令和7年12月16日
(県政記者クラブ主催)
【知事】
今日もよろしくお願いいたします。今年も残すところあと2週間余りとなりました。この前に行われた県政経営会議でも、先週末フォーラムを実施した滋賀地域交通計画について論議させていただきました。県議会の委員会等でもこれから御説明をいたしますし、県民政策コメントをかけて、より良い案をつくり、何とか年度内に計画をつくり上げて、その計画を実現、実行するための財源のあり方、そのうちの1つとして、新たな税というものに求めた場合どうなるのかということについても、今、議論を深めているところでありますので、今日も活発な議論が各部長から出されましたので、そういうものも盛り込んで、より良い案をつくっていきたいと考えているところでございます。
坂口志文先生がノーベル生理学・医学賞を受賞されて、現地スウェーデンストックホルムで授賞式にも臨まれました。その御様子等は、テレビ等で既に御確認いただいております。制御性T細胞という、様々なものを襲うし、また制御するしという、こういう細胞、非常にこれからの医療、治療にとって効果が期待されるものだと聞いております。その快挙をたたえ、12月22日に滋賀県県民栄誉賞を贈呈させていただきます。スケジュール等は、お手元の資料に記載のとおりでございます。12月22日月曜日11時半から滋賀県庁にて、先生をみんなでお迎えをして、その栄誉をお称え申し上げたいと存じます。
また、嬉しいということで言えば、レイラック滋賀FCが見事、Jリーグ昇格を果たされました。J3ですね。滋賀県初の、念願のJリーグ加盟チームが誕生したという、このことも皆さんと共に喜び合いたいと思います。長い歴史、関係者の様々な努力、そして今回の熱戦、激戦、これを見事勝ち抜かれてのJ3入り、これは素晴らしいことだと思います。いよいよJリーグでの舞台での戦いということになりますので、さらに多く、また熱くファンを沸かせる、湖国を沸かせる、そういう活躍を期待したいと思います。
また、琵琶湖の水位につきましては、今朝6時時点でマイナス71センチということで、水位低下警戒本部を設置するマイナス75センチに近づいてきました。過日の雨で少し戻るかと期待していたのですが、なかなか回復しないということでございますので、マイナス75センチになった場合の準備も今行っているところでございます。引き続き、水の恵み、皆さんと共に大切に享受できるように、御協力をよろしくお願いいたします。
それでは、今日は1点、資料に基づいて御案内いたします。滋賀県と西武ホールディングス様との間で包括的連携協定を結んでおりますが、おかげさまで1周年となることを記念し、「西武 旅するレストラン『52席の至福』×滋賀県」のコラボ企画をやろうということになりました。昨年の包括的連携協定の締結以来、滋賀県内で、また首都圏で、様々な施策を実施してきました。今回、西武鉄道で運行されているレストラン列車「52席の至福」という列車、私もまだ見たことも乗ったこともないのですが、こちらで滋賀県食材をふんだんに使った特別メニューを御提供いただくこととなりました。また、今回のメニューは中目黒にお店を構えていらっしゃる滋賀県出身の布山潤志さんがシェフとして監修をしていただきます。近江牛、近江鴨、日野菜、赤こんにゃく、モロコなど滋賀県の豊かな食材をふんだんに使った特別メニューを車内で味わっていただけると、運行日は1月10日土曜日から3月29日日曜日まで、土日祝日に運行されるということで、すでに申し込みが始まっているそうで、大変好評と聞いておりますが、若干まだ残席もあるということでございます。今回、連動企画といたしまして、近江鉄道、西武鉄道、ここ滋賀、協力した回遊のスタンプラリーをやるということでありますとか、池袋駅地下コンコース、西武新宿駅構内で滋賀県物産会も開催していただけるということでございます。せっかくの機会ですので、年明け1月18日日曜日、池袋駅で開催される物産会に、私もPRのため参加をさせていただきますし、このレストラン列車「52席の至福」にも乗車させていただくべく、今、準備をしているところでございます。西武鉄道さんとの御縁を大事に、滋賀県のPRをしていければと考えているところでございます。私からは以上です。
[びわ湖放送]
お話にありました、レイラック滋賀について、本当に関係者、それからサポーターにとっては悲願の滋賀県初のJリーグチーム誕生ということで、知事としては、これまで観に行かれたこともあるかと思うのですが、これまでどのような期待をされていたのか。そして今回、昇格が決まって改めてどのように知事が感じられたのか教えてください。
【知事】
国スポもありました、障スポもありました。スポーツを「する」こと、「みる」こと、「支える」こと、この力というのは非常に大きなものがまずあります。さらに、このサッカーというのは、レイラック滋賀FCもそうですけど、今回、水口高校が全国高校サッカー選手権大会の出場と、滋賀県は野洲高校が2005年に全国制覇、また、近江高校も準優勝という、サッカー強豪県ですねと言われることあるのですが、Jリーグは無かったということですので、このレイラック滋賀FCの今回の活躍によって、Jリーグのチームが滋賀県にできたということは、みんなで熱く応援できる対象がさらに高いレベルで御活躍いただける環境になったということとか、子どもたちもたくさん応援をして、こういう選手になりたい、こんな活躍したいという夢を持てる、そういう存在になるのではないかと思います。これは地域活性化にも繋がるでしょうし、大きな期待を持っているところです。特に、チーム関係者の皆さんとか、スポンサーの皆さん、選手の皆さんもお喜びはひとしおだと思いますので、ぜひこの栄誉を称えたいと思います。みんなでまたさらに応援していければと思います。
[びわ湖放送]
今の活性化というお話ありましたけども、これからJ3、それから、来シーズン2026年のシーズンは特別なシーズンというか、転換期になりますので、J2のチームともホームアンドアウェイで戦うことが決まっているのですが、そのあたり滋賀県に、観光や経済の活性化というところの期待というのはどのように感じられていますか。
【知事】
このレイラック滋賀FCは平和堂HATOスタジアムをホームスタジアムとして試合されます。今おっしゃったようにホームアンドアウェイでJ3の試合がJ2と一緒に行われるということにおいては、相手チームも来られるでしょうし、そのサポーターの皆さんも来られますので、彦根城の見えるスタジアムで、そういう熱戦が繰り広げられる。また、前後の日程を利用して、いろいろと観光、また食も含めて楽しんでいただけるということがあれば、小さからぬ効果というものも発現できるでしょうから、そういうものにも期待したいし、そういうことをみんなで応援できればと思います。
[びわ湖放送]
今回J3に昇格されて、次またJ2、それからJ1というのを多分目指されるということだと思うのですが、その中でそのスタジアムの観客席の問題であるとか、あとは照明の問題も過去にあったと思います。そういうところで何かしらのスタジアムの改修というのも必要になってくるのかなとも想像されるのですが、その場合、その他のJのチームもそうですけど、やはり自治体間の協力というのが必要不可欠かと思います。そのあたりについて、今後またこれから相談とか色々とお話が知事のもとにあるかと思うのですが、そういうところについて、滋賀県としてどのように協力されていくか、前向きなのかというところ、どういうふうにお話を聞いていかれるかというのを教えていただきたいです。
【知事】
サッカーチームの活躍、また伴うスタジアム等の課題を克服していくことに対して、滋賀県として、知事としても前向きです。それは前向きに対応したいと思います。ただ、1万5千人の観客席をすぐに5万人にできるかといったらできませんので、ステップバイステップというところがあるでしょう。また、照明のことも、1000ルクスを1500ルクスに上げていかなければいけない。現在は仮設で対応いただいておりますが、そういうものを常設で整備すべきではないかという、そういう御要望、御提案をいただいておりますが、地域住民の方にとってどうなのか、またこのスタジアムにさらに照明をつけるということが設備上可能なのか、また何より世界遺産を目指す彦根城との景観の兼ね合いで、果たしてこれは並び立つものなのかなどなど、いろいろとクリアしていかないといけない課題はあると思いますので、こういった事々について検討していく必要があると思っています。
[産経新聞]
小学校の給食の無償化の話で質問させてください。来年の4月の実施に向けて、与党側といろいろ実務者協議等されてきたと思います。発言なんかは報道もされておりますが、知事としてというよりも、全国知事会副会長としていろいろ発言される中で、財政負担の懸念などを表明されているというふうに聞いています。ただ、一般の方はなかなか分かりにくい部分でもありますので、もう少し具体的に言うとどういうところを懸念されておられるのか、というあたりをもう少し説明していただきたいです。
【知事】
今2つの大きな無償化について、国政でも地方でも議論をさせていただいております。1つは高校の無償化。これを公立だけではなくて、私立も、所得制限も外して広く無償化していくということ。もう1つは学校給食。この学校給食については、日本維新の会と自由民主党との間の政策合意において、まず小学校の学校給食から、来年度から、ということで合意されたことを受けて、さてどのような制度設計をするのか、ということについて精力的に議論が行われているということでございます。ここに来て、この12月に入ってから、その費用負担の一部を都道府県で、という案が示され始め、私たちは驚いているところです。国で、もしくは政党間で協議して決めてきた内容について、一定の役割があるとはいえ、その一部を都道府県に費用負担させる。そのことを都道府県との議論を十分にしないまま、国において一方的に決められるということについて、私たちは強い懸念を持って、この間、政党に対し問題提起をし、全国知事会においても子ども・子育て推進本部において議論をし、意見を先週取りまとめて、3党の検討チームに対して投げかけさせていただいております。例えば、都道府県に負担させ、その負担分を地方交付税等で支弁するということだが、地方交付税は、財政需要をどこにどのように見積もられて金額がどう反映されているのかが少し分かりにくいので明示すべきではないかということとか、これは主に市長会、町村会の方で御懸念されているようですが、一部報じられました、平均単価4,700円という金額が果たして妥当なのか、物価高騰や人件費等上がっているのに4,700円では足りないのではないかという議論だとか。地産地消とか食文化とか、一部地方自治体においては、子どもたちにより良いものを学校給食で届けたいということで、保護者に御負担いただいてでも良いものを御提供している、そういう自治体がある中で、学校給食無償化という政策は、果たしてそういう保護者負担を一部残すということと矛盾しないのかと。したがって名称を、誤解や混乱がないように変えるべきではないかと、こういう議論が今行われておりまして、今週、国の予算にも絡むことですので、大きな方向性について合意が得られるように、まずは3党でまとめたものを政府で受け止めて、政府において今、最終の検討をしていただいておりまして、近く、その内容が私たちにも示される予定というふうに聞いております。昨日も参議院の予算委員会で高市総理がそのテーマについていくつか御発言をいただいております。そういうものが伝わって、様々な案が出てくるでしょうから、それを私たちはまた見て、議論、検討していきたいなと思っております。冒頭申し上げたように、突然のことでしたから驚きましたけど、私たちも教育、高校の無償化、さらには給食をみんなに届けるというのは、ナショナルスタンダードとして、国の責任で財源も含めて措置すべきだという趣旨の要望、提言はしていましたので、大きな方向性は理解をするものなんですが、ちょっと詳細、中身、組み立てとして、特に財政負担のところについてはもう少し整理する必要があるのではないかなと思っています。
[産経新聞]
いろいろ懸念を投げかけたり伝えたりという話でしたが、現状の反応というか、相手側の感触というのはどんなふうに受け止められていますか。
【知事】
まず私たちは、先週、全国知事会の意見を市長会、町村会とともに自民・維新・公明の3党に対して渡しました。それを受けて3党検討チームが政府と議論すると。最終案として取りまとめて、またお返しする、ということになっていますので、基本、良好なコミュニケーションはできているんじゃないかなと思っておりますが、こればかりは、国会の予算編成の最終局面でどう決着するのかがまだ見えない、断定的なことが言えない、そういう状況だと思っています。
[NHK]
北陸新幹線の延伸について、自民党と維新の会のプロジェクトチームで再検証を進めていく方針となったことについてなんですけれども、その受け止めをお願いします。
【知事】
選挙の結果、国政の状況も変わりましたし、様々な今日的な変化、状況を踏まえて、敦賀以西、どのルートにするのか再検証されるということを報道で承知をしておりますので、精力的に再検証していただきたい。ただ、今、8ルート出てきていて、当然、それぞれの費用対効果、課題等、検証されるんでしょうけれども、私どもがおります滋賀県に絡むことというのもありますので、そこは丁寧に事情等を把握、斟酌して決めていただくように期待をしたいと思います。私は今決まっている、そして既に一部、環境影響評価の前倒し等やっている小浜・京都ルートを、できるだけ早く着工条件を整えてほしいというスタンスですし、米原ルートというものを検討されている案の1つに入れられているようですけれども、求めてもいないし、望んでもいないので、そういったことをどのようにルート決定していかれるのかなということについては心配や懸念もありますが、国家プロジェクトですので、大きな国家プロジェクトとして、今の課題を克服して、どうやって大都市に繋いでいくのかということで議論されていることについては、きちんとお話を伺って、一緒に考えていきたいなというふうに思っています。
[NHK]
再検証で、また遅れてしまうのではないかという懸念もあるかと思いますが、そのあたりはどうお考えですか。
【知事】
再検証の過程がなければ、もっと早くできるんじゃないかという御意見もあるのかもしれませんが、一方で、国政の状況が変わって、今決まっているルートのままでは予算が通らないという状況もありますし、いろいろな課題がそれぞれの沿線地域においてあるということをどのように乗り越えていくのかという議論の時間は一定必要になった、ということは理解したいと思います。
[NHK]
大津祭がユネスコ無形文化遺産に追加登録されたということで、特に地元の皆さん喜ばれていたと思うんですけれども、受け止めをお願いいたします。
【知事】
大津祭の曳山行事がユネスコ無形文化遺産に登録されたというのは、もちろん、地元、地域の皆様方のお喜びはひとしおだと思いますし、湖国三大祭の1つです。とても長い歴史を持って、多くの文化的な価値を持つお祭りが、ユネスコにおいても大切な遺産だと認められたことは、この上ない喜びです。だから、より大事にするとともに、より多くの方々にそのことをお楽しみいただけるように、私たちも一緒に努力をしていきたいと思います。昨日も、日韓の観光振興協議会の会合が大津でありまして、私も参加させていただいたんですが、その中でも大津祭の1つの山である郭巨山のお囃子が、いろいろな紹介とともに披露されました。韓国の観光関係者の皆さんが非常に興味深く、子どもたちと一緒に奏でられる音色をお楽しみいただいたということもございますので、ぜひからくりもそうですし、そういう曳山を守り、動かしていく町衆の心意気とともに御紹介していけたらいいなと思います。
[中日新聞]
大阪・関西万博のアフター万博の取組について、明日からオーストリアのスタンプがさらに別の場所で再設置されるということを聞いております。大阪市役所でもスタンプのためだけに4時間近く並んでいるなど、大阪府内のいろいろな自治体でのアフター万博の取組に行列ができているといった、まだまだ熱が冷めやらない状況です。スタンプの設置は今も滋賀県はされていると思いますが、もう少し人が集まらないかなと思っているのですが、こういったアフター万博の取組について知事はどのように考えていらっしゃいますか。
【知事】
今お尋ねいただいた万博の後の取組については、私たちもとても重視しているところです。例に挙げられたスタンプというのもとても人気で、私たちも障スポのときに、全部のスタンプをお借りして、それが障スポ会場で押せるということを、アフター万博の取組の中でさせていただいたということもあるので、機会を伺いながら、こういったスタンプラリーというのは、私たちも取り組んでいきたいなと思っています。例えば、2027年のデスティネーションキャンペーンのときにも、デジタルスタンプだけではなく、自分で押すリアルなスタンプ、非常にデザインもおしゃれな、またかわいい、そういうスタンプの価値というのを今回の万博で改めて知りましたので、そういうものにチャレンジしてみないかということも検討しておりますし、昨日も決起大会を大阪で行ったワールドマスターズゲームズ、これも2027年5月に17日間関西一円で開催されます。「する・みる・ささえる」というスポーツの価値とともに、「めぐる」ということも入れながら楽しむことを追求しようという企画もありますので、そういう中でまたスタンプする可能性も広がるんじゃないかなと思っております。いずれにしても、これはとても大事な価値だと思いますので、これからもまた、私たちもいろいろな可能性を一緒に考えていきたいなと思います。
[中日新聞]
滋賀エキスポミュージアムという万博の情報をまとめたサイトについて、ウェブサイトを見てみると12月26日で運用を終わりますということがページに書いてありまして、情報がかなりまとまった良いサイトだなと思っていたので、今も熱が冷めやらぬ状況ですので残念だなとも思っているんですが、これは本当に終わってしまうのでしょうか。
【知事】
サイトの運営の期日まで承知、把握しているわけではないんですけれども、そういった冷めやらぬ熱気や注目というのをどのツールを使ってどのように御案内するのか、活用するのかということについては、またみんなで考えられればなと思いますが、一定契約に基づいて終わるもの、変わるものというのもあるのかもしれません。ただ、昨日もミャクミャクが出てきましたがやっぱり根強い人気があります。今年は万博開催年で、あれが良かった、これが良かったということもありますので、そういう使えるものをうまく活用しながら、地域の活性化に結びつけていく、また企業のいろいろな革新などに結びつけていく、こういう努力はみんなで積み重ねていけたらいいなと思っています。
[読売新聞]
先ほどBBCさんが質問されていたJリーグの設置基準について、平和堂HATOスタジアムというのは、国スポのために2023年にできたばかりで、すぐに照明を追加するのは難しいという一方で、県議会の方でも質問が出ていたかと思いますが、仮設照明で対応するというのも費用面での課題があるかと思います。先ほど課題を前向きに検討するというお話でしたが、知事としては具体的にどのような解決策があるとお考えなのかお聞きできればと思います。
【知事】
照明のことが明るさの面で課題になっているということは承知をしております。それを克服すべく、現在は仮設で毎試合ごとに御対応いただいていると。そのことにかかる費用等が発生していると。こういうことがあると聞いておりまして、それを常設で施設に設置することができないかという御要望をいただいているという状況です。ただ、先ほども申し上げたように、その施設にその明るさを確保するための常設の照明設備というのが後付けでつけられるのかという施設上の課題があるということと、あのスタジアムは高さも構造も世界遺産を目指す国宝彦根城との景観のバランスを考えてつくられていますので、そういうものが果たして新たな照明設備と両立しうるのかどうかという景観上の課題。あとは当然、隣にある野球場も電照設備はありますけれども、地域住民との兼ね合いでなかなか夜間照明が使えないという課題もある中で、Jリーグのためとはいえ、そういったことが叶うのかどうか。これは主に彦根市の市民の皆さんとの関係において、丁寧に議論していく課題だと思っていますが、例えばそういうことは大丈夫かとか。いろいろなことを確認しないといけないんじゃないかなと思っていますので、まだ直接このJリーグ昇格後、お話を聞いているわけではありませんが、担当からもそういう課題が県としてあることは聞いています。県の施設である平和堂HATOスタジアムをどのように対応させるべきなのかということについては、一緒に考えていきたいと思います。
[読売新聞]
彦根城の世界遺産登録に対してスタジアムの照明が及ぼす影響という話がありましたが、現時点でそういった懸念などがあるのでしょうか。
【知事】
今の施設は、照明も含めてその懸念がないように整備していますが、1000ルクスを1500ルクスにするために、どこにどのような照明施設をつくるのかということによっては、影響する可能性が排除できていないので、そこをきちんと丁寧に把握して調整する必要があるんじゃないかということです。
[京都新聞]
13日に草津のイオンでありました地域交通のフォーラムについて、実際に出席されてどんな手ごたえや課題があると思われましたか。
【知事】
まず今回、皆さんにお集まりいただいて開催するフォーラムとしては3回目、3年連続で開催させていただいて、いずれもこの草津イオンシネマの会場で200名から300名、今回は300名を超えてWeb参加も含めて御参加いただいています。新たな取組として、2500名の方にランダムで御案内を差し上げて、40名の方に御参加いただきました。より広い御意見をこの場でお伺いすることができればという観点でやりましたけれども、総じて、特に今回も、御関心の高さ、強さというのは感じました。私たち一人一人の、また全ての方にとって、日々の暮らしにとって身近な、移動とか交通ということについて、県が皆さんと一緒に考えようとしていることについて聞いてみよう、言ってみようという御関心の高さ、強さというのは感じました。また、今は計画づくりというステージにいますが、その計画の中身ももちろんなのですが、それを実現するための財源のあり方というのも、今回今までよりも強く、また詳しく、御説明なり、問いかけをさせていただきましたので、それにまつわる様々な御意見もいただきました。既存の予算の組み替えでやるべきだとか、新たな税という選択肢もあるんじゃないかとか、各方面でいろいろな御意見をいただきましたので、Slidoという形でいただいた御意見、また会場の外で、特設会場でいただいた御意見などもあるようですので、少しそのあたりを分析して、今後の計画にどのように反映していけばいいのかというのを考えようと思っています。
[京都新聞]
明日の特別委員会の中で地域交通計画の素案を議員の方々にお示しされるかと思いますが、その中にいわゆる新しい税の交通税の表現をどのように盛り込まれるのか、盛り込まれないのか。またパブコメもされると思うのですが、どういう意見が寄せられてほしいかなど今後の展開について教えてください。
【知事】
まず、開会中の県議会、その中の特別委員会において、策定中の滋賀地域交通計画のことも議論していただけるということなので、いろいろな御意見が出ると思います。それは真摯に承りたいです。その計画についても、もうすでに皆様方とも共有している部分も多いのですが、これまでの議論の経過を踏まえて、今の交通の状況を概観した上で、目指す暮らしの姿、そして県内を3つに分けて、交通軸と交通網でどういうレベルを目指していくのか、そのことにかかる費用というものをどのように見積もるのか、またそういったものを整えた時の便益というものを金額換算するとどうなるのかということもお示しした上で、その目指す姿を実現するためにかかる費用、これは維持するためにかかる費用もありますが、新たにより良くするために必要となる費用もありますので、そういうものも一定お示しして、加えて、ここから先が非常に重要だと思いますが、その費用をどのように賄いますかと。もちろん国費で、県費で事業者の負担、利用者の負担で賄う部分も多いのですが、それでも足りない部分を新たな税というものに求めるとしたら、どういう理屈、形があるのかということをセットでお示しする責任があるんじゃないかなと思っていますので、そのことをお示しした上で、いろいろな御意見があるでしょうから、それは真摯に承りたいと思っています。
[京都新聞]
本日の特別委員会で提示されると思うのですが、滋賀県の観光客の数が、令和6年の数字を見ていますと、コロナ禍前にまだ戻ってきていないという状況があるかと思います。その大きな要因を、知事としてはどのように見てらっしゃるのかを教えてください。
【知事】
直近正確な数字を私が今把握しているわけではありませんが、総じて今おっしゃったように、コロナ禍前のレベルに、例えば1つ前の話題でお取り上げいただいた交通の御利用もそうでしょうし、観光の流動というものも戻ってきていないという、こういう状況はあると思います。これは景気や観光に対する需要の動向ということもあるのかもしれませんし、万博は確かに人が動きましたけれども、万博にのみ動いたといった面もあったようですので、それが周遊として十分波及していないのではないかということも、今年の、また直近の状況としてあるのかもしれません。例えばお隣の京都には、多くのインバウンドが来られている。すぐ近くにまた違う魅力の湖国・滋賀、近江がある。戦国のいろいろなキャンペーンもやる。そういった事々でさらに訴求しながら、より多くの方々に観光で来ていただけるような取組を精力的に展開していきたいなと思っています。
[京都新聞]
フリースクールへの公的補助についてお伺いします。県議会の代表質問でも取り上げられていましたけれども、フリースクールの利用補助をめぐっては、この秋で全市町での実施が始まりました。これに関しましては、県の補助が今年度から始まったということが、1つ大きな推進力になったのかなと思います。ただ、かたや施設補助につきましては、まだ近江八幡市のみに留まるということで、県としても実施はされておりません。知事はこの施設補助に関しまして、来年度以降実施されるお考えはあるのかどうかお伺いします。
【知事】
今おっしゃったように、まず今年度、フリースクール等民間施設を利用される方の支援は、市町と協調しながら、県内すべての市町と県で整えることができているという状況がある中で、運営される団体等をどのように応援するのかという、こういうテーマがまだ残っています。憲法との兼ね合いで、公費の支出を教育に入れていくことについての懸念がまだ残る中で、どういう理屈でどういうことができるのかというのを今検討させているところです。一定案ができれば、提案させていきたいなと思っています。
[京都新聞]
よく施設補助に関するハードルとしまして、憲法89条というのが1つ挙げられます。あと財政面であったり、あるいは例えば他の不登校対策により注力したいみたいな優先順位という問題もあるかと思います。県としては何がいちばんのハードルになっていますでしょうか。憲法89条でしょうか。
【知事】
まず、ハードルを語る前に、一人ひとりすべての学びと、その学びの中で得られる育ちというのをどのように保障していくのかという観点をベースに持ちたい、持つべきだと思っています。その上で、それぞれ義務教育課程において、地域の小中学校で学ぶことが様々な事情でできない子どもたちに対して、どういう場をつくっていくのか、また、それをつくるためにどういう団体がどういう努力をしてくれているのかということだと思います。ただ、そこにはいろいろな課題があるということを聞いていますので、それに僕らが行政としてどう寄り添うのか。ハードルということで言えば、当然、法的な最高法規である憲法との兼ね合いということもあるでしょうし、どういう趣旨で、先ほど私は理屈という言い方をしましたけれども、この公費を投入する事業を組み立てるのかという説明責任というのは、憲法との兼ね合いと合わせて説明が求められるのではないかなと思います。
[京都新聞]
1年ほど前にも私は同様の質問をしました。そのときは知事は、「保護者や運営関係者からも支援の要望はいただいている。どういうこと、どこまでやれるのか検討中だ」ということで、この検討の意味合いについて、1年経ちまして、どこまで進んでいるのでしょうか。前向きに検討されているのか、あるいは、役人的な答弁でよくある、「検討します=(イコール)もうやりません」ということなのか。そのあたりの検討の意味合い、どこまで前進しているのか、そこを教えていただけますか。
【知事】
まず、今お尋ねいただいた1年前のお尋ねが、どういう文脈で、いつ頃尋ねられて私が答えたものかというのは定かではないのですが、先ほど一部紹介申し上げた今年度から、御利用いただく方々に対する支援を市町とともに行うという、こういう事業は組み立てて、県内全市町で一定整えることができた。これはまず1つの何ができるか検討ということに対する答えですし、もう一方、運営される団体等に対して、どういう運営補助が、支援ができるのかということについては、先ほどお尋ねいただいた憲法の問題を含めて、いろいろな法律的な観点からも顧問弁護士等に協議を呼びかけていますし、いろいろな検討をしています。必ずしもやらないということの理由とか、そういうことの代名詞としての検討ということではありません。知事が検討するということは、県が検討すると。検討した結果も出さなくちゃいけないという、そういう類の検討です。
[京都新聞]
分かりました。確認ですが、前向きに検討されているという理解でいいのでしょうか。
【知事】
全てにおいて私は前向きです。
[共同通信]
北陸新幹線について、先ほど米原ルートを求めてもないし、望んでもないというお話がありました。8パターンの中に湖西ルートも入っているのですが、そちらはいかがでしょうか。
【知事】
そちらも望んでいませんし、求めていません。
[共同通信]
米原ルートと同じような扱いだということですか。
【知事】
何をもって同じ、どのレベルで同じか、違うかというのは表現しづらいですが、前に検討したルートにも入っていませんでしたので、突如出てきた案として当惑しています。
[共同通信]
西田さんが、年明け以降、沿線自治体にヒアリングをする意向を示されていますけれども、この時期とか、望まれるスタンスとしてはどのような感じになっていますか。
【知事】
時期は、まず検討されるチームでお決めになることでしょうから、その時期、スケジュールに則って、出てこいと言われれば出ていって、そして県の立場、課題や不安、懸念等をお伝えしなければいけないと思っています。
[毎日新聞]
「52席の至福」について、お値段はいくらなのでしょうか。
[交通戦略課]
ブランチコースが1万5000円、ディナーが1万8000円です。
[毎日新聞]
交通フォーラムについて、知事は将来の滋賀県の交通、あるいは移動手段について、よく言えばピュアに語っておられると思うのですが、来年の知事選、再来年の県議選を考えると、当然議論になるというか、政策論争にもなる。その中で、知事の立場で、駆け引きみたいなことが生じないのでしょうか。その実現のための協力と、一方で支援というか、違うベクトルで左右される心配はないのでしょうか。
【知事】
今、違うベクトルと表現された「ベクトル」とか「違う」という意味がどういうことなのかというのは定かではないのですが、今お取り上げいただいた交通、移動というテーマは県政にとっても大事な、これは県民一人一人の全ての人の日々の暮らしに関わることなので、その計画をどうするのか、計画を実現するための財源をどうするのかということは、これは何か避けて通れない県政の重要課題として、きちんと御説明申し上げるとともに、いろいろな御意見を聞かないといけないと思っています。また、知事の選挙、県議会議員の選挙というのは、これは定期的に来ますので、その時点でどこまで行っているのか、どういうことが問われるのか、もちろん交通移動のテーマだけではなくて、それ以外の数多あるテーマについても御関心がおありでしょうから、その時々、出る人たちがそのことにどう向き合うのかというのは、これは厳しくも問われるテーマではないかなと思います。
[毎日新聞]
選挙で議論されることを期待されますか。
【知事】
選挙の期間中だけではなくて、例えば交通、移動のことはフォーラム、ワークショップも含めて議論を積み重ねていますので、選挙の時だけではありませんが、選挙の時に議論されることというのも、これは注目も集まり、熱も帯びますので、ここはより高まることは期待したいなと思います。