日 時
令和元年11月18日(月曜日) 14時00分 ~ 16時30分
場 所
ウイングプラザ4階 研修室E(栗東市綣二丁目3-7)
参 加 者
県内の多人数に食事を提供する仕出し屋および弁当屋の営業者、食品衛生責任者等 12名
実施概要
(1)講演(14時10分~14時25分)「ノロウイルスの基本知識と対策」
講師:龍谷大学農学部食品栄養学科 准教授 田邊公一 氏
(2)模擬訓練(14時25分~16時30分)
架空の仕出し屋を想定し、当該施設において提供された仕出し弁当を購入した者から、下痢、嘔吐等の食中毒様症状を呈している旨の連絡を受けた時の初動対応、施設が講じるべき被害拡大防止措置および再発防止対策について、4名ずつのグループで与えられた課題を討議しました。
実施結果
(1)講演
「ノロウイルスの基本知識と対策」について、ノロウイルス食中毒の特徴(症状、感染経路、事例紹介等)、ノロウイルス食中毒対策(調理器具の洗浄および手袋着用時の留意事項等)について講演を行いました。
【講演の様子】
(2)模擬訓練
<フェーズ1>初動対応
参加者を仕出し屋の営業者兼食品衛生責任者と仮定し、提供した仕出し弁当を喫食した者から複数の有症者が発生したという想定に対し、その日の食事の提供についてどのように対応するかグループ討議しました。
さらに、提供した仕出し弁当を喫食した者の中から、他にも同様の症状を呈する者が発生したという情報を受け、提供した仕出し弁当による食中毒の可能性を検討するために、何を確認する必要があるのか、また、自店舗で提供した食品による食中毒が疑われる場合は、被害の拡大を防止するためにどのように対応するかグループ討議しました。
【フェーズ1の状況】
○11月18日(月曜日)午前9時
○11月18日(月)午後3時
<フェーズ2>再発防止対策
フェーズ1の後、保健所による患者および施設調査が実施され、仕出し屋で提供された仕出し弁当が原因の食中毒と断定された後、判明した調査結果をもとに食中毒の原因と仕出し屋の営業を再開するにあたっての再発防止対策についてグループ内で討議しました。
【フェーズ2の状況】
【フェーズ1、2の討議および発表の様子】
【訓練全体を通して】
フェーズ1では、消費者から複数の有症者が発生している状況を受け、どのように対応するかを討議した結果、ノロウイルスによる食中毒の疑いがあるため今後の営業は自粛するなどの対応方法が挙げられていました。
また、提供した仕出し弁当による食中毒の可能性を検討するためには、食材、検食および従業員の健康状態の確認や従業員Aの勤務日に健康被害が発生していることから、当該従業員にポイントを絞って、作業内容等の聞き取りを行うといった対応が挙げられていました。
さらに、被害拡大を防ぐための措置としては、保健所の指導に従うことはもちろん、早期に営業自粛の判断を行うことや調理場の衛生状態の確認、清掃、食材の廃棄などを挙げる班が多く、リスク低減を図られていました。
フェーズ2では、どの班も、前提条件から的確に状況を捉え、食中毒の原因究明、再発防止対策について提言をされていました。特に、適切な手洗いや手袋の使用方法の徹底を挙げる班が多くみられました。
訓練全体を通して、すべての課題について各班で活発な討議が行われていました。今回の実践的な訓練が、自施設の危機管理体制等について再考する一つの機会となることが期待されます。
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