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じんけん通信

 人権施策推進課では、人権に関する特集記事「じんけん通信」を毎月、ホームページ上で発信しています。

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令和5年(2023年)12月(第188号)

毎年12月3日から9日は「障害者週間」です。

「障害者週間」は、障害や障害のある人に対する国民の関心と理解を深めるとともに、障害者が社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加することを促進するために設けられました。この期間を中心に、国や地方公共団体等においては、障害や障害のある人に関する様々な啓発活動を行っています。

じんけん通信12月号では、様々な障害の中から、吃音(きつおん)について特集します。多くの人に吃音のことを知ってもらい、吃音のある人が生きやすい社会をつくるために日々活動されている、滋賀言友会の 井坂 篤 会長 にお話を伺いました。

特集 「吃音に理解のある社会を目指して ~滋賀言友会の活動について~」

吃音とは

吃音とは、自分の思うようにスムーズに話せないことです。吃音には主に以下の3種類があります。

〇連発性(れんぱつせい)吃音…「おおおおはよう」のように、繰り返す

〇伸発性(しんぱつせい)吃音…「おーーーはよう」のように、音が伸びる

〇難発性(なんぱつせい)吃音…「…おはよう」のように、言葉が出ずに間が空く(この間に、顔面が震えたり、手足を動かしてしまう「随伴症状」が見られることがあります。)

~滋賀言友会 井坂会長へのインタビュー~

Q.吃音の方の割合はどれくらいですか。

吃音は3歳~5歳くらいの時期に発症することが多く、幼少期は約5%の人に吃音の症状があると言われています。約8割の人は成長とともに症状がなくなっていきますが、大人になっても治らないこともあり、日本国内の吃音率は人口の約1%と言われています。

Q.滋賀言友会はどのような団体ですか。

滋賀言友会は、吃音のある人のためのセルフヘルプグループとして、令和4年9月に立ち上げた団体です。現在の加入者数は33名で、吃音の当事者はもとより、当事者の家族や学校等における支援者にも加入していただいています。

また、「言友会」は全国各地にあり、それぞれの地域の言友会をまとめる「全国言友会連絡協議会」にも加盟しています。

Q.活動をはじめられたきっかけは何ですか。

子どもの頃から吃音の当事者として苦労しており、その経験を同じような苦労をしている人に伝えたいという思いがありました。

吃音の当事者は、「なめらかに話せない」こと自体よりも、「相手にわかってもらえない、伝わらない」ことに対する精神的な悩みを抱えることが多いです。吃音を笑われた経験などから、「吃音があるから話したくない」「自己紹介をするのが怖い」と考えるようになるのです。

また、障害者雇用関係の会社に勤めた経験から、吃音を支援する団体があれば、気持ちが楽になる人もいるのではないかと考えるようになりました。そのような中、吃音をテーマにしたドラマを通じて言友会の存在を知り、活動を始めようと決意しました。

当時は近畿で滋賀県にのみ言友会がなかったので、自ら立ち上げようと思い、会員を集めたり、京都府の言友会に所属してノウハウを学んだりしました。そのようにして、立ち上げを決意してから3年後の令和4年9月に滋賀言友会を設立しました。

Q.滋賀言友会ではどのような活動をされていますか。

毎月第2日曜日に定期例会を開催し、吃音当事者の方が、自身の体験談や悩みを共有できる場を設けています。同じような悩みを持つ人同士で集まり、普段悩んでいることについて互いに相談やアドバイスをすることで、少しでもうまく対応できるようになってもらいたいと思っています。

また、今年の4月には、草津市立市民交流プラザで講演会を開催しました。講演会には、吃音当事者の言語聴覚士の講師をお招きして、「吃音が教えてくれた価値~あなたは何を大切に生きますか~」というテーマについて話していただきました。このような講演会は来年以降も開催していきたいと思っています。

これらの活動内容は、全国言友会連絡協議会を通じて、他の都道府県の言友会とも共有しています。

Q.活動する中で、よかったことはありますか。

吃音の当事者から、「悩みを相談することで気持ちが楽になった」という声を聞くと、活動していてよかったと実感します。「なぜ自分だけがこんなに苦しんでいるのか」と悩んでいる方の気持ちが少しでも和らぐと嬉しいです。

Q.今後の課題や目標はありますか。

現在の社会は吃音への理解が十分とは言えません。理解が不十分な社会では、自分が吃音であることを公言したくない人もいます。吃音を公言することで、周囲から嫌な目で見られたりすることを恐れて、委縮してしまうからです。その結果、誰にも相談できずに一人で悩みを抱えたり、最悪の場合、自ら命を絶ってしまうこともあります。

そのようなことがないように、吃音への理解を促進し、吃音を公言することが負担にならないような社会をつくりたいと思っています。

Q.じんけん通信の読者にメッセージをお願いします。

周囲に吃音の人がいる場合、「あなたの気持ちや状況はわかっているよ」「こういうふうにしていいんだよ」ということを伝えてください。例えば、吃音の人は決められた文章をそのまま読むのが苦手なことが多いので、言いやすい言葉に言い換えてもよいということを伝えてもらえると、気が楽になります。また、言葉が出ずに間が空いた場合は、相手が話し出すまで待っていただけると助かります。

一人でも多くの人に、吃音の当事者がどのようなことで悩んでいて、どのような対応が必要なのかを知ってもらえると嬉しく思います。

~吃音についてもっと知りたい!という方へ~

吃音でお悩みの方、関心のある方は、下記リンク先より滋賀言友会までお問い合わせください!

(滋賀言友会のホームページ↓)

https://shigagyk.wixsite.com/shiga-gyk

人権カレンダー12月

●1日 世界エイズデー

世界エイズデーは、世界レベルでのエイズのまん延防止と患者・感染者に対する差別・偏見の解消を目的に、WHO(世界保健機関)が昭和63年(1988年)に制定したもので、毎年この日を中心に、世界各国でエイズに関する啓発活動が行われます。

●2日 奴隷制度廃止国際デー

昭和24年(1949年)のこの日、「人身売買及び他人の売春からの搾取の禁止に関する条約」が採択されたことにちなみ制定されました。

●3日 国際障害者デー

平成4年(1992年)、「国連障害者の10年」(昭和58年(1983年)~平成4年(1992年))の終結にあたり、国連総会は12月3日を「国際障害者デー」と宣言しました。総会では加盟国に対し、障害のある人々の社会参加をいっそう促進させるため、この国際デーに重点を置くよう呼びかけました。

●3日~9日 障害者週間

毎年12月3日から9日は「障害者週間」です。期間中は、障害や障害のある人に対する国民の関心と理解を深めることを目的として、障害のある人が社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加することを促進するため、全国で啓発行事が行われます。

●4日~10日 人権週間/10日 人権デー

国際連合は、昭和23年(1948年)第3回総会で世界人権宣言が採択されたのを記念し、昭和25年(1950年)第5回総会において、世界人権宣言が採択された12月10日を人権デーと定めるとともに、すべての加盟国に記念行事を実施するよう呼びかけています。法務省と全国人権擁護委員連合会は、毎年12月10日の人権デーを最終日とする1週間を「人権週間」と定め、全国的に啓発活動が展開されます。

法務省人権週間HP(外部サイトリンク)

●10日~16日 北朝鮮人権侵害問題啓発週間

北朝鮮当局による人権侵害問題に関する国民の皆さんの認識を深めるとともに、国際社会と連携しつつ北朝鮮当局による人権侵害問題の実態を解明し、その抑止を図ることを目的として、平成18年(2006年)6月「拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律」が施行されました。同法では、国および地方公共団体の責務などが定められるとともに、毎年12月10日から同月16日までを「北朝鮮人権侵害問題啓発週間」とすることとされています。週間中は、国民の皆さんの認識を深めるようなシンポジウムなどの様々な啓発活動が予定されています。

お問い合わせ
滋賀県総合企画部人権施策推進課
電話番号:077-528-3533
FAX番号:077-528-4852
メールアドレス:[email protected]
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