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健康危機管理シミュレーション(模擬訓練)

実施結果

令和4年12月21日(水)

健康危機管理シミュレーション(模擬訓練)

日 時
令和4年12月21日(水曜日)14:00 ~ 16:30

場所
滋賀県危機管理センター1階 災害対策室3および災害対策室4

参 加 者
多人数(1日あたり概ね50食以上)に食事を提供する介護保険施設(特別養護老人ホームおよび介護老人保健施設)の健康危機管理の担当責任者および給食衛生管理の担当責任者、保健所職員(管理栄養士)21名


実施概要

(1)講演(14時10分~14時30分)「介護保健施設で起こりうる食中毒」
講師:龍谷大学農学部食品栄養学科 教授 田邊公一 氏

(2)模擬訓練(14時30分~16時30分)

架空の介護老人保健施設を想定し、当該施設において体調不良を呈した利用者を探知した際の初動対応(状況把握、情報共有等)および被害拡大防止のための措置について、4~5名ずつのグループで与えられた課題を討議しました。


実施結果 

(1)講演
「介護保健施設で起こりうる食中毒」について、ノロウイルス、腸管出血性大腸菌およびウェルシュ菌について、その特徴や食中毒事例、感染した場合の症状や感染対策についてご講演いただきました。

〇講演の様子

講演の様子

(2)模擬訓練

<フェーズ1>初動対応

 参加者を介護老人保健施設「A」の副施設長かつ健康危機管理の担当責任者と仮定し、当該施設の複数の利用者が下痢および腹痛を呈したという想定に対し、有症者に関する対応や、この状況において、どのような情報を把握し、その情報を誰と共有(連絡)をするかについてグループ討議しました。

その後、さらに複数の利用者から体調不良者が発生したという想定に対し、その状況において感染症と食中毒のどちらを疑うかについてグループ討議しました。

<フェーズ2>被害拡大防止対策

 フェーズ1の後、保健所による患者および施設調査が実施され、保健所の調査項目からも食中毒の疑いが強くなる中で、施設において準備中である夕食を提供するかしないかについてグループ内で討議しました。

 また、準備した夕食を提供しないと判断した場合、入所者の食事について施設が対応すべきことは何か、グループ内で討議しました

 

<その後の状況>

模擬訓練の最後に、施設のその後の状況およびウェルシュ菌食中毒の予防をするうえで重要なポイントについて解説が行われました。

【その後の状況】

○ 夕食の提供は、実施されなかった。また、それ以降の調理については、保健所の指示があるまで自粛した。

〇 検食の検査の結果、夕食の「南瓜のいとこ煮」からウェルシュ菌が検出

 ※当該施設での夕食の煮物の調理方法は、提供当日の午前中に野菜等原材料をカットし、12:00ごろから煮る等の加熱を行う。

 13:00から15:00まで常温放冷であり、16:00ごろに再加熱するが、温度測定はしていなかった。その後、盛り付けしている。

○下痢症状を呈している入所者24名、管理栄養士1名、計25名のうち15名の検便からウェルシュ菌が検出

○ 保健所は当該施設の調理室を原因とする食中毒事件と断定し、3日間の営業停止処分とした。

○施設の厨房を再開するために、以下の対応が行われた。

・厨房に残っている全ての食品と封の空いた調味料を全廃棄した。

・厨房設備、器具等の清掃、洗浄を実施した。

・調理従事者に対する衛生教育を実施した。

・衛生管理計画の見直しが行われた。

【ウェルシュ菌食中毒の予防をするうえで重要なポイント】

・再加熱時に中心温度を測定することとし、またこれを衛生管理計画に定める。

・再加熱をしなくてもよい様に調理時間帯を喫食時間に近づける。

〇フェーズ1、2の討議および発表の様子

写真
写真

【訓練全体を通して】

フェーズ1訓練では、利用者の発症状況から食中毒と感染症の両方を疑うという意見が過半数を占め、どちらか一方に決めるのではなく、様々な可能性を考えて行動することが重要という認識を多くの方が持たれていました。

フェーズ2訓練では、ほとんどのグループが夕食提供を中止するという判断であり、提供すると判断した場合も再加熱の危険性を考慮した対策を検討されていました。

また、夕食提供中止後の食事対応については、食事の確保だけでなく、下膳方法に注意する等、感染拡大防止対策についても検討されていました。

 

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お問い合わせ
滋賀県健康医療福祉部生活衛生課食の安全推進室
電話番号:077-528-3643
FAX番号:077-528-4861
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