琵琶湖は400万年の歴史を有する世界でも有数の古い湖です。その悠久の歴史が琵琶湖に50種類を超える固有種を含む1,000種類以上の多様な動植物を育んできました。
このような多様で豊かな恵みのもと、琵琶湖ではニゴロブナ、ビワマス、セタシジミなど琵琶湖固有種を主な漁獲対象として、琵琶湖漁業は発展し、これらの湖魚を利用した独自の食文化が育まれてきました。とくに平成10年には、湖魚のなれずし、湖魚のつくだ煮、アメノイオご飯は滋賀の無形民俗文化財に選択されています。
琵琶湖でとれるアユは、あまり大きくならないため、コアユと呼ばれています。コアユの用途は、鮮魚として流通するもの以外に、河川放流用や養殖用種苗に用いられるものがありますが、通常、エリ漁やアユ沖すくい網漁業が最盛期を迎える初夏には小売店の店頭で見かけることが多くなってきます。
コアユは骨が柔らかいので、佃煮や天ぷら、南蛮漬けにすれば、小さなお子さんでも丸ごと食べられ、手軽にミネラルがたっぷり取り入れられます。皆さんも下記を参考にコアユ料理にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
コアユ天ぷら (PDF:22 KB)
コアユつくだ煮 (PDF:18 KB)
コアユ南蛮漬け (PDF:133 KB)
コアユのトマト煮 (PDF:19 KB)
コアユのフリッター (PDF:18 KB)
コアユのマリネー (PDF:22 KB)
コアユの漁師の浜煮 (PDF:23 KB)
コアユの梅酒煮 (PDF:21 KB)
コアユの梅干煮 (PDF:12 KB)
コアユの甘露煮 (PDF:12 KB)
コアユのみそ煮 (PDF:19 KB)
ヒウオの釜揚げ (PDF:320 KB)
ヒウオのかき揚げ (PDF:267 KB)
ヒウオのオリーブオイル煮 (PDF:316 KB)
アユの背越し (PDF:12 KB)
子持ちアユの煮びたし (PDF:13 KB)
ビワマスは、大きいものでは60センチメートルにも達するサクラマスやサツキマスに近縁のサケの仲間に属する魚で、琵琶湖にしか生息しない琵琶湖固有種です。
琵琶湖周辺の河川で冬にふ化した稚魚は、初夏の頃に琵琶湖に降り、2.5年~3.5年を琵琶湖で成長し、秋に生まれた河川に遡上して卵を産んで一生を終えるという、まさに琵琶湖を海に見立てて、生活するビワサーモンとも言える魚です。
ビワマスは、刺身にすると鮮やかなサーモンピンクの身にトロにも負けない上質な脂がのって口の中でとろける味わいが楽しめます。また味に癖がないので、塩焼き、煮付け、ムニエル、炊き込みご飯にしても絶品です。
入手は不安定で県内でも南部の川魚専門店では見かけることは難しいですが、初夏には湖北や湖西にある川魚専門店では、入手可能ですので、是非、ビワサーモンの味をご賞味ください。
ビワマス刺身 (PDF:321 KB)
ビワマス塩焼き (PDF:36 KB)
あら味噌汁 (PDF:341 KB)
中落ち味噌たたき (PDF:367 KB)
アメノイオご飯 (PDF:22 KB)
炊き込みご飯 (PDF:265 KB)
ビワマスの押しずし (PDF:19 KB)
セタシジミは、琵琶湖固有の純淡水産のしじみです。全国的に多く流通するヤマトシジミに比較して、殻のふくらみが強く、肉厚なのが特徴です。とくに砂地にすむものは、貝殻の色のバリエーションも豊かで美しい光沢をもっています。
ヤマトシジミが「土用シジミ」と呼ばれるように夏期にかけて旬を迎えるのに対し、セタシジミは冬がもっとも美味しくなり、「寒シジミ」と呼ばれます。
お味噌汁にして食べるのが一般的ですが、すまし汁、またはご飯に炊き込んだしじみご飯にしても美味しくいただけます。大津市周辺にある縄文時代の貝塚からは、セタシジミも多く出土しており、当時の人々にも好んで食べられていたことがうかがえます。
セタシジミ味噌汁 (PDF:318 KB)
セタシジミ味噌汁(から煎り法) (PDF:317 KB)
セタシジミご飯 (PDF:19 KB)
セタシジミしぐれ煮 (PDF:18 KB)
セタシジミとネギのぬた (PDF:11 KB)
セタシジミのしょうゆびたし (PDF:363 KB)
ホンモロコは、コイ科に属し、全長は10センチメートル程になる琵琶湖固有種です。春の産卵期には群れをなして接岸することから、かつてはホンモロコをねらった釣り人の竿が湖岸に並ぶ風景は、琵琶湖の春の風物詩となっていました。しかし近年は、漁獲が減少し、湖岸に竿が居並ぶ風景も失われてしまいました。
淡泊な味で骨も柔らかいため、つくだ煮や天ぷら、南蛮漬けなど幅広い料理法で楽しんでいただけますが、旬である冬期に漁獲されたものは、炭火の焼きたてをしょうが醤油にジュッと浸して食べる素焼きに並ぶものありません。
ホンモロコ素焼き (PDF:29 KB)
ホンモロコつくだ煮 (PDF:12 KB)
焼きホンモロコの昆布巻き (PDF:12 KB)
焼きホンモロコのドロ酢がけ (PDF:320 KB)
ホンモロコの天ぷら (PDF:13 KB)
ホンモロコの南蛮漬け (PDF:12 KB)
スジエビは、釣り人にはシラサエビと呼ばれ、琵琶湖だけでなく全国の川や湖で普通に見られる小さな淡水エビです。
琵琶湖では春から秋にかけて浅場の水草帯などに生息している時期は、エビタツベというカゴ漁具で、冬は深場へ移動するため、沖曳網という小型の底曳網で漁獲します。
滋賀県ではスジエビと大豆を合わせて炊くえび豆は、腰が曲がるまでマメに暮らせますようにとの願いを込め、ハレの日に作られる湖国の郷土料理です。
スジエビかき揚げ1 (PDF:12 KB)
スジエビかき揚げ2 (PDF:20 KB)
エビ豆 (PDF:251 KB)
北陸地方でシロウオをイサザとよぶこともありますが、標準和名のイサザは、ハゼ科に属する琵琶湖固有種のことを指します。
普段は琵琶湖の沖合にすんでいますが、桜の咲くころ、群れをなして琵琶湖北部の大きめの石がゴロゴロしている湖岸に産卵のため来遊し、石の裏に卵を産みつけ、オスが卵をふ化まで世話します。
つくだ煮やいさざ豆として食べられますが、滋賀県で「じゅんじゅん」と呼ばれるすき焼きにも用いられます。
イサザつくだ煮 (PDF:19 KB)
イサザ豆 (PDF:18 KB)
イサザのじゅんじゅん (PDF:12 KB)
琵琶湖にすむフナの仲間には、琵琶湖特産のふなずしの原料として有名なニゴロブナ、釣り対象魚として人気があるヘラブナの原種として知られるゲンゴロウブナ、漁師さんたちがヒワラと呼ぶギンブナの3種類がいます。
ふなずしの材料にはお腹にいっぱい卵が詰まった時期に漁獲されたニゴロブナが最も適します。「寒ブナ」と称される寒の内に漁獲されたものは、身もしまり料理すると美味しくいただけます。
フナ味噌 (PDF:229 KB)
フナ汁 (PDF:293 KB)
フナの子まぶし (PDF:22 KB)
近年、学校給食においては地域の食文化や産業に関心を持たせ、食べ物や生産者に感謝の気持ちを醸成する教育的効果をねらいとした地場産物活用の取り組みが盛んになってきています。琵琶湖の恵みを食べることは、琵琶湖を知ることにつながり、ひいては琵琶湖について考えてもらうきっかけにもなります。
ここでは学校給食で人気の湖魚料理メニューをご紹介します。
タテボシのしぐれ煮 (PDF:69 KB)
揚げエビ豆 (PDF:200 KB)
イサザのくるみ和え (PDF:231 KB)
琵琶湖の幸スパゲッティ (PDF:176 KB)