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じんけん通信

「わからない」だから「かわらない」そんなあなたの人権意識、「かわりたい」だから「わかりたい」へチェンジしませんか?あなたの「わかりたい」を応援したい。人権施策推進課では、そんな思いで毎月1日に「じんけん通信」を発行しています。
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これまでに発行した「じんけん通信」は、バックナンバーからご覧いただけます。

  1. 特集 「誰も自殺に追い込まれることのない社会へ【後編】」
  2. 人権カレンダー
  3. ジンケンダーのちょっと一言
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平成31年(2019年)3月(第131号)

前回(じんけん通信平成31年2月号)に続き、「自殺相談の現状と相談対応(ゲートキーパー)について」をテーマに講義いただいた内容(※)を掲載します。

後編となる今回は、ゲートキーパーの役割や活動紹介を通して、さまざまな問題や悩みを抱えた人が自殺に追い込まれないよう私たちにできることについてお伝えします。

※「平成30年度滋賀県人権相談ネットワーク協議会 第2回講座」の講義内容を基に記事を作成しています。
参考:「滋賀県人権相談ネットワーク協議会」について

県では、さまざまな人権に関する悩みに対して解決のお手伝いができるよう、国、県、市町などの51の関係機関で滋賀県人権相談ネットワーク協議会を組織し、連携を図っています。

特集 誰も自殺に追い込まれることのない社会へ【後編】

◆ゲートキーパーとは?

悩みに気付き、支える「いのちの門番」です

ゲートキーパーは、悩んでいる人に気づいて声をかけ、話を聞いて適切な機関や支援者につなぎ、温かく寄り添いながらじっくりと見守る人のことで、「いのちの門番」とも言われます。

ゲートキーパーに特別な資格は必要ありません。専門の相談員の方もそうでない方も誰でもなることができます。それぞれの立場でできることからでよいので、一人でも多くの方にゲートキーパーになっていただけたらと思っています。

画像3
↑クリックで中身が見られます。

◆ゲートキーパーになるために・・・

自殺に対する思いこみをなくしましょう

自殺に向かう人の気持ちについて、どんなイメージがありますか?

以下のように考えている方も多いのではないでしょうか。

  1. 自殺を口にする人は実際には自殺するつもりはない
  2. ほとんどの自殺は予告なく突然起こるので事前に防ぐことができない
  3. 自殺の危機にある人は死ぬ決意をしているから止めようがない
  4. 精神障害がある人のみが自殺の危機におちいる
  5. 促しているようにとられるかもしれないので、自殺について話すのはよくない

しかし、1~5は全て必ずしもそうとは言い切れないとされています。

[参考:「自殺を予防する世界の優先課題」(外部サイトへリンク)(2014年に世界保健機構(WHO)より出版された「Preventing Suicide:a global imperative」の日本語訳)より]

1.自殺を口にする人は実際には自殺するつもりはない

→ 自殺を考えている人の多くが不安や絶望といった経験から「死ぬしかない」と感じています。自殺を口にする人はおそらく援助や支援を求めていると考えられます。

2.ほとんどの自殺は予告なく突然起こるので事前に防ぐことができない

→ 後から振り返ってみると、多くの場合、自殺する前には言葉や行動による事前の警告サインがあります。もちろん、サインがないこともありますが、サインが何かを知り、用心することは大切です。


3.自殺の危機にある人は死ぬ決意をしているから止めようがない

→ 自殺の危機にある人の多くは「死にたいけど生きたい」と気持ちが揺らいでいます。適切なタイミングで支援が入ることで、自殺を予防できる可能性があります。


4.精神障害がある人のみが自殺の危機におちいる

→ 自殺に向かう行動が必ずしも精神障害であるということではありません。また、精神障害がある人の多くが自殺に向かう行動をとるわけでもありません。つまり、自殺をする人全員が精神科にかからなければならない、また精神科にかかれば大丈夫というわけではありません。


5.促しているようにとられるかもしれないので、自殺について話すのはよくない

→ 死にたい気持ちを聞くと死にたい気持ちが強まったり、死ぬことを誘発するということを裏付ける根拠はありません。相手の気持ちを聞く行為が、自殺以外を選択することや決断を考え直す時間を与え、自殺の予防につながります。

自殺に追い込まれる人を減らすためには、まずは自殺に対する偏見や思い込みをなくし、苦しんでいる人の気持ちに寄り添い、話を聴くことが大切です。

◆あなたの近くにいる人のためにできることからやってみませんか?(ゲートキーパーの役割)

「気づく」→「傾聴する」→「つなぐ」→「見守る」

国の調査結果において、自殺を考えたとき、家族や友人、職場の同僚などに悩みを聞いてもらって乗り越えたという人が一定数いました。この結果から、自殺を減らすためには身近な人の支えもとても大切だということが分かります。

もしかするとあなたの近くにも自殺を考えるほど悩みを抱えている人がいるかもしれません。

ここからは、ゲートキーパーの役割を具体的にご紹介します。

あなたもできることからやってみませんか?

1.気づく、声をかける

職場の同僚、家族などを見て、普段と違う様子に気付いたら、勇気を出して声をかけてみてください。その際には、遠回しに言うよりも「しんどそうにみえますけど、何かありましたか?」「よかったら話しませんか?」など、率直に感じたことを聞いてください。もし、本人が話すことが難しいような場合は、「いつでも言ってね」と伝えましょう。

<普段と違う様子の例>
・体重が減ったように見える ・口数が減った
・よく眠れていない様子 ・集まりに出てこなくなる
・お酒の量が増えている など


2.話を聴く(傾聴する)

本人の気持ちを尊重し、耳を傾けます。

もし、話を聴く中で「死にたい」と言われたら、「死にたいぐらい辛いんだね」と共感を示したり、「専門家に相談してみては」と提案したり、ひたすら話を聴いてあげたりしてください。

一方で、話題を変えたり、叱ったり、説得したり、励ましたりすることは、相談対応としてはあまりよくないと言われています。「他にも苦しんでいる人はいる」「いつまでも悩んでいないで頑張ろう」「絶対こうすればいい」などはつい言ってしまう言葉なので気を付けましょう。

また、話を聴く際には声のトーンや姿勢、態度、うなずきといった、言葉以外でのコミュニケーションもとても大切です。その他にも、以下のポイントに注意してみると、話しやすく、そして聴きやすい場をつくることができるので、参考にしてみてください。

<参考:傾聴のポイント>

(1)開かれた質問をする

「はい」「いいえ」で答えられない質問をします。特に、最初に声をかける際には、「どうしたの?」など本人の言いたいことが言えるような問いかけをしましょう。

(2)肯定する

相手の考えや気持ちを認め、自分の価値観を押し付けないようにしましょう。そうすることで、安心して話をしてもらうことができます。

(例)「最近、何をするにもおっくうで」
→ ◯ 「そうなんですね」
☓ 「誰にでもそんなことありますよ」

(3)共感的反映

相手の立場だったら…と想像し、その気持ちを相手に伝えましょう。叱責風の励ましや安易な励ましだと、「この人に話しても分かってもらえない」と相手が話す意欲を失くしてしまうかもしれません。

(4)くりかえす(復唱する)

相手が使ったキーワードを繰り返すことで、よく話を聴いてもらっていると感じることができます。

(5)まとめる

話をしばらく聴くことができたら、その内容をまとめて相手に話してみましょう。いろいろと考えていたことを整理できて、安心できます。

また、相談することはとても勇気のいることなので、相談された際には「よく話してくれましたね」「ここまでよく頑張ってきましたね」などのねぎらいの言葉をかけることも大切です。

3.つなぐ

話を聴いて自分の力だけで自殺を思いとどまらせようとすることは、とてもハードルが高いことだと思います。無理をして、すべて一人で聴く必要はありません。

前編でも紹介したように、国や県にはさまざまな相談窓口がありますので、ぜひ、その人に合った相談窓口を紹介してあげてください。相談する場所が複数ある方が、相談する人も助かります。

図1

4.見守る

相談がいったん終わり、別の相談窓口を紹介した後も、「何かあったら、また話を聴かせてね」と、「見守っているよ」というメッセージを伝えると、さらに安心できます。

5.ゲートキーパー自身のケア

「3.つなぐ」でも紹介したように、すべてを一人で解決する必要はありません。

ゲートキーパーも人です。話を聴いて、自分が辛くなってしまうこともあるかもしれません。ですから、ご自身のケアも忘れずに行ってほしいと思います。

・「救う」のではなく「助ける」という気持ちで
・「~するべき」「~ねばならない」という強い義務感を減らす
・他の人に任せる(専門の相談窓口につなぐなど)
・五感が喜ぶことをする
・リラクゼーションを行う など

人権カレンダー3月

・自殺対策強化月間

月間中は、自殺対策を集中的に展開するものとし、啓発活動と併せて相談事業などの支援策を重点的に実施することとしています。悩みを抱えた人たちに広く支援の手を差し伸べていくことにより「誰も自殺に追い込まれることのない社会」の実現を目指します。
<滋賀県自殺対策推進センター>
TEL 077-566-4326 / 9時00分~21時00分(年末年始を除く)」

http://www.pref.shiga.lg.jp/seishinhoken/zisatsutaisaku/103693.html

・1日 エイズ差別ゼロの日

・3日 全国水平社創立

大正11年(1922年)のこの日に全国から被差別部落の人々が京都に集まり、創立大会が開かれました。そして、「人の世に熱あれ、人間に光あれ」の言葉で結ばれる水平社宣言が採択されました。

・8日 国際女性デー

この日は、昭和50年(1975年)の「国際婦人年」に国連により定められました。女性たちが、平和と安全、開発における役割の拡大、組織やコミュニティーにおける地位向上などによって、どこまでその可能性を広げてきたかを確認すると同時に、今後のさらなる前進に向けて話し合う機会として設けられた記念日です。

・10日 農山漁村女性の日

農山漁村の女性は農林水産業を支える重要な担い手です。この日は、農山漁村の女性が果たしている役割を正しく認識するとともに、女性の能力を一層発揮するための環境づくりを目指して定められました。この日の前後には、女性農林漁業者の地位向上、経営・社会参画の促進を目的とした関連行事が実施されます。

・21日 国際人種差別撤廃デー / 21日~27日人種差別と闘う人々との連帯週間

昭和35年(1960年)3月21日に人種隔離政策(アパルトヘイト)に反対する平和的なデモ行進に対して警官隊が発砲し、69人が殺害されました。昭和41年(1966年)にこの国際デーを宣言するにあたり、国連総会は国際社会に対し、いかなる人種差別も根絶するよう一層の努力をしていくよう求めました。また、3月21日からの1週間は、世界中で人種差別の撤廃を求める運動が展開されています。

・21日 世界ダウン症の日

平成16年(2004年)に世界ダウン症連合が制定し、平成24年(2012年)からは国連が国際デーの一つとして制定しました。ダウン症のある人たちとその家族、支援者への理解がより一層深まり、ダウン症のある人たちがその人らしく安心して暮らしていけるように、さまざまな啓発イベントを通して世界中の人々に訴えていくための日です。

ジンケンダーのちょっと一言

滋賀県人権啓発キャラクター「ジンケンダー」

身近な人の変化に気付くためには、普段からコミュニケーションを取っておくことが大切です。

そうすることで一人で悩みを抱え込ませない環境づくりにつながり、結果的に自殺予防にもつながっていくのではないでしょうか。

たとえ些細なことでも、できる範囲で行動することが大切だと思います。

自殺という悲しい選択をする人が一人でも減るように

自分にできることを考えてみてほしいのだー!

お問い合わせ
滋賀県総合企画部人権施策推進課
電話番号:077-528-3533
FAX番号:077-528-4852
メールアドレス:cf00@pref.shiga.lg.jp
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