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令和元年(2019年)7月(第135号)
人口減少や高齢化の進行等に伴い、高齢者が住みなれた地域で安心して生活するためには、どういったことが必要となってくるのでしょうか?
高齢者が毎日を元気に過ごすためには、日々の生活の中に「居場所」や「出番」があることが大切です。
そこで、今月号(7月)と次号(8月)のじんけん通信では、「高齢者の人権」を尊重するために私たちに何ができるのかを考えるきっかけとしていただくため、県内で高齢者に寄り添った取組を展開しておられる「特定非営利活動法人元気な仲間」の代表理事 谷 仙一郎さんに、活動についての想いや日々の助け合いの大切さなどについてお話を伺いました。
◆「特定非営利活動法人元気な仲間」では、どのような取組をされていますか?
高齢化が進み、今まで直面したことのない状況の中で様変わりした「老後」を支えるためには、地域の住民同士がお互いに協力し合い、助け合いながら、みんなが元気に過せるまちづくりが必要ではないかと考え、取組をはじめました。
今回は、法人の取組の中から、2つご紹介したいと思います。
1つ目は、暮らしの中の困りごとを住民同士の助け合いでお手伝いしようという『たすけあい高島』、2つ目は、誰もが気軽に立ち寄れ、交流する場所をつくろうという『憩い処 あかり』という取組です。
(※『憩い処 あかり』の詳細については、次号(8月)でご紹介します。)
◇『たすけあい高島』について教えてください。
『たすけあい高島』は、「困ったときはおたがいさま」ということで、住民同士が助け合おうという気持ちを大切にしながら、その人ができる範囲で、お互いの困りごとのお手伝いをしようという取組です。
地域で困りごとを解決してもらいたい方は『よろしく会員』に、そうした困りごとを解決できる方は『まかせて会員』になっていただきます。
そして、家事の手伝いや草刈り、雪かきなどの『よろしく会員』からのお願いを『たすけあい高島』の事務局がコーディネートして『まかせて会員』がお手伝いするという仕組みになっています。
平成30年4月から平成31年3月までの間では、2,088件の助け合いが行われました。
◇どのような方が中心となって活動されているのですか?
『まかせて会員』は、60代~70代の方が中心ですが、皆さんとてもお元気で、会員自身が新たな『まかせて会員』や『よろしく会員』を見つけてくださっています。
家の片付けや草刈り等には、何らかの事情で外に出づらくなっている若者たちに手伝ってもらうこともあり、高齢者だけでなく、若者も一緒に活動しています。
また、平成30年度からは地元の高校のボランティアクラブと『まかせて会員』との交流会を行っています。参加者間の交流や、実際の活動にあたっての相談やアドバイスができる場となっています。
◇『たすけあい高島』の‘これまで’と‘今’
以前は、「特定非営利活動法人元気な仲間」が運営するデイサービスセンターの中に事務所を置いていましたが、平成26年にJR新旭駅前にあるショッピングセンター「エスパ」内に移転しました。これにより、通いやすく、ついでに買い物もできるなど、利便性が向上し、気軽に立ち寄ってもらえる場所となったこともあって、相談件数が一気に増加しました。
◇‘つながり’を築く
長い間活動をしていると、『よろしく会員』の方の様子の変化もよく分かります。
ご家族などに『まかせて会員』の方が様子を連絡したり、かかりつけ医やケアマネージャーとの意思疎通のお手伝いをすることで、まわりの方との「つながり」が次第に生まれ、安否確認の役割を果たせることもあります。「つながり」が深まっていくことにより、特定の『まかせて会員』を指定される人もいます。
中には『たすけあい高島』の活動を福祉や介護保険の制度によるサービスと勘違いされるケースもありますが、あくまでサービスの提供ではなく、『まかせて会員』と『よろしく会員』の「つながり」による仕組みであることを丁寧に説明した上で、利用していただいています。
◇『たすけあい高島』の‘これから’
社会貢献をしたい、人の役に立ちたいという高齢者をはじめとする利用者の方の気持ちを尊重しながら、今後も活動を広げたい。最終的には『たすけあい高島』の活動がなくても、地域の中で「つながり」ができていけばいいと考えています。
私たちが目指しているのは、「自然な支えあいの関係がある地域」です。
助け合いに特別な資格はいりません。一人ひとりができることを考えて助け合うことができる地域になればいいと思います。
今月号(7月)はここまでです。次号(8月)も引き続き「特定非営利活動法人元気な仲間」の活動についてお伝えします。