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知事定例記者会見(2025年8月5日)

令和7年8月5日
(県政記者クラブ主催)

会見の様子

【知事】

 今日もよろしくお願いいたします。まだ暑い日が続いておりまして、熱中症警戒アラートが引き続き発表中でございます。暑さから身を守ろうということについて、皆様方にお呼びかけしたいと存じます。暑い時期の外出を控えるとか、水分を適切に摂るとか、木陰、商業施設、公共施設、涼しい場所で過ごそうとか、エアコンを適度に使いましょうということについて、改めて皆様方にお呼びかけ申し上げたいと存じます。

 また、本日の琵琶湖の水位はマイナス41センチということで、全国的にも水不足、またそろそろ米の稲穂が実る頃で、お米の生育は大丈夫かということを気にする日々でございます。生産者の皆さん、御尽力いただいておりますし、滋賀県は暑さに強い品種もつくり、皆さんに育てていただいておりますので、それがしっかりと実を結ぶように期待し、また祈っていたいと思います。

 8月4日から10日まで、交通死亡事故多発警報を発令しておりますので、改めて経営会議においても注意喚起をいたしました。あわせまして、埼玉県で下水道施設の点検作業中に4名の方がお亡くなりになるという事故が報じられました。改めて、経営会議におきましても、関係する部署に基本動作の徹底と工期や予算について確認をするように指示いたしました。

 配布資料をお配りしたと思いますが、戦後80年ということで、明日6日は広島に原爆が投下された日でございますし、来週8月15日は終戦記念日ということで、私も全国戦没者追悼式に参列する予定でございます。また、8月30日には滋賀県の平和記念滋賀県戦没者追悼式を行う予定でございます。戦争の記憶、その悲惨さとともに語り継ぐと。平和の尊さ、その思いを次の世代につないでいくということのために、様々な事業を行っていきたいと思います。

 本日、別途資料提供しておりますが、公用車のEVカーシェアリングについてでございます。7月1日から、本庁舎西の駐車場で公用車を活用したEVカーシェアリングの実証事業を開始しております。土日限定ということだそうでございますが、お盆期間は平日も利用できるということでございますので、一度御利用いただければというふうに思っております。

 それでは資料に基づきまして、今日は3点お知らせをいたします。まず、こちらにサンプルも出させていただいておりますが、いよいよ近づくわたSHIGA輝く国スポ・障スポ大会の開・閉会式で提供いたします式典弁当のメニューが完成いたしました。名称は「おうみ彩り弁当」。国スポ大会では開会式に、障スポ大会では開・閉会式に御参加される選手、監督、招待者、大会役員、報道員、視察員等の皆様に御提供申し上げます。式典弁当のメニューは栄養士会の澤谷会長、立命館大学の海老教授など食に関わっていらっしゃる有識者で構成されました標準献立弁当部会をわたSHIGA輝く国スポ・障スポ実行委員会に設けまして、検討を重ねていただきました。滋賀らしいおもてなしを体感いただけるよう、県産食材や郷土料理を盛り込もうということで、加えて昨年度実施いたしました式典弁当メニューコンテストの優秀賞作品4点も採用させていただいたところでございます。後ほど御覧をいただきますが、近江、湖国、滋賀の魅力が集まった式典弁当が御用意できましたので、皆様方にも御賞味いただければと存じます。なお、近江米と近江牛はJAグループ滋賀様から、お菓子は株式会社たねや様から御協賛いただく予定でございます。弁当箱のデザインはまだ試作段階ということでございますが、滋賀大会の優しさを表す柔らかいトーンのグラデーション、季節を感じる色使いが特徴ということでございますし、中の素材もプラスチックではなくて、生分解性の素材を使っているということでございます。会見終了後、優秀賞の作品の試食も用意しておりますので、後ほどお試しいただければと存じます。ビワマスが取れないんじゃないかとか、鮎が少ないけど大丈夫なのかということもあり心配していたのですが、おかげさまで漁協の皆さんや、また生産者の皆さんに頑張っていただいて、なんとか揃って御提供いただける運びとなりました。ぜひ報じていただくときは、そういった自然の恵みや生産者の営みにも少しお心を寄せて伝えていただけると幸いでございます。

 2つ目、8月24日日曜日に木育施設「しがモック」が一般オープンいたします。本県では、「つなぐ『しが木育』指針」を令和5年4月に策定いたしまして、子どもから大人までの幅広い世代を対象に、木に触れ、親しむことができる木育というものを推進しているところです。その拠点といたしまして、野洲市にございます県立近江富士花緑公園内にある「森林(もり)のわくわく学習館」を改修いたしまして、木育施設「しがモック」をオープンすることにいたしました。滋賀県産木材でありますびわ湖材を室内にふんだんに使いまして、山や琵琶湖といった滋賀県の地形をイメージした遊具を設置しております。県内の木工家が制作したおもちゃをたくさん準備しておりますので、主に小学生以下のお子様とその保護者の方を対象に、木製品との触れ合いを通じて、木の良さや木材利用の意義などについても学んでいただければと存じます。一般オープンに先立ちまして、20日に内覧会を、23日にはオープニングセレモニーを予定しております。なお、今年度中に隣接いたします林業普及センターとウッディルームも改修いたしまして、「しがモック」と合わせた木育拠点として一体を整備させていただく予定でございます。この「しがモック」オープンを契機といたしまして、今後、滋賀での木育の取組をさらに広げ、進めていきたいと存じます。ちなみにこのキャラクターは「山のおっさん」という最近人気のキャラクターでございます。

 最後でございますが、「ここ滋賀ふるさと便」についてお知らせをいたします。滋賀県情報発信拠点、東京日本橋にありますここ滋賀。おかげさまで多くの方に日々御利用いただいておりますが、こちらにおいて、東京圏に暮らす滋賀ゆかりの若者たちに向けて、ふるさとの味や思いを届ける「ここ滋賀ふるさと便」を初めて実施しようとするものでございます。毎年、多くの若者が滋賀県から東京圏を中心に頑張って旅立って行っているということがございますが、その若者たちに対して、もう少しいろいろなアプローチできるといいねという課題、可能性がございます。そのため、この事業は進学や就職を機に、滋賀を離れた若者たちに地元の味、風景を思い出して、地元滋賀とのつながりを感じてもらえればということで、主に東京圏、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県という東京に隣接する3県を含めた東京圏の滋賀ゆかりの若者。若者ですので、18歳以上29歳以下を対象に県産品の詰め合わせを送り、ふるさと滋賀と東京圏の若者の接点をつくり出していこうという取組です。今週末8月8日金曜日から受付を開始いたします。受付期間は9月末までということでございます。日々の忙しさ、東京圏での生活環境の変化によって、次第にふるさと滋賀との距離が遠ざかってしまっている若者の皆さんに、このふるさと便を通じてエールを送ることで、いつでもふるさと滋賀を身近に感じてもらえるようなつながりをつくれればということとか、首都圏の拠点であるここ滋賀の存在も知ってもらえたらなという企画でございます。この取組に御協賛いただける企業様の募集を行っております。ぜひ、取組の趣旨に御賛同いただいて、様々な心のつながりを感じ合えればなというふうに考えているところでございます。私からは以上でございます。

 

[毎日新聞]

 戦後80年の関係について、滋賀県知事として何か80年ということで、平和宣言というと変ですけれども、何か談話を発表するとか、そういう御予定はありますか。

【知事】

 今のところありません。ただ、先ほど申し上げた8月30日の滋賀県の式典の知事としての言葉は、毎年こだわってつくっていますので、その中に戦争で亡くなられた方への気持ちや平和を希求する思いなどは表現できればと考えているところでございます。

[毎日新聞]

 EVカーシェアリングについて、7月から1か月されてどの程度利用がありましたか。

【知事】

 7月の一般利用は4件、17.2時間、185キロの稼働があり、利用料金は約2万円でした。

[毎日新聞]

 まだ少ないという印象でしょうか。

【知事】

 どうしても利用できる日、時間が限られているということもあるのかもしれませんが、まずは今年度やってみて、来年度以降の取組を考えていければと思います。

[毎日新聞]

 先日、いわゆる学力テストの結果が発表されまして、残念ながらというのか、滋賀県の小・中学校の成績は全教科、11回連続で全国平均を下回るという結果でした。この結果についてはどのように受け止めておられるでしょうか。

【知事】

 私も知事としていただいている大権、大きな権力は謙虚に行使しながら、教育委員会とも連携し、子どもたちの学び、確かな学力をつけるということについては、力を入れて取り組んでいるところでございますし、学ぶ力の向上、読み解く力の向上、こういう取組は、今回行われた学力学習状況調査の結果も十分分析、活用して、さらに今やっている取組を深化、発展させていけたらいいなと思っているところでございます。そういう意味で、平均で見れば各教科、全国平均を下回るという結果は出ておりますが、教科ごとにどうなのか、学習状況調査との相関はどうなのかというようなことなどについて、もう少し詳しく分析をして、具体の事業、取組に反映をさせていきたいなと思っております。

[毎日新聞]

 もうちょっと頑張れといった感想はありますでしょうか。

【知事】

 特にありません。テストですので、分からないより分かった方がいい、正誤が問われているのであれば、間違うよりも正しい方がいいし、正しい答えは少ないより多い方がいいということだと思いますが、みんなそれぞれ一生懸命やって、それぞれ出た結果でありますので、その結果は受け止めたいと思います。以前から申し上げているかもしれませんが、1問も解けない子どもがどれぐらいいるのかとか、本当に少ない問題しか解答できていない、正しく答えられていない子どもの割合というのをもう少し見ようじゃないかと。すなわち読めてない、全くわからない子どもがどれぐらいいるのか。最近、日本語を母語としない子どもたちも増えていたり、落ち着いて机に向かうことができない状況にある子どもたちもいるとすれば、そういった子どもたちの学習状況なども少し丁寧に細かく見ながら、できないところができるようになる、わからないことがわかるようになる取組を、さらに教育委員会、現場と一緒に進めていけたらいいなと思っております。

[毎日新聞]

 知事はこれまで衆議院選挙や知事選に何度も立候補し、当選されてきたわけですが、その間、出馬の判断は自分自身で決断してきたと一貫して言ってこられたと思うんですけれども、先日の3期3年目の振り返りの場では、次の出馬の意欲について問われたら、周りのいろいろな人のお話を聞いて決めたいと。周りの人の意見を聞いて決めるということは、従来でしたら、出るなら自分で決める。そうすると今回、出ないなら周りの意見に従って出ないと、そんな風に受け取っていいでしょうか。

【知事】

 いつも、例えば立候補させていただくとか、こういう挑戦をさせていただくというときには、最終自分で決めると。ただ、その前段階においては、当然いろいろな方との話や交流、学び、教えといったものもありますので、そこはどのプロセスも変わりなく多くの方のお声も聞きながら、最終的には自分で決めて一歩を踏み出すという、こういうことだと思います。

 

[共同通信]

 饗庭野演習場での訓練再開に向けて、陸上自衛隊が高島市に要請書を先般提出したのですが、検証や再発防止策が出てから少し早いのではないかという声もあるのですが、このことに対する受け止めと、再開の可否については今のところどう考えていらっしゃるかというのをお聞きしたいです。

【知事】

 先般、この調査の報告に来られたときにも申し上げたのですが、撃った弾がどこいったか分からないと、しかもこういった弾着不明事案が10年間で5回目ということでありますので、こういう状態は近隣住民の皆様にも多大な不安を与えるものでありますので、遺憾だと言わざるを得ないということでございます。どういうことが原因だったか、そもそもどこにあったのかということと、なぜ確認できない事態に陥ったのかということ、そういった事態が起こらないために何をするのかということを求めました。一定その報告、説明がございましたので、そういうものを受けて、訓練再開をさせていただきたいというお話があったことを受けて、どのように判断するのかということを、今、高島市と滋賀県とで協議、検討しているということでございます。演習場は訓練をする場所ですし、訓練しなければ練度が高まらないということもあるのであれば、もし合理的な原因究明と、再発防止の対策が取られているとすれば、訓練再開というのも当然視野に入ってくると思いますが、なお残る課題があるのかないのかというのを少し時間をいただいて、協議、検討させていただいているというところです。そんなに時間を長くかけるつもりはありません。

[共同通信]

 そんなに長く時間をかけるつもりがないというのは、8月中とか、そういうところを目処に結論を出していくということになるのでしょうか。

【知事】

 そんなに長くかかるのかどうかですね。先般の説明、そして再発防止の取組に、私は一定理解をいたしました。が、なお残る住民の皆様方の、特に近隣、高島市の住民の皆さんの不安があるのかないのか、そのあたりを最終確認させていただいて、そんなに遅くない時期には市、県の回答をさせていただく運びになるのではないかと思います。

[共同通信]

 今、各地で花火の事故が相次いでいるニュースを目にしますが、今週末にびわ湖大花火大会がありますが、どういうところに注意したいとか、何か呼びかけることなどはありますでしょうか。

【知事】

 この花火大会は多くの方が楽しみにされる夏の風物詩、滋賀県にとってはビックイベント、恒例行事でもありますので、これはしっかりと準備させていただきたいと思います。と同時に、過去も、例えば多くの方が集まられる雑踏で群衆が事故につながってしまうということもございましたし、火器を多く使うということからいたしますれば、昨日の横浜のような事態も起こらないとも限らないので、改めて当然、事業者の皆さんは、そういったことがないように今回のことも教訓にしながら、万全の準備をされると思いますが、改めて実行委員会としても、安全対策、確認を徹底させていただきたいというふうに思います。

 

[日本経済新聞]

 「ここ滋賀ふるさと便」について、面白いと思いました。実施は初めてですよね。

【知事】

 初めてです。

[日本経済新聞]

 関係人口の創出が1番の目的でしょうか。

【知事】

 ここ滋賀は今2期やってきて、3期目どうするのかという検証や議論をさせていただいているときも、もっとつながりを保つ、もしくはつくる拠点にここ滋賀がなり得るんじゃないか、この滋賀で育って、とりわけ若い東京等で頑張っている人たちに対してできるのではないかということを指摘されているので、それをきっかけにこういったことを考えてくれたのだと思います。

[日本経済新聞]

 ここに企業が絡んでくる理由ですが、協賛する企業を募集して、応援メッセージを書いてくれという。これは例えば、東京で行き詰まったら帰ってきてうちの企業で働かないかというような、直接はそう書かないのかもしれませんが、何か深層心理に訴えるような刷り込みをするという目的もあるのでしょうか。

【知事】

 そういう刷り込みとか期待とか思いということよりも、純粋に滋賀で育って巣立った若者たち、東京でいろいろな仕事や学びをしてくれている若者たちに、ここ滋賀が東京日本橋にあるよ。いろいろと懐かしい食べ物や品々があるよ。一部届けるから、ふるさとのことを思い出して頑張ろうなという。こういう気持ちを届けられたらいいんじゃないかなと思いますね。私も学生時代、湖国寮で過ごしていたときに、こういう地元ゆかりのものが届くと嬉しかったです。

[日本経済新聞]

 ここ滋賀の認知度を高めるというのが狙いでしょうか。

【知事】

 ここ滋賀というものがあるという、そういうことも少し知ってもらえればと思いますし、むしろ湖国、故郷、ふるさと滋賀とその若者たちのつながりをここ滋賀がつないであげるということだと思います。

[日本経済新聞]

 東京駅とか日本橋のあたりには東京を除く、各道府県のアンテナショップがありますが、決まってあるのはUターン相談所です。東京で行き詰まったら帰ってこないかという相談所が必ずありますが、ここ滋賀は、あまりそういうのは目立っていないのでそれの代わりなのかなと思ったんですがそうでもないのでしょうか。

【知事】

 今、言葉の端々に東京で行き詰まったらという表現がありましたが、行き詰まらなくても戻ってくればいいし、いろいろなきっかけで関わりを持ち続けたらいいと思います。近江商人の1つの特徴は、よく先生方が御指摘されるのは、在地性を残した世界性、全国性、要はふるさと滋賀を大事にしながらも全国各地で活躍する、つながりを保ち続けるというところに特徴があったというところなので、そういったところも現代版として表現できたらいいなと思っています。

[日本経済新聞]

 予算は最大400人だと1人4,000円でだいたい160万円ですが、これは県の予算でしょうか。ここ滋賀の予算でしょうか。

【知事】

 ここ滋賀に配分している予算をうまく使いながらやろうとしているみたいです。お願いする企業の御協賛も十分活用してやれるということなので、やってみようということです。

[日本経済新聞]

 北陸新幹線について、26日のシンポジウムが中止だというのが昨日発表されました。どちらかというと、やっぱり関経連、経済界の方から、状況変わっているのではないかというような話になって、それを関西広域連合が受け入れたというふうに読めますが、ステージが変わってきているというか、もちろん米原ルートが急浮上というわけでもなくて、今の計画だと行き詰まっているから、もう1度いろいろな選択肢をテーブルに乗せて見直してみようと。ただそれは相対的には米原ルートの可能性が、以前はゼロだったのが10とか20%ぐらいになってきたということだと思います。知事は、米原ルートに関しては非常に迷惑だとか全然欲してないという言い方をしていますが、やや過剰に拒否しているなという感じがします。経済界は1日も早く新大阪まで来てほしい、そのための手段を考えてほしいということを国とか行政の方に言っているのでしょうが、向こうからとにかく米原ルートで頼む、もうこれしかないんだというふうにお願いされたときに、知事としてはどういうふうな対応を取るつもりでしょうか。

【知事】

 まず、8月26日に予定していた関西広域連合と関経連の共催、そして北陸の期成同盟会の皆さんと一緒にやるシンポジウムについては、中止、見合わせということになりました。7月31日に関西広域連合の会議もありましたし、関経連との懇談会もありましたので、どちらかというと、当方から今回はもう見合わせをしようということでお願いをし、関係各所に説明がつきましたので、発表させていただいたということです。その理由は、今も御指摘いただいたように、いろいろと状況が動き、変わるような兆しもあるのではないかということを受けて、この時点では、やはりシンポジウムを開催するよりは少し様子を見ようという判断をさせていただいて、関係者にも御理解いただいたということです。北陸から関西圏、京都、大阪、都市圏に、この高速鉄道ネットワークをできるだけ早くつないだ方がいいというのは、みんな共通した思いです。しかし、それぞれの地域に様々な課題があって、公費は大丈夫か、水は大丈夫か、残土は大丈夫かという不安が拭えない、そのことが選挙の結果等においても一部動いてきているのではないかと。こういう結果を受けて今、政治の場においても様々な議論が行われているので、それは注視していきたいと思います。その議論の中に、滋賀県を通る米原ルートというのもおっしゃる方がいらっしゃいますが、繰り返し申し上げているのは、滋賀県としては求めていないし、望んでもいないので、そういったことを前提にお考えいただければということは常々言っておかないと、他の地域と違う、また過去我々が主張していたこととは、やはり現時点で違うんだということは御理解いただけるようにしていく必要があるのではないかと思っています。

[日本経済新聞]

 こちらからお願いしてつくる駅と、向こうからお願いされてつくる駅では、やはりりこちらの持ち出し分も違うわけですよね。

【知事】

 そういう願うから、願わないから持ち出しがどう変わるかというルール自体もないので、今の整備新幹線のルールは地方負担が一定あるということとか、並行する在来線は経営分離されるので、それぞれの自治体が第三セクターとして担うといういうルールになっていますので、そのルールに基づいていけば、どういうルートに決まってくるのということです。

[日本経済新聞]

 最後は条件闘争のような気がしますが、今知事が言えるのはそこまでということでしょうか。

【知事】

 整備新幹線は沿線地域に多大な経済効果をもたらす一方で、財政の負担とか、あと並行在来線の問題とか伴う負担、課題というのも必ずあるので、そういうものとの比較、考慮は国全体のネットワーク構成の際にも議論されるでしょうけれども、沿線自治体はきちんとその自治体の思いを述べて、決定に付していくということも重要だと思います。

[京都新聞]

 発表事項のここ滋賀ふるさと便なんですけれども、これは当事者、要するに東京圏にいる若者が申し込むという形になると思うんですけれども、そうすると、どうやって伝えるかということが重要になってくるかなと思うんですが、どういう形で発信されるのでしょうか。

【知事】

 今日のこういう記者会見の場もそうですし、ソーシャルネットワークサービス、SNSの活用も最大限駆使しながら、できるだけ多くの方に、こういうことやっているのか、申し込みしてみようということにつながるよう努めてまいりたいと思います。もしかしたら、滋賀県にいらっしゃるお父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、御家族の方が「こんなんあるから、お盆に帰ってこれへんやったら、ちょっと申し込んで、なんか届けてもらったらどないや」といったこともあっていいのかもしれません。

[京都新聞]

 「ここ滋賀ふるさと便」イメージという写真が添付されていて、具体的にすでに存在している商品が写真に盛り込まれていますが、これは協賛が決まっているところの写真を載せているという理解でいいのでしょうか。

【知事】

 こちらはイメージです。注釈を加えないといけません。

[京都新聞]

 イメージと注釈を加えて、個別にすでにある商品の写真を県民の目に届く資料に載せるということ自体がちょっとどうなのかなと思うのですが。

【知事】

 失礼いたしました。そのあたりの表示のルールに基づいて、こういう出し方がいいのかどうかということは検証させていただきたいです。

[京都新聞]

 自分のところの商品が写真に載っていて、もし決まっていなかったら会社的にはどうかなと。特に社名がはっきり出ているところもあるので。

【知事】

 このあたり細心の注意が足りないところもあるかもしれません。以後気をつけたいと思います。

[京都新聞]

 猛暑の関係で、暑い日々が続いているのと、雨が少ないというところで、雨が少なくなると琵琶湖の水温も上がってくるというような影響もあるかと思うのですが、今のところ、県内の農業や水産業、その他、琵琶湖の環境というところで、何か影響というのは入っていないでしょうか。

【知事】

 現時点、水位が下がっている、雨が最近降らない、もしくは水温が上がっているのではないかということに伴う問題等、私のところに報告が上がってきていることはありません。しかし、昨日も土地改良を担っていただいている団体の皆さんとお話をさせていただいた折に、暑いので、水をかけ流し状態で、水田に流されると。したがって、その水量がとても多くなったり、ポンプアップするときの電気代がかさんでしまったりということで、例えば減反をやめて水田を増やすということになれば、水の量が足りなくなる可能性もあるのではないかということも指摘されておりました。今、国も大きなこの米政策について見直し、検討されておりますので、こういう水の問題とセットで考える必要もあるんだなということを痛感したところです。

 

[NHK]

 明後日の7日の日本時間の午後1時に、トランプ関税の日米合意した新たな15%の関税率が発動されるかと思いますけれども、滋賀県も製造業とか多い中で、滋賀県内で起こりうる影響、プラスの側面、マイナスの側面、両方あると思いますけれども、影響についてはどのようにお考えでしょうか。

【知事】

 まず、米国の追加関税措置が及ぼす県内企業への影響について、私たちも注視しております。県が実施する景況調査第1四半期について、すなわち4月から6月の第1四半期の速報が7月11日に発表されているんですけれども、その結果を見ても、「悪影響がある」、もしくは「少し悪影響がある」と回答された企業の割合が約4割となっております。これは、直近の合意内容が明らかになる前の調査でありますので、15%ということでありますとか、そういった事態を受けてどうなるのかというのはまだ未知数でございます。やはり悪影響の内容は、過半を超える企業の皆さんの回答として、世界的な景気後退になって売上高・利益率が減少するのではないかということとか、国内向け出荷量の減少、米国への輸出量の減少というようなこともあったのではないかと思います。プラス面ということでいうと、あまりその調査等の中から明らかになっていることはありません。かけられた分は転嫁をして、米国国内で消費者等が負担をしていくということになるのかもしれません。そういうものが利益に、プラスになる部分や、他の地域の商品との考量の中で優位性が発揮される面もあるのかもしれませんが、やはり価格が上がる、税が課されるということは、消費や投資にとって一時的にはマイナスの影響の方が大きいのではないかと思慮いたします。

[NHK]

 相談窓口も設置されていたかと思いますけれども、例えば、15%に決まって相談が増えたり、あるいは、そこでの聞かれている意見、具体的にこういうところに困っているとか、そういったお話はあるでしょうか。

【知事】

 相談窓口に寄せられている数も、今回の合意を受けて増えているとか、また減っているとかという状況はございません。押しなべて、一定数それぞれの相談窓口にお声が寄せられているという状況ですが、そんなに多くもなく、そんなに増えているという状況ではありません。ただ今後、発動されて影響がじわじわと出てくる、もしくは及んでくるということも予想されますので、引き続き注視をし、対策を検討していく必要があると思います。

[時事通信]

 全国知事会長選の関係で、現在立候補を表明しているのが長野県の阿部知事ということなんですが、この出馬表明の受止と期待することなどがありましたら教えてください。

【知事】

 阿部長野県知事は尊敬する先輩であり、同志でもあります。全国知事会の中でも村井会長を支えながら、国民運動本部長として様々な団体との連携をつくっていただいたり、目下国スポ改革の議論を国やスポーツ協会などとも精力的にやっていただいておりますので、私も全幅の信頼を置いて、一緒にこの地方自治行政を担わせていただいているところでございます。現場を大事にされる、また人に熱い阿部知事が全国知事会長、村井会長の後継として選出されるとすれば、これは大いに期待が持てる、国政の状況も少し流動化、不安定化することも想定されますので、そういったところに地方の声を届けるリーダーとしてふさわしいのではないかと思います。

[中日新聞]

 今月の27日に、制定されて初めての「世界湖沼の日」を迎えると思うのですが、制定を呼びかけてきた県として初めての「世界湖沼の日」を迎えるにあたって、何か取組として考えておられることがあれば教えてください。

【知事】

 まず8月27日という日が、1984年に第1回世界湖沼会議を、ここ滋賀県大津市で開催された日、開会した日を「世界湖沼の日」と定められたと。私たちは「世界湖沼の日」を定めようということを様々な機関と連携しながら、いろいろな機会で主張してきましたので、そのことが実り制定され、初めて8月27日を迎えますので、ここはやはり琵琶湖をお預かりする滋賀県として、世界に対し、未来に対し責任を果たしていくという気構えで、情報発信や湖沼が置かれている状況の共有、さらに今後取り組むべき課題等を発信する、そういう機会になればなということで、例えば7月1日から8月27日は、「ビワ活」の期間として様々な取組を呼びかけておりますし、この8月27日には、少し他の地域とつながりあって発信するようなイベント、フォーラムも計画しておりますので、もちろん世界湖沼会議での発信ですとか、万博、先般も8月3日、「水のつながりウィーク」というクロージングイベントで様々な発信も行ってきましたので、湖沼に湛えられている淡水、水の価値の重要性については、この「世界湖沼の日」が定められたことを契機として、さらに強力に発信していきたいなと思っています。

[朝日新聞]

 湖国寮、これは滋賀県出身の大学生寮なのでしょうか。そこにはどんな思い出があるのかエピソードを伺えればと思います。

【知事】

 当時、財団法人湖国協会という県も絡む協会が運営している男子寮でした。東京都武蔵野市、最寄り駅は三鷹駅徒歩10分のところにある寮に、私は大学時代4年間お世話になりました。寮長は県内の県立高校の校長先生のOBの方で、面倒を見ていただきましたし、まかないの料理を朝・夜つくっていただく寮母さんですとか、近江米が米不足の折にもたくさん届けていただけるという状況とか、寮祭では滋賀から届くもち米で餅つきをしたりしましたし、いろいろな行事の時には知事が来られたり、県職員に参加していただいたりということで、ふるさととの関わりを保ち続けることができる場所でした。現に湖国寮のOBで県職員になっている同僚もいますし、知事になったのは私が初めてかもしれませんし、県人会の役員をしていただいている方も各地にいらっしゃいますので、そういう意味で、私にとってはこの湖国寮があったから、今のこういう仕事をさせていただいていることもあるのかなということを思います。

[朝日新聞]

 その食材はどこから届いたものでしょうか。

【知事】

 滋賀県からです。県なのか農政課なのか、JAなのか農協なのかというのは、私も出どころは覚えていませんが。

[朝日新聞]

 家族ではなくてでしょうか。

【知事】

 もちろん家族からも届きます。家族からダンボール箱に詰めた滋賀の物々、品々がそれぞれの寮生に届けられました。これもみんなで分け合って、食べたり飲んだりしました。それもいい思い出ですが、その湖国寮に物資として届けられるものもありましたので、それもありがたかったなと思っています。

[朝日新聞]

 こういうことができるのではないかなということで指摘されたという話を冒頭されましたけれども、どなたから具体的に何かお話があったのでしょうか。

【知事】

 私の言い方が適切ではなかったのかもしれません。ここ滋賀を10年やってきて、次のターム、次の期間をどうするのかという議論、検証を今しておりますが、その中でここ滋賀が日本橋にあって、頑張っているけれども、もっと滋賀から巣立って東京圏で頑張っている若い人たちにアプローチできることがあるのではないのということについて御提案いただく議論がありましたので、そういうものを受けて、できること何かな、こんなことできるのではないかなということで考えてくれた取組だということです。

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