳血管の走行の異常や動脈瘤や血管の狭窄、頭部の腫瘤の位置、形状などの診断ができます。また動脈瘤内に金属を挿入し、動脈瘤の破裂を防止したり血栓を薬で溶かすといった治療も行っています。

2. 心大血管造影検査

心臓の栄養血管である冠状動脈や心室に造影剤を注入して、冠状動脈の走行や心臓の形態、動きの異常を調べたり、心臓・大血管内の血圧及び血流の測定を行う検査です。心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患の診断や治療、弁膜症や心筋症などの診断、不整脈の治療ができます。

3. 腹部血管造影検査

肝臓など腹部臓器の動脈に造影剤を注入し、腹部血管の形態を調べる検査です。また、薬を注入して治療することもあります。

実績

平成28年度に血管内治療室がB棟3階に移設され、同時に循環器用血管撮影装置が更新されました。この装置はデジタル画像処理により低被ばくで高画質な透視画像が得られる他、患者様の仮想モデルにカラーマッピングすることで皮膚面の最大被ばく線量・被ばく部位を可視化するシステムを備えています。また新たにハイブリット手術室も設置され、循環器科と心臓血管外科による大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術や、放射線診断科と外科による肝腫瘍に対する開腹下門脈塞栓術、脳神経外科による脊髄損傷に対する硬膜外電極埋め込み術などを行っています。

循環器科の検査・治療が全体として減少していますが、その理由は、薬剤溶出型ステント留置により再狭窄が少なくなったことと、併せて術後の経過観察検査の間隔が長くなったためと考えられます。総件数的には昨年度と比較して大きく変化はありませんが、不整脈の治療(アブレーションなど)のカテーテル治療は増加しています。また2012年度から今まで手術室で行っていたペースメーカーの埋込(交換)を血管内治療室で行うようになりました。

放射線科の腹部治療(TACE)は、以前は手術可能症例でも治療を行っていましたが手術可能症例のみ行うようになった為、件数が減っています。

脳神経外科では診断に加えて、急性期の頭頚部血管の治療(脳動脈瘤のコイル塞栓術や血栓吸引術)も年々増加してきています。

循環器内科治療件数

循環器内科治療件数

多目的血管撮影室治療件数

多目的血管撮影室検査件数

各種検査