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知事定例記者会見(2025年10月29日)

令和7年10月29日
(県政記者クラブ主催)

会見の様子

知事

 今日もよろしくお願いいたします。わたSHIGA輝く国スポ・障スポ大会、無事全日程終了することとなりました。この間の報道機関の皆様方のお力添え御協力にも感謝申し上げます。わたSHIGA輝く障スポにつきましては、25日から27日までの3か日間開催し、14の競技に全国から47の都道府県、20の政令指定都市の選手団約6000人に御参加いただきました。滋賀県選手団は総勢288名。個人で173、団体で1つということで合計174個のメダルを獲得していただきました。いずれもこの結果は過去最高の結果ということでございます。特に障スポでは、一人一人選手の皆様が目標に向かって懸命に努力される姿に感動をいただきました。また、多くの支え手の皆様、ボランティアの皆様をはじめ、学生、サポーターの皆様、そういった方々のお支えが特に印象に残りました。いろいろな交流も生まれておりまして、都道府県、政令市の皆様と私たち県民との様々な交流、チーム、選手同士の交流、こういったことも財産になったのではないかなと思います。いずれにしろ、「する」、「みる」、「支える」、スポーツの力を実感する日々でございました。この感動を湖国の未来につないでいけるよう、頑張ってまいりたいと思います。重ねて賜りました御協力、御支援に感謝申し上げます。

 話題が変わりまして、11月3日ビワイチの日でございまして、今年もナショナルサイクルルートビワイチの魅力を発信する記念ライドを行う予定でございます。現在、日程詳細については、調整中、準備中でございますが、日本に駐在されるEU代表部のパケ大使らとともにライドを実施する予定でございます。また、11月8日と9日には、ビワイチのルート上に特設休憩所、エイドステーションを4カ所設けますので、こちらもお立ち寄り、御利用いただければと存じます。

 また、あまりいい話題ではないのですが、私になりすましたSNSの偽アカウント2件が確認され、様々な御連絡をいただいているところでございます。多くの皆様方に御心配、御迷惑もおかけしております。既にSNS管理者に対して通報を行い、現在は2件とも削除されております。私自身からも御注意くださいという注意喚起の発信を既にさせていただいておりますが、聞いていますと、投資話に誘導するとか、いろいろなサイトにつながっていくということもあるようでございますので、ぜひ皆様方にも御注意、御留意いただければと存じます。申し訳ございません。よろしくお願いいたします。

 それでは資料に基づきまして2件御紹介いたします。1件目は11月7日から17日まで中国湖南省とブラジルのリオグランデドスール州に私が団長となる訪中団、訪伯団を派遣いたします。まず、湖南省についてでございますが、御案内のとおり、湖南省と滋賀県は、昭和58年、1983年に友好県省協定を結びまして、今日まで様々な分野で交流を深めてきました。戦後80年を迎える今年、両県省の国際平和交流の推進を図るため、現地におきまして、平和記念行事、日中合同書道展の開催、高校生などの青少年交流の実施を予定しております。今回の派遣を通じまして、世界の恒久平和を実現する一助になればと思いますし、平和の大切さを未来に伝えていく、湖南省とのさらなる交流発展を目指していく、そういう機会にしていきたいと思います。約10年かけて、湖南省政府にも御協力いただいて準備をしてきた行事でございますので、大切に臨んでまいりたいと存じます。続くリオグランデドスール州との姉妹県州協定締結45周年記念交流団の派遣についてでございますが、滋賀県知事のブラジル訪問は2000年以来25年ぶりとのことでございます。私自身、ブラジルを訪問するのは今回が初めてでございます。昨年11月に御来県いただいたエドゥアルド・レイテ州知事との会談でありますとか、現地にある滋賀公園での記念行事等を通じて、リオグランデドスール州との友好の絆をさらに発展、深化させていく機会にしたいと思います。あわせて、ジャパンハウス、サンパウロでの滋賀県セミナーの開催や、「日本祭り」での滋賀県ブース設置も予定しておりますので、滋賀県の魅力を発信していきたいなと思っております。レイテ州知事と昨年会談させていただいた折には、農業、環境、エネルギーの分野についても大変強い御関心をお持ちでしたので、そういったことについても何か意見交換をし、これからにつながる取組をつくっていければと存じます。いずれにいたしましても、かけがえのない2つの関係、滋賀県と湖南省、滋賀県とリオグランデドスール州の交流がこの先、10年、50年、100年と続いていけるような礎を築いていければと存じます。

 今1つは、11月11日「介護の日」ということで関連するイベントについてお知らせをいたします。毎年11月11日は「いい日、いい日」ということなのだそうでございますが、介護の日、その前後1週間は福祉人材確保重点実施期間とされ、福祉介護サービスの意義の理解を一層深めるための普及啓発と福祉人材の確保・定着を促進することを目的とした期間でございます。滋賀県では、介護の日にちなみまして、介護従事者への感謝と敬意を伝えていきたいと思いますし、県民の皆様が介護について考えるきっかけとなることを目的といたしまして、今回、新たに県庁と彦根城のライトアップをいたします。当日18時からは介護現場で働く方々をお招きいたしまして、県庁で点灯式を行いますので、ぜひ御取材いただければと存じます。この点灯リハーサルも約1週間前の11月6日木曜日に県庁本館正面玄関で行いますので、こちらも皆様の御取材にお役立ていただければと存じます。また関連いたしまして、今年度新たに行う取組2点を紹介いたします。1点目は、小学生「かいご」の絵コンクールの入選作品の展示を行います。小学生にも介護について考えてもらう機会を提供しよう、提供したいということで、介護団体が主催されます。とってもいい絵が出展されているようでございます。2点目は、八日市高等学校書道部の書道作品の展示でございます。若手介護職員の方が学生の皆様に対し、介護についての出前授業を行われたそうです。そこで学んだこと、感じたことを自由に書で表現してもらった作品が出てきているそうでございますので、この展示を行います。この期間、様々な取組をきっかけに、県民の皆様に介護にも御関心を寄せていただけるような、また、そこでの働きがいや魅力、やりがいなどについて御紹介できる、そういう機会になればと考えているところでございます。私からは以上です。

[朝日新聞]

 冒頭に知事のなりすまし2件というのがあったんですけれども、具体的にいつ、どんなSNSで、どんな内容だったのでしょうか。

【知事】

 私も御連絡をいただいて気付いたんですけれども、インスタグラムで、2つのそれぞれのアカウントが、私の写真とか、私のページと同じような形で発信されており、そこから友達になろうとか、フォローしようとかいうことで次のクリックをしていくと、少し違う、およそ私から発信しているものではないような画面に飛んでいくことがあったそうでございまして、2週間ぐらい前に最初の御連絡をいただいて、全容・対策を把握した上で、私から皆さんにお詫び方々注意喚起の発信をしたのが26日だったと思います。その後、そういう連絡は今のところありませんけれども、ただ、2つあるということは他にもあるのかもしれませんし、私にあるということは他の方のこういった事例もあるかもしれませんので、改めて注意喚起のためにお知らせをいたしました。現在、SNSの運営会社と連絡を取り合って、認証マークを付けて発信できるように手続中でございます。

[朝日新聞]

 ブラジル訪問の関係なんですけども、友好の絆を発展させて深化させる機会にしたいということですが、これを機会に今後の交流は具体的にどんなふうに発展させていきたいとお考えでしょうか。

【知事】

 リオグランデドスール州は、昨年4月に史上最悪と呼ばれる水害に被災されており、治水協力団も組成いたしますので、そういった方々と、まさに地球環境、気候変動、こういう状況下で、どういう生き方、暮らし方をしていくのかという課題について話し合えればということと、昨年レイテ州知事に来ていただいたことから、今年行こうということが本格的に調整されましたので、人的な相互往来をもう1回復活させていきたい。そのことが文化経済交流にもつながるだろうと考えているところです。

[朝日新聞]

 地球環境ということですけども、ブラジルとは湖つながりだと思うんですけれども、琵琶湖、あるいは向こうの湖を軸とした交流というか、何か考えていらっしゃることありますか。

【知事】

 リオグランデドスール州にあるパトス湖、汽水湖と聞いていますが、汽水湖と本県がお預かりしている琵琶湖とのつながりでこの協定がございますので、それぞれの湖が抱えている課題も、環境の面、生態系の面で、交流させていただくと同時に、世界湖沼の日が8月27日と定められ、まさに世界の国々、各地域で、湖、沼の大切さを守り伝えていく活動にも連携して取り組んでいけることがあろうかと思いますので、そういったことを確認し合えればと思います。

[朝日新聞]

 相互往来ということをおっしゃったんですけれども、民間の人の往来というのが、ブラジルに関しては少ないのかなという気もしますけれども、何か考えていらっしゃることはありますか。

【知事】

 今回の訪伯団に含まれる団員の方は、御紹介したとおりの数になっていますが、移民で行かれた方々、その二世三世の方もいらっしゃいますし、ブラジルから逆に日本、滋賀県に来て活躍、活動をされている方々、またその子どもたちが学ぶ学校も県内にございますので、あらゆる機会を通じて、経済交流の基礎になる人的交流が盛んになるような、そういう取組を模索、追求していきたいなと思っています。

[時事通信]

 ブラジルの関係で伺います。前回の会談の中でも、防災や治水に関する知見や経験の共有を行っていきたいというふうに知事は会談の中でおっしゃっていたと思いますが、この防災という観点において、リオグランデドスール州についても、過去に大洪水の影響があったということですが、この会談での話し合いの中で、こういう防災に関する知識を特に深めたいとか、そういうところでお考えがありましたらお願いします。

【知事】

 まず今回の被災がどういう状況だったのか、そこからどれだけ復興してきているのか、また同じような被災を受けないためにどういう対策をとっていらっしゃるのかなどなど、現地でお話をきちんと伺いたいなと思います。いずれにしろ、私たちが置かれている状況、リスクを適切に把握して、そのリスクに備えるという、これはハード・ソフト両面だと思いますが、自然災害への対処はそこに尽きると思います。そういったことに対して、私どもがやっている知見と経験をお伝えすると同時に、リオグランデドスール州がなさっていることをまた我々も学んでいくという、相互に何か学び合えるような、そういう機会があればいいなと思っております。

[共同通信]

 北陸新幹線の延伸の件で、自民党と維新が連立を組みましたけれども、主張の異なる両者が連立したことによって、議論の停滞もあったりするんじゃないかと想像するんですけれども、知事の言われる小浜ルートの課題を克服して早期着工というのにも影響があるんじゃないかと思うんですけれども、この動きはどう見ていらっしゃいますか。

【知事】

 新幹線という高速鉄道ネットワークをつないでいくこの一大プロジェクトですね、敦賀まで来ましたので、それらを京都、大阪とつないでいく、そのための課題を克服するためにルートをどうするのか、伴う課題をどのように克服していくのかということについて、停滞することなく、立場や主張、異なる方々がいらっしゃるとすれば、当然それはいらっしゃると思うんですが、その中においても、一致点、合意点を見出して、早期の着工につながるように期待したいと思います。当然必要とあれば、我々も出かけるところに出かけていって、関連する思いなどについても申し上げていきたいというふうに思います。

[共同通信]

 今のところ延伸のルートに関しては、これまでどおり、小浜・京都ルートの早期着工を目指す立場ということでお変わりないでしょうか。

【知事】

 私は以前から何度も申し上げておりますとおり、敦賀以西については、小浜から京都を通り、そして大阪、新大阪につないでいくという、このルートが現時点で最適だと思っていますので、そう一旦決めていますのでね、かつ、その課題克服に向けた様々な調査なども行っていただいておりますので、その調査に基づく対策が、早期、迅速かつ丁寧に行われることを期待している立場です。ただ、それだけでいいのかという御指摘だとか、政権の枠組みが変わったとか、また、そういう課題への向き合い方について諸論ございますので、その諸論を話し合いの中で調整し、方向性を見出していくという、こういう作業が必要だというふうに思います。

[日本経済新聞]

 外遊について伺います。中国は、2023年の7月31日から8月5日に湖南省に訪問された以来ですよね。

 

【知事】

 それ以来です。

 

[日本経済新聞]

 前回は湖南省だけだったと思うのですが、今回は北京にも行くのは何か理由があるのでしょうか。

 

【知事】

 駐中国大使、大使館の皆様にもこの間、大変調整にお世話になっていますので、直近の中国の情勢、日中関係のことについてもきちんとお話を伺った上で、湖南省に入らせていただくことがよかろうということで、今調整しているところです。

[日本経済新聞]

 北京市内の視察で自動運転実証試験、これはどこが、どのような内容でやっているものでしょうか。

【知事】

 今、詳細調整していると思いますが、レベル4の運行も街中でされているということを聞いておりますので、そういうものに乗る機会、学ぶ機会があればということで調整をしております。

[日本経済新聞]

 主体は北京市政府がやっているものですかね。

【知事】

 主体は政府なのか企業なのか、いずれにしろ政府の関与なき実証、自動運転というのはないと思います。しかし、システムや運行主体というのは、実際には企業の皆様方が担われることが多いのではないかと拝察いたします。

[日本経済新聞]

 今後の参考にしようということでしょうか。

【知事】

 はい。

[日本経済新聞]

 10日に湖南省の企業視察、湖南テレビ、それから三一重工と書いていますが、湖南テレビは地元のローカル局で、三一重工は世界第3位の多国籍重機製造会社でかなり大きい会社だと思います。これは向こう側のアレンジなのでしょうか。それともこちらから指名したのでしょうか。

【知事】

 当然アレンジ、調整は現地政府にお願いしておりますが、もともとのきっかけは当方の希望やお願いも起点になっていると思います。湖南テレビは湖南電子台ということで、御案内のとおり、大変大きな、もう地方のテレビ局とは思えない大きなメディアだと聞いておりますし、いろいろなコンテンツを楽しく、新しくつくり出される能力をお持ちだということですので、そういったことについて学ばせていただいたり、三一重工は私も詳しくは存じ上げないんですけれども、これからの世界の様々な革新を、この重工の分野で担われる、例えばロボットにしろ、大変期待されている企業だと聞いていますので、確かに大きな企業、大きな工場だとすれば、学べることというのはその一端に過ぎないかもしれませんが、滋賀にもたくさん関わる企業群がございますので、どういう今世界の状況になっているのかということについて学ぶ機会にしていきたいなと思っています。

[日本経済新聞]

 三一重工の拠点は滋賀県内にはまだないと思うのですが、滋賀県内に工場をつくらないかといった話までいくのでしょうか。

【知事】

 いきなり初対面でそこまでいけるかどうかわかりませんが、何かしらの関係はつくっていきたいなと思います。

[日本経済新聞]

 ブラジルについて、知事は初めて訪問するということで、治水といった話も非常に重要なんですけれども、経済面での交流を強める、そういった予定はありますか。

【知事】

 ぜひそれはやりたいと思っています。今回の経済交流団は、御参加の企業が限られていますが、JETROの皆さんにも御協力いただきながら、様々な情報を集め、物理的には遠い地域にある州ではございますが、共に抱えている課題の共通点、またお互い補完し合うことによって伸ばせる可能性、こういうものを探っていきたいと思います。

[日本経済新聞]

 中国には経済団体というか、企業はいかないのでしょうか。

【知事】

 中国には、青少年平和交流団の方がメインです。

[日本経済新聞]

 ブラジルの方の経済交流団の5名というのは、県内の企業の幹部が行くのでしょうか。

【知事】

 県内の企業の方も行かれます。

[日本経済新聞]

 具体的にどこですか。

【知事】

 国際協会の役員も兼ねていただいているということで、関西みらい銀行の方であったり、ブラジルとの関係をお持ちで、様々御貢献いただいているインフィニティという湖南市の会社であったり、そういったところが今回同行してくださいます。

[日本経済新聞]

 知事は就任以来というか、私が来てからも外遊が結構多いんですけれども、こういった知事レベルの外交、この意味について、これはどういうような意義があると思って続けていらっしゃいますか。

【知事】

 メディアの皆さんがよくこの海外出張のことを外遊と呼ばれる、外に何か遊びに行くかのような発信をされることについてはどうかなと思うところもあるのですが、当然、知事として県レベルの海外での、例えば経済の様々な連携策を模索したり、文化的な交流、とりわけ次世代を担う青少年の交流をつくっていくということの可能性は、もちろん国レベルでもできるんでしょうけれども、学校と近いとか、文化団体と近い、そういった県だからこそできることというのも多くあると思いますので、その先頭に立って知事が旗を振っていくということの意義は、とりわけこういった友好姉妹県・州、県・省との間では大変有効ではないかなと思いますので、そういったことで役割を果たしていけたらいいなと思っています。ただ、ブラジルも大変大きな発展可能性が今注目されている国ですし、中国湖南省も滋賀県の50倍の面積と人口を持っています。様々な高度成長もされていますので、私たちが謙虚に学ぶ姿勢というのを持ちながら伺っていきたいと思います。

[読売新聞]

 北陸新幹線について、維新が連立入りしたということを受けて、藤田共同代表が協議の仕組みとして与党のプロジェクトチームみたいなものを自民と維新でそういう協議体をつくりたいという意向を示しているようです。これまでは、自民党、公明党の国会議員でつくるPTで議論されてきたと思いますが、連立の枠組みが変わった今、どういう枠組みで今後ルートをめぐる議論がなされていくのが望ましいとお考えでしょうか。

【知事】

 国家プロジェクトですので、国政を構成される方々、とりわけ与党を構成する方々が主体的に議論をリードされるということは重要だと思いますので、その枠組みが変わった今、変わったことに応じた話し合いのテーブルづくりが今行われているということだと思います。いずれにしろ、枠組みが決められて、その中で建設的な議論が積み重ねられ、課題を克服し、方向性を生み出す一致点をできるだけ早期に実現するようにしたいなというのが私の思いですけど、与党だけで決めて、そこで通らない、例えば予算が通らないとか野党にまた違う考えがあるということがあまり多すぎると、またこの後決めたことが進まないということにもなりますので、そういったこともないように、その先のことも考えた議論や、またつくり方も工夫していただければありがたいなと思います。

[読売新聞]

 自民と維新は、維新は党としてというよりかは、例えば京都の国会議員等で、現状の小浜ルートからは違う意見をお持ちの方も維新の中にはいらっしゃるようですけれども、そういう状況の中で、自民党と維新が与党だからということで、ルート選定について協議をしていくということについては、何か御懸念を持たれたりということはないでしょうか。

【知事】

 当然、ルート予定地域選出の国会議員の皆様方が、主体的に抱えている課題について出し合って、それをどう克服していくのかという議論をされることについては、とても重要なことだと思いますが、国家プロジェクトですので、大きな予算を伴いますので、やはりこの整備新幹線の議論はできるだけ広く、またその地域選出の方以外の方々にも御理解いただけるような決め方、論じ方というのが重要ではないかと思います。歴代、時の政権というのは、そういったことも意識しながら、このルートの決定、仕組みの構築、さらには予算の確保。こういったことに努力してこられた歴史もございますので、そういったことにも学びながら、今般、この後の決め方についても考えていただけたらありがたいなと思います。

[読売新聞]

 仮に維新と自民が協議することになったとしても、知事として御期待なさるところは早く進めてほしいということかと思いますが、改めてお願いします。

【知事】

 高速鉄道ネットワークは、やはりつながってこそ意味を持つものですし、それぞれの通る、もしくは関わる地域自治体にも大変大きな影響効果をもたらすビッグプロジェクトですので、そういったものが早期に実現するように、ただ財政負担がある、様々な心配事がある、並行在来線をどうするんだというこの整備新幹線に伴ういろいろな課題がどうしても存在しますので、それを丁寧に1つずつ少なくしたり、除いたりという作業と合わせてやっていただきたいと思います。

[京都新聞]

 大きく2点ありまして、先に関連で北陸新幹線について、1週間ほど前に、石川県選出の自民党の国会議員の方が勉強会をされている中で、京都大学の名誉教授の先生が便益の関係を御試算された数字が出ておりまして、知事も御承知おきかもしれませんけども、米原ルートが、2を超えたりするような非常に高い数値が出ているということに、まずこの試算についての受け止めを教えてください。

【知事】

 今お尋ねいただいた試算というのは、私は詳細把握をしておりません。このおっしゃった便益というのを、どこからどこまでの区間、そして時間短縮効果を便益として取られ、何から何までの費用を費用として算出されてB/Cを出されたのかというのを承知、把握しておりませんので、そのことについて述べるコメントはありません。ただ、いろいろな枠組みが変わって、いろいろな課題があって、ルートをどうしようかっていう議論を、今もう1回し直そうとされていると承知をしておりますので、各地域、いろいろな分野の方々がそういった事々について材料を提供されるということについては一定必要なことではないかなと思います。

[京都新聞]

 もう1点、自民党と維新の連立合意書にも登場する、消費税の、飲食料品の0%であったり、野党も打ち出されている政党が多いですけども、いわゆるガソリン税の暫定税率を廃止した場合、県の税収が約180億円減る試算というのをされているということで報じているんですけども、これに対して知事の方の受け止めと、何か動かれるようなことがあるのかないのか教えてもらえますでしょうか。

【知事】

 今お尋ねいただいたように、例えば選挙がある、国政を担う政党のいろいろな主張がある、与党を構成するためのいろいろな合意がある、そういった中で、今多く取りざたされているのが、ガソリン税等の暫定税率をどうするのか、廃止にしよう、少なくしようということでありますとか、私たちが払っている消費税、この税率をどうするのか、食料品等、物品に応じてどう取り扱うのかという議論がなされていると思いますが、仮にいろいろな議論に基づく決定がなされた折に試算いたしますと、今年度の当初予算の年額換算で、軽油引取税については約65億、そして地方揮発油譲与税については、県と市町分合わせて約4億、さらに消費税の税率、この食料品の税率が0%になった場合、市町分含めてということになりますが1年分で110億円を超えるレベルで減収になります。こういったことから、今議論されている、想定されているものを全て実現するとすれば、1年間で約180億円の減収になります。当然、払う人と納めていただく自治体、国というもので立場の違いはあるのかもしれませんが、私たちは様々な行政サービスをつくり、実施しているという主体でありますので、そのサービスの費用、財源となる税収が減るということについては、大きな危惧、心配を持たざるを得ない。その下げる分、入らない、納めない分の代替財源を、これは恒久財源としてどのように措置するのかということが、地方自治体、行財政の安定化にもつながると思いますので、こういったことは強く求めていきたいと思います。既に全国知事会からも地方6団体とともに8月に要望させていただいておりますし、この国政の事態の推移を見ながら、機動的に要望活動等も行っていきたいと思います。

 

[京都新聞]

 最後のお言葉出ました、全国知事会で出されているのは8月下旬にあたるので、当時は自民党と公明党の連立与党だったんですけども、その枠組みが変わったので、改めてやはり今後動向を見ながら、国に要望されるというお考えになるということでしょうか。

【知事】

 既に参議院選挙が終わり、自由民主党の総裁選挙が行われている折に、総裁選の候補予定者の方と、各政党の政調役員、政調担当の議員の皆様方に対して、全国知事会として緊急提言とアンケートを実施いたしました。その中にも、この地方の税財政に伴う代替財源の確保のことを明記しておりますので、ここでお答えいただいたことも足がかりにしながら、今後、現時点での議論の状況に応じた機動的な要望活動を行っていきたいというふうに思います。

[毎日新聞]

 先日、滋賀地域交通活性化協議会が開催されましたが、そこでも交通税が議論というか、話し合うテーマの1つだったと思うんですけども、不思議に思ったことは、交通税を議論されている税制審議会のメンバーの方が、この交通活性協議会のメンバーを兼ねておられるケースがあるんですけども、それは知事はどのように思っておられますか。

【知事】

 具体的に言えば、川勝先生のことをおっしゃってるんじゃないかなと思うのですが、当然、地域交通活性化協議会の方は協議会の議論として、税制審議会の方は、主に税の議論を交通のサイドから議論いただくために委員にお願いしているところですので、兼ねて、その役割を2つの協議会、審議会で役を担っていただくということについては、適切にその役割に応えていただけているのではないかなと思っています。

[毎日新聞]

 公論熟議と言われているので、1人でも多く、別の方がよいのではという視点、観点からです。

【知事】

 おっしゃる意味はよくわかります。公論熟議ですので、広く多くの皆さんに御参画いただきたいという、この思いは共通して持っておりますが、議論していただく素材づくりにつきましては、県内事情をよく御存知であったり、それぞれの分野の御専門の方であったりという方を適切に人選し、御参画いただく必要があると思っていますので、その立場で今後も頑張っていただきたいなと思います。ただ、広く、大事なテーマですので、交通も、その財源をどうするかという議論も、広く皆様方に意見を募る場づくりというのは、これからも大事にしていきたいなと思います。

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