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知事定例記者会見(2025年7月29日)

令和7年7月29日
(県政記者クラブ主催)

会見の様子

【知事】

 おはようございます。今日もよろしくお願いいたします。暑い日が続いていますし、今日もさらに暑くなるということが予想されているようでございます。エアコンを適切に使って、また木陰なども活用しながら、不必要な外出等はお控えいただいて、公共施設や商業施設などクールシェアもしながら、この暑い夏を乗り越えていきたいと思います。くれぐれも御自愛ください。先週はたくさんの出来事もありましたが、後ほど、また皆様の御質問等にお答えする形で考え等を述べられたらと思います。1点だけ、青森県で全国知事会議がありました。縄文の文化・遺跡もたくさん残る青森県で、北のまほろばと称される青森県で、分断や対立ではなくて、むしろ協調や連帯という、こういうことを大事にしようという、排外主義・排他主義ではなく多文化共生をつくっていこうという、こういったことなども盛り込んだ青森宣言を採択したところでございます。また、滋賀県ともウェブで繋いで、皆様にも御参加いただきましたが、今年、滋賀で行われる「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ」、とりわけ障スポ大会の青森県との連携ですね。もって障害者施策をさらに前進させていく取組などについても、皆様方に発信させていただいたところでございます。

 1点、びわ湖マラソンですね。こちらにつきましては、来る8月1日金曜日の午後2時からランナーとボランティアの募集を始めます。また、このびわ湖マラソンと同じく、びわ湖マラソンを含む、湖にまつわる3つのマラソン大会の連携協定を締結することなども予定されておりますので、併せて御注目いただければと存じます。

 それでは資料に基づいて3点申し上げます。まず1点目、「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ」において授与されます、総合成績表彰状などが完成いたしましたので、お披露目をさせていただきます。総合成績の表彰状と木製の額縁は、10月8日水曜日の国スポ大会の閉会式において、男女総合成績および女子総合成績の第1位から8位までの都道府県に授与されるものでございます。紙製の額縁は、国スポ・障スポの各競技会において優秀な成績を収められました選手、チームに賞状とともに授与されるものでございます。大会マスコットキャラクターのキャッフィー、チャッフィーの各競技別の公式デザインもあしらっているところでございます。総合成績表彰状と、木製の額縁は、滋賀ならではの魅力を全国の皆さんにお伝えできるよう気合を入れてつくっていただきました。県独自の素材、伝統工芸の技術が随所に盛り込まれております。いくつか紹介します。滋賀県伝統の手すき和紙であるなるこ和紙、これは大津市桐生の和紙を表彰状に採用しておりまして、琵琶湖のヨシもすき込んでおります。木製の額縁につきましては、外枠の素材はびわ湖材のひのき、内装に麻の葉柄の近江上布を敷いております。額の上部には半円の信楽焼で夕日をデザインしてあしらわれておりますし、額の下のところには上丹生木彫を施しておりまして、滋賀の情景が目に浮かぶ、そういったデザインとなっております。こちらのデザインは、滋賀県東北部工業技術センターの担当職員が監修をさせていただきました。今日一緒に来ておりますので、後ほど御質問等ございましたら、遠慮なくお尋ねいただければと存じます。このように、いろいろな工夫、デザインを凝らし、魅力あふれる表彰状など、また額縁など用意させていただいておりますので、遺憾なく実力を発揮していただき、思い出に残る大会になりますよう我々も努めますし、皆さんも御参加いただければと存じます。

 2点目は、滋賀県内を拠点にトヨタ・コニック株式会社様が中心となられ、約3年にわたりデータアート&サイエンスを活用した地域創生の様々な取組、これはこれまで実施されてきました。これには一部県も参加させていただきまして、情報共有を図りながら県内各地域で進めてまいりました。この取組をさらに共創、共に創るこの共創の枠組みで進めるため、この度、トヨタ・コニック社様とオーストリアの世界的クリエイティブ機関アルスエレクトロニカ・フューチャーラボ様が地域共創コレクティブ「DAS LAB(ダス・ラボ)」を設立されます。そして、取組の第1弾として、その活動拠点を滋賀において活動しようということになりました。県としても、琵琶湖環境科学研究センターが蓄積するデータの提供など、県の特性を活かせる部分で一緒に取り組んでまいりたいと思います。この琵琶湖環境科学研究センターのみならず、持っているデータを積極的に提供してまいりたいと思います。具体的な活動といたしましては、東京農工大学の研究チームとコラボして、高島で棚田のデータを取得して「信じられる農」というものを模索する活動でありますとか、平和堂さんとコラボして、夏休みの自由研究課題として、子どもたちに地域の水を調べるキットを配り、地域の水の地図をつくる取組。これは長浜でまず試行的にやってみようということです。また、長浜、米原でデータを活用して、地域ならではの魅力や課題を「道」に落とし込み学ぶことができる新たな体験など、様々なデータを使い、また組み合わせて新たな可能性を広げていく共創モデルを、滋賀を舞台につくっていく取組がスタートいたします。後ほどトヨタ・コニック社様による会見も予定されておりますので、詳しいことはお聞きいただければと存じます。

 最後3点目は、安土城跡の発掘調査についてでございます。この調査は、資料にもありますように、特別史跡、安土城跡の天主台周辺地区を整備するために、20年かけて実施しているものでございます。計画に基づきまして、令和5年度から天主台と伝本丸跡との間の伝本丸取付台の調査を行っております。昨年の調査では、天主や本丸御殿と同じ大きさの礎石を使った、大きな建物を発見いたしました。また、破城という廃城跡の様子も一部わかったということでございます。今年度の調査は、伝本丸取付台の東側東半部、(モニタを示し)このピンク色で色をつけたこのあたりの調査を、面積は594平米、発掘作業は明日の7月30日から開始し、年内までを予定しております。今回の調査で3点のことがわかればいいなということを考えております。1点目は、この場所にかつて存在していた建物の規模。2つ目、天主台石段前の様子。伝本丸取付台の建物と天主の入り口がどのような配置になっていたのかということ。そして、天主台と伝本丸取付台との関連性についてでございます。調査結果等につきましては、また都度物事がわかった時点で皆様方にお伝えをしたいと思います。どうしても今私が述べたように、専門的な用語がありすぎてなんとなくわかりにくい。専門家は分かって楽しいんですけど、それ以外のこと、何のことか分からないということにならないように、できるだけ分かりやすくお伝えをしたいと思いますので、よろしく御協力のほどお願いいたします。私から以上です。

[毎日新聞]

 安土城跡について、建物のとおっしゃいましたが、どのような建物を想定されているのでしょうか。

[担当課]

 なかなかそれは難しい話です。場所のお話をしますと、ちょうど本丸御殿と呼ばれる本丸の大きな建物が建っていた場所と、天主が建っていた場所のちょうど間の高さにある郭になります。本丸御殿から天主台へ行く、道すがらの建物ですね。ですから、本丸と天主、その間をどうつなぐのか、どのような役割があったのか、また独立した建物であったのか、そのあたりを発掘調査で手がかりを得て、今後、その建物の性格にも言及できるように調査の方を進めていきたいなというところです。ですので、今はっきりとこういう建物ですというのはまだ言えないという状況です。

[毎日新聞]

 今回の発掘調査地点は、近江八幡市市内ではなくて、東近江市市内でよいでしょうか。

[担当課]

 東近江になります。

[毎日新聞]

 参議院選挙が終わりまして、その結果衆議院に続いて参議院でも与党の過半数割れという結果になりましたが、知事はどのように見ておられますか。

【知事】

 参議院選が終わってから初めての記者会見ということになりますが、1つの大きな大切な民意が示されたのではないかと思います。私自身は今回の選挙も大変注目していましたし、様々な不満、不安というものも大きく取り沙汰されました。そういう中に希望というのがどこにあるのかというのを様々探った、探らしてもらっていた期間中だったと思います。1つの希望は投票率が大きく上がったということは良かったことではないかと思いますが、結果、衆議院に続いて参議院も与党、野党、多数の政党が過半を超える形で存在しないという状況になりました。ですので、より熟議の国会が求められる、期待されるという状況になったのではないかと思います。既に市町から予算の要望等をお聞きしておりますが、今年度の補正予算を期待するお声もたくさんございますし、経済対策等まったなしのところもあるとするならば、そういったことに遅滞なく結論、結果が出していけるような国会の状況をつくり出していただくことにも期待をしたいと思います。

[毎日新聞]

 全国知事会議でも排外主義を排して多文化共生を目指すという宣言されたということで、一方で参議院ではややもすると排外主義になりかねない日本人ファーストというスローガンの参政党が大躍進しましたが、そのあたり何か心配されることはありますでしょうか。

【知事】

 どの特定政党の議席の方ということよりも、排外主義、排他主義というものは、私たちは否定する立場です。多文化共生を志向しながら、やはり共に暮らす者として、人権を尊重する、助け合って扶助の取組をつくっていくということが基本になると思いますので、排外・排他に陥らない立法機関のあり方というのを期待もしたいと思います。

[毎日新聞]

 関西電力が美浜原発内で新たな原子炉建設ということで地質調査を始めるということを発表され、その発表について知事のコメントが出ました。事前説明を受けていないというコメントでしたが、その後、説明がありましたか。

【知事】

 この発表がされたときに、実務者にこの時点での関西電力株式会社の方針等の御説明があったということは聞いております。

[毎日新聞]

 コメントを出された後ということですか。

【知事】

 私がこのコメントを出したときには、その事前に何も説明を受けていないということで、この発表の前に何か事前に受けていたということはありません。このコメントを出した時点と説明のあった時点の前後関係を私は承知をしておりません。

[毎日新聞]

 関西電力からはそういう調査しますという説明は受けたということでしょうか。

【知事】

 発表内容の説明を受けたということです。

[日本経済新聞]

 北陸新幹線について、先週大阪府の吉村知事が定例会見で、米原ルートもテーブルの上に乗せて他のルートと一緒に検討すべきではないかと、吉村知事は6月ぐらいから講演会などでそのようなことを言っていたらしいのですが、平場でかなり明確におっしゃいました。これは、例えば全国知事会や関西広域連合などで吉村さんとお話しすることがあると思いますが、事前に知事はこんなこと言うのではということは知っていましたか。

【知事】

 それぞれの知事が、それぞれの地域の課題を持ちながら行動されているわけで、そのときどき、どのような発言をいつ頃されるのかということについて承知をしていたわけではありません。ですが、選挙期間中に、また選挙結果を受けて多くのお声を聞かれていたでしょうから、そういうことの中で出た問題提起ではないかなというふうに理解をしています。

[日本経済新聞]

 参院選のときも、維新は京都での地域マニフェストの中で米原ルートも検討するとされていて、なんとなく雰囲気が米原ルートもう1回考えてもいいんじゃないというふうに変わってきて、このあたり知事にとってはどうでしょうか。好ましい雰囲気ができてきているのでしょうか。

【知事】

 まず、敦賀以西については小浜を経由し、京都、新大阪とつないでいくということが平成29年に決まっており、私たちはその決まったルートに基づいて1日も早く着工が行われるよう、つながって、供用開始されるよう、様々な課題を克服してほしい、丁寧に沿線住民に説明をしてほしいということを要請する立場ですので、そのことは変わっていません。また、滋賀県知事が望んでいない、ほしいと言っていない米原ルートということを言われることには、正直戸惑いを持ちます。

[日本経済新聞]

 好ましくないということですか。

【知事】

 求めていないことを押し付けられるということは、好ましいことではないと思います。

[中日新聞]

 北陸新幹線のお話に絡めて、参院選の方で、維新が京都の方でそういった公約を掲げているという話がありますが、そういった維新候補がトップ当選をし、かつ中日新聞の滋賀県民の調査でも、米原ルートを再考すべきは5割を超えていて、小浜ルートの今決まっているルートでやるというよりも、希望される方が多いというような調査結果が出たのですが、その点についてはどのように考えられますでしょうか。

【知事】

 まず、選挙結果については、そのことだけで選ばれたわけではないのかもしれません。ただ、主張される候補が多くの得票を得て当選されたということは一定の民意として、見ていかなければならない、受け止めなければならないのではないかと思います。加えて、合わせて行われた調査等で出されているお声、結果というものがあるとすれば、そういうものをどう見ていくのかということについても考えていきたいと思います。しかし、かける時間と費用を伴う負担、そういったものをどう考えていくのか。やはり高速鉄道網というのはつながって効果を発揮する、つながるなら早くつながった方がいいということが原則としてある中で、今からルートを変えて、かつ新たな乗り換え等も発生するような形で整備することがはたして本当に望ましいことなのか。また望んでいない地域に線を引っ張っていくということを検討される場合、その負担というものを誰がどのような形で分かち合っていくのか。これまでそういったことを議論してきたことはありませんし、以前には確かに平成20年代中盤あたりに関西広域連合としてもルートは早く、安くつくれる米原ルートだと方針を定め主張したこともありました。しかし、その後JRがやはりそれは受けられないという話だとか、乗り換えの課題等もあって、その方針はもう堅持できないという一定の結論を出した中で、また改めてルートの検討ということをはたして、国としても我々地方自治体としてもするのかという議論は与党、野党、構成が変わりましたので、たとえ今のままの予算を持って答申に行ったとしても、通らない状況があるとすれば、そういうものをどのように見ていくのかということは一緒に考えていかなければいけないと思います。

[中日新聞]

 もともと関西広域連合に合わせて、知事としても米原ルートを主張していた時期はあったかと思いますが、そこから国に合わせて今のルートを支持されるようになった意見の変遷というのは、県民の方に理解をされていると感じてらっしゃいますか。

【知事】

 そのときの細かい議論、そういった変更、決定という過程も含めて、どれだけの方が御理解いただいているのかということについては定かではありません。もちろん新幹線というのは、遠くに走っているよりも近く、そして、駅も含めて利用できる状態で通っている、走っている、見えているということが、なんとなく地方にとってプラスのような印象というイメージはあると思います。現に、その効果を発現している地域もたくさんありますが、今、新幹線のある地域に新幹線が通ってくるということは大きな負担が伴いますし、これは財政もそうです。並行する在来線もそうです。こういった事々を総合的に考えて、新幹線の効果というものを見ていく必要もあると思いますので、そのあたりのことについては、今日時勢においても米原ルートを望まれる方々に丁寧に説明をしていく必要があると思います。

[中日新聞]

 国スポ・障スポの表彰状の額縁について、拝見されての知事の感想をお願いします。

【知事】

 とても自慢できる良い額をつくれたのではないかなと思います。この限られたスペースに滋賀の魅力満載の、受賞された方に一生の宝物になる、また、チーム、都道府県においても飾っていただいて、滋賀の自慢ができる、そういう額縁ができたと思います。紙製の額縁についても、滋賀の国スポ・障スポカラーがあしらわれ、そして裏面にはそれぞれの種目のキャッフィー、チャッフィーが描かれているということで、心に残る額縁・表彰状が準備できたのではないかなと思います。

[京都新聞]

 発表のあったデータアート&サイエンスの取組について、知事は今年彦根であった展示を見に行ったというお話を以前にされていたかと思います。そういった御経験を踏まえて、この取組に滋賀県としてどういうことを期待するのかお尋ねします。

 

【知事】

 まさにこのタイトルであります、データ・アート・サイエンス。この組み合わせによって、新たな価値、魅力、つながり、可能性、こういったものを広げていける、そういうプロジェクトだと思います。しかも、そのお手元の資料にも、共創コレクティブの構成イメージとして、いろいろな、我々、地域行政もそうですけど、住民の皆さんですとか、大学研究機関とか、いろいろなコラボレーションをつくろうという、そういう挑戦だと思いますので、積極的に参加すると同時に、様々な成果を期待したいなと思います。

 

[京都新聞]

 先ほどのお話にありましたが、県としては基本的にはデータの提供といったところでの協力になるのでしょうか。

 

【知事】

 ということもございますし、「こんなこと分からないかな」という投げかけとか、「こんなことで困っているんだけど」とか、「こんなことできたらいいな」という、そういうニーズとシーズのマッチング、掛け合わせ。こういうことでも県という広域自治体にはいろいろなネタがあるんじゃないかなと思います。かつ、研究機関や大学などが、こういったことをしたいというときのつなぎ役として、それならこの人とこんなことできるんじゃないですかということもあるかなと思います。

 

[京都新聞]

 もう1点、全国知事会で村井会長が今期限りで退任するというコメントを発表されました。この受け止めと、会長が変わるということだと思うのですが、御自身として会長を目指す意思がおありかどうか、お聞かせいただけますでしょうか。

 

【知事】

 まず、宮城県の村井知事が全国知事会長をこれまで2年間、担ってきてくださいました。東日本大震災も経験された村井知事が、コロナ禍のこの変革期において全国知事会を牽引していただいた。特に海外へのアプローチとか、宮城県でも率先して取り組まれておりますが、行政のスリム化、国スポ・障スポ大会の改革、こういったことを提起され、今様々な議論をしていただいておりますし、人口減少というものを真正面から捉えて、分権型社会をどのようにつくっていくのかということ。また、先般の全国知事会議でも初めてだと思いますが、大規模な南海トラフの地震が起こった時の訓練をその会議の場でやったということがありましたが、やはりこういった危機管理ということについて、自衛隊御出身ということもあるので、我々をリードしていただいたという意味において、私は心から感謝したいし、こういったいいところを引き継いで、まさに国政も与野党が大きく動き変わる時期、地方の現場で様々な課題や可能性があるということについて、国ともきちんと議論ができたり、多文化共生の枠組みや、さらには人口減少、生まれてくる子どもの数が減る、長寿に伴う課題がある、こういった事々に、その場しのぎの場当たり的な回答ではない、そういう処方箋を見出していけるような全国知事会をつくっていく必要があるんじゃないかなと思っていますので、後継後任の知事会長にふさわしい方をみんなで結束して選べる環境づくりに取り組んでいきたいと思います。私は滋賀県知事として、また広域連合長として多忙を極めておりますので、一知事会員として頑張ればいいなと思います。

 

[NHK]

 美浜原発に関して、関西電力が次世代の原子炉の建て替えに向けた調査を再開するということを発表したことについての率直な受け止めをお願いします。

 

【知事】

 日々刻々、電気・電力なければ生活できない。また産業・生産に欠かせない電力を、またこれから高まるであろう電力需要も見通しながら考えられている方針だと思いますが、しかし、今から調査、そしてその後、建設ということであれば、時間もかかる、費用もかかる、何より安全性についての懸念や心配というものがあるということならば、必ずしも堅実な選択肢なのかどうかというのは、よく見ていかなければいけないと思っています。特に、福井県の住民の皆様方には、長年多くの原発の立地について、受忍また受容、御理解、御協力いただいておりまして、そのおかげで私たちの生活もあるという、このことには心から感謝をしつつ、かつ現場で頑張っていただいている方々も、様々な御努力には敬意を表しつつ、これからもこの原子力発電が効率的で安全な電力源足り得るのかという、こういう議論と検討はこれからも不断にしていく必要があると思っています。私たちは福井県だけではなくて、立地県だけではなくて、万が一事が起こった時に影響を受けうる県も周辺の自治体として役割と責任を明確に持って、定めていただいて、果たしていく必要があると思っていますので、この点についても引き続き関西電力に対してもそうですし、国に対しても求めていきたいと思います。

 

[NHK]

 圏内に入っている長浜市と高島市からは、戸惑いという形に近いコメントが出ていますが、どのように受け止めていらっしゃいますか。

 

【知事】

 それは周辺住民の方々からすれば当然の受け止めだと思います。非常に近いところに、今、廃炉、様々進んでいますけれども、廃炉が進んでいる中で、新たな原発の立地ということであるならば、その規模、内容、万が一起こったときの影響、それが起こらないための対策、どのように講じていかれるのかということは、当然見ていかなければならないし、何かあれば私たちもきちんと検討を申し上げていかなければならないというふうに思います。

 

[NHK]

 新増設ということにつながれば、福島第一原発の事故以来初めてということになりますが、当時、知事も副大臣で、政権与党として見ていらっしゃったと思うのですが、この事故を受けての教訓や対策ということを考えたときに、今回の動きについてどう見ておられますか。

 

【知事】

 福島の事故ということについては、その事故の原因がありましたし、その事故の原因を除去するための様々な取組、事故の影響、風評も含めて、こういったものを取り除く、乗り越えていく、さまざまな取組が行われておりますので、当然そういった事々は、これからつくろうとする原発にも活かされてしかるべきでしょうし、今ある原発に対しても、これは事が起こった時にどう冷却するのか、また住民等どう避難していただくのかという、こういった事々に活かしていく責任が私たちにはあると思います。

[京都新聞]

 先ほど村井知事の退任の流れの中で、国スポ改革を非常に取り組んでいただいたというお話が出たんですけれども、改めて今年の知事会ではそうした国スポを今後、知事会としてどう考えていくんだというふうな話題とかは何かありましたでしょうか。

 

【知事】

 国スポの見直しに係る議論の進め方ということで、現時点の事々が共有されました。日本スポーツ協会、またその中でつくられた有識者会議で、今年の3月に提言がまとめられ、論点が提示されております。その論点に基づくハイレベルな三者協議というものを、スポーツ協会、そして全国知事会、ならびに国で議論されることになっておりますので、こういった中に、例えば開催時期の問題、開会式など式典のあり方の問題、そして都道府県対抗の順位付けなどの課題について論点整理されておりますので、こういったことに基づく議論が今後深められていくということになろうと思います。そういった現状を共有させていただいた上で、やはり私たちから提起した課題でもありますので、まず今年の滋賀大会は滋賀大会らしく盛り上げておもてなしをしつつ、こういった中で議論されていることも、すべて何かを反映するというわけにはいかないのかもしれませんが、例えば式典のあり方などについても簡素化できるところを簡素化するとか、この論点で示されていることでできることは実践していきたいなというふうに思っております。

[京都新聞]

 1つの議論として、財政負担問題というのが、もともと知事会の情報発信がそもそもそれに基づく部分があったと思うのですが、そのあたり有識者会議の提言では少し灰色だったといいますか、あまり結論に踏み込んでないなという印象を持っています。知事会として今後その部分について、例えば国との三者協議などにおいて、議論をどういうふうに進めていこうかみたいな話は出てますでしょうか。

 

【知事】

 今回の青森での会議でも出ました。そもそもハイスペックな基準を求めるなら、これは国できちんと責任を持って負担をすべきだといった議論でありますとか、そもそもそれだけのスペックを求める必要があるのかということでありますとか、それぞれの都道府県ごとで開催するということであれば、それぞれの都道府県が負担しなければなりませんけど、そういう施設を持っているところで、種目ごとに開催するというやり方も含めて検討すべきだというような議論がございました。

 

[京都新聞]

 そういった様々な見方、必要なのかどうなのか、あるいは国が持つべきなのか、持つべきでないのかというふうなお話が出ている中で、滋賀県は一定施設整備等が整った段階ですが、改めて三日月知事としては、そのあたりの議論の中で自分はこういうスタンスだというお考えはございますでしょうか。

 

【知事】

 まず私としては、今回、滋賀でわたSHIGA輝く国スポ・障スポを開催させていただきますので、その中で、それを実際やる過程で、今出していただいたような論点を自分なりに再確認をして、この論点にどう臨んでいくのかという、こういうスタンスを決めていきたいと思います。ただ、総じて基本的に申し上げれば、これから人口が減少していく局面において、都道府県に過度な負担を求めるやり方、費用負担というのは、やはり現実的ではないという立場、したがって、2巡目が1巡し、3巡目が近くなる頃には、一定の今とは異なるやり方の方向性を生み出していければいいのではないかというふうに思っています。

 

[読売新聞]

 参議院選挙について、今回、滋賀県では自民党の方が当選されましたけれども、全国的には与党が過半数割れになりました。その結果は、なぜそうなったかと見ておられますか。

 

【知事】

 結果的に、選挙前に多数であったところが多数になれなかった理由というのは、それぞれの選挙区での負けが響いた、勝ち切れなかったということの積み重ねだと思いますが、それを生んだ原因というのは、やはり今の政権に対する様々な不満、そして新たな政党候補者に対する期待、そういったものが一定現れたからではないかなというふうに思います。

 

[読売新聞]

 今回、例えば国民民主党とか参政党とかが議席を伸ばしました。そういった意味で、今まで勢力が少なかった野党が勢力を伸ばすという結果になりました。そこは、なぜ支持を集めたと見ていらっしゃいますか。

 

【知事】

 やはり今までの多数の枠組みとは違う斬新さですとか、メッセージですとか、そういったことに対する期待、希望の表れではないかと思います。例えば手取りを増やすとか、なんとかファーストとか、我々からすると、代替の財源はどこにあるのかなとか、なんとかファーストという言い方は怖いし、違うなという思いがあったとしても、現状の生活の中から不満、不安が出て、そういったメッセージに共感を覚えられた方というのが多かったのではないかと思います。

 

[読売新聞]

 全体的な争点になった事柄の議論について、例えば物価高対策として、与党が現金給付、野党は多くが消費減税ということを主張されました。そのあたりの議論っていうのは、実際見ていてどうでしたでしょうか。実際、単に減税というのは裏付けがなくて、ポピュリズム的ではないのかみたいな指摘もあるようですが、知事はどう見ておられますか。

 

【知事】

 まず物価高等に対して、年金や給料が上がらない、むしろ下がる状況下において物価が上がるという状況で人々の暮らしをどのように下支えするのかという、この議論はとても大事な議論だと思いますが、それぞれの政党が競い合っていると多く報じられたこの給付金また減税という、こういう言い方とやり方については、私たちは大きな不安も持っています。これは、政策効果発現の時間がかかるということはもちろんなんですけれども、代替財源がどこにあるのかということでありますとか、何より市町村の職員の負担です。新たな給付金を配るということもそうですし、そういったことの手間をどれだけ国政にいらっしゃる方、国政に出ようとされる方々が御理解のうえ御主張いただいているのかということについては強い疑問を抱かざるを得ないので、当然、現に実施されるということであれば、そのことの合意形成、段取りをお考えいただくのでしょうから、我々もそのことについてはきちんとものを申し上げていきたいというふうに思います。

 

[読売新聞]

 各政党の今回の争点をめぐる議論、議論のあり方についてはどうあるべきだった、どうあってほしかったみたいなところはございますでしょうか。

 

【知事】

 各政党の議論のあり方というのは多岐にわたりますし、いろいろな場面、舞台でなされたこともありますので、そのことを一概に私が評価するということは馴染まないのかもしれませんが、せっかくあったこの選挙で示された民意、選挙の中で聞かれた様々なお声、こういうものを国政にどのように反映していくのかということがこれから問われ、試されてくると思いますので、私たちは地方自治体の長としてそのことを注視したいし、そのことによって混乱や停滞ということがあるとすれば、そうならないように努めてものを申し上げていきたいと思います。

 

[読売新聞]

 石破首相について、進退をめぐって、賛否が自民党の中でも世論でも分かれていると思います。政治家が選挙で負けたことに対する責任の取り方ということかと思いますが、今、賛否両論あるようですが、いかが捉えておられますでしょうか。

 

【知事】

 首相であれ、リーダーというのは、出処進退はいろいろなことを考えて自ら決めていかれるものではないかと思います。

 

[読売新聞]

 どうすべきだみたいなお考えはあったりしますでしょうか。

【知事】

 そのことに対しては、私は考えるには少し情報がなさすぎるというか、いろいろなことを考えて石破首相も今、説明もされ、表明もされているのではないかと思います。ただ、どこが悪かったんだ、誰が悪かったんだということの議論に拘泥する時間はあまり長くない方がいいなというふうに思います。

 

[滋賀報知]

 安土城跡の発掘調査について、2点伺います。令和5年度から始まった令和の大調査なんですけれども、2年目を迎えまして、今までの経過、成果を踏まえた知事の感触、受け止め等を改めて伺いたいというのと、もう1点、今回の調査から、何がわかるかは調査次第なんですけども、地域や県への波及効果への期待というのを改めて伺えますでしょうか。

 

【知事】

 まずこれまでの調査について、会見でも何度も申し上げていますが、昭和の時代にも調査をしました。そして、平成の時代にも調査をいたしましたが、まだまだ分からないことが多い。でも分かりたいな、どうなっていたのかなという夢とロマンが詰まっているお城跡でもございますので、その調査を地道に、かつ着実に丁寧に進めていくということは、今、滋賀県で生きる私たちの1つの使命ではないかなと思っています。また、例えば、先ほども申し上げたとおり、これまでの調査で様々なことも、お城は実は潰されたんじゃないかとか、天主本丸御殿と同じ大きさの礎石を持った建物というのもあったんじゃないかとか、いろいろなことも分かりかけてきましたので、さらに詳しくそういったことを解明する調査が、今回の調査で出てきたらいいなというふうに思っています。やはり建物の構造と規模ですね。あとは、天主と本丸とをつなぐ建物がどんな状態だったのかといいったことなどは今回期待したいと思いますが、やってみないとわからないこともありますので、丁寧に進めていきたいと思います。

 

[朝日新聞]

 関西電力の件について、先ほど安心安全の面で懸念をお話しされましたが、使用済核燃料の行き先が決まってないわけですよね。今、その基盤がどうなるかということなのですが、核燃料のこのサイクルが破綻していると思われるのですが、それについてはどんなふうにお考えですか。

 

【知事】

 今回の青森での全国知事会でも、六ヶ所等をお預かりいただいております青森県知事からも、そのことは強く提起されたところです。全ての知事がそのことの重要性を、やはり調査の必要性などについても認識すべきだという、こういった趣旨のお話もございましたので、どこに廃棄物を処分していくのか、安全に管理していくのかという、この静脈も含めたサイクル、システムが確立しないと、やはり持続可能なエネルギーシステムだと言えない状況があるのではないか、あり続けるのではないかと思いますので、そのことの方向性を見出していく必要はあると思います。

 

[朝日新聞]

 具体的に国や、あるいは関西電力に対して何かものを言っていくというようなお考えはありますでしょうか。

 

【知事】

 私どもは、常々、この安全性という観点の中で、オンサイト、その原発施設の中だけではないと、オフサイトも含めてだということでありますとか、ハードだけではなくてソフト対策も、さらには立地自治体ではなくて周辺自治体も含めて、法定化した枠組み、仕組みというものを構築すべきだという主張、要望を継続して行っておりますし、琵琶湖をお預かりしており、集水域の山々もございますので、この多重防護体制の構築を急ぐということでありますとか、静脈も含めたこの整備などについて早急に確立するようこれまでも求めていますし、これからも引き続き求めていきたいと思います。

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