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令和元年(2019年)8月(第136号)
今月号(8月)のじんけん通信では、前月号(7月)に引き続き、県内で高齢者に寄り添った取組を展開しておられる「NPO法人 元気な仲間」の活動をご紹介します。
7月号では『たすけあい高島』についてお伝えしましたが、8月号では、『憩い処 あかり』についてご紹介します。
◆憩い処 あかり
◇『憩い処 あかり』とは?
『憩い処 あかり(以下『あかり』)』とは、NPO法人「元気な仲間」が、平成28年9月からJR新旭駅前のショッピングセンターの『エスパ』内で始めたお食事処です。
◇活動の内容は?
『あかり』では、一人暮らしの高齢の方などにバランスのよいお食事を提供しています。
それだけではなく、お客さんがゆっくりと気軽に話をしてもらえるように、またその名のとおり地域の方々の憩い処(居場所)と感じてもらえるように心がけています。
カウンター席に座ってもらったお客さんと言葉の掛け合いができることを大事に考えていて、日常の悩みや不安などについて相談されることもあります。
お客さん同士の交流が進むことで新たな「つながり」が生まれる社会参加の場でもあります。
また、『あかり』では、テーブルのレイアウトにもこだわっています。お客さん同士が背中合わせになることなく、横に並んで食事ができるように工夫して、会話をしやすくしています。
◇つながる気持ち、つながる関係
取組を進めていくことで、スタッフと地域の人との「つながり」だけでなく、お客さん同士の「つながり」も生まれています。
こうした交流によって、地域の人が徐々にお互いのことを理解することができます。『あかり』では、こうした人の「つながり」を大切にされています。そのことが、居心地のいい雰囲気を作り出しているのだと思います。
常連のお客さんから「かかりつけのお医者さんに、あかりに行くことが一番の薬や、と言われた」と聞いたとき、スタッフの方はとても嬉しかったそうです。
こうしてできた「つながり」が、地域のみなさんの活力となり、地域の活性化につながっています。
◇すべての人に居場所と出番を
常連さんに『あかり』についてインタビューをさせていただいたところ「ここに来ることで、様々な人と交流することができて楽しく、そしておいしいご飯を食べられるので、若さを保てる。」「(高齢者でも)遠慮せずにコーヒーを飲みに行ける店ができて嬉しい。」「ほっと一息つける場になっているので(用事の無い時には)定期的に来ている」と喜んでおられました。
また、『あかり』では、お客さんの8割程度が常連さんとのことですが、高齢の方も障害のある方も「何かしたい!」、「人の役に立ちたい!」との想いから、皿洗いなどのお手伝いなどをしてくださるそうです。つながりができたことで自分の畑で採れた野菜をお店の食材として提供いただくこともあるそうです。
◇『あかり』の‘これまで’と‘今’
今では常連さんの多い『あかり』ですが、開店当時、初めて来られたお客さんは、最初はほとんど話をされることが無かったそうです。それでも回数を重ねるうちにスタッフとの関係ができ、だんだんといろんな話をされるようになり、ホームヘルパーさんにお願いして食事を作ってもらっていた状態から、ほぼ毎日ここを利用して食事をされるようになったことで、ホームヘルパーさんの助けが不要になったとのお話も伺いました。
◇『あかり』の‘これから’
『あかり』では、最近「鍋ごと配食」という取組などもはじめられたそうです。ご近所の人などが集まる機会に鍋(料理)を配達する取組です。高齢の方への配食というとお弁当を個別に配達することが一般的ですが、お鍋であれば、一人暮らしの方が他の人と一緒に食事をする機会の提供にもなって、あまり知らない人同士でも鍋を囲むことでつながりをより深めることができます。
そして、それをきっかけとして「今日は『あかり』にご飯を食べに行こうと今後たくさんの人が気軽にお店に来られることが理想なんです。」とのスタッフさんのお話でした。
◆取材を終えて
◇みんなが主役の地域社会づくり
『たすけあい高島』(7月号で紹介)や『憩い処あかり』(今月号で紹介)では、その地域に暮らす人々が活動の担い手であり、活動の主役となっておられます。「居場所」があり「出番」があること、自分が人に必要とされ、社会に貢献していると実感できることで、充実や幸福を感じることもできるのではないでしょうか。またそれは、高齢の方だけではなく、日々の生活の様々な場面において、すべての人にあてはまることではないでしょうか?
個人を尊重し、お互いに助けあう。そんな思いを持った一人ひとりの行動が『滋賀県人権尊重の社会づくり条例』に定められている「すべての人の人権が尊重される豊かな社会の実現」に向けた最初の一歩なのではないかと思いました。
あなたの行動が、誰かの支えになっているかもしれません。
あなたの「やさしさ」が、誰かの心に響いているかもしれません。
理解し、支えあい、思いやること。
まわりの人への「思いやり」、「たすけあい」は、他の人にも伝わるはずです。
あなたの気持ち、他の人の気持ち、お互いに尊重し合って「たすけあい」の輪が広がれば、何気ない日々もさらに明るくなると思いませんか?
みんなの心に「あかり」が灯る社会になればいいですね。
みんなに「居場所」があることは、とても大切なことなのだー!
誰にも居場所があり、お互いに助け合うことで、地域がさらにあたたかくて、安心できるまちになるといいですね。