家畜の飼養にあたっては、守るべき法令がいくつもあります。また、周辺地域への家畜の鳴き声や臭気・害虫などの環境対策にも気を配る必要があります。
関連する主な法律について、よくご理解いただいたうえで適切に飼養してください。
新たに家畜の飼養を始めようとされる場合は、まず県畜産課または県家畜保健衛生所、県農業農村振興事務所、市役所または町役場の畜産担当課までご連絡ください 。
○牛、水牛、鹿、めん羊、山羊
〇豚、いのしし
○馬
〇鶏、あひる(マガモ、ガチョウ、アイガモ、フランスガモを含む)、うずら(ヨーロッパウズラを含む)、きじ(ヤマドリを含む)、だちょう(エミューを含む)、ほろほろ鳥、七面鳥
〇蜜蜂(みつばち)
愛玩用として飼養する場合でも、1頭1羽から法令が適用されますのでご注意ください。
家畜の飼養状況や衛生管理状況等について、毎年1回(2月1日時点 )、知事(家畜保健衛生所 )への報告が義務づけられています。(家畜伝染病予防法第12条の4)
※新たに飼養を始める場合には、随時報告をお願いします。
※定期報告の様式は、県家畜保健衛生所HPからダウンロードください。
ア.報告対象家畜:家畜伝染病予防法における上記の家畜のうち、みつばちを除く15種類の家畜を1頭(1羽)以上飼育するもの。
(1)小規模所有者(管理者)
○ 牛・水牛・馬:1頭
○ 鹿・めん羊・山羊・豚・イノシシ:6頭未満
○ 鶏・あひる・うずら・きじ・ほろほろ鳥・七面鳥:100羽未満
○ だちょう:10羽未満
(2)中大規模所有者(管理者)
○ 牛・水牛・馬:2頭以上
○ 鹿・めん羊・山羊・豚・イノシシ:6頭以上
○ 鶏・あひる・うずら・きじ・ほろほろ鳥・七面鳥:100羽以上
○ だちょう:10羽以上
イ.報告内容:飼養規模に応じて、報告内容は異なりますので、上記の県家畜保健衛生所HPでご確認ください。
※また、県では毎年1回(7月1日時点 )で家畜排せつ物、飼料、環境対策などについての調査を実施していますので協力をお願いします。
【対象】牛2頭以上、豚6頭以上、鶏100羽以上を飼養する農家
監視伝染病の発生を予防・予察するため、家畜の飼養者は、発生の状況等を把握するための検査を受検する必要があります 。(家畜伝染病予防法第5条)
※家畜伝染病予防法や国内での家畜の伝染性疾病の発生状況等については「家畜の病気を防ぐために」(農林水産省HP)を参照ください。
対象疾病や検査の実施については、家畜保健衛生所から連絡がありますが、次の検査対象に該当する場合には、速やかに臨床獣医師および家畜保健衛生所まで連絡をお願いします。
畜種 | 疾病名 | 検査対象 |
---|---|---|
牛 | 牛海綿状脳症(BSE) | BSEを疑う症状を呈したもの等 |
めん羊、山羊 | 伝達性海綿状脳症(TSE) | 月齢(推定月齢)18月以上で死亡したもの |
家畜の伝染性疾病の発生を予防するため、家畜の所有者が守らなければならない飼養に係る衛生管理の基準が定められています 。(家畜伝染病予防法第12条の3)
愛玩用として1頭1羽からの飼養でも遵守する必要があります。
※詳細は「飼養衛生管理基準について」(農林水産省HP)を参照ください。
ア.飼養衛生管理者の選任
家畜の所有者は、家畜の飼養にかかる衛生管理を適正に行うため、飼養衛生管理者を選任しなくてはいけません。(家畜伝染病予防法第12条の3の2)
イ.飼養衛生管理基準の自己点検
家きんまたは豚等の飼養衛生管理者は、飼養衛生管理基準の遵守状況の点検を実施し、家畜保健衛生所に報告しなければなりません。
実施時期になりましたら家畜保健衛生所からお知らせしますので、それに従ってご報告ください。
口蹄疫や豚熱(CSF)、高(低)病原性鳥インフルエンザ等の家畜伝染病が発生した場合、迅速に終息させるため飼養家畜を殺処分し、埋却等の処理が必要となります。
飼養衛生管理基準において、埋却地の確保等は家畜の所有者があらかじめ準備するべきことが規定されています 。
※必要な面積については、事前に県家畜保健衛生所にご相談ください。
家畜伝染病ごとに定められる症状(特定症状)を呈していることを発見したときは、直ちに家畜保健衛生所に通報する義務があります。(家畜伝染病予防法第13条の2)
産業動物の適切な飼養等について、動物の愛護及び管理に関する法律により、「産業動物の飼養及び保管に関する基準」を守るよう定められています。
適切な給餌・給水、必要な健康の管理、動物の種類や習性に応じた飼養・保管を行うための環境確保に努めてください。
(1)牛、馬、豚、めん羊、山羊の死体(愛玩用として飼養されているものを含む)
許可を受けた施設(死亡獣畜取扱場)以外で処理(解体、埋却、焼却等)することは禁止されています。
(2)上記以外(鶏など)の畜産農業から排出された家畜の死体
産業廃棄物として適切に処理しなくてはいけません。自己所有地内であっても、埋却、野外焼却の行為は違法です。
(3)上記以外(鶏など)の家庭から排出された家畜の死体
必要に応じて各自治体に確認するなど、適切に対応ください。
一定頭羽数以上(牛10頭、馬10頭、豚100頭、鶏2,000羽以上 )を飼養する家畜の飼養者は、堆肥舎等の施設の構造設備や管理の方法に関する基準(管理基準)に従い、家畜排せつ物を適切に管理しなければなりません。
なお、家畜の飼養頭羽数が一定未満で、管理基準の適用を受けない小規模な家畜飼養者も、その家畜排せつ物について適正な管理を行ってください 。
※詳細は、「家畜排せつ物法とは」「畜産環境Q&A」(農林水産省HP)を参照ください。
家畜を飼養するうえで届出等の必要はありませんが、家畜や家畜排せつ物が原因となって発生する臭気(悪臭)についての行政指導の根拠法です。
県知事が指定する区域内で次に該当する家畜を一定数以上飼養又は収容しようとする場合は、知事(保健所長)等の許可を受けなければなりません 。
・牛、馬、豚: 1頭以上
・めん羊、やぎ: 4頭以上
・鶏(30日齢以上):100羽以上
・あひる(30日齢以上): 50羽以上
※マイクロブタを室内飼養するなど、環境衛生上の問題とならない場合は許可不要です。
畜舎や堆肥舎等を建てる土地が農地の場合 、農地転用の許可(農業委員会を経由して知事の許可 )が必要となります 。
次に該当する場合は水質汚濁防止法に基づく特定施設の届出が必要となります 。
・豚房施設(総面積50平方メートル 以上 )
・牛房施設(総面積200平方メートル 以上 )
・馬房施設(総面積500平方メートル 以上 )
※畜房の総面積とは、畜舎のなかの個々の畜房の合計面積をいい、一の事業場内に複数の畜舎がある場合は、これらの畜舎の畜房の総面積を合計したものが畜房の総面積となります 。
次に該当する場合は、滋賀県条例に基づく届出が必要となります。
<新設または既設の特定事業場に係る上のせ排水基準>
畜産農業またはサービス業に係る豚房、牛房、馬房
1日の平均的な排出水の総量:10立方メートル以上
一定の規模 (3,000平方メートル)以上の土地の形質変更を行う場合は、届出が必要となります。
法令名等 | 概要 | 担当課 |
---|---|---|
国土利用計画法 | 土地売買等の契約を締結した際に届出が必要 | 県民活動生活課 |
滋賀県土地利用に関する指導要綱 | 開発予定面積が1ha以上となる場合、開発事業を行おうとする前に届出が必要 県民活動生活課に本届出を行った後、土地利用関係諸法令を管轄する関係各課に意見照会が行われる | 県民活動生活課 |
滋賀県環境影響評価条例 | 事業面積20ha以上の場合、環境アセスメントを行う必要がある ただし、森林地域15ha以上、自然公園の区域1ha以上が含まれる場合は対象となる | 環境政策課 |
自然公園法・滋賀県立自然公園条例 | 自然公園区域を開発するには開発許可が必要 許可申請を行うにあたり環境調査は必要となる(概ね1年程度かかる) | 自然環境保全課 |
滋賀県自然環境保全条例 | 1ha以上の土地の形質の変更を伴う開発の場合、自然環境保全協定を締結する必要がある 協定を締結するにあたり、自然環境調査が必要(概ね1年程度係る)(自然公園区域は除外される) | 自然環境保全課 |
森林法 | 地域森林計画上の森林を1haを越えて開発する場合、開発許可が必要 | 森林保全課 |
農業振興地域の整備に関する法律 | 農用地を開発する場合、市への農業振興地域整備計画の変更申請(農用地区域の用途変更)が必要となる。1ha以上の場合は、県との協議が必要 | 農政課 |
家畜の排せつ物やたい肥は特殊肥料にあたり、肥料として生産および販売するには届出が必要になります 。
動物用医薬品、飼料、飼料添加物などに、対象動物や使用(給与)方法が記載されているかを確認し、記載されている場合は、それに従って適正に使用してください 。
牛の所有者その他の牛を管理する者(管理者)は、牛が出生・異動(転入または転出)・死亡した際は遅滞なく届出なければいけません。また、牛の両耳にその個体識別番号を表示した耳標を着けなければなりません。
届出には、農家コードが必要ですので、新たに農家コードを取得しようとする場合は、事前に農林水産省近畿農政局に連絡してください。
※詳細は「牛・牛肉のトレーサビリティ」(農林水産省HP)、「牛の個体識別情報検索サービス」(独立行政法人家畜改良センターHP)を参照ください。
蜜蜂を飼育する場合は、毎年飼育の届出が必要になります。新たに飼育する場合や、届出内容に変更がある場合は、随時届出をお願いします。
ア.県内→県内
県内で業として蜜蜂を飼育する養蜂家は、管轄の県農業農村振興事務所に「みつばち転飼許可申請書」を提出し、許可を受ける必要があります。
イ.県外→県内
滋賀県の区域内に転飼しようとする養蜂家は、あらかじめ転飼を行おうとする管轄の県農業農村振興事務所に「転飼許可申請書」を提出し、許可を受ける必要があります。
県は、養蜂振興法および県みつばち転飼条例、関係諸規定により転飼内容を審査して判断します。
(1)(2)の詳細は、県HPを参照ください。
転飼により県内から県外へ蜂群を移動しようとする場合は、事前に腐蛆病の検査を受ける必要があります。県家畜保健衛生所にご連絡ください。
相談窓口 | 連絡先 | 内容 |
---|---|---|
県畜産課 | 077-528-3853 | 家畜伝染病予防法に関すること等 |
県家畜保健衛生所(本所) | 0748-37-7511 | 家畜伝染病予防法に関すること等 |
県家畜保健衛生所(北西部支所) | 0740-22-2145 | 家畜伝染病予防法に関すること等 |
県農業農村振興事務所 | 別途ご確認ください | 畜産環境、養蜂、新規就農相談に関すること |
県みらいの農業振興課 | 077-528-3842 | 肥料の届出に関すること |
各市町畜産担当課 | 各市町HP等でご確認ください | 畜産環境に関すること |
各市町農業委員会 | 各市町HP等でご確認ください | 農地法に関すること |
県生活衛生課 | 077-528-3641 | 化製場法、動物の愛護および管理に関すること |
県健康福祉事務所(保健所) | 別途ご確認ください | 化製場法、動物の愛護および管理に関すること |
県動物保護管理センター | 0748-75-1911 | 化製場法、動物の愛護および管理に関すること |
大津市動物愛護センター | 077-574-4601 | 化製場法、動物の愛護および管理に関すること |
県環境政策課 | 077-528-3357 | 水質汚濁防止法、土壌汚染対策法等に関すること |
大津市環境政策課 | 077-528-2760 | 水質汚濁防止法、土壌汚染対策法等に関すること |
県循環社会推進課 | 077-528-3474 | 廃掃法に関すること |
大津市産業廃棄物対策課 | 077-528-2062 | 廃掃法に関すること |
県環境事務所 | 別途ご確認ください | 水質汚濁防止法、土壌汚染対策法、廃掃法に関すること |
(公社)滋賀県農林漁業担い手育成基金 | 077-523-5505 | 新規就農相談窓口 |
農林水産省近畿農政局 | 075-414-9000 | 牛のトレーサビリティ制度に関すること |
滋賀県庁の各部署・機関の連絡先は、こちらからをご確認ください。