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知事定例記者会見(2025年10月14日)

令和7年10月14日
(県政記者クラブ主催)

会見の様子

知事

 10月に入って初めての会見となります。今日もよろしくお願いいたします。まず、びわ湖の水位はマイナス59センチということになっております。9月に降った雨が例年の半分ほどであったということでございますので、そのような結果になっております。降りすぎても困りますし、降らないとまた困るという、こういうこともございます。マイナス60センチになれば、なることも確実視されておりますが、国に対して水位低下抑制のための対応を要望することとなりますので、近くその準備をさせていただいております。

 また、滋賀県長浜市出身の坂口志文先生がノーベル生理学・医学賞を御受賞されました。この偉業を称えたいと存じますし、県民として、知事として、大変な喜びでございます。これは、本県出身者として初めての御受賞ということで、私ども最大級の慶事だと捉えております。すでに、出身の学校でもお祝いの行事をされているようでございますが、子どもたちにも大きな励みになるものだと思います。個人的にも坂口先生のお兄様が私の恩師ということもございまして、他ならぬ喜びを感じているところでございます。その御功績を称えるため、滋賀県県民栄誉賞を授与させていただきたいと考えているところでございます。すでに先生にも内々御連絡を差し上げ、御快諾いただける旨、いただいているところでございますので、期日、形式等、追ってお知らせさせていただければと存じます。

 世界との関わりで申し上げれば、大阪・関西万博が昨日、閉幕いたしました。報道等で言われているとおり、大変多くの方が、2,800万人を超える方々が御来場されたということでございますし、滋賀県ブースも出展いたしました関西パビリオン、こちらも昨日184日目に148万人のお客様をお迎えすることができたという記念の歓迎感謝のセレモニーを開催させていただきました。ちなみに滋賀県ブースには約40万人の方が、また滋賀県デイにも1万人を超える方が、2回に分けて行いました滋賀魅力体験ウィークにも10万人を超える方々にお越しいただいたという報告を受けております。昨日の今日ですので、この半年間どうだったのかという総括、検証、ある意味での省察等は、また別途させていただいて、その成否、効果を分析すると同時に、いずれにしてもこれからに活かしていきたいと考えているところでございます。

 昨日はスポーツの日の祝日でございましたが、スポーツということで言えば、先週10月8日、わたSHIGA輝く国スポ総合閉会式を迎えました。御案内のとおり、多くの方が御来県をされ、本県選手団も頑張ってくれたおかげさまで、開催県としては4大会ぶりの天皇杯、皇后杯の獲得ということにも至りました。この間、ボランティアの皆さん、競技補助員の皆さん、多くの方にお手伝いいただき、盛り上げていただきました。こちらもどうだったのかという総括はまた追ってさせていただくことになりますが、特に高校生の皆さんの各地、各競技での頑張りというのは、とても目立っていたのではないかと思っております。今月25日から障スポ大会を開催させていただきますので、こちらに向けてまたしっかり準備をさせていただきたいと存じます。

 それでは私からは1点、資料に基づいて皆様方に御紹介させていただきます。しがオープンファクトリー2025湖南市編、長浜市編というものを行いますので、ぜひ御参加をという御案内でございます。製造業の皆様が実施されますオープンファクトリー、テレビでもこういった企画はございますが、普段見せることのない製造現場を公開していただくという、この取組を後押ししまして、企業の認知度向上を通じて、将来的な人材の確保、地域産業の活性化等に繋げていきたいということで、今年度から実施をしているものでございます。8月、9月に開催したイベントでは大変盛況だったと聞いております。200人の枠に対して600人を超える参加申し込みがあったということでございます。参加された方からも多くの好評の声をいただいておりますし、企画・準備された受け入れ側の企業の皆様方からも様々な好反応をいただき、事業の効果というものの御報告もいただいたところでございます。来月11月に2回目となるオープンファクトリーを開催いたします。今回は工業団地の集積も一定ある湖南市と、北部の製造業事業所数が多い長浜市をモデル地域といたしまして、各市内5か所のものづくり工場において実施されます。お手元のチラシにもありますように、湖南市編、こちらは小中学生も参加できるということで、10月7日から参加者募集を始めるということです。長浜市編は、本日から参加者募集を始めるということでございます。前回もそうでしたが、今回も定員を超える場合は、抽選で参加者を決定させていただきたいと存じます。身近なところに滋賀の製品が使われているということとか、高い技術力を持ってものづくりが行われているということなどについて、私たち自身が知り、学ぶ機会になればというふうに思いますので、ぜひふるって御参加いただき、またメディアの皆様方には御案内いただければ幸いでございます。私からは以上です。

[朝日新聞]

 オープンファクトリーについて、1回目が8月、9月にあって、200人の枠に600人の応募があったということですが、もう少し詳しく、実施後の評価や、どういう点が良かったかというあたりと、今後これを続けていかれる予定があるのかどうかというところを教えてください。

【知事】

 先ほども一部申し上げましたが、今年度1回目は8月と9月に行い、県内各地の工場で開催されたということでございますが、参加者からは、身近な地域にこんな工場があるということを知らなかった、滅多に見られない機械を間近で見られてよかった、新しい発見もあったというような声が出されているそうでございますし、実際企画された、お迎えされた事業者の皆さんも、準備された若手社員の活躍の場、モチベーション向上になったということであるとか、社内で横のつながりができ、活性化したのではないかと、あと、参加された事業者の間で新たな繋がりができて、新たな商談にもつながったといったような御報告もあるようでございます。そういう意味で8月、9月に定員の枠を超える大変多くの申込みがあったということでございますので、今回2回目、湖南市と長浜市のモデル地域でまたやろう、来年度につきましては、この来る長浜市、湖南市の実施と、前回やったことを踏まえて、来年度どういう形で実施するのかということを予算措置も含めて考えていきたいと思っております。

[朝日新聞]

 今年度は今回の2回目で一区切りということで、次やるとしたら来年度ということでしょうか。

【知事】

 今年度はこの2回目までです。

[朝日新聞]

 万博についてですが、詳しい検証や効果分析はこれからということですが、改めて滋賀県ブースの評価や、どういうところが良かったか、あと万博全体に対して何か思いがありましたら教えていただけたらと思います。

【知事】

 まず、この万博については、滋賀県知事としてもそうですし、連合長をお預かりしています関西広域連合としても、主体的に参画し、博覧会協会の役員を務めておりますので、準備段階から参画してきました。様々、課題に心配事もございましたが、4月13日から昨日10月13日まで184日間、大きな事故なく、無事にこの期間を開幕から閉幕まで過ごすことができた、多くの方々をお迎えすることができたということについては、まず安堵していますし、そういったことをもたらしてくださった、御尽力された、御協力いただいた全ての皆さんに感謝を申し上げたいというのがまず1点目です。その上で、いのち輝く未来社会のデザイン、これを追求・発信しようということでありますとか、大屋根リングに象徴されるような、分断ではなくて連帯、多様であり1つといういうことの表現ですとか、最新の技術を駆使しながら、これからの社会こうなるのだということとか、私たちの命、あらゆるものの命、そして未来、世界、そういったものをいろいろと考えてみる機会として、一定の効果を発揮することができたのではないかと思います。いろいろな国々、各地域、国際機関との文化の交流、いろいろなところで生まれていたようですし、企業のいろいろなマッチング、発表の場、こういったこともあったようでございますので、個人的には水の繋がりを表現しながら、高校生などとのディスカッションをした機会ですとか、万博会期前にびわ湖、淀川を、ずっとゴミ拾いをしながら本番の期日を迎えてきたということなど、この間やってきたことをこれからに活かしていけたらいいなと思っているところです。また、滋賀県ブースも、キネティック・ライト・ビジョンという、国内ではまだあまり使われていない技術を駆使しながら、多くの球体と映像、音などで、滋賀県の四季の魅力を、また産業を、人の営みを、表現するようなことが大変好評だったと思っています。それぞれの府県、9つの府県が関西パビリオンを構成しましたけれども、限られたスペースの中で、みんなが知恵と工夫を凝らしながら、またスタッフの皆さんのいろいろな温かいおもてなしで、多くのお客様をお迎えできたことというのは、これからにも繋がるのではないかと思います。ぜひ、昨日も現場で申し上げましたが、この万博で得られた情報の繋がりをもとに、実際に現地にまた来ていただくとか、再来年はワールドマスターズゲームズ行われますし、デスティネーションキャンペーンも実施いたしますので、そういったことに活かしていきたいと思っています。

[時事通信]

 大阪・関西万博について、今も知事のお話の中にありましたが、閉幕後の例えばデスティネーションキャンペーンにつなげたりとか、今後の観光客誘致についてのお考えですけれども、実際にその関西パビリオン内の滋賀県ブースを今後活用していくというような方針があるのかというところで、例えば鳥取県などでは、常設ブースのものを同県に運んで、それをまた体験できるコーナーをつくるという話も挙がっているのですが、今後の活用方針についてお考えがありましたらお願いいたします。

【知事】

 関西パビリオンの中の滋賀県ブース、キネティック・ライト・ビジョンをはじめとする、特に滋賀県での展示、表現というのは、おかげさまで約20分と一定の時間お過ごしいただく企画内容となっていましたが、御覧いただいた方、お越しいただいた方からは、概ね我々の想定を上回る御好評をいただけたと思っておりますので、ぜひどこかに残してほしいとか、引き続き見れるようにしてほしいというお声は、すでに私のところにいただいております。しかし、半年間、皆さんに御覧いただくということでつくってきましたので、これ以上どこかでまた移設して御覧いただく機会というのは考えておりません。むしろ、いろいろな滋賀県のブースの表現というのを、どこか映像や何かで表現し、お楽しみいただけるようなことで、御覧いただくことがいいのではないかというふうに思っております。また、観光客誘致ということで言えば、私どもはこの大阪・関西万博はゲートウェイ、入り口、いざないのきっかけづくりをしたいということを申し上げておりました。すでにこの期間中も、万博に吸われて、取られて十分宿泊者が来ていないんじゃないかという状況も一部にはあったようですが、その後、国スポも含めて多くの方に御来訪いただけているんじゃないかなと思っていますし、今回やってみて思ったのは、スタンプは意外によかったと思います。ので、デスティネーションキャンペーンでこのスタンプを活用できないかというようなことは、今、実務者に投げかけて準備をしようとしているところでございます。また、今回、万博は春、夏、秋という季節でしたけれども、冬も含めて四季折々の魅力をどのように表現、訴求するのかということには、まだまだ可能性があると思います。滋賀県単体ではなくて、周辺府県と連携して周っていただける、そしてテーマを決めて、サイクリングならサイクリング、文化財なら文化財、いろいろなもので広域周遊していただけるような企画づくり、これはもうすでに関西広域連合、観光本部でも実施しておりますので、そういうもので実際の動きをつくっていけたらいいなと思います。

[時事通信]

 国政に関して、すでに全国知事会としての声明は出されていると思いますが、先日、自民党の新総裁に高市早苗氏が選ばれたことへの受止について1点と、昨今、公明党が連立を離脱するという方針を出しました。この関係で政治空白が生じて国政に遅滞が出るのではないかという懸念の声も上がっていますが、改めて自治体として国政に求めることなどありましたらお願いいたします。

【知事】

 まず、高市さんが自由民主党の総裁になられたということでございます。党内の選挙を経て、総裁という大変重要な役割を担われることになりましたので、女性としては初めてということもございますので、その手腕を発揮していただくように期待したいと思います。総務大臣の在任日数が最も長い方でいらっしゃいますので、地方の声なども反映した政治をやっていただけたらいいなという思いは持っております。然るに、連立を長く組まれていた公明党が連立を離脱するということも先週発表されました。私が国政におらせてもらった頃から、自公連立というのは1つ当たり前の構図でしたので、そういうものが変わるということは、日本の政治が動く1つのきっかけになるんじゃないかなと思います。大事にされることについて、少し連立の間に齟齬が生じているとするならば、それらをどのように今後修復、また、野党も含めた状況の中で合意形成されるのかということには、知恵が問われる、試される、そういう状況になると思います。すでに報道されているように、今週、与野党のしかるべき方々が様々な会談をされるということですので、最後の御質問にも絡みますが、参議院選挙が終わってからずっと国会が開けていないという状況があります。物価高対策を含めて、予算の補正、様々な施策を求められることも多岐にわたってございますので、そういったことに方向性がいち早く見いだされるような国政の状況をつくられることを強く御期待申し上げたいと思います。

[読売新聞]

 万博の滋賀県子ども招待事業について、結局何人ぐらいの利用があったのでしょうか。

【知事】

 まだ総数がきちんとつかみきれてないようですので、チケットを何枚配布したというところまでで、何人来られたということについては、また改めて御報告させていただきます。

[読売新聞]

 どこかの時点でどれぐらいというのとか、大体これくらいというのは言えたりしないでしょうか。

【知事】

 5万3,300人にチケットを配布とか、教育旅行には60校、1万5,000人を超える児童生徒に配布、個人家庭には3万7,000人を超えるチケットを配布というところまではわかっています。

[読売新聞]

 ノーベル賞にかかる県民栄誉賞について、もともと大橋さんと木村さんが金メダルを取られた時に創設した賞だったと思います。スポーツ選手以外の方に贈るのは初めてかと思うのですが、あの賞というのは要綱というか、どういう方に贈る賞なのでしょうか。

【知事】

 まず県民栄誉賞の表彰対象は4つです。1つは、世界的な規模で開催されるスポーツ競技大会等で、特に優秀な成績を収め顕著な功績のあった者。2つ目として、文化の向上発展において世界的な評価を得たと認められる者。3つ目として、学術研究で世界的な評価を得たと認められる者。4つ目は、その他、栄誉を受け、または顕著な成績を収めたと知事が認めた者と定められておりますので、この2つ目や3つ目の項目に当てはまる坂口先生の快挙だったのではないかなと思っています。

[読売新聞]

 オリンピックで金メダルもすごいことなのですが、ノーベル賞はまた違う方向ですごいことなのかなと思います。改めて坂口さんの受賞についてどのように思われていますか。

【知事】

 言葉では語り尽くせないぐらいの凄さだと思います。制御性T細胞ですか。詳しいことは、専門的でまだまだわからないところもありますが、免疫というものに着目して、それを増やすことや減らすことで病気の治療をするというような効果もあるようでございますので、そういったことを長年、まさにその先がどうなるのかということに展望が見出せない期間も含めて、粘り強く信念を貫いて研究を積み重ねてこられた結果、こういった評価につながったとすれば、諦めずに信念を持って貫くことや続けることの大事さも教えていただいているような気がしますし、お兄様の会見、ご本人も一部おっしゃっていたかもしれませんが、滋賀県の自然の中で、姉川で泳いだとか、琵琶湖で遊んだとか、そういったことなども表現されておりますので、子どもたちのそういった子ども時代の自由な遊びや発想、こういうものの大切さとか、同時にノーベル化学賞を受賞された北川先生も、この坂口先生も、いろいろな哲学的な思索の中で得られた人間性であるとか、指針であるとかをお持ちだということも大変示唆に富む御偉業ではないかなと思いますので、そういった事々を我々また学びにつなげていけたらいいなと思っています。

 

[読売新聞]

 国スポについて、これまで3年間は東京都が天皇杯、皇后杯をいずれも獲っていたと思います。それを滋賀県が4大会ぶりに東京都以外で優勝したということですが、その要因はどう見ておられますか。

【知事】

 国スポ総合閉会式直後の会見でも申し上げましたが、何といっても選手の皆さんの頑張り、ひたむきな頑張り、これに尽きると思います。何より、それを支えた競技団体の皆様方や、御家族含め、様々なスタッフの皆様方の努力や協力の賜物だと思います。これには、レイキッズもそうですし、10年がかりでつくってきた競技力向上の取組もあったのではないかなと思います。また、そういうものと相まってということになりますが、観客の皆さんの声援や、地元開催の盛り上がりとか、こういったことも選手のパフォーマンスを上げることにつながったのではないかと思っておりますが、この点もまた、まだ終わって1週間というところもありますので、今後振り返って、いろいろないいところ、これからの課題にしたいところを確認していけたらいいなと思っています。

[読売新聞]

 国スポ開催中の9月30日に行われたスポーツホスピタリティについてです。国スポでは佐賀大会から行われているということですが、あの取組は端的にいうと、高い価格を払う代わりに高付加価値のサービスをつけてスポーツを見てもらおうということのようです。滋賀県では、国スポがあったので初めてやってみたわけです。本来はアリーナなどで高いチケット代を払ってもらって、個室などの良い席で見てもらうということのようですが、国スポで1回やってみて、知事としてどう思ったかというのと、今後滋賀県で実現していけるかどうか、どう見ておられるか、参加してみての感想をお聞かせください。

【知事】

 スポーツホスピタリティということで、今回、日本スポーツ協会の皆様方や、これを推進される機構の皆様方と一緒にお客様をお迎えし、様々な場所に御案内しました。その1つとして、セーリング競技を船上から御覧いただくという企画をさせていただいたということでございます。体育大会からスポーツ大会に改正されたことを機に、このスポーツを通じたホスピタリティプログラムとか、ビジネスマッチングの可能性とか、こういうものを追求されていると理解しておりますので、私はこの意義というのはとても大きな可能性とともにあるのではないかなと感じております。しかし、まだまだどういう形でやればいいのかとか、どういったところに可能性があるのかというのは十分見出し、活用できていることばかりではないと思いますので、今回のことをきっかけに、今後さらに広げていけたらいいなと思っております。仰っていただいたように施設内で、より高い付加価値とともに対価をいただいて、様々なビジネスを回していくということも可能性があると同時に、スポーツの観戦だけではなくて、様々なツーリズムと一緒に楽しんでいただくということもあるのではないかなと思いますので、いろいろな形で広げていけたらいいなと思います。

[NHK]

 万博についてですが、先ほど5万3,300人の18歳以下の子どもに対してチケットを無料配布したというふうにおっしゃっていましたけれども、これは対象が何人で、5万3,300人だったのかというところと、その結果について、要するに申込みがあって配布したということだと思いますが、それが多いと感じるのか、それとも思ったよりも申込みは少なかったと思うのか、そのあたりをお聞かせください。

【知事】

 まず1つ目にお尋ねいただいた対象者は約18万人でございます。そのうち約5万3千人余のチケットを配布させていただいたということでございます。これを多いと見るか少ないと見るかということや、実際配布させていただいた方のうち、どれぐらいの方がこのチケットに基づいてお越しになったのかという分析や検証というのはこれからだと思います。皆さんもそうだと思いますが、いろいろなチャンネルでチケットが来たり、また買い求めたり、予約をしたりということがございましたので、どの部分のチケットで御参加されたのか、子どもたちもそうだったのかもしれませんので、一概にこの配ったものでお越しいただいたということばかりではないと思います。しかし、報道でも、また実際現場でも多数確認されたように、多くの子ども年代の子たち、生徒たちが万博会場に来てくれた、楽しんでくれたということはあったと思いますので、そのあたりの効果がどうだったのかということは、我々なりにまた分析をしたいなというふうに思っております。

[NHK]

 この事業で少なくとも5万3300人の子どもは行ったと思いますが、万博に行った子どもたちがこうした事業を経て、どういったことを学びにしてほしいとか、あるいは実際にもう既にこういったことを学んだとか、そういった声があったら教えてください。

【知事】

 大概こういうときに問われた人が答える「アンケートでこんな回答がありました」という、「よかったと答えた人が何割」というのは、1つの結果としてはあるのかもしれませんが、多くの学びがあったという、また行ってよかったという、特に教職員の方からもこういう学びがあったんじゃないか、SDGsや国連について予習して、実際に万博に行って学びを深めることができたというようなことなどはあったようでございますが、それ以外にどういったことがあったのか、もう少し捉えられたら、捉えてみたいなというふうに思います。

[NHK]

 国スポについて、天皇杯、皇后杯獲得ということで、私も何回かの競技の取材に行かせていただいて、良かったと思うところもあります。しかし、国スポの渡り鳥というとあれですが、要するに開催県のスポーツ協会の職員になって開催県を渡り歩くような選手も中には実際いらっしゃるので、いかに今回滋賀県に来てもらった選手が滋賀県に残って、スポーツの発展などに寄与していくのかというのが重要と思います。そのあたり、今回滋賀県に来てもらった人たちが今後どういうふうに滋賀県のスポーツの発展に取り組んでほしいとか、知事の思いがあれば教えてください。

【知事】

 開催県であるがゆえに、他の県よりも競技力向上、天皇杯、皇后杯を目指して様々な応援というのは一定ありますので、そこにめがけて選手を集めたり、またゆかりの選手に声をかけたりといったことはあると思います。その結果、活躍してくださった選手、出された結果というものも多くあったと思いますので、これをぜひ、一過性のものにせず、このゆかり、つながりをこれからにどのように生かしていくのか。競技力の向上もそうでしょう。部活動の地域移行というようなこともございますし、スポーツを通じた健康づくりや、まちの活性化、こういったことも課題であり、可能性だと思いますので、障スポもこれから開催いたしますが、これからこの選手の輝きを自分たちのものだけにしないように、未来に向けてあの光が放てるようにしようと、スポーツだけではなくて、いろいろな分野に普及させていこうという呼びかけを既に始めているところですので、我々もそういうつもりでいろいろな事業をつくっていけたらいいなと思います。

 

[日本経済新聞]

 県民栄誉賞は坂口さんで何人目ですか。

【知事】

 坂口さんで4人目です。

[日本経済新聞]

 これまでの3人の方は皆、スポーツ選手ということでよろしいでしょうか。

【知事】

 はい。木村敬一さん、大橋悠依さん、乾友紀子さん、です。

[日本経済新聞]

 2021年に県民栄誉賞を創設されたということですよね。

【知事】

 はい。

[日本経済新聞]

 授与のタイミングについては、ノーベル賞の授与式が12月10日で、その後ですか。

【知事】

 坂口先生とそのあたりは調整することになると思いますが、実際にお受けになられた後の方がいいと思います。

[日本経済新聞]

 渇水対策、琵琶湖の水位ですが、マイナス65センチまで行くと、水位低下連絡調整会議で土木交通部長が議長ですが、これも視野に入っているという感じでしょうか。

【知事】

 今週降ると言われている雨がどれぐらい降るのかにもよると思いますが、ここまで減ってきたらなかなか回復しづらいというのがこれまでの流れですので、想定をして準備したいと思います。

[日本経済新聞]

 マイナス60センチで国へ要望するということですが、現在59センチで、10分ごとに水位が公表されますが、ワンタッチでもマイナス60センチまでいったら要望するのでしょうか。それともマイナス60センチになって、しばらくこれは続きそうだなと思ったら要望するのでしょうか。

【知事】

 今59センチでほぼ60センチに到達しているということで、国土交通省に対する対応要望は準備させていますので、その先の65センチ、もしくはその先というのも十分視野に入れて準備をしなくてはいけないと思っています。

[日本経済新聞]

 では国に要望するのはもうほぼ確実ということですね。要望して、具体的に国は何してくれるのでしょうか。

【知事】

 この期間は大きな降雨があることを想定してマイナス30センチに合わせて水位を調整するようにしてますので、放流量をいろいろ変えます。その際にも水位がこれ以上下がらないようにということを考えてくださるんじゃないかというふうに思いますが、先般も洗堰を歩いているときに放流量を上げますというような放送が流れていましたけど、これ以上減るときに放流量を上げるということについては少し躊躇があるのかもしれませんし、こういったことをまた国とも対話をしながら考えていけたらいいなと思います。

[日本経済新聞]

 下流に影響のない範囲で放流量を調整するとか、そういった事態はあり得るということですか。

【知事】

 利水の観点もありますし、必ずしも取水制限ではございませんので、常にこの水位を考えながらの水位操作というものにつながればということです。

[日本経済新聞]

 一応これまでの経緯だと、マイナス60センチになると水を大切にというのを県が呼びかけるということになるのでしょうか。

【知事】

 常に水を大切にということは言っているつもりですけれども、こういった水位が低下する局面においても、より強くメッセージを発していけたらいいなと思います

[日本経済新聞]

 国政の混乱について、地方自治体の首長として、どう見てるか。1つは、秋に予定されているとされている臨時国会が遅れる可能性がある。要するに第二次補正がなかなか決まらない、物価対策が決まらないということもあり得るし、もしかしてその年内総選挙になったら来年度の本予算にも影響するかもしれない。このあたりの懸念についてどう思われていますか。

【知事】

 大きな国政選挙が行われた後に、臨時国会の開会期日が、その通り開会されないという事例はあまりないので、この臨時国会が開会されないと、予算の補正を含め、もちろん、まず総理大臣が選出されないという、もうすでにいらっしゃる総理大臣が辞意を表明されているにもかかわらず、選出されないという事態は、これは国政の状況として好ましくないと思いますので、いずれにしろ、与党・野党それぞれの責任において、重要視される政策や理念はあるのかもしれませんが、どうやって多数を構成し、今の課題の克服に向けた動きをつくっていくのかという、こういう良識が働くことを期待したいなと思います。

 

[共同通信]

 ノーベル賞の坂口先生のお兄さんが恩師だったというお話があったと思うんですけど、これはいつのことでしょうか。

 

【知事】

 高校時代、お世話になった先生です。坂口偉作先生です。

[共同通信]

 担任をされていたのでしょうか。

【知事】

 高校3年の時の担任の先生です。

[共同通信]

 教科は何を教えていたのでしょうか。

【知事】

 英語です。私の人生を決めた先生の一人ですね。

[共同通信]

 どんな思い出があるかというのを少し教えていただけませんか。

【知事】

 たくさんの思い出があります。先生にはいろいろ真正面からぶつかって、悩みも受け止めていただいて、進路のこともそうです、学校の行事の運営のこともそうですけれども、本当に生徒の声を真剣になって聞いてくれる先生でした。進学先を決めたのも坂口偉作先生の御指南でしたし、その後進む石弘光先生に教えを請うということも坂口先生の御指南でしたから、まさに私の人生を決めた恩師だったと思います。

[共同通信]

 その弟にあたる志文先生が授与されて、大変個人的にも喜ばしいということですか。

 

【知事】

 初めは坂口志文先生と坂口偉作先生は繋がっていなかったのですが、ある時につながって、先生の弟さんだったんですか、みたいなことでつながって、実際にお会いしたこともあります。坂口志文先生にも、兄とのつながりも含めてという話をしていただいたこともありますが、それ以降、つながってから同窓会等でお会いするたびに、志文先生のこともいろいろとお話しされていましたし、最近では毎年のように御受賞されたらということで、地域の皆さんと、願う場面をつくっていらっしゃってというようなこともありましたので、今回、もう天国に召されられたということですけれども、お母様やお父様に報告をされる吉報というのがつくれたんじゃないかなということで喜んでいます。

[中日新聞]

 国スポについて、今、開催自治体の負担軽減とか、もっと恩恵が大きくなるようにとか、そういう意味で国スポのあり方自体、改革の議論の中にあると思うんですけれども、そんな中で滋賀大会が行われて、知事が見て、この部分もっとこうすれば自治体の負担が軽減されるなとか、地元に恩恵が還元されるなとか、そういった部分で何か感じたことがあれば教えてください。

【知事】

 まだ障スポ前ですので、障スポも万全の準備をして、終わった後に一定の総括をしていかなければならないと思っていますが、国スポが終わった段階で、今の国スポ改革の議論に照らして申し上げれば、この間、1都道府県がこの10日余りの大会に向けて、そして3日間余の障スポに向けて、相当な時間、費用、労力をかけて準備してきますよね。まあ、この機会だからできることというのもあるんですけど、そういったものとの見合いをどのように考えるのか。また、特に施設を整備する時には、いろいろな仕様、基準があります。大会競技、実施するのに、こういった規模、スペックが求められると。しかし、その基準、スペックを満たすためにかかる費用というものがあります。また、今回も京都、兵庫、大阪、県外開催、また冬季の大会も県外開催ということがありましたが、そういう多くを1府県が担って、開催競技を実施していくということの是非とか、また、注目を集めよう、多くのお客様をお招きしようということになれば、1流選手、注目選手がこういった大会に来ていただけるかどうかということもあると思いますが、いろいろな国際大会とのスケジューリングの問題だとか、いろいろなレベルの問題とか、それが合う、合わないということもあって、十分お客様を呼びたいのになかなか呼びにくい大会になっているのではないかといった事々も指摘されておりますので、スケジュールの面とか、開催方法の面とか、そういった事々で、今後議論すべきことも多くあるのではないかなと思っております。ちょうど2巡目が1回りしてくる段階に入ってきますので、3巡目に向けて、また、それまでの間できることも含めて、これから全国知事会の皆さんと一緒に議論を積み重ねていきたいなと思っています。しかし、個人的にこの国スポ直後で申し上げれば、やはり開催県だからこその盛り上がりというのも実感できましたので、また、都道府県ごとの競い合いだからこそ熱くなれるという、こういったこともありましたので、こういうことの意義は、やる前よりもより強く感じているなという面もあります。そういったことをまた、それぞれの府県やスポーツ協会にも伝えていけたらいいなと思っています。

[京都新聞]

 石破総理が10日に戦後80年の所感を発表されました。こちらについて知事は、まずどこでどういった状況で内容を知られたかということと、その内容についての受け止めをお聞かせください。

【知事】

 10月10日に発出された所感でしたので、この日は折しも、公明党の連立離脱の報と重なったタイミングでございましたが、その日の夜、報道を通じて、その日の翌日、全文、新聞にも記載されておりますので、それを読んで、内容を改めて確認させていただいたところでございます。大日本帝国憲法の問題点、政府、議会、メディアの問題点を、なぜ戦争を避けることができなかったのかという、こういう視点で深く省察されている。ここは我々としても、教訓として刻み、できることを模索、追求していくべきではないかと考えております。特に、斎藤隆夫衆議院議員が反軍演説を行われて、議会を追放されるというか、辞職させられる、除名されるという、こういったことは日本の政治の1つの汚点だと私も思っていましたので、こういったことについても、総理が所感として改めて明記された、述べられたということの重さを我々も共有したいなというふうに思っております。

[毎日新聞]

 ノーベル賞について、坂口先生は県民ということで、喜びの声をおっしゃったことはよくわかるのですが、今回もう1人、日本人として、お隣の京都の北川進先生が受賞されたことに対する称賛というか、喜びの声を知事からいただければと思います。

【知事】

 坂口先生も、北川先生も、生理学・医学賞、そして化学賞と。制御性T細胞、多孔性材料、金属有機構造体MOFというもので、いずれも今後の発展可能性のある研究テーマでノーベル賞を受賞されたということは、ゆかりの県としても、坂口先生は御出身ですし、京都には水をお送りしていますので、そういう意味で大変、琵琶湖のつながり、疏水のつながりもあるので、大変光栄な、嬉しいことだなと思います。また、文学賞にクラスナホルカイ・ラースロー先生が、ハンガリーの作家さんですけど、受賞されて、この方も京都でいろいろなインスピレーションを受けられたということがあります。北の山、南の湖、西の道、東の川。なぜ南に湖なのかと。東じゃないのかというつっこみも入れながらですね、この御受賞の報を聞かせていただきました。いずれも京都や滋賀にも関係の深い先生方がこういった形で受賞されたことを私たち、大事にしていきたいなと思います。特に坂口先生、「見るを知る」という、そういう考え方だとか、北川先生は「無用の用」という荘子の考え方だとか、こういう哲学的なことに基づいてこういう道を極めてこられたということに、私たちは学ぶところが大きいなと思います。

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