令和7年7月15日
(県政記者クラブ主催)
【知事】
おはようございます。今日もよろしくお願いいたします。7月ももう半ばとなりました。暑さも大変厳しい折ですので、それぞれ御自愛いただきますとともに、台風なども襲来し始めましたので、豪雨対策等、またみんなで気をつけていきたいと思います。万博は3ヶ月、折り返し地点が過ぎました。おかげさまで大変多くの方が来場されるイベントになっております。一般来場者も1000万人を超えて、また滋賀県ブースも大変御好評をいただいているところでございます。来週24日、滋賀県デイということで、びわ湖サマークルーズを開催いたします。イベントにも御出演いただきますが、琵琶湖大好き高校生黒川琉伊さんと、滋賀県内にも拠点を置かれる京セラグループが共同開発、共同制作されたステージ衣装が完成したということで、こちらに展示をさせていただいております。当日は黒川さんと私がこの衣装を身につけてPR等させていただきます。
続きまして、国スポ・障スポも近づいてきましたが、特に障スポ大会の準備を進める中、リハーサル大会などを経る上で、様々な気づき、また課題、可能性感じたことを私たちは実践、改善に結びつけていきたいと思いますが、次の年度にもいい形で引き継いでいけたらということで、青森県の宮下知事に連携の取組を呼びかけたところ、22日、全国知事会議が今年は青森で開催されますので、そこで共同で取り組むこと等、会見で発表しようという運びになりました。ぜひ、びわ湖放送さんをはじめ、多くのメディアの皆さんが青森県にお越しいただいて、一緒に現場でこういった内容等を御確認いただけたらありがたいなというふうに思っております。
それでは資料に基づきまして、今日は3点申し上げます。まず1つ目は、近江鉄道について、すでに資料提供させていただいておりますが、先ほども申し上げたように、わたSHIGA輝く国スポ・障スポの開催が目前に迫ってまいりました。近江鉄道と連携した「国スポ・障スポ滋賀2025観戦応援事業」というものをつくりました。近江鉄道株式会社と、近江鉄道沿線地域公共交通再生協議会では、国スポ・障スポ大会の盛り上げや鉄道利用の促進を目的に、中高生向け観戦応援乗車券の配布と、高齢者向け会員証シルバーパス、大変御好評いただいておりますが、こちらの対象者拡大の二本立てで事業を実施いたします。中高生向けの事業といたしましては、大会開催日のみとなりますが、1乗車100円で近江鉄道全線に乗車できる乗車券が4枚ついたチラシを、県内の学校に既に配布をし、中学生、高校生に配布をさせていただいております。また、高齢者向けの事業といたしましては、現在、このシルバーパス、近江鉄道沿線5市5町在住の方に限定して配布されておりますが、これを発行対象地域を滋賀県内全域に拡大して実施しようとしております。ぜひ、この国スポ・障スポの観戦には御利用いただければというふうに思います。このシルバーパスは国スポ・障スポ以外でも使えるということでございます。
2点目、大阪・関西万博を通じて、オーストリアのブルゲンラント州との交流イベントについてお知らせをいたします。チラシにもありますとおり、オーストリアの国土の形と琵琶湖の形がよく似ているというSNS投稿をきっかけに、国内最大の湖をもっていらっしゃるブルゲンラント州と、一昨年、令和5年に覚書を締結して交流を進めてまいりました。今年は万博を通じて、食、音楽、陶芸の3つの分野で交流イベントを予定しております。食につきましては、万博、オーストリアパビリオン内のレストランに、近江の茶とオーストリアの伝統的なスイーツ、リンツァケーキのコラボメニューが7月21日から11日間、期間限定で提供されるということでございます。2つ目、音楽での青少年交流につきましては、ブルゲンラント州ヨーゼフハイドン私立音楽大学と、滋賀県立石山高校音楽科の学生が、石山高校や万博滋賀県デイのステージで共同演奏を披露されます。3つ目は陶芸での青少年交流です。ブルゲンラント州の陶芸学校Ceramico(セラミコ)と信楽高校陶芸部の生徒がオンライン交流を通じて、お互いの県と州をイメージして作成した陶芸作品を、万博の滋賀県デイおよび滋賀魅力体験ウィークで展示をするということでございます。また、サイクリング交流について、ブルゲンラント州とやろうということで準備を進めておりまして、7月25日、近江八幡市内においてブルゲンラントロードを記念する看板の除幕セレモニーも行う予定でございます。残念ながら、ブルゲンラント州首相をはじめ政府団の御来県ということは、いろいろな諸事情で整わなかったということでございますが、様々な形でこの御縁をつなぎ、広げていく取組を進めていきたいと思いますので、様々な形で御取材や御参加いただければ幸いでございます。
最後、3つ目は、しがオープンファクトリー2025エキスポエディションについてでございます。こちらも大阪・関西万博の開催を契機として、ものづくりへの関心も高まる中、県内の中小企業のうち製造業が行うオープンファクトリー、普段見せることのない、なかなか見れない製造現場の公開をもって、企業の認知度向上、また将来的な人材確保、地域産業の活性化等につなげていければと考えて今年度初めて実施するものでございます。チラシにございます通り、8月から9月にかけて県内8か所の工場でオープンファクトリーイベントを開催し、本日から参加者募集を始めたところでございます。対象は、小学生から大学生まで、幅広い年代で、様々プログラムも分けて実施することも検討されていると聞いておりますが、定員を超えるお申込があった場合は、抽選で決定させていただくということでございます。普段なかなか入ることもできない工場でございますので、この機会に見て、触れて、体験していただければと。また、実は身近なところに滋賀で作られた製品が使われているということとか、こういった技術で私たちの暮らし、日々の生活が支えられているという、こういった新たな発見などにつながればと考えているところでございます。こちらは「しがのこどものなつやすみ」の関連イベントとして実施されるということでございます。私からは以上です。
[毎日新聞]
青森県知事と共同記者会見を実施されるということですが、これは障スポだけの繋がりなのでしょうか。国スポは含まれないのでしょうか。
【知事】
主に障スポを機に、今回議論しようとしていますが、バリアフリーやそういった関係では、国スポも関連する取組というのはあるかと思います。
[毎日新聞]
何か宣言はされるのでしょうか。
【知事】
最終どういったことを内容とするかというのは、今調整中と聞いています。
[毎日新聞]
滋賀と青森の2県のみの宣言となるのでしょうか。
【知事】
今回は、今年開催する滋賀と来年開催する青森とで、まず、共生社会に向けた挑戦ということで、何か発信ができればと考えているところです。
[毎日新聞]
まだ滋賀県では、国スポ・障スポ大会が開催されていませんが、現時点で後催県の青森県に、引き継げる滋賀県の経験・体験等はあるものなのでしょうか。
【知事】
滋賀県でも、この国スポ・障スポ、とりわけ障スポ大会において、様々な情報を目の見えない方にどのようにお伝えするのか、手話等で話される方にどのようにお伝えするのか、バリアフリー等をどのように実現していくのか、などの取組をしていますし、その後のレガシーづくりなどについても、様々検討していることがありますので、そういったことを発信、発表すると同時に、青森県でも来年の大会に向けて様々御準備、御検討されていることなどを共有させていただいて、特にリハーサル大会で様々な人材支援、する、みる、支える、とりわけ支えるスポーツの課題、可能性についても実感いたしましたので、そういったことの連携などについて、発信できればと思っています。ただ、これは障スポに限られたことでは決してないと思いますので、国スポも含めてどのように連携していくのかということについては一緒に考えていきたいと思います。
[毎日新聞]
バリアフリー等の実現については、スポーツに限らないものかと思いますが、スポーツ限定でお考えでしょうか。
【知事】
まずはスポーツ大会、ビッグイベントを行いますので、そういったことを入り口、起点にして、共生社会をつくるためにどのような取組をしていくのかということに、当然広がっていく話ではないかと思います。
[毎日新聞]
先日、彦根城の世界遺産登録に向けて、一歩前進があったということですが、改めてどのようなお気持ちでいらっしゃいますでしょうか。
【知事】
大切な国宝であり、世界遺産を目指す彦根城、様々な取組を長年にわたって行ってまいりました。地域ではこの文化財を大切に守る、街並みとともに守る、そして教育や地域づくりに活かす取組をされているところでございますので、そういったものを世界遺産登録に向けて、今、着実に歩みを進めているという中で、事前評価の結果が示されて以降、国との間で推薦書案を出す準備を進めておりました。それらが整って、今回、推薦書案を出せたということについては、また一歩、世界遺産登録に近づけたのではないかと思っておりますので、さらにここから、戦や争いのない平和な時代を築いた、民の暮らしを安定してつくった、その政治、大名統治システムの拠点である彦根城の価値と魅力を、私たち自身が学ぶと同時に、全国に、世界に発信していけるように、取組を進めてまいりたいと思います。
[毎日新聞]
先日の首長会議で、県の造林公社をどうしていくか議論になったと思うのですけども、そもそも造林公社の廃止、あるいはその後の森林の管理をどうしていくか、債権の放棄等は最終的に誰が、どこの組織が決めるものなのでしょうか。また、どこの意見を聞いて判断され、どこに責任があるのでしょうか。
【知事】
それはそれぞれ事々によってその責任主体というのは変わってくると思います。造林公社の理事長は私ですので、契約に基づくこと、例えば、所有者の方々と結んでいる分収造林契約をどうするかというのは、当然、契約の内容によって、その協議、合意状況によって決まってくる、変わってくるということがありますし、造林公社そのものの組織の在り様をどうするのかということで言えば、造林公社として理事長である私をはじめ、造林公社としてどうしていくのかという責任主体があろうかと思いますし、そういうものを県としてどう考えるのかということで言えば、県の知事としての立場、そして県議会での議論、当然、様々な関わりのある市町との協議というのがあろうかと思いますので、その都度、テーマに応じた協議を丁寧に重ねていくということが必要ではないかなと思います。
[びわ湖放送]
青森県知事との共同記者会見について、本大会はまだですけれども、リハーサル大会等を通じて、現段階で今見えてきた課題というのはどういったことになるのでしょうか。
【知事】
やはり一番強く実感したのは、障スポ大会について開催年度にリハーサル大会をやらせていただいて本番に臨みますので、国スポ大会の方は前年度にリハーサル大会をやらせていただいて、例えば体制面とか予算面とか、きちんと措置した形で、新たな年度を迎えられるのに比べて、障スポ大会は今年度、ある意味直前にリハーサル大会をやりますので、我々も最善を尽くしますが、是非、今年度滋賀で実施する大会に青森県のスタッフの方々に来ていただいて、我々も去年佐賀には行かせていただきましたが、関わる分野がそれぞれのパートに分かれており、中枢のところに入れていたのかという反省もありますので、そういったことを生かして、より良い大会が、今年の滋賀大会をつくれるように、また来年度の青森大会にそういったものを繋げていけるようにしていこうというのが一番メインのところではないかと思います。例えば開催の可否決定をどのようにするのか、様々な案内、そして情報保障、どのように作っていくのかというような事々など、様々な県がそれぞれの種目ごとに、会場ごとに感じた課題などを青森県とも共有をして、よりスムーズな形で青森大会をつくっていけるようにしたいということと、我々も大事にしているのですが、この障スポ大会で得られたレガシーをこういった共生社会づくりに向けてどのように生かしていくのかということは、青森県でもお考えのことが多々あるようですので、そういった良いところをお互い取り合って、磨き合ってつくっていけたらという思いで今、最終発表内容を詰めているところと承知をしております。
[びわ湖放送]
黒川さんと京セラグループが共同制作されたシャツですが、知事はどう感じられましたか。
【知事】
生き物の姿が鮮明に生き生きと描かれているので、とても良いデザインではないかと思います。
[びわ湖放送]
今後、販売やふるさと納税の返礼品にするといったことは考えていらっしゃらないのでしょうか。
【知事】
今後、どのようなプランがあるのかということはまだ聞いておりませんので、また良いプランがあれば、今後に繋げていきたいと思います。
[日本経済新聞]
万博のブルゲンラント州との交流イベントですが、他のリオ・グランデ・ド・スール州や湖南省、ミシガン州といった姉妹県州協定を結んでいるところとはなにかこういったイベントを考えておられますか。
【知事】
ここまでテーマもいくつかあり、そして万博会場でも県内でも実施するというイベントは、オーストリアのブルゲンラント州以外にはないのかもしれません。例えばミシガン州とは近く来日される州知事が万博や滋賀県でどのように御視察されるのかということを今調整中と聞いていますし、中国の湖南省とは、中国パビリオンの湖南省ウィークというのが8月にあるようですので、そういったところにどう臨むのかというようなことはありますが、ここまでいろいろなテーマで、あちこちでやるというのは今回が初めてだと思います。
[日本経済新聞]
他のところとは通常の姉妹県州協定にのっとったものをベースに考えているという感じですよね。ブルゲンラント州とは今、交流の覚書を結んでいる状態ですけれども、これを機に格上げする、姉妹県州協定を結んでしまうとか、その辺まで考えていらっしゃるのでしょうか。
【知事】
今回まずやってみて、どういう反応、反響があるのかというのは確かめたいなと思います。今回、首相の来県、来国も予定されていたので、そういう話ができるかなと思って楽しみにしていたんですが、それが叶わなかったということですし、とはいえ実務者の方々同士のやり取りもなされるでしょうから、そういうものを経て、これからどうしていくのかというのを一緒に考えていけたらいいなと思います。ただ、こういう企画、例えば青少年が実際それぞれのテーマごとに交流するというのは、これまであまりなかったので、とても楽しみにしています。
[日本経済新聞]
格上げというのも考えてはいるわけですね。
【知事】
なかなか難しいのは、都道府県レベルでの姉妹県州はすごく可能性がある一方で、マンパワーがそんなに充実しているわけではないので、決めたことが、じゃあ決めたとおりに継続していけるのかというところがあります。いくつか増やすよりも、持続可能性も当然、先方の州も、我々の県も考えるでしょうから、そういったことも意識しながら議論していく必要があるのではないかと思います。
[日本経済新聞]
担当している方に聞くと、やっぱり一度結んでしまうと、もう後戻りできないという言い方をする方もいらっしゃいます。
【知事】
この会見でもインドとはどうするんだ、ベトナムとはどうするんだというのもいくつもありますので。世界とのつながりというのは、何も姉妹県州協定だけが全てではないかもしれません。ただ、それが一歩になるということはあろうかと思いますので、今回のこういう交流を機に、さらにどういう発展可能性があるのかというのは探りたいと思います。
[日本経済新聞]
今回のイベントは、先日結んだ交流の覚書、これに基づくイベントだというふうに考えてよろしいですか
【知事】
おっしゃるとおりです。
[日本経済新聞]
あともう1つ、近江鉄道のシルバーパスは確かにすごく売れているらしく、沿線の高齢化というのを表しているのかなと思います。こちらの対象者を滋賀県全域に拡大するというのは、要するに沿線に住んでいなくてもシルバーパスを発行できますよということなのでしょうか。
【知事】
おっしゃるとおりです。
[日本経済新聞]
国スポ期間中前後の臨時的な措置になるのでしょうか。
【知事】
先ほども申し上げたように、中高生を対象にしたものは、国スポ・障スポの期日限定となっておりますが、シルバーパスの方は国スポ・障スポだけではないと聞いています。そういう意味で、広く乗車機会を増やしていくというきっかけになればということです。ただ一方で、今まで正規の料金払われていた方が100円で乗り放題ということになれば、その分減収になるのかならないのか。全く乗ってらっしゃらない方が100円でも乗ってくだされば、それは今後の御利用につながるということもあるとすれば、その辺の見合いを見る必要があるということで議論を重ねてきてくださり、減収よりもむしろ沿線地域だけではなくて、全県で乗車機会を増やした方がいいのではないかということで、今回の事業拡大につながったのではないかと推察しています。
[京都新聞]
シルバーパスの関係ですが、今回、国スポ・障スポの応援事業と関連してスタートされてうまく回った場合、来年度以降も考え出していかれるようなところはあるのでしょうか。
【知事】
当然いろいろな議論の過程でもありましたが、有料より無料の方がいい、有料であっても安い方がいいというのは、これはものの常ではあります。一方でかかる費用があるとすれば、そういったものをどういう対価で、価格でまかなっていくのかというのは、民間企業がなさるサービスの場合、必ず考えられることだと思います。しかし、公有民営方式による新スキームがスタートし、そして今回国スポ・障スポが開催されるという、こういうタイミングを見ながら、より多くの方に御利用いただける一つのサービスとして、今回実施に踏み切られたものだと思いますので、やった結果を見て、ときどきの決算も出されるでしょうし、御利用状況なども出てくるでしょうから、そういうものを見てまた一緒に考えていけたらいいなと思います。
[京都新聞]
参院選が公示されて、もうすぐ投開票というところですが、その中で日本人ファーストというフレーズを特定の政党が押し出されて、それに関連してSNSなどでも排外主義的な意見が散見されるようになっています。政党の政策の是非は置いておいて、そういった外国人に対する排外主義的な意見が出てくる背景には、日本人の不満みたいな部分もあると思います。知事は多文化共生という話も折に触れてされていますし、実際県内にも多くの外国人の方が住んで働いて、社会を支えていらっしゃると思いますが、こういった社会的な風潮というのをどのように見られて、それを起こさないようにするためにはどんなことが必要だとお考えでしょうか。
【知事】
今もお尋ねの中にありましたように、それぞれの政党がそれぞれの考えに基づいて主義主張、発信、公約されることに、私たちがコメントする立場にはないと思います。ですが、滋賀も、そして私たちの日本という国も、多文化共生で、他国とのいろいろな地域との交わりや交流によってつくられ、また発展してきた、今も発展している地域だと思います。とりわけ滋賀県では今、多文化共生というのを大事に、外国人県民が4万1千人を超えて過去最多になっているということから、様々な諸政策、教育面やまちづくりでもそうですが、さらにどういったことができるのか、やるべきなのかというのを考えているということがございますので、そういったことをより充実させていきたいと思います。個人的には私はなんとかファーストというのは好きではありません。三方よしを標榜する県ですので、それをパーパスとする滋賀県庁ですので、私にとっても、あなたにとっても、みんなにとって良い社会を築いていくということを目指していきたいなと思います。
[中日新聞]
万博が折り返しを迎えたということで、滋賀県ブースの手応えと、もしあれば課題、それに対する改善、どういうふうに取り組みたいか教えてください。
【知事】
おかげさまで、大変多くの方が万博会場にもお越しいただいておりますし、関西パビリオン、滋賀県ブースにもお越しいただいているということなので、これから後半、7、8、9、10月と、より良い会場、またイベントになるように一緒に努力していきたいなと思います。とりわけ滋賀県ブースは、この前の日曜日までの時点で、関西パビリオンで来館者数が40万人、うち滋賀県ブースを御覧になった方が21万人ということで、多くの方にお楽しみいただいているという状況は一定確認できております。課題としては、目下暑さ対策、そういう中にあってお待ちいただくということとか、待たなくてもいい予約システムというのを入れていますが、私も聞いていますが、いつチャレンジしてもなかなか予約が取れないと。したがって、空いたら出す、入れられる時には出すというような形で、予約がよりこまめにしていただけるような環境づくりは今しているところです。さらに、もっと多くの方が入れるようにするということと合わせて、入らなくても関西や滋賀のことが楽しめる、そういう取組ができないかということで、例えば多目的スペースを利用した様々な紹介、これは滋賀でも一時期、6月の下旬に実施して大変多くの方にお越しいただいて、また8月にも実施しますし、滋賀県デイもやりますので、そういった形で発信するということとか、あとスタンプなんかも大変好評らしいんですけど、滋賀のスタンプはとっても綺麗で押すと喜ばれるんですけど、中に入らないと押せないので、外で押せるようなスタンプというのも活用したらどうだという意見もあるので、今さらにどういう改善ができるのかというのを関西広域連合としても検討しているところです。
[中日新聞]
滋賀県ブースの中の展示とかに関しては、特段今のところは問題はないでしょうか。
【知事】
一時期不具合で動かなくなるようなこともあったらしいのですが、幸い大事には至らず、そして滋賀県ブースに御来館いただいた方には大変好評な展示内容になっているようですが、一度入り最初から最後まで御覧いただくと、20分間その場にいていただくということの回転をどう考えるかということがありますので、途中で入っていただけるように、途中で出ていただけるように、待っていただいている時に御案内できるようにということで、今様々な工夫などをしているところですので、せっかく来られた方が滋賀の魅力やまた行ってみたいなという気持ちの醸成につなげていけるような取組をこれからもやっていきたいなと思います。
[時事通信]
最低賃金に関する質問をさせていただきます。厚生労働省が先週11日に、審議会を開きまして、そこで今年度の引き上げ額の目安に関する議論を始めました。今年の特徴としては、骨太の方針、政府が示す方針の中で、都道府県が政府の示す基準より高い水準で最低賃金を引き上げた場合に、補助金や交付金を支給する方針を示しています。まず、この方針について知事のお考えがありましたらお願いいたします。
【知事】
まず、今年度の最低賃金をめぐる議論が国レベルでもスタートしたということですので、その動向を注視し、当然国だけではなくて、滋賀県においても労使関係の会議で議論される内容を私たちも踏まえて、どういう対応ができるのかというのを考えていきたいと思います。私も労働組合の役員をやっていましたから、賃金は最大の労働条件ということで様々な闘争をやってきましたし、交渉にも臨んできました。当然、上げるべきは、上げられるならば上げていくということが基本になると思いますが、上げる原資をどのように確保するのかということも併せて重要で、そのあたりのことを国レベルでも議論されるでしょうし、都道府県レベルでも議論されるということです。今はデフレからインフレ、さらには物価上昇、物価高を上回る賃金上昇ということが国を挙げて思考されていますので、最低賃金の面でもそれを後押しするような議論が深まればいいなと思います。
[時事通信]
昨年、茨城県では目安額に対して5~7円上乗せする共通目標を設定することで、県であったり県連合、県内経済団体が合意をしたということがありました。県単体での話ではないと思うのですが、この関係団体との連携というところについて、現段階で知事のお考えありますでしょうか。
【知事】
経済界と、また労働団体と一緒につくっております政労使の会議の中でも、こういった物価高を上回る賃金上昇、賃上げに向けた機運醸成という合意内容をみんなで取りまとめて発信しているところですので、今、例に出していただいたような議論も含めて、滋賀県内での会議においても議論されることを期待したいと思いますが、一方でその議論の発端が、他の県でもそうなのかもしれませんが、隣県に比べてどうなのか、他県に比べてどうなのかということを発端になされるとすれば、少しその原資が十分保証されない賃上げであったり、都道府県間競争を過度に煽る最低賃金の議論になってしまったりということで、本来の趣旨・目的から少し逸脱するようなこともあるのかもしれませんので、そのあたりはよく我々は注意して臨んでいきたいし、中には知事がもっと強く言うべきじゃないか、迫るべきじゃないか、上げるように何か発信すべきじゃないかという議論を主張される方もいらっしゃいますが、そこは冷静にかつ客観的に見ていく視点も必要ではないかと私は考えています。
[日本経済新聞]
琵琶湖の水位について、梅雨がものすごく早く明けてしまい、あったかどうか分かりません。雨も降ってはいるのですが少ないし、もともとあまり台風が来ないところですよね。だから、もうすでにマイナス29センチぐらいになっていて、一昨年に大騒ぎしたのが70センチぐらいになってから、それは秋以降なのですが、結構リスクが高いのかなという気がします。その辺り、知事はどう思っていらっしゃいますか。
【知事】
琵琶湖の水位というのは水質とともにいつも気にする数字です。とりわけ今の時期は、洪水期、たくさん雨が降ってくる、また琵琶湖に流れてくるということを想定し、琵琶湖河川事務所が琵琶湖の水位をマイナス30センチに近づける形で調整をする時期ですので、一定そのことによる治水の能力を琵琶湖として持っておくという状態だと思います。ただ、今お尋ねの中にあったように、そういう下げ方が、そういう出し方、貯め方が主にこの後の冬場に渇水期になった時に、水位にどういう影響を与えるのか、与えないのかというのは、単年で見るより少し一定の時間軸の中で見ていく視点も重要ではないかなと思いますので、絶えず注視しつつも、この夏の暑さ、また年による台風の多寡だけで見る視点だけではないのかなというふうに思っています。
[毎日新聞]
近江鉄道のシルバーパスについて、これは沿線5市5町以外にお住まいの65歳以上の方ということで一瞬喜んだんですけれども、滋賀県にお住まいのという、滋賀県住民対象ということですか。県外から通勤・通学している人は対象外ですね。
【知事】
滋賀県内にお住まいの方です。
[毎日新聞]
滋賀ファーストなわけですね。
【知事】
それぞれお住まいの方向けの様々なサービスというのは、それぞれの自治体ごとにつくり、提供しておりますので、その一環ではないかと思います。公有民営ということで、今、様々な維持、活性化のための取組をしていますので、その一環と御理解いただけたらありがたいなと思います。