【知事】
こんにちは。今日、皆さんとお会いできることをとっても楽しみにしていました。でも、何言われるかな、どうやって答えようかなと思って、とても緊張していますが、一生懸命やりたいと思います。ある意味、真剣勝負だし、あまりない時間なので、大事に過ごせたら良いなと思っています。滋賀県知事をやっています、三日月大造と言います。健康しがを目指そうとしています。健康しが、私たち人の健康。これは身体だけではなく心も含めて、そして、人と人との関わり合いである社会経済の健康。そして土台になる琵琶湖をはじめとする自然の健康。その、人、社会、経済、自然の健康を保ち高めて、持続可能な豊かな元気な滋賀県を作っていけたら良いなと思っておりますので、今日、そのためのいろいろなテーマを皆さんと一緒に議論をして、これからにまた活かしていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。
[甲西高校]
近江鉄道について1つ質問させていただきます。近江鉄道は上下分離方式移行での存続が決定いたしましたが、その他の地域の地方の民鉄では、バス転換への実証実験を始めるというなどの動きがあります。その中で近江鉄道は、なぜ鉄道を続けるという選択をされたのでしょうか。教えてください。
【知事】
初っ端から来たな。いや、でも大事なテーマですよね。この中で近江鉄道に乗ったことがあるという人はどれくらいいますか。(参加生徒の8割程度挙手)
是非一度乗ってみてもらえたらと思います。そして今、御質問のあった近江鉄道というのは、滋賀県の米原駅から貴生川駅、そして近江八幡、多賀大社、更には日野町などなど、県内の5つの市と5つの町にまたがって走っている約60km、33の駅がある創立120年を超える鉄道です。ところが、乗る人が減って、鉄道だけでは収支が厳しくて、もうこのままでは運営が厳しくなります、というお話があったので、どうしようかとみんなで考えました。鉄道は皆さんも通学や、遊びに行くとき、塾に行くとき、出かけるときに乗ることあると思いますが、だいたい定時、時間に正確、そしてバスよりもたくさん乗れる、また1人ひとりが車で移動するよりも環境に優しいという、こういう特性があるので、大事な交通機関なのですが、誰も乗らずに空気だけ運んで走らせていたのでは、持続可能ではないので、これからどうしますか、という話し合いをしました。もういっそのこと鉄道をやめてバスに変えちゃおうか、という検討もしたのですが、やっぱり鉄道ほどバスだと人を乗せられない。鉄道と同じだけバス走らせるだけ運転手が足りない。もし鉄道をバスに変えたら、渋滞も心配だ。特に高校生の皆さんが通学でたくさんこの近江鉄道を使われているので、近江鉄道がなくなると通学で不便ですという、こういう御意見とか検討課題もあったので、みんなで議論した結果、近江鉄道は残そうとなりました。
では全部残すのか、一部だけ残すのか、部分的に残すのか、ということも考えたのですが、鉄道に詳しい人、好きな人はよくわかると思うのですが、車庫はどこに置くのですかとか、今、彦根にありますよね。彦根以外のところだけ運転しても、車庫をまた新たに作らないといけないとか、いろいろな課題もあったので、みんなで議論した結果、全線を残しましょうということで、これは5年前に決めて、じゃあ残すためにどうすれば良いのか、今のまま会社でやるのが良いのか、自治体も協力して運行・経営するのが良いのかということを話し合った結果、自治体が施設を持って、車両を持って、そして運行・運転を会社がやろうという、公有民営方式という、まだ全国にもそんなに例はないのですが、官民で協力して運行しようという、こういう経営形態で去年から新しくスタートしましたので、会社、鉄道の運行を黒字にして、そしてできるだけ運賃を下げたり、またダイヤをもっと便利にしたり、できればバリアフリーにしたり、もっと楽しい電車になったりという、こういう取組を、これからしていけたら良いなと思っているところです。
【知事】
関連してでも結構ですし、今の答え全然わかりません、という、そういうツッコミでも結構ですし、今こうやって言われたけど違うんじゃないか、という、そういう質問でも結構なので、何でも大丈夫です。違うことでも結構です。
[八幡工業]
滋賀県では県庁所在地の大津市など都市部に人口が集中しており、ドーナツ化現象により郊外にも住民が多くいます。都市中心部が被災した場合、郊外からの避難や支援が難しくなる恐れがありますが、県として交通網や広域避難の仕組みなどにはどのような確保をする方針がありますか。
【知事】
今、御質問いただいたように、県内もいろいろな地域がありますが、昼間、夜も含めてたくさん人が住んでいる地域と、比較的少ない人がお住まいのところと、いろいろあります。どこにいらっしゃっても、どの地域もまず安全、そして安心、これをしっかりと確保することが重要だと思っています。そのために、リスク、安全安心を脅かすリスクはどこにあるのか、ということを行政もきちんと把握して、住んでいる人、働いている人と共有することが大事だと思っています。
例えば、お盆の時期に熊本、鹿児島で水害がありました。雨がいつどれだけ降るか、というのは十分予測できないところもあるけれども、もし雨がたくさん降った時に、ここの土砂崩れは大丈夫かなとか、この川はどれぐらいの雨で氾濫するのかなとか、氾濫したらどれぐらいの深さの浸水があるのかなとか、こういうリスクに関する情報を、まずみんなで共有すること、これを第一に考えています。そのリスクを共有した上で、リスクは避けられないかもしれないけれども、できるだけ受ける被害を少なくするためのハードの整備を高くしたり、水が入ってこないようにしたり、もしくは逃げる準備、こういう警報が出たら、こういう情報が来たら、どこに逃げましょうという、またすぐに逃げられない人もいますよね。お体が不自由だったり、ご高齢の方であったり、そういった方々はどうやってあの避難を支援しようかという、こういう計画も合わせて作って、いざという時に備えていますが、雨とかはまだそうやって予報・予測で準備できるところもあるのですが、地震は特にいつ来るかわからないので、やっぱり地震に対する備え、後で質問が出るかもしれないけど、南海トラフ地震、非常に大きな地震が近々、滋賀県にも被害が及ぶ状況で発生することが想定されているので、その注意喚起は皆さんにこれからもしっかりとしていきたいと思っています。少し交通のことも言及されたけど、そういうリスクとか災害だけではなくて、どこの地域の方々もできるだけスムーズに移動していただけるような交通手段というのは、市、町、県、国も民間事業者も連携して整備しておきたいと思っています。
[八幡工業]
市民に伝えるということをおっしゃいましたが、どのように伝えていくのかお聞きしたいです。
【知事】
僕もいろいろ悩みながら伝えています。できるだけわかりやすく、具体的に、どこで、どういう被害があることが想定されますということをできるだけわかりやすく、科学的な根拠に基づいて、例えば数字とか具体的な場所とか、そういうこととセットでわかりやすい言葉でお伝えするようにしています。
また、みんなもそうだと思うけど、ここで川が氾濫するかもしれません、この山崩れるかもしれません、と聞いても何日かしたら忘れるよね。だから繰り返し伝えるようにしたり、あと県だけじゃなくて、やっぱり身近な市とか町とか自治会とか、学校であんまりそういう情報は出ることがないかもしれない、学校にいる時は比較的安全だと思いますけど、できるだけそういう情報を繰り返し、いろいろなチャンネルでお知らせするようにしています。最近はあまりテレビ見る人少ないとすればインターネットとかスマートフォンでもお知らせする。
見に行かないと見ない情報じゃなくてできるだけプッシュ型で情報を出すようにもしているところです。
[八幡工業]
例えば、アプリとかそういうもので対策をしたりするんでしょうか。
【知事】
大事ですね。そういうアプリなんかで少し身近なこのツールで、日常生活の中で、時には楽しみながら、別のことで活用している時に見れるとか、いつの間にか防災の知識が得られるとか、そういうこともこれからどんどんやっていきたいなと思っています。
[彦根東]
最初、県知事と聞いて、すごいなんか堅苦しい人なのかなと思ったらJRに勤めておられたのですね。憧れの会社ですごい親しみを感じております。よろしくお願いします。
質問の方なのですが、交通税を導入するにあたって、自分たち高校生にはどのような恩恵があるとお考えでしょうか。
【知事】
今お尋ねいただいた交通税というのは、まず滋賀県で導入すると決まっているわけではない。まずこの点は皆さん誤解がないように。ただ、さっきも近江鉄道のことを聞いてくださいましたし、皆さんも通学でバスとか鉄道を利用することもあると思うので、やっぱりこの公共交通ってすごく大事ではないかと私は思っています。多くの方とお話しすると、皆さんそうおっしゃいます。お買い物に行く時とか、病院に行く時とか、旅行に行く時とか、友達に会う時とか、やっぱりバス、鉄道、タクシーも大事だね、JRも、とおっしゃるのですが、コロナがあって乗る人減っちゃったり、人口が減って乗る人が減っちゃったりして、また運転手さんがいないので便数が不便になっちゃったりして、だんだん公共交通が厳しい状態になっています。でも私たちの生活、もしくは通勤、お父さん、お母さん、そして皆さんの通学、そういったことに重要であるならば、どういう状態にするのが良いか、というのを今考えています。今ちょうど県内各地で計画づくりをしています。たくさん人が住んでいる地域と少ない地域とまたその中間の地域と、今3地域に分けて計画づくりをしています。この作った計画を実現するためにどんな財源を持ったら良いか、というのも合わせて考えていて、「当然JRは払うべきだよな」「利用者が負担するべきですよね」「県も今補助金出しているのでそれでやりましょう」「国の補助金ももらいましょう」「彦根市をはじめとする市や町も負担しましょう」というこういうことも考えているのですが、それだけじゃ足りない時にどうしようかいうのを考えていて、例えば私たちが少しずつ払うような交通税というものがあれば、どういうことになるのかなというのも、今併わせて考えています。
だから、御質問にあったどんな恩恵がありますかということに対しては、まだ導入するわけじゃないから決まったことは答えられないのですが、例えば皆さんが通学するときに、もっと安くバスに乗りたいとか、もっと便利に路線を張ってほしいとか、この路線無くならないようにしてほしいとか、友達に足の不自由な友達がいるから、もっとバリアフリーの交通手段にしてほしいという時に、そういう願いが叶うような手段を持てることになるのではないかと思って、今、慎重に検討しています。でもやっぱり負担は少ない方がいいし、皆さんだってお小遣いそんなにあるわけじゃない、バイトしたってそんなにお金がもらえるわけじゃないとすれば、負担は慎重に検討しなくちゃいけないと思って、今、みんなで議論しているところです。
この議論には高校生の皆さんも入っていただいているので、もし皆さんも機会があれば、私もぜひそんな議論に参加してみたいな、ということで手を挙げてほしいと思います。
[東大津]
交通税に関連してなのですが、やっぱりあの近江鉄道が非常に厳しい状況ということで、そこに交通税が使われたりするというお話だったと思うのですが、他にもJRもコロナで本数が減っている区間が県内全域であると思うのですけども、交通税が導入されることで本数が増えたり、近江鉄道以外にも県内全域で交通税が満遍なく使われたりするのでしょうか。
【知事】
まず皆さん、あの、ちょっと聞いてみるけど、あまり情報も知識もないという前提で結構です。どんな議論してるのか、どういう使われ方するか、というのはまだまだこれからです。
今、2人から交通税という言葉が出たけど、交通税を少しずつでも負担して、皆さんが日頃使うバスとか鉄道が便利になった方がいいなと思うか、いやいや、やっぱり送り迎えでいいし、マイカーでいいし、今のままでいいし、やっぱり負担したくないな、と思うのと、どっちかな。
負担してでもちょっと便利になった方がいいなって思う人どれぐらいいる?(挙手)
ありがとう
まだね、金額とかわかんないし、負担の度合いにもよるし、何に使うかやっぱり負担は嫌だな、今のまま頑張ってほしいな、送迎で頑張れよ、という人どれぐらいいる?(挙手)
今質問してくれたみたいに、まだ交通税って導入すると決めているわけでもないし、もし仮にそういうみんなで負担をし合って財源を作っても、それを近江鉄道に使う、というのも決めているわけじゃありません。ただ、JRも不便になったり、バスの本数もたくさんないから、そういうものを充実させてほしいな、という声はたくさんあるので、その声を聞いて、どういう対策を取ればいいかというのは、考えなくちゃいけないと思っています。
でも、JRぐらいの会社は、やっぱり新幹線も走らせたり、大きな会社だし、たくさんの利益を出しているんだから、滋賀県から出す交通税の財源に頼らずに、ダイヤは充実させてほしいな、と僕は思っています。
例えば、東大津の近くで走っているバス、それぞれの地域で走っているコミュニティバス、大津市とか長浜市とか東近江市とか近江八幡市とか、みんないろいろな地域が一生懸命その維持をしようとしている、運転手さんの給料も払わなくちゃいけない、それを全部乗る人で負担しよう、と言ったらやっぱり大変なので、そういうものには何かしらの応援を私たちが少しずつ払って賄っていくべきじゃないかなという意見もありますし、
皆さん、お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんに送ってとかね、頼むことあると思う。僕も頼まれるし、僕も頼んだことあるのだけど、やっぱりそれってすごい負担。その送り迎えがないと行きたいところに行けない、というのは結構なロス。送る側も送ってもらう側も。だからそういうものができるだけない状態を作れないかなということも、今、計画づくりの中で議論しているところです。
ぜひ、東大津高校でもたくさんの人がバスに乗っているから、みんなで議論してみてよ。僕も行くよ。
[東大津]
また東大津高校でお待ちしていますので、よろしくお願いします。
【虎姫】
環境についての質問なのですが、滋賀県の脱炭素CO2ネットゼロの取組、例えば、現在の進捗状況や今後の取組などについて教えてください。また、水素利用についてもどのような取組をしているのかを教えてください。
【知事】
ありがとうございます。とても大事なテーマですね。
この夏も40度を超える地域がたくさん出て、私もこの地球規模の気候変動にとても危機感を持っています。この先どうなるのかと思って、やっぱり温度が上がると、降る雨の量が変わったり、降る雨の量がひどくなったりしますので、いろいろな影響、あと、琵琶湖の水温が上がって鮎の産卵に影響しているのではないかとか、山の火事も滋賀県では少しだけしかなかったけど、他の地域では大規模に山林火災なんかもあったりして、そんな影響が出るので、私たちの生活の中から出るCO2をできるだけ少なくする、吸収するのと合わせてネットでゼロにしていく、こういう取組を進めようということで滋賀県も2030年度、今から5年後の温室効果ガスの削減目標を2013年度と比較して、2030年の数値を2013年度と比較して半分以下にしよう、50%削減しようという目標を設定して、今いろいろな取組をしています。2022年度の実績は約28%削減できているので、今のところ目標達成は可能かなという順調なペースで削減できていますが、このペースだけでいいのかとか、もっといろいろな取組をしなくちゃいけないのではないかということで、今、計画期間を延長したり、新たな目標づくりの議論を始めているところです。
例えば、2035年度、10年後にどうしようかとか、皆さんがちょうど働いたり、お父さんお母さんになったりする頃の、例えば2040年度。どういう状態を作っておけば良いのかというようなことを今考えようという議論を始めているところです。
そういう時に、今、例に挙げられた水素というのも、とっても可能性のあるエネルギー源だと思っていますので、これからもっともっと滋賀県内でも使えるようにしたいと思っていますが、例えば、神戸とか名古屋とか敦賀とか、港の近いところ、海に近いところは、その原料である液化天然ガスを入れてきて、使いやすい、加工しやすいということで、今、盛んに使おうとされているのだけれども、例えば米原、大津とか内陸部で十分使えてないので、これから内陸部でもこの水素由来のエネルギーが使えるようにしようということで、今、米原を1つの拠点にしながら、活用の可能性を探りたいと思っています。
また水素以外でも太陽光、もっと太陽光で発電できるところを増やしたいということで今度新しく薄くて軽くて曲げられるペロブスカイトという新しい対応、発電の仕組みも出てきたので、こういうものができると、例えば丸い壁だとか、いろいろなところにつけやすい太陽電池、太陽光発電になるので、そういうものの可能性を広げて、できる限りCO2を減らしていくような取組を進めていけたら良いなと思っています。
[比叡山]
比叡山高校、世界遺産たる比叡山のそばにあるわけで、観光客の方々、国内外からたくさんやってきまして、私も通学中に比叡山ケーブルどこですかと聞かれたことがもうこれまで30回はあるのですけれども、観光業というのは、観光資源をいかに美しいまま維持するか、それにかかる、それに尽きると思います。
滋賀県内は観光資源がたくさんあると私は思っているのですが、知事は、県内の観光資源の維持、具体的な方法とかは何か考えていますか
【知事】
これも大事な御質問ですね。
まず今日8月18日は、比叡山高校とも関係の深い伝教大師最澄さんのお誕生日なんですってね。僕は会ったことないので、本当かどうかはわかんないのだけど、今日あの正源寺っていうお寺でお祭りがありますね。僕も夕方行くのですけど、忘己利他、己を忘れて他を利するとか、一隅を照らすとか、この比叡山で皆さんに広めているこういう考え方を今こそ世界に広めないといけないと僕はいつも思っています。
例えばそういうことも観光、と漢字で書いたときに光を観る、と書きますよね。だから光、どれだけ滋賀県で光を観てもらうことができるのかということを考えたいと思っています。例えば自然、これ光ですね。水、山、川、こういうやっぱり自然の春夏秋冬の風景とか、あと恵み、食べるもの、こういうものは大事にしていきたいし、あと、世界遺産と言ってくれたけれども、根本中堂とか、彦根城とか、八幡堀とか、いろいろな街並みとか、建物、ヴォーリズ建築もありますね。
善水寺とか、いろいろな地域にいろいろなお寺とか神社とか三井寺とかあるので、そういう建造物も大切に守って皆さんに感じていただける。ただ見て綺麗だな、古くて凄いなだけではなくて、なぜそれをみんなが大事にしているのかとかその中でどういう教えを、例えば虎姫高校の地元の湖北地域ではそれぞれの地域に仏様がいらっしゃって、観音様がいらっしゃって、それを地域の皆さんが大切に守ってくださっていますよね。そういうこととセットで知らせていけたら良いなと思っているので、そういう自然、その中でいただく恵みである食べ物、そして文化財をはじめとする建物、そういうものをストーリーと一緒に、別の言葉で言うとナラティブ、お話と一緒に皆さんに光として感じてもらえるようにしていきたいと思っています。
[膳所]
コメ政策について質問です。最近、コメ価格が高騰する中で、消費者への支援の取組については、よく目にすることがありますが、生産者を支援する取組については、あまり発信されていないように感じております。こうした状況についての知事の受け止めと、滋賀県の生産者支援の取組について教えてください。
【知事】
とても大事な質問だと思います。私たちも日々食べますよね。お米いただきますよね。皆さんもお弁当や朝昼晩いただくことが多いと思います。
滋賀県はお米の産地です。近畿地方の中でも大変たくさんの水田があって、ちょうど今頃から稲刈りされて、これから新米が出てきます。暑い時に草刈りをしたり、田植えをしたりしながら、生産者の皆さんが汗を流しながら大事に作っていただいているので、大切に届けていただきたいと思っています。
そういう意味で、さっきおっしゃった備蓄米をどうするとか、足りないからどうするとか、あと高いからどうするとか、どちらかというと消費者目線の話はたくさんテレビでもやるし、新聞などでも報じられるのだけど、生産者に対してどうするんだ、実はこれまでのお米安すぎたから作る人が減って、足りなくなっているんじゃないかとか、お米作らせずに小麦とか大豆とか転作をして、減作をさせてきたから、生産者に苦労させてきたから必要な分が届かないんじゃないか、という議論も最近特に高まっていて、これから大事なことはやはり生産力を上げていくことだと僕も思っています。
ただ、作る人が減っているのと作る人がお年寄りになってきていらっしゃるので、ここに対する対策。そのために小さい区画の田んぼをたくさんの人でやると手間がかかるので、できる限り大区画にしてまとめて効率良く、例えば機械とかドローンとか、自動で、スマートで米作りができるように、県も応援していきたいと思っています。そのための施策を今、一生懸命やっています。あともう一つは、滋賀県はたぶん、全国に先駆けてやって、とても皆さんに喜ばれているのですが、高温でも美味しいお米が作れる品種を県が頑張って開発しています。
高温耐性品種というのですが、高温にも耐えられる品種。それを10年前に「みずかがみ」っていうのを出して、今度新たに「きらみずき」という新しいお米も出して、ちょうど今その稲刈りが始まっています。これだけ暑いと十分実がならなかったり、なっても白くなったり、美味しくなかったりするのですが、この「みずかがみ」や「きらみずき」は暑さに強いように作ったので、とても美味しいお米がたくさん取れる品種になっているので、ちょっと高いのですが、備蓄米より1.5倍ぐらい、ものによってはオーガニックで作れば2倍ぐらいするお米もあるのですが、やっぱり苦労して作った分、きちんと消費者の皆さんに選んで、お金を払って食べていただこうということで、今そういう米作りを始めているので、是非、膳所高校の新聞でも応援してもらえたらと思います。
[石山]
先ほどのお話にもあったように、その高齢化や人口が少なくなっているがゆえの問題とかもあると思うのですが、滋賀県北部が特に人口が少ないかなという印象は受けているのですが、その滋賀県北部に移住してもらうための取組でどんなものがあるのかというのと、滋賀県北部に移住してもらうことで、どのような効果を期待しているのかというのを教えていただきたいです。
【知事】
滋賀県内には19の市町があります。今、例に挙げてくださった北部というのは皆さんもお住まいの人いると思いますけども、長浜市、高島市、この2つだけで滋賀県の3分の1の面積です。あと米原市。この三つの市は人口減少が他の地域よりも早く進んでいます。高齢者の比率、これが他の地域よりも高いです。
そのため、今、そういう課題が他の地域よりも先んじて出ている地域ということで、滋賀県は北部振興、北部の地域を応援しようという、こういう取組をやっています。特に、三つの市の人口は減るし、高齢化率は高いのですが、たくさんの魅力もあります。自然が豊かだったり、いろいろな文化財があったり、特に米原駅は滋賀県唯一の新幹線駅ですし、中部圏、北陸圏の結節点でもあります。敦賀駅が北陸新幹線開業しましたので、北の玄関口として、京都のことばっかり言うのではなくて、やっぱり北からのお客様を入れる、来てもらうためには、やっぱり北部って良いのではないかとかですね。生き物好きな人が多いと思うけど、ちょうど長浜、高島、米原あたりは伊吹山もあって、南の生き物の北限になるんだそうですね。で、北の生き物の南限になるんだそうですね。植物でも動物でも。だからちょうど混じり合う地域があの滋賀県の北部地域だと言われていて、豊かな植生、豊かな生態系がありますので、例えばそういうことをもっとPRしたり、人が少なくなった分、1人1人の子どもたちに対して、手厚く教育できる環境とか、人と人との結びつきも強いので、そういう支え合いの仕組みが作れるとか、そういう良いところをPRしたり、伸ばしたりしながら振興していきたいと思っています。
これまで約5年間で2000人を超える移住者を招くことができているし、最近移住する人が少し増えている傾向があるので、この流れを,それぞれの市なんかと、北部だけで2000じゃなくて、県全体で5年間で2000人を超える状況を作り出せているので、なんとかそういう魅力をお伝えしながら、北部にも移住してもらえるようにしたいと思っています。
移住してどんな効果がありますかということなのですが、確かに良いことばかりじゃないです。やっぱり知らないところに住むってストレスもかかるし、もともと住んでいる人との軋轢もあるので、そこはなんとかみんなが努力して調整して、仲間として住んでもらって、やっぱりいろいろな視点が街に入ってくると、多様性、違う人との会話ってちょっと合わない時もあるけど、楽しいことも多いし、違う人から見てもらうと、知らない人の視点って、やっぱり新たな気づきがあるので、そういう化学反応をこの移住政策の中で生み出していけたらと思っています。
[守山]
近年、県の南北で交通や人口の格差があることで、高校の倍率にも大きな差が生まれており、定員割れとなっている高校も存在しています。このことを改善するためには、各高校の独自の魅力を作り出すことが必要だと考えますが、知事はどのような対策を講じていこうとお考えでしょうか。
【知事】
とても大事な指摘ですし、僕も今質問されたことと同感です。まず、県内には50を超える高校、特別支援学校も含めてあるのですが、やはり1つひとつ歴史もあるし、特徴もあるし、ただ、入ってくる生徒の数が、中学生が、僕らが中学校だった頃に比べると減っているので、どうしても定員割れとか、あと時代の流れで少し人気が以前よりなくなってしまって、定員に満たないとかそういうことがあるのも事実だけれども、やっぱり基本は1つひとつの学校特色と魅力をきちんと高めていくということが大事だと思います。
今年度4月から、同じ守山市にある守山北高校、新たな学科をつくって、「みらい共創科」という地域の課題を一緒にどうやって解決したら良いかというので、アントレプレナーシップ、起業を目指すような、そういう取組とか、ちょっと北の伊香高校では「森の探求科」、林業とか木を使うとか、そういう取組を学ぶ学科を作って、今度、全国募集をしようということも考えているので、そういう魅力をそれぞれの学校ごとに作っていきたいと思います。
ただ、ごめん、守山高校には宿題があって、この後、多分言おうと思っているんだと思うけど、設備がちょっとね、いろいろ古かったり、学校がちょっとなんとかしなくちゃいけないな、ということがあるので、今その問題は教育委員会の皆さんと、じゃあどんなスケジュールでどういう改修をするのか、というのを考えているところなので、もうちょっと時間をください。
あと、あの事前にもらった質問の中に、みんなタブレットで授業をやったり勉強したりすることが多いのに、Wi-Fiの環境が十分ではないと、通信が滞ったりするから学びが停滞する、という指摘もあって、ちょっとこういう環境もどうやって改善していくのか、というのを一緒に考えて、できるだけ早く対策を打っていきたいと思っています。中には、じゃあ知事さんと、設備を改修します、Wi-Fi環境整えます、体育館の空調入れます、トイレも直します、今ある高校全部やれますか、という話もあるのです。今日のお昼のニュースだったかな、大阪では公立高校をこれからどれだけ減らすなんてことを教育委員会で検討中だ、というニュースも出ていたのですが、僕は、あんまりそれぞれの地域にある学校数を減らすということよりも、まず学校の魅力をさっき言ってくれたみたいに高めて、磨いて、そして必要な設備は整備して、少ない人数であったとしても、その地域でその時期大切な学びが得られるような、そういう学校環境を整備することが重要ではないかと思っているところです。
[長浜北星]
最近、獣害についてかなり話題となっていますが、県としてはどのように対策をしていきたいのか聞きたいです。また、現段階で鹿による食害によって一部山がはげてしまっている状況になっていますが、それに対して猟友会などとどのように協力して対策していきたいのかを聞きたいです。
【知事】
これもね、頭悩ましているのですよ。どうしようかなと思って。ちょっとみんな一緒に考えてくれないかな。例えばね、熊もたくさん出ているでしょ。熊にこの前引きずられて亡くなった人もいるのだけど、そういう問題とか、伊吹山、滋賀県にとって一番高い山で霊峰という山なんだけど昔はこの時期だったら緑がいっぱいだったのが、鹿が食べちゃって、最近あまり雪が積もらないで降らないから鹿が冬を越せるんだって、冬越してたくさん子ども産むからたくさん鹿が増えちゃって、鹿がいっぱい草を食べるから裸地化して雨が降ったらすぐ流れる山になってしまっているということもあって、獣害ってとてもいろいろな影響を及ぼし始めています。
それだけじゃなくて、せっかく作物を作ったのに食べられるとか、猿が来たらいろいろな家を荒らされるとか、イノシシだって鹿だって、いろいろな害を及ぼしているんだけど、これはね、ちょっと見方を変えると、人間のエゴもあるんじゃないかと思っていて、動物が住める山、動物と住み分けられる地域、というのを滋賀は作っていくべきじゃないかと思っているんです。山の環境をきちんと動物が住めるように整えてやる。例えば、すぐにできないんだけど、針葉樹ばっかりじゃなくて、昔はね、実がなる木があったんだって、たくさん。
だから動物が人里に出てこなくても、山の実を食べて暮らせたのに、みんなそれを切って、針葉樹、実のならない木を植えちゃったから、この動物どこに住むねんていう話やんな。あと、山の木を切って、宅地とか作ったから、そこに出てこないと餌がないということになるよね。
だから、これ簡単じゃないんだけど、やっぱり山の手入れをして、針葉樹を広葉樹に戻してやって、そして山と里、人が住むとことの間を里山にして、動物と人とが仲良く暮らせる緩衝帯を作って、そしてその中に人が住むエリアという、こういう棲み分けを滋賀県はできたら良いと思っているんだけど、ただ、そういうことを言うと、いや、知事さんそんな甘いもんじゃないよと、大変だし、猿もいるし、イノシシもいるし、食われるし、もう熊なんか出たらどうするんや、という人もいるので、そこは粘り強く話していくしかないかなと思ってるんだけど、どう?そんな害を及ぼす動物はみんな殺しちゃった方がいい?僕はむしろ動物も住める滋賀、動物も住める自然、山に戻してやることが大事なんじゃないかなと思って、その対策に力入れたいなと思っているんだけど。
[長浜北星]
そうですね、確かに針葉樹とかが、自分のひいおばあちゃんとかがそのような感じで木が売れた、という話は聞いていたりするので、そこら辺を戻していただきたいなと思っています。
【知事】
そうそう、針葉樹の方がね、早く伸びるし、切って売れる、売って家を建てたりする材木に使おう、ということで植えられたんだけど、その後、木を輸入したり、あと切る人いなくなったり、切っても安くなったりしたから、あまりこう使われなくなってきたわけですので、これからはその針葉樹を切って、その後は広葉樹にして、ちょっと山の手入れをして、100年かけて、およそこれまで100年で滋賀の山を変えてきちゃったから、今から100年かけて動物と一緒に住める山にしたいなと思うので、ちょっと長浜北星高校でもちょっとやれること考えてみてよ。一緒にやろうよ。
[長浜北星]
ちょっと持ち帰って頑張らせていただきます。
【知事】
みんなとちょっと議論してみて。とても大事なことだと思います。
[長浜北星]
平和堂HATOスタジアムについて質問させていただきます。私の解釈では、おそらく国スポのために2023年に建てられたスタジアムだと思っているのですが、国スポが終わった後の運用とか維持についてお聞かせいただければと思います。
【知事】
おっしゃるとおりで、この秋、国民スポーツ大会、障害者スポーツ大会を開催するので、それに合わせて作りました。陸上競技場、第1種の陸上競技場なので、桐生さんにまた9秒台出していただきたいなとか、いろいろな方に利用してもらいたいなと思っているのですが、当然そのスポーツ大会が終わった後も、多くの大会とかいろいろなイベントとかで使ってもらえるようにしたいと思っています。
今、サッカーのプロチームが、そこをホームスタジアムにしてJリーグを目指そうとか、ちょっと照明が足りないので、そのための手入れはいるのですが、あと国宝の彦根城がすぐそばに見えて、周りは公園があって、駅からも歩いて行けるので、結構便利なスタジアムで、陸上競技場として、これからも使ってもらえるようにしたいと思って、市と一緒に話し合っているところです。
[虎姫]
今年は戦後80年です。汚染されつつある戦争の遺跡や遺産を守って、今、戦争体験者が減っている中で、戦争を語り継ぐための取組について、現在県でされている取組や、今後の予定について教えてください。
【知事】
戦争が終わって、日本が敗戦してちょうど80年で、80年というと、その時生まれた人も80歳だから、おっしゃったように戦争の記憶とか体験こういうものがどんどん薄れていってしまうので今、国を挙げてその記憶とか体験を記録に残したり、あと語り部として皆さんにお伝えできるように、あと、デジタルでアーカイブにして、いつでも見られるようにしようという、こういう取組を進めています。滋賀県も同じように、県内にある戦争に関する遺跡とか、これを保存したり、どこにあるか、いろいろな資料を作ったり、東近江市に平和祈念館を滋賀県立で持っていますので、そこにいろいろな資料を集めて、皆さんに見ていただけるようにしたり、そういう取組を進めています。やはりこれからは語り継ぐ、体験と記憶を語り継ぐことがとても大事だと思うので、ぜひ皆さん、新聞部でもそういう取組特集なんかをやってくれたらいいなと思います。
[膳所]
事業者の高齢化や採算が合わないといった要因で、購買がなくなってしまい、昼食の確保が難しくなる学校が一定数見受けられます。実際に、膳所高校でも1度購買がなくなってしまいました。一方、大津高校ではスクールランチの取組が導入されています。これらの背景を踏まえ、今後も各校で購買等がなくなり続けていく場合、滋賀県としてはどのように考えていくのか教えていただきたいです。
【知事】
榎坂君、それは滋賀県が考えた方がいいかな。
[膳所]
購買というのは、全国的にやっていくとしても、事業者はそれぞれの地域にあると思うので、より小さい単位の方が細かく対応できるのかなと僕らは考えました。
【知事】
なるほど。みんなの学校に購買はある?
やっぱり今のところみんなあるか。膳所高校は今あるの?
[膳所]
1度、4月になくなってしまったのですが、また新しい事業者の方が入ってくれました。
【知事】
今のところは大丈夫なんだね。
いや、でもこれすごく大事なテーマで、高校で食べるお昼ご飯とか、何かちょっと買い物したい時にどうするか、という問題で、学校単位ぐらいだとなかなかペイしないというか、採算に合わないことが多いので、事業者さんも、じゃあ分かったやりましょう、ということにならないことが多いんですね。だからやっぱりどうするか考えることってとても大事だと思う。
なので大津高校ではスクールランチっていうので、事前に申し込んだりしたら届けてもらえるような、そういう仕組みを新たに始めてくれたりしたので、ちょっと。膳所高校でも考えてみたら。どうしたらいいか。応援するよ。
[膳所]
お願いします。
【知事】
こんなことしたいから、ちょっと応援してくれって言ったら応援するよ。
[膳所]
じゃあその時はぜひ応援してもらいます。ありがとうございます。
【知事】
全部税金でするとかじゃなくて、全部事業者さんに頑張ってもらうっていうんじゃなくて、全部買う人が払うっていうんじゃなくて、なんか良い仕組みを作れたらいいなと思うな。事業者さんだって儲からないのに慈善事業でやるわけにはいかないし、せっかく購買やるのに、いや私もう買わない、利用しないっていうお店だと持たないから、なんか良い仕組み考えられるといいよな。
[膳所]
僕もそう思います。
[彦根東]
今年の11月に中国に行かれると思うのですが、私たち高校生や大学生も行く予定があり、学生が行った後、どういったことを期待されているかお聞きしたいです。
【知事】
中国の中の湖南省というところと、滋賀県が友好姉妹都市なのです。湖南省には洞庭湖、という湖があって、琵琶湖と繋がりがあるということで、これは1984年からだったかな、姉妹都市になっていろいろ交流をしていますので、この11月には私も行って、またこれからも交流しましょう、特に青少年の交流をしましょうということについて話し合いができたらいいなと思っています。というのが一つ。
あと、中国湖南省ってどれぐらいの大きさの都市か地域かってみんな想像つくかな。
行ったことある人いる?ないよね。僕もまだ4回ぐらいしか行ったことないんだけど、
面積は滋賀県の50倍です。今、約7000万人いらっしゃるので、面積も人口も50倍です。すごく発展しています。もともと関係を結んだ時は、日本、滋賀県の方が発展していたから、農業のこととか、行政のこととか、環境のこととか、いろいろ教えてあげたりしたんだけど、でも今は、湖南省から、中国から学ぶこともたくさんあるので、そういう学びをできたらいいなということと、あとは書道をやる人たち、高校生の皆さんも一緒に行ってもらって、書道だと中国語がわからなくても漢字で繋がっていたりして文化交流ができるので、そういうこともやりたいなと思っています。あともう一つ大事なことは、さっきも戦後80年ということを言ってくれたけど、戦争で亡くなった人、現地で亡くなった人のお弔いと、こちらから出征して亡くなった方のお弔いを丁寧に、気持ちを傷つけないようにしながらやりたいなと思っています。ぜひそういうことをいろいろ現地で取材して報告してあげてください。
[甲西]
観光産業について御質問させていただきたいのですが、先ほど比叡山高校に光を観てもらう観光を行っていきたいと、観光資源がなぜ大切にされているのかを知ってもらいたいとおっしゃっていましたが、それについて具体的な取組はどのようなことを考えておられますか。
[八幡工業]
南海トラフ地震で起きる可能性がある半割れのケースで質問がしたいことがあるんですが、例えば、半割れの場合、震度6強の地震が2度起きる可能性があり、その場合、耐震基準を満たす住宅にも被害が起きる可能性があり、その場合の耐震補強や耐震診断の強化対策などはあったりしますか。
[彦根東]
滋賀県は災害が比較的少ないですが、南海トラフ巨大地震での被害が懸念されています。そんな中、県民にはどのような避難時の行動や対策を期待していますか。
[守山]
2022年に世界農業遺産に登録された琵琶湖システムについて、第1次産業に携わる人が減り、高齢化も進む中、今後どのように維持・発展させていくかについて教えてください。
[東大津]
琵琶湖内でのプレジャーボートの利用に関して、県の定める条例や規則などに違反した場合で、なおかつ停止命令に従わない、従えない場合に当該船舶を強制的に停止させることが可能なのか、例えば熱中症で意識を失った場合など、そういう場合の対処や、もしくはそれが遊泳客に向けてボートが突っ込んだりした場合の安全策についても見解があればお聞きしたいです。
【知事】
ありがとうございます。まだまだたくさん聞きたいなと思っている人もいるかもしれませんが、ちょっと時間の関係で最後にということになりましたけど、今いただいたご質問はどれも大事なので、
まず観光について、先ほどに関連して御質問いただいて、光を観るって具体的に何するのですか。こういう御質問ですね。
まず、例えば、お寺に行ってお参りしてもらうだけではなくて、きちんと案内、看板、説明できる人を配置したり、最近ではインバウンドの方もいらっしゃるので、こういったものをQRコードを読めば、多言語で御紹介するような、そういう取組を大事にしたいなと思っています。あと、ボランティアガイドの方とか、これはお寺だけじゃなくて、あらゆる施設で、やはりそういったおもてなし、多文化でおもてなしできるような、そういうことをこれから大事にしていきたい。バリアフリーもそうですね。
あと、守山高校の生徒さんから、世界農業遺産のこと、注目してくれてありがとう。琵琶湖システムといって、琵琶湖を大切に守りながら、農業、漁業を営んできたこの歴史というのは、世界の中でも評価できる、ということで世界農業遺産に認定されました。なので、そのブランドを最大限生かして農産物、水産物の付加価値にしたいと思っています。例えば、環境を守りながら農業をやっています、ということとか、採り尽くさない魞漁なんてそうですね。待ち受けで漁をするので、取り尽くさない漁をしていますとか、魚のゆりかご水田といって、琵琶湖とつながる田んぼが魚の産卵地域になっています、というこういったことなどを紹介しながら、世界農業遺産、琵琶湖システムのブランド価値を最大限生かした農水産業の強化をしていきたいなと思っています。また、やっぱり食べていただかないと。その価値、魅力ってわからないので、びわ湖魚グルメ、というのを作って、いろいろな新しいレシピの開発をしてもらって、PRをしています。そのことによって価格を確保したり、所得につながるような、そういう取組に繋げていけたらいいなと思っています。皆さんもまだ世界農業遺産を知らない方も多いと思うのでやっぱり学ぶことと、食べることと、実際行ってみてそれを体験する、訪れること。この3つの視点で、この世界農業遺産のことをPRしていけたらいいなと思っています。
あと、東大津高校の新聞部さんから御質問いただいたプレジャーボートのことはこれ、御質問したいと事前に伺っていたので、改めて調べると今までの発行数、適合証というものを県で発行しているのですが、累計で約2万4000件、全部のボートが使われているかどうかというのはわからないけど、約2万4000のプレジャーボートの適合証があります。ちなみに昨年度だけで1170件適合証を発行していますので、ある意味増えています。そのプレジャーボートがどんどんあちこちで走って、泳いでいる人が危なくなったり,釣りをしていると危なくなったりするのは良くないので、ここはプレジャーボートを航行しちゃいけませんという、規制水域を設けて、皆さんにここは入っちゃいけませんということをPR、周知して、それでも入っている人がいたら取り締まったりしているところですが、もうこれだけ広い琵琶湖なので、四六時中見ることってできないので、通報があった時に駆けつけるとか、湖岸の住民の皆さんから御連絡をいただいて、重点的に取り締まりをするといったことをしながら今対策を講じていますし、むしろ琵琶湖を愛する人の良識に委ねて、性善説で、常識を信じて、今いろいろな対策に御協力いただいているというところがメインになります。
あと、防災に関して2つ御質問をいただいて、南海トラフは、これが起こると約400人の方が滋賀県内で亡くなると言われていますので、今御質問にもあったように、半割れといって、1回揺れて、もう1回揺れると、しかも同じ規模で揺れるということになると、多分被害はもっと広がる可能性もあるし、歴史的に見ると、南海、東南海が揺れると、またものすごい揺れになって、昔はそんな高い建物とか早い乗り物とかなかったから被害がそんなになかったけど、今は、新幹線が走る時にどうなるんだろうとか、高い建物大丈夫かなとか、富士山も一緒に噴火したらどうなるんだろうとか、そういうことっていうのは充分考えられるので、そういったことに対応した、例えば住宅の耐震化、まず診断してもらうことと改修してもらうこと、これを促す制度を僕らも情報と共に作ってお伝えしていきたいなということと、
あとは、そういうことを想定してそういうことが起きますよ、起きた時にも生き残ってもらえるように、皆さんにも考えてほしいです。学校の耐震が大丈夫かなとか、家は大丈夫かなとか、例えば、高校のそれぞれの新聞で南海トラフ地震が起こった時に国が発表する資料では、今、この地域に震度6ね、耐震補強できてない建物が潰れるって言ってるけど、みんなどこで寝てる、家は大丈夫かおじいちゃんおばあちゃんは、というのを少し皆さんに投げかけて、どういう対策ができるのか、というのを一緒に考えていけたらいいなと思っています。僕も死ぬかもしれないので、知事で仕事している時は、南海トラフ地震が起こっても死なないように、寝る時も倒れるものの近くで寝ないようにしようとか考えているし、いざという時にはこういう行動をしようというのをいつもシミュレーションするようにしているので、皆さんも少しそういうマインドを持ってもらえたら嬉しいなと思います。今日はいろいろな質問を受けて、僕もちょっとやらなくちゃいけないことをいろいろ得られたので、とても良かったなと思いました。どうもありがとうございました。
皆さん、新聞部の活動頑張ってくださいね。僕も高校時代にやったクラブ活動で人生がなんかこう変わったなと思うし、その時出会った先生の影響もやっぱりあるし、何より友達ね。ええ、友達との関係って一生続くと思うので、どうかあの新聞部の活動を大事にしてください。また、皆さんのところでできた新聞で今日のこと書きましたというのがあったら、送ってくださればちゃんと見て、もし差し支えなかったら、僕のホームページで紹介したりしますので、だからといって、良いことばっかり書かなくてもいいよ。質問にちゃんと答えてなかったことなんか、具体的じゃなかったとかいうのがあったら、どんどん厳しいことも書いてくれたらいいので、よろしくお願いします。今日は本当にありがとうございました。
[びわ湖放送]
率直に今日の感想をお願い致します。
【知事】
私は一年でこの機会が一番緊張するかもしれないです。それぐらい皆さんの眼差しが真剣だし、いつもの記者会見でも記者の皆さんも真剣なんですけど、なんかすごく純粋な眼差しと、未来を見る眼差しは、とっても熱くて鋭いので、そのことにどう答えるのか、また、難しいこととか、複雑なことをできるだけ分かりやすい言葉で伝えるということが求められるので、そういうことをもっともっと私自身が磨いていかないといけないなと思っています。でも、これだけ短時間で多岐にわたるテーマについて投げかけられたので、私自身の糧にしたいと思うし、この高校新聞部に皆さんにとって、何か心のどこかに刺さる思い出ができたら良かったなと思っています。