令和7年6月17日
(県政記者クラブ主催)
【知事】
今日もよろしくお願いいたします。まず、県内の交通事故の発生状況が、特にお亡くなりになる方の数が増えているということがございますので、改めて注意喚起を行いたいと思います。昨日時点で交通事故によりお亡くなりになった方が24名ということで、昨年同期比14名プラスでございます。昨年1年間で28名の方がお亡くなりになっているのですが、かなりのペースで残念ながらお亡くなりになる方が増えているということでございます。特に65歳以上の方が多いということであるとか、歩行中にお亡くなりになっている方がいらっしゃるというようなことがございます。改めて運転等に注意をしましょう、お互い思いやりやゆとりを持って行動しようと、安全確認を徹底しようということを申し上げます。
わたSHIGA輝く国スポ・障スポに向けては、本日で会期前競技まで81日、総合開会式まで103日ということになりました。資料をお配りしております通り、100日前となる6月20日に日本郵便株式会社近畿支社の方から記念のオリジナルフレーム切手を県内全ての郵便局で販売いただけるということでございます。ぜひ、皆様方にもお手に取って、またお手紙に貼ってお届けいただければと思います。
あわせて、おもてなし一斉清掃を20日に平和堂HATOスタジアムで行いますし、7月1日には私自身も会見をここではなくて別の会場で開催していただくことを御了承いただいて、琵琶湖岸でのおもてなし清掃を開催させていただきます。機運の盛り上げにこれからも一緒に頑張っていきたいと思います。
それでは、今日は資料に基づいて、話題を3点申し上げます。
1点目は、大阪・関西万博、開幕して2ヶ月ということで大変御好評をいただいております。7月24日木曜日に、「滋賀県デイ~びわ湖サマークルーズ~」を開催いたします。お手元資料に御案内の通り県内の団体、本県ゆかりの著名人によるステージを実施いたします。国内外から万博に来られる方に、滋賀県の魅力を発信したいと思います。第1部では天台声明のステージが開催され、比叡山延暦寺に灯し続けられている不滅の法灯の特別奉安というものも行われるということでございます。また滋賀県出身の髙橋ひかるさん、宮川大輔さん、琵琶湖が大好きだという高校生の黒川琉伊さんらによる琵琶湖をテーマにしたトークイベント、そして第2部では西川貴教さん、パラアスリートの木村敬一さんによる国スポ・障スポのPRですとか、西川貴教さんにはライブパフォーマンスなども行っていただけるということでございます。観覧につきましては、第1部、第2部とも先着順とさせていただきますが、第2部に限りましては、整理券の配布を行わせていただきます。どの時間に配布するのかなどにつきましては情報を事前に御確認の上、万博会場にお越しいただければと思います。
続いて話題の2つ目、びわ湖の日についてでございます。7月1日はびわ湖の日ということで、昨年12月に国連で8月27日が「世界湖沼の日」と定められましたので、7月1日から8月27日までびわ活重点期間ということで、例年より少し延長して、途中、海の日もありますし、山の日もありますので、「しがのこどものなつやすみ」といった取組も展開いたしますので、一体的に行っていきたいと思います。先ほども申し上げましたが、琵琶湖を美しくする活動を、今年は国スポ・障スポも開催されますので、おもてなし一斉清掃として行います。この一斉清掃の際に、びわ湖・滋賀県を舞台にした新作アニメ『さようならララ』の限定配布物をプレゼントしたいと思っています。また、6つ目に記載されているそうでございますが、びわ湖の日記念商品について、後ほど会見で御紹介いただける、この皆様向かって右側にもたくさん商品が並べられておりますが、ローソン様、平和堂様、ファミリーマート様と連携して、びわ湖の日を記念した商品の販売も行われるということでございます。また京阪神のエリアの飲食店等で、日常の中にあるびわ湖を実感できるようなプロモーションとしてポスター展示も行っていただけるということでございます。大阪・関西万博「いのち輝く未来社会のデザイン」、わたSHIGA輝く国スポ・障スポ、そのベースとなる水、それを多く与える琵琶湖、そして大切にする「びわ活」をぜひ皆様と一緒にPRをしていきたいと思います。
それでは最後、3つ目でございますが、北部振興の新たな取組として、企業等の研修の受入れが盛んな県北部地域をつくっていく取組を行うことといたします。毎年伊藤忠商事様が高島市で新入社員研修を実施していただいておりまして、多くの新入社員の皆さんがフィールドワーク含めて活動を展開してくださっております。私もその講評等に参加をさせていただいておりますが、そのグループディスカッションの発表の中で、滋賀県、とりわけ北部地域の企業研修をもっと多く売り出していくであるとか、支えていったらどうかという御提案をいただいたこともきっかけとし、こういった取組を行います。企業研修の受け入れが盛んな県北部地域に向けた共創会議を8月25日に開催していきたいと思っております。MICEに取り組まれる自治体は多いと聞いておりますが、こういった企業等の研修に特化して、研修プログラムを一緒につくっていこうと、またいろんな機会を提供していこうという活動は、一つの独自性として売り出していけるのではないかと思っております。ぜひ皆様方の御参加や、御取材等いただければ幸いでございます。私からは以上でございます。
[毎日新聞]
万博の滋賀県デイについて、整理券は第2部だけということですが、何枚配るのでしょうか。
【知事】
後ほど事務局から説明させます。
[毎日新聞]
第1部は整理券なしで入れるということですね。
【知事】
そうです。
[毎日新聞]
先週発表のあった社会福祉法人グローの問題でお尋ねします。今回、県の対応の振り返りを踏まえた今後の対応についてという文章をホームページで公開されていますが、これを読む限りグローで問題が発生し、その際の県の対応に不手際があったため反省したというふうに読めますが、グローで何があったのかの事実確認、またその原因は何であったのかという分析、それに対して県は今まで何をしてきたのかという点が十分に書かれているとは思えません。もし県が外部識者に助言を求めるのであれば、県は何をして何をしなかったのか、自ら反省して、それを外部識者に検証してもらうというのが手順だと思いますが、今回はこの文章を読む限り、自ら反省をする前に、識者に何を反省したらよろしいですかと聞いて、指摘はあった部分に対しては反省しましたと言っているに過ぎないかと思います。この文章を今回このタイミングで発表された意味はどういうところにあるんでしょうか。
【知事】
まず先週6月13日にも私自身のコメントも出させていただきましたが、この社会福祉法人グローの中で性暴力、ハラスメント事案があったということで、裁判等も行われ、その中でさまざま、子細問題であったこと等が指摘され、判決も確定したということがございます。ただこのグローへの県の対応や、セクシャルハラスメントを含めたハラスメント事案に対する県の対応について、この間の対応は果たしてどうであったのかということについて検証すべきではないかということを昨年議会でも表明させていただき、年明け以降どういった方々に御助言をいただいて、検証するのかということについて、一定この半年間にわたる精査の結果が出ましたので、発表させていただいたところでございます。既にコメントも出しておりますが、特に原告の方のお気持ちやまたこういったことを注視される県民の皆様方のお気持ち等を考えれば、今回の振り返り検証の結果は重く受け止めて、県としての対応を省みないといけないということであるとか、私ども繰り返し司法での審査期間中ですからということを申し上げて、グローへの対応を躊躇しているのではないかといわれるような御指摘もありましたが、こういったことに対して毅然と対応すべきであったというようなことがございます。今回振り返った内容をきちんと教訓として再発の防止を図るであるとか、あとはこういったハラスメント事案が起こらないよう、世界標準に照らした人権意識を持った対応等を県が取ることはもちろん、県が発注する様々な事業、法人等においても、徹底されるように努めていきたいというふうに考えております。
[毎日新聞]
これまで県議会等で指摘があり、知事は係争中であって司法の場で今取り扱われている事案についてはコメントを差し控えたいと言ってこられましたが、今回の助言を見ると、係争中であっても、県がすべきことがあったはずと指摘がございました。これはまさに知事御自身の態度に対する批判とも読めますが、その点知事御自身としての反省はどうでしょうか。
【知事】
当然あります。知事として、最高責任者として、もっと早く毅然とした対応が取れたのではないか、取るべきではなかったのかという反省は当然ございます。従ってこういう検証、振り返りをさせていただいたところです。
[毎日新聞]
グローの問題については、県議会や市民団体から以前から指摘があり、それに対する対応が十分だったと思えないのですが、今回識者の意見に対して、反省されたということで、県民に声に耳を傾けるとかいうのが乏しかった、あるいは県議会を軽視されていたのではないかと思いますが、そういうことはないのでしょうか。
【知事】
私どもとしては決してそういうつもりがあったわけではございませんが、その時点においては、司法で扱われている案件であったというようなこともございましたので、過去のような対応をとりました。しかし、その間にあったとしても、例えば同時並行で女性活躍の認証企業等に認証してしまうとか、もっと取るべき行動があったのではないかとか、たくさん省みるところがあったと思っておりますし、この時間の経過、対応によって当事者の方を含め多くの方のお心を傷つけてしまうことになったということについても、これはしっかりと反省しなければいけない事項だと思っておりますので、改めてこの時点でそういったことを記し、今後、そういったことがないように対応を徹底していこうということを内外に表明させていただいているということでございます。
[毎日新聞]
今回の意見を聞かれた有識者5名の中にまさにグローを指定管理者として選定する委員会のメンバーの方が居られましたが、いくら人権福祉分野に詳しい方とはいえ、そういった立場におられた方に有識者として伺うのはふさわしいのでしょうか。
【知事】
今の御指摘は受け止めたいと思いますが、この人選についても色々と考えた結果そのようにさせていただいたところです。当然、グローとも関係する施設の当事者として中身をよく御存知で、そして何よりその施設の利用を適正化含めて一番に考えられる方として、どういう体制が望ましいとお考えになるのかというお声も聞かなくてはいけないのではないかという視点で入っていただきました。全てどの方がどうおっしゃったかというのはつまびらかにするものではありませんが、私自身も途中経過確認いたしますと、相当厳しい御指摘等もいただいたようですので、今いただいたような御指摘というのは当たらないのではないかと思っております。今後も、何より書かれていることをしっかりと徹底していく、再発防止に努めていくということが重要だと思いますので、そういったことに取り組んでいきたいと思います。
[共同通信]
万博関連の質問です。滋賀県がやっている万博の子ども招待の申込者数が2万人を突破したということを聞いたんですけども、県として今後の目標だったり、申込者数の増加に向けた取組が何かありましたらお聞かせください。
【知事】
今お尋ねいただいたレベルの情報は私も持っているんですけど、ここにきて前は行かないと言っていたけど行きたいとか、学校としても行かないと言ったけど検討するとかですね。問い合わせ、お尋ね等を多くいただいているというのは聞いておりますので、そういったことに対応して、現地で安全に有意義な学びが行っていただけるようにしていきたいと思います。また、今からでも当然お申し込みは可能ですので、どんどんお尋ね、お申し込みいただければというふうに思います。この時点で何か目標をまた定めてということではなくて、一定どれぐらいの子どもたちがそういう活動に参加できているのかというようなことについて、2ヶ月経ちますし、一定期間経ったときに、また皆様方に御紹介、御報告できればというふうに思います。
[読売新聞]
社会福祉法人グローの指定管理の対応について、今回の県の振り返りの中で県立むれやま荘や県立信楽学園の指定管理について既存の制度や基準に照らして適格と考えること自体が、県民感情と照らして理解しがたいと指摘を受けています。改めて知事は、令和5年に契約を継続していると思うのですが、その契約は妥当だったのかどうかどのように考えているのでしょうか。
【知事】
その時点では私どもは基準に照らして妥当だったのではないかと思っておりますが、こういったこの間の対応、検証の振り返りを行って反省もするわけですから、今日時点でグローがどういう対応を取れているのか、取られているのかということについては確認の上、もう一度判断する過程を設けなければいけないということで、近くグローの役員体制も一新されるといった会議等も行われるように聞いておりますので、最終結果どうなるかわかりませんけれども、そういった過程も受けて、もう一度中身を見せていただいた上で判断していきたいと思います。
[読売新聞]
当時の判断としては適切だったということですが、振り返りをした今、それを改めてどう思っていますか。
【知事】
当時はそのとき持っていた基準に照らして妥当だったと思っておりますが、もう少しその時点で持つべき視点があったのではないかという反省もしなければいけないのではないかと思います。
[読売新聞]
指定管理先として適切であるかを改めて速やかに確認するというのが県の方針ですが、それはどのように確認するのでしょうか。
【知事】
現地の法人の方との対話もしながら、その後どういう対応がとられているのかというようなことなど、特に現場がありますので、またガバナンスのことも含めてどういう対応がとられているのかということについて確認させていただければと思っております。
[読売新聞]
発表された振り返りを見ていると「当時は適切だったけど反省します」の「当時は適切だった」という部分は変わってないんだなということ。今もそういうお答えでしたが、実際そうだったのか、つまり裁判中だから何も県からもアクションができないという理由で、事実確認をしていなかったということかと思います。しかし、それは裁判をしていたとしても公金を払って、施設の管理を任せているわけですから、事実確認ができたはずであり、そこは反省するということなんですけど、それは今になって考えたらやはりそこはおかしかったということに結論として至っているのではないのでしょうか。
【知事】
今おっしゃった通り、我々ももっと審査期間中であっても、もっと踏み込んだ対応が取るべきであったのではないかということについては反省点として持っています。
[読売新聞]
それは振り返ったら結果そうで、そういう結論に至ったということでしょうか。
【知事】
はい。
[読売新聞]
つまり、それは当時の対応の振り返りをした結果、当時は正しいと思っていたけど不適切だったということをおっしゃっているのでしょうか。
【知事】
おっしゃる通りです。
[読売新聞]
同じく女性活躍推進認定についても不適切だったというか、すべきでなかったと言われていますが、それについても改めてどう受け止めていますか。
【知事】
全く同じです。その女性活躍認証企業の認定審査の基準に照らして出てきたものについて審査して出したということについては、一定の妥当性はあったんでしょうけれども、そういったことが司法の場で争われている団体に対して県が、部局は違うといえ県が出す認証というものをそのテーマで出してよかったのかということについては、誤りだったというふうに思っています。
[読売新聞]
指定管理にしろ、女性活躍にしろ、基準を満たしていたらOKというその機械的な判断みたいなところが県庁の中で普通になっていたのではないのかなと思うんですけれども、そのあたりどうやって改善していこうと思っていますか。
【知事】
だからこそ今回、こういった反省点をこのテーマで、この法人に対して行ったことを全庁にしっかりと広げて、例えば先ほども申し上げたような世界基準に照らしたビジネスと人権に関する指導原則を改めて検討を徹底するとか、そういったことを行いながら、指定管理のあり方や、そして途中の監査のあり方、そして様々な企業認証のあり方についてもそういった方針を徹底させていきたいというふうに思っています。
[読売新聞]
障害者の方が利用する2施設をグローは指定管理しているわけなんですけれども、改めて最後の結果を踏まえて、そういう施設を任せることについてその適格性みたいなところについてどのように考えていますか。
【知事】
多くの方々、ほとんどの職員の方々は目の前にいらっしゃる当事者の方々に真摯に、誠実に向き合っていただいていると思うんですが、やはり組織の長、代表そして一部であったとしてもそういったハラスメント事案が起こるということについては、多くの心配、懸念を持たれる方が多くいらっしゃいますし、何より人権という観点から許しがたいということでございますので、そういったことが起こらないように、そういった滋賀が大事にする障害者の方々が過ごされる施設であるからこそ、こういった事々を徹底するということと併せて、今回起こった事象を他の分野、あらゆる法人に対してもきちんと徹底できるように我々も努めていきたいと思います。
[京都新聞]
社会福祉法人グローについて、今後の対応ですが、指定管理先の適否に関して、グローに対しても第三者による検証や再発防止策を求めるということだったと思うんですけれども、今回グローに関してはこれまで先ほど来やり取りがあるように、県議会を含めていろいろなところから指摘がある中で、なかなか反省するタイミングがこのタイミングになってしまっているというところもあって、指定管理先を評価する県庁の体制を県庁だけでやって大丈夫なのかどうかと。今回の反省をするに当たっても有識者から指摘を受けたように、指定管理先として適切かを見極める中でもそういった第三者の目を入れることも考えてもいいのかなと思うんですが、そのあたりはどうでしょうか。
【知事】
そのあたりのことにつきましては、今回、委員の御指摘を受けて、どういう体制で行うべきなのか、どういうフローで行っていくべきなのか、このことも併せて考えていきたいと思います。
[京都新聞]
指定管理の制度について、滋賀県の状況を見ていると、グローがむれやま荘と信楽学園を20年ぐらい指定管理をされていて、他の施設も結構長く同じグループであったり、企業が入れ替わったりして、概ね同じ枠組みで指定管理を続けてらっしゃるところがあって、長く続けるというとこでノウハウが一定蓄積されるという利点はあると思うんですが、一方で固定化されていて、ここが問題を起こしたときに、その代わりになる法人がいるのかと。そこが見つからないから、逆に言うとこの問題に目をつぶってしまうという風潮になる恐れも一方であるのかなと思うんですが、指定管理が同じ枠組みになる傾向があるということについては知事はどう考えてらっしゃいますか。
【知事】
今おっしゃったような傾向というのは、またその事による恐れというのはあり得ると思います。あり得るということを前提に、どういう体制でチェックをするのか、またどういう条件で指定管理の発注に出すのか、その審査をするのか。そういったことをよく考えてつくっていく、見ていくということが必要だと思います。
[京都新聞]
資料の企業研修の受け入れについて、県北部地域でブランディングをしていくということで、前提として地域にとって企業研修を受け入れるメリット、利点というのはどういったことがあると考えていらっしゃるんでしょうか。
【知事】
今回、例えば私どもが密に関わらせていただいております伊藤忠さんの研修でも、それぞれの地域の中にある現場に出向いていただいて課題や可能性についてのいろいろな交流といったことがございまして、これは地域にとっても、持ってらっしゃる課題を克服するためにとてもいい相乗効果があるのではないかなというふうに思っておりますし、その可能性をさらに広げることによって、のちのちの関係人口や交流人口の拡大にも繋げていくことができるんじゃないかと思います。特に頻繁に行き来をすることよりも、むしろ一定期間滞在をして、中身を掘り下げて研修していただくというプログラムは北部地域の持っているものにも照らして合っているようなところもございますので、そういう可能性をさらに生かしていけたらいいなと思います。
[京都新聞]
滋賀県北部という地域の企業研修を受け入れる上での強みといいますか、こういうところが適しているんじゃないかというところは何かありますでしょうか。
【知事】
滋賀県全体そうですけれども、自然が四季折々豊かで、それぞれ持っている歴史、その中で育まれてきた文化、そういったものもそれぞれの時代でございますし、そういうものが例えば渡来の方々と、そして行き交う方々と、いろいろな方々と織りなしてつくってきたというところがあろうかと思います。とりわけ北部の地域はそういった文化がたくさんございますので、人口減少などの課題が他の地域よりも先んじて出てきている北部だからこそ、いろいろな企業の皆さんにも入ってきていただいて、どうやって乗り越えていけばいいのかというアイディアを交流することは、住んでいる方同士が考えること以上に、外の視点というのも入れられるでしょうから、そういう意味での相乗効果というのに対しては期待したいと思います。
[日本経済新聞]
企業研修について、受け入れる場所はこれからなんでしょうけれども、北部はホテルとかも少ないし、あるいは会館もそんなにないと思うのですが、どのあたりを想定されているのでしょうか。
【知事】
今回、この共創会議でどういったところの方々が出てきていただけるのかということも見てみたいと思うのですが、まず企業や事業所の皆さんのニーズというものも掘り起こしてみたいなと思います。大きな会場でということを希望される方もあれば、小さなところでもっと密にということもあるのかもしれませんので。また、北部地域はないようで大きなキャパを持つホテルというのはあり、またいろいろな合宿等を受け入れてらっしゃるような施設といったところもございます。あと企業で研修施設をお持ちのところなんかもあるとすれば、そういったところとのマッチングもできたらいいなと思います。
[日本経済新聞]
先ほどの知事のお答えの中で、関係人口とか交流人口を増やしたいとありました。このあたりがやはり本音というか、当面の目標、目的という感じでしょうか。
【知事】
どの段階の、どのレベルの、何を目的とした研修を企業の皆さんが望まれるのかということにもよると思いますが、例えば新入社員の研修なんかで来ていただけると、とても多感な、そしてこれから夢と希望を描いている時期にこの滋賀の北部で過ごす時間、空間というのは、関係人口、交流人口の面でもとても大きいでしょうし、単なる関係交流に留まらず、ビジネスとしてそういう課題を解決していくためのアイディア、ヒント、糸口のようなものも交換できるとするならば、これはさらに大きな効果を生む可能性もあるんじゃないのかなと思います。
[日本経済新聞]
今おっしゃっている課題というのは、いわゆる社会課題、少子化を初めとする問題を目の当たりにしてもらって、どう解決していくかといったことが課題になるといいということでしょうか。
【知事】
はい。地域が抱えている悩みイコール社会課題であるとするならば、それを外の目で研修という形で来られる方々と一緒に考えることで、どうやって克服していけばいいのかというのも考えていければと思います。
[日本経済新聞]
結構ライバルが多いと思うのですが、例えば県が補助金を出すとか、そういう可能性はありますか。
【知事】
今の時点で何か補助金というものとセットでこのプログラムを考えているわけではないんですけれども、この共創会議の中で、どういうことがあれば呼び込めるのか、人が動くのか、そういったことを話し合いながらどういう施策をとればいいのかっていうことも考えていきたいと思います。
[日本経済新聞]
「びわ活」について、今回は7月から8月の末までで結構長く、ちょうど万博がやっているので、万博という場をもっと使えないのかなと思うのですが、今予定で入っているのが「滋賀県デイ」と世界湖沼の日の発信だと思います。例えば、関西パビリオンの中の滋賀県ブース。例えばここを使って「今『びわ活』やってます」とか宣伝できるような、そういう自由度というのはないんでしょうか。
【知事】
それはあると思いますので、万博会場、関西パビリオン、滋賀県ブースで今おっしゃったような「びわ活」やってますとか、当然魅力体験ウィークは、まず第1弾が6月の下旬に、そして第2弾が8月に開催される予定ですので、この滋賀県デイと合わせて、「びわ活」「世界湖沼の日」などについてもPRしていけるようにしていきたいと思います。
[NHK]
引き続きグローの話になるのですが、私も金曜日の記者レクに出席させていただいて、特に指定管理のあり方について、読売新聞さんがおっしゃったように、外部有識者からは「適格と考えること自体が県民感情に照らして理解し難く、法人の適格性については、判決の内容も踏まえ、再度検討すべき」という厳しい意見が出ていると教えていただいたのですが、一方で、それに伴う県の対応というのが、「信頼回復に向けた真摯な取組が確認されない場合は、入所者のケアに配慮しつつ、厳正に対応していく」という、条件が付いたものになっているところがとても印象的でした。入所者のケアに配慮しつつというのは、今、信楽学園やむれやま荘はともに非常に多くの方が利用されていて、知事がおっしゃったように現場の職員の方々は非常に真摯に対応してくださっていて、安心安全に運営できているという事実がある故だとは思うのですが、再度検討すべき、また取消をすべきかどうかということを条件につけるということは、まさに元理事長に影響力があったが故に、性暴力について告発をずっとためらい、黙らせられてきた被害者の論理とまさに重なるのではないかと思いました。その辺りが非常に慎重なものになった理由というのは、知事としてどのように受け止められているでしょうか。
【知事】
まさに今お尋ねの中でおっしゃっていただいたように、我々は常に当事者が多くいらっしゃる現場のことは考えます。それと同時に、今回こういう厳しい御指摘をいただいた、また当事者の方は大変つらい思いをされた、そして、その事に社会からの厳しい視線が向けられている、こういった事案にどういう対応をとっていくのか、また、過去のその指定管理の指定のあり方についても、第三者の皆様から厳しい指弾を受けているわけです。そういったことを受けて、改めてこのグローという法人の今の在り様をきちんと見させていただいて、その上で判断するということも必要だという、この二面性の中で、今おっしゃったような対応を今後、取っていくということになると思いますので、当然見て、照らして、基準に合わない、そして今も許せないということであれば、指定管理の取消も含めて、これは厳しく対応せざるを得ないということがございますが、そこはやはり、一定見てみないとわからないということもございますので、その中で考えていきたいと思います。
[NHK]
その中で今回、信頼回復に向けた真摯な取組が確認できない場合という条件をつけてしまったので、果たしてここをどのように確認していくのかというところが、やはり今後厳しく問われていくのではないかと思うのですが、今回の記者レクを見る限り、やはり障害福祉課は、入所者への影響を第一に優先すべき立場であり、まさにそこを今回の事案よりも優先して考えてしまうというのが、仕事を全うしている以上、彼らにとっては仕方がないことだと私も理解しました。ただその障害福祉課が、この指定管理を判断・確認していくことにあたっては、同じような判断が出てしまうと、今回の事案のようなケースや、原告のお気持ちに配慮した形にならない判断が続いてしまうことが懸念されますが、そもそも当事者である障害福祉課が、今回の対応も含めて、判断・確認をするということが、少し無理があるのではないかと思ったのですが、そのあたりはいかがでしょうか。
【知事】
そういった御指摘は私自身も受け止めたいと思いますが、今回グローを見ている障害福祉課も、そして当然のことながらグローも今回の事案を大変重く受け止めて、当然、現場は見ますけれども、現場のことだけでない、そしてこの人権に配慮した運営ができているのか、そしてこういった判決も確定して、こういう反省、振り返りをしたあとどのような運営がなされているのか、ということをもう1回見た上で判断しなければいけないという思いは持っていますので、したがって、今回この振り返り後の監査等を一度させていただいた上で、適格性を見て、今後の運営に臨んでまいりたいと考えております。
[NHK]
最後にそもそものところですが、知事が出されたコメントの中にも原告の方への御気持ちに対する配慮を欠いていたという内容も出てくるのですが、今回の検証を含め、元理事長、原告、双方ともその当事者の御意見を聞いていない、当事者からのヒアリングをしていないと聞いています。その場合、コメントにあった原告のお気持ちというのは、憶測に過ぎなくなってしまうわけで、そこは少し弱いと思ったのですがいかがでしょうか。
【知事】
この間、当然被害を受けられた方との関係があったと思いますし、司法の中でのやり取り等もございましたので、そういう過程でその当事者同士が、原告と被告が向き合われる、ということはなかなか難しかったのかもしれませんが、今後こういった一連の対応の事を受けて、どういう向き合い方をすれば良いのか、ということについても県としても考えていかなければなりませんし、グローとしても考えていかれるのではないかと思います。そのあたりまた相談できればと思います。
[NHK]
原告の方がXなどでコメントを発表されてはいるのですが、その中でもちろん元理事長は許せないけれども、ただその元理事長に非常に権力を持たせて、影響力を大きくし、それに対して性暴力もあるかもしれないと思いながらも何もしてくれなかった周りに対しての怒りもありますということを再三おっしゃっているわけです。私はそこには県も含まれていると思っています。マスコミも含まれているのかもしれません。そういう中で、今回、原告へのヒアリングがないというのは、少し残念だと思ったのですが。
【知事】
今回はこの期間中にできることとしてやりました。今おっしゃったように、単に指弾されている元理事長だけではなくて、そのことにお墨付きを与えてしまってるような周り、これは県も含めてですけれども、そういった機関に対して厳しい気持ちが向けられていることについては、私も受けとめているところですので、だからこそこういった検証や振り返り、そしてそれに伴う対応というものを取らしていただいているつもりですので、そのことについて、また今後、こういったことを受けられた当事者等がどのようにお感じになられるのかということについては、これは真摯に承ってまいりたいと思います。
[中日新聞]
与党の参院選の公約に2万円給付というものが挙がっており、それに対して賛否両論がある中で、知事のお考えをお聞きしたいのと、あといろいろな首長の方から申請とかに当たって、結局処理をするのは地方自治体で、負担がくるというような声もあるのですが、その点についてもお考えをお伺いできればと思います。
【知事】
物価高とか、米の価格の問題などいろいろなことを考えられての施策を、これは政府与党も野党も御提案されるのでしょうけれども、なんだかなという印象を持ちますね。とはいえ、そういった方針を決められるのであれば、できるだけ早く必要とされる方に届くように努めていただきたいと思いますが、後段お尋ねいただいたように、その負担が市町村また都道府県の職員、自治体に及ぶことも多々あるようですので、そういったことにも思いを馳せて、できるだけ簡便な形で必要な施策が届けられるようにしてほしいと思います。
[中日新聞]
なんだかなという印象は、どういうお気持ちなんですか。
【知事】
散々国会でもやり取りされてきて、配る配らない、配るのであれば取らずに下げろというような議論がありました。そういう中で、ギリギリまで検討された結果だと思いますが、また選挙の前だけこういったことをやるのかといったようなことは、政府与党も受け止めて、審判を仰いでいく必要があるのではないかというつもりで申し上げました。
[時事通信社]
政府が先週13日に地方創生2.0の基本構想を決定しました。その中で東京の一極集中を是正するために、例えば2027年度までの3年間で企業の本社機能の移転に伴って、地方の雇用を約1万人創出する目標などを設定しております。自治体に対してはこの2.0を進める取組への早期着手と、地方版総合戦略の見直しを求めているのですが、改めてこの基本構想への知事としての受け止めと、もし今後の対応について考えられている点がありましたらお願いいたします。
【知事】
地方創生も10年以上やってみて、そのことによって、産官学金労言、いろいろな方がみんなで議論して、人口減少するけれども、生まれてくる子どもの数が減るけれども、どういう取組をしていこうかということを議論し、実行に移してきました。様々な成果も出つつありますし、今、滋賀県では、例えば北部振興という形で少し地域を重点的に特化して、新たなチャレンジをしていこうとか、希望を叶えるということで結婚を応援するような取組とか、様々な取組を実行段階に移しておりますので、その成果、課題は改めてみんなで検証していく必要があると思っていますが、その先、やはり地方の元気なくして国の発展なしということを指向される石破政権として、さらにバージョンアップしようという、このことについては期待をしていきたいと思っています。いろいろなキーワードが並べられておりますが、やはり私自身は子ども、若者、とりわけ女性に選ばれる地域をどうつくっていくのか、当然ジェンダーという視点も重要でしょうし、また、人口減少社会に生まれてくる子どもの数が減るということについて、今までの歴史にはなかったので、とても厳しい観点を持ちがちなのですが、だからこそ1人1人を大事にする視点とか、足元の文化、文化財をもう1回見つめ直す視点、こういうものも大事にしたいと思いますし、今回新たに出てきた広域リージョン、少し都道府県の枠を超えて連携する枠組みを応援したいということについては、関西広域連合の一員であり、広域連合長を務める私としても、大いに期待するところですので、具体、中身をつくっていけるように取り組んでいきたいと思います。