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第87回 「こんにちは!三日月です」

  • 対話相手ジェンダーについて学んでいる大学生の皆さん

ジェンダーについて学んでおられる学生さんと知事が意見交換を行いました!

知事の「北の近江」現場訪問お出かけ!ジェンダー平等ミーティングで「ジェンダー・ギャップあるある」をテーマとして、米原市の男女共同参画センターにて、聖泉大学の先生と学生さん、滋賀大学、長浜バイオ大学に通う学生のみなさまと意見交換を行いました!

「知事と握手したい!」という大学生のオーダーに応え入室してきた知事と全員が握手をし、挨拶をして対話を開始。終始和やかな雰囲気でした。

対話風景

概要

米原市男女共同参画センター所長から

米原市の男女共同参画センター所長から「あるある」なお話をいただきました。

  • 当センターは、男女共同参画、人権センターという二つの分野を、主に指定管理で運営している。
  • 米原市の状況として、女性の方で活躍されたり、様々な活動をされている方がいらっしゃるが、そのような方が表に出てきにくい状況があるのではないかと日々感じている。
  • センターには、米原市内でも過疎化している地域のお年寄りの方や、若い世代の方からの相談が多い。
  • 昔ながらの農村社会であることから、男尊女卑の思想がまだ残っていると感じており、それが原因で差別であったり、生きづらさを抱えておられる女性がすごく多いと思った。
  • 5年ほど前に、子ども英語教室に来られていた、次年度から中学生になる女の子が「中学校が楽しみじゃない、行きたくない」と話していた。
  • 理由を聞いてみると、スカートをはかないといけないからとのことであったので、問題に思い、市の教育委員会に伝え、制服の自由化が進められた。
  • 市民の意見、地域の声を拾っていき、現状を少しずつ変えていくことで、みんなが住みやすく、生きやすくできればと思う。
  • 相談事業を実施しているが、男性の方からの相談もある。

 この後、知事と学生の皆様とで意見交換が行われました。

対話風景1

自己紹介と自身の考えるジェンダーギャップについて

Aさん

  • 聖泉大学別科助産専攻で、助産の勉強をしている。
  • 私の住む町でも、「男尊女卑の考え方がまだ古く根付いているな」と感じる。理由としては、少子高齢化が進んでおり、昔ながらの考え方を持っておられる高齢者の方が多いからではないかと思っている。
  • 私が中学生の時に、スカートが嫌だという学生がいた。現在は制服も自由に選べる時代になり、日常生活の中でもズボンをはいている学生も多く見かけるようになり、制服については少しずつ改善されているが、まだ十分に広がってはいないと思う。

Bさん

  • 聖泉大学看護学部3年生で看護師を目指している。
  • 地元が静岡県で、滋賀県に来た時にバイト先などで皆さんと話すときに「女が」という発言が多く、「滋賀県は男女の区別が強いと感じた。一方で、男性がいい意味で男らしい方が多いと思う。
  • 私の通っている、看護学部は生徒や先生を含めて女性が8割くらいおり、女性がすごく活躍しているなと思う。
  • 自分は、男性・女性ということではなく、自分の好きなものを選んできたが、それが女性らしくないと思われていると周囲からの目で感じた。

Cさん

  • 聖泉大学人間学部人間心理学科3年生。
  • 男性でもスカートをはきたいという人もいる。自分の友達にも、メークをしたい、女性の服装などこだわらずに試してみたいという人もいる。
  • 女性がズボンや男らしい服装を着ても、違和感や他人から何か言われたりということはないが、男性は、メークをしていると、違和感を感じられる。実際、SNSで見たのが、男性がメークをしてバイトの面接等を受けると、「メークをしているから」とか、「何かちょっと女っぽいから」という理由で断られるような風潮があるとのこと。
  • 男女の服装などの「違和感」が認められる社会になっていけば良いと思うし、「男らしさや女らしさ」がなくなっていけば良いと思う。

Dさん

  • 長浜バイオ大学2回生。自身の家庭でも男尊女卑はあった。
  • なぜ、男尊女卑という考え方が生まれて、根付いているのか考えた時に、もともと男性と女性で脳の仕組みの違いがあり、男性は考えるような仕事に向いており、女性は家庭内の仕事の方が能力を発揮できると思う。
  • だから、結果的に、差別をしているとかではなくて、それぞれが得意なものを続けてきて、それが、固定概念として定着したことによって、男尊女卑のように見えるのかもしれないと考えている。
  • 男尊女卑を全部悪いと言うのではなく、否定的な見方をするのではなく、多面的にさまざまな見方をすることが必要なのではないか。

Eさん

  • 滋賀大学経済学部2回生。
  • 私の出身は田舎ではないが親戚が集まったときに、男性は座ってテレビを見ているが女性はおせち等の準備をしており、都市部でもこのような風習が残っているのだと思う。
  • 女性もおかしいと思うのではなく、働くのが当たり前と思っており、働いていないと非難しあうような関係もあり疑問に思う。
  • 部活動で空手部に所属しているが、部員は男性7割で、女性3割の割合である。OB会があったときに男子は「お酒を飲むのが当たり前」や「何かつらいことがあっても何も言わないことが当たり前」、というように、何か重荷を負うのが当たり前のように感じ、男女平等ではないと感じるので、女性からも考えに間違いがあれば指摘するべきなのではないかと思った。
     
対話風景1

ジェンダーギャップの解消について

Bさん

  • 「男女」という見方をするのは生物学的に仕方ないが、必要以上に「男女」として考える必要をなくし、他人の考えを受容していくべきだと思う。そうすれば社会は変わっていき、ジェンダーギャップが解消していくのではないか。
  • 「男女」を書類等で決めるということに違和感を抱いているが、「男女」を分けて考えることが必要な場面はあるが、生物的な性とその人自身が自認している性を区別できる常識がまだないということが、問題であると思う。
  • 私自身も小さいころ、男性の中に混じってサッカーをしていたという経験を経て、ジェンダーに対してのギャップを感じなくなったと思う。わざわざ区別するよりも、みんなで一緒に一つのことをする経験で、差別はなくなると思う。

Cさん

  • ジェンダーギャップ解消のためには、男女平等というような考えを持っていない方にも、なぜそう思っているのかを聞いてみて、寄り添ってあげるということが重要だと思う。
  • 「この人は、そういう考えを持っているんだな」ということを、男性に限らず、女性やお年寄りの方など、いろいろな人の意見を聞いてみて、多面的にジェンダーのギャップについて考えていくことが重要なのではないかと思う。

ジェンダーの学習について

Dさん

  • 私は、ジェンダーギャップ等の問題について年配の方についても伝わると思っている。以前彦根市の自治会でジェンダーについての研修を私たちが講師として行った。
  • 講師をしたときに、「そんなわけない」など私たちを突き放すことなく、皆さん話をしっかりきいてくれて、手応えも感じた。
  • 1対1で話すと感情論で話してしまい、意見の押し付け合いになると思うので、論理的に物事を伝えてから、感情論ではなくて、論理的に物事を考える場があるといいのかなと思う。

Eさん

  • ジェンダーについて学ぶ機会は、子どもや大学生が多い。しかしながら、大人が学ぶ機会は少ないように感じる。
  • 大人は、平日は休めないので、どこで学ぶのかとなったときに会社に勤めている方は平日に会社で学べるよう、企業もジェンダー格差解消に向けて行動すべきだと思う。
  • 私は経済学部で学んでいて、企業の方からお話を聞く機会があるが、起業されている方の中には、固定概念で考えてしまう方もいる。会社のトップがそのような考えを持っていると、会社で勤める人たちも、そのような考えで行動してしまう。
  • だから、役職が上の方の意見はもちろんのこと、会社全体でジェンダーについて話し合う機会を増やしたり、講習会をするなどして、固定概念を持っている方に対してもケアをするべきだと思う。
対話風景4
対話風景2

女性と男性のライフワークバランスについて

Aさん

  • 女性の社会進出が進み、女性が活躍する社会にはなってきているが、どうしても出産や結婚を機に職から離れないといけないと思っておられる女性がまだ多いのではないかと思っている。
  • 助産師としてプレコンセプションケアを学んでいく中で、若い時代から自分の将来設計や、自分の健康については考えているが、「男性は仕事をずっと続けて当たり前、女性は結婚して子どもを産んで育てるのが当たり前」という考え方ではなく、男性も女性も自分の人生をどういうふうに歩んでいくかということも、考えていかないといけないのではないか。
  • 「子どもが欲しい」という思いに対して、いま何ができるのかということを、男女平等に考えていかないといけないと思う。性別の性だけではなく、社会的な性のジェンダーも考える必要がある。子どもを産めるのは女性しかいないが、支える男性は何をすべきかを考えていきたい。

Bさん

  • ジェンダー平等で女性が社会進出していくと、少子高齢化に拍車がかかるというようなニュース等をよく見るので、そのような考えがジェンダー平等に向けて難しい課題になってくるのではないかと思う。
対話風景3
対話風景

知事から

  • 今回の対話でたくさんのヒントをいただいた。
  • 男女ともにプレコンセプションケア(将来の妊娠を考えながら女性やカップルが自分たちの生活や健康に向き合うこと)やキャリア教育を行っていく必要がある。
  • 幼少期も大事だが、大人になってからの勉強も大事だと思う。
  • せっかく生まれて、せっかく生きているので、性別によって夢をあきらめるのは違う。
  • 「あなたがどうしたいか」が基本。
  • 一人ひとりを大事にしたい

最後に知事から学生に対し「学生生活を楽しんでください!」と応援メッセージを伝え、終了しました。

対話風景
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知事公室 広報課
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お問い合わせ(対話の内容に関すること)
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