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知事定例記者会見(2025年6月10日)

令和7年6月10日
(県政記者クラブ主催)

【知事】

 今日もよろしくお願いいたします。滋賀県を含む近畿地方も梅雨入りをしたという事ですし、線状降水帯の発生も報じられております。先ほど行われた県政経営会議でも、改めて注意喚起をすると同時に、伊吹山、高時川など、近年、深刻なダメージを受けた場所などについて、調査、共有するよう指示したところでございます。多くの県民の皆様方におかれても、自分のお住まいの地域、働いていらっしゃる地域のハザードマップの確認をしていただくなど、豪雨等にも備えていただきますよう呼び掛けたいと存じます。

会見の様子

 週末、わたSHIGA輝く国スポ・障スポ2025に向けて、土曜日には米原市の文化産業交流会館で、障スポの滋賀県選手団の認定式を行いました。滋賀県としては過去最多となる、選手288名、役員148名、総勢436人選手団となります。選手だけではなく、支える人も含めて認定して、みんなで盛り上げていきたいと思っております。

 もう一点、資料もお配りしていると思いますが、大会のマスコットキャラクターのチャッフィーが6月13日金曜日に誕生日を迎えるということでございまして、今年はお祝いイベントとして、国スポ・障スポファッションショーを開催するということでございます。県内企業様から、チャッフィーにいただいた素敵なプレゼントもお披露目させていただく予定です。当日は12時半から県庁本館1階正面玄関でセレモニーを実施いたします。週末には兵庫県三木市で馬術競技のリハーサル大会も行われました。

 それでは資料に基づいて、今日は2点申し上げます。まず1点目は、びわこ文化公園都市交通活性化プロジェクトを始めます、ということについてでございます。びわこ文化公園都市には、立命館大学、龍谷大学、滋賀医科大学などの教育機関また県立美術館、県立図書館といった文化施設など、広域的な機能や施設が集積するエリアでございます。一昨年、令和5年3月にびわこ文化公園都市将来ビジョンを改定いたしまして、このエリアのにぎわい創出等に向けて新たにスタートを切りました。一方、このエリアには、バスの混雑、道路の渋滞といった課題への対応や、エリア内を周遊する移動手段の不足など、交通に関する課題があると認識しております。このエリアの交通・移動課題への対応を着実に前に進めていくために、今年度から施策検討に本格的に着手しようというものでございます。短期的に効果が出る施策については早期に着手して取組をつくっていきたいと思いますし、中長期的に必要な事項等についてもみんなで議論をしていきたいと思います。まずはびわこ文化公園都市未来創造会議というのがございますので、その下に、交通活性化タスクフォースを設置いたしまして、このエリア内に立地する施設や事業者の皆さん、とりわけ草津市、大津市、関係者の皆さんとも議論を進めていきたいと思います。いずれにいたしましても、非常に可能性のある場所ですので、その地域の魅力を高めることや、特に学生の皆さんのキャンパスライフを充実させるという視点も持ちながら、具体的な取組を進めていきたいと思います。

もう一点、こちらも資料がございます。「滋賀で誕生ありがとう事業」というものを令和3年8月から実施をし、滋賀で生まれた子ども、またその御家族に「おめでとう」「ありがとう」の思いを込めて、みんなで出産や子育てを応援しているメッセージと一緒に、県産品や企業からの協賛品を「ありがとう」の贈り物としてお届けをしております。この度、滋賀県と包括的連携協定を結ぶ楽天グループ株式会社様がこの取組の趣旨に御賛同いただいて、独自の取組として、県内1歳未満のお子さんを持つ御家庭に贈り物を送ろうというそういう取組がスタートすることになりました。お申し込みは6月17日火曜日10時からスタートするという予定でございまして、滋賀で誕生ありがとう事業とは別途、楽天グループのホームページからお申し込みをしていただくというものでございます。贈り物の中身は紙オムツ、ミルクなどの子育てアイテムのボックスや、滋賀県内の対象宿泊施設で使える楽天トラベルクーポンなど、子育てを応援する品物から家族でしがリズムを体験できるクーポンなど滋賀らしさも感じていただける内容になっているということでございます。楽天グループとしてこのような取組をすることは他府県ではない全国でも初めて事例になるとのことでございますので、今後も行政だけではなくて、みんなで子ども子育てを応援していける社会づくりに一緒に取り組んでまいりたいと存じます。私からは以上でございます。

 

[毎日新聞]

 御紹介いただいた楽天グループ(株)の取組について、県の負担はあるのでしょうか。

 

【知事】

 県の負担はありません。

 

[毎日新聞]

 子育てアイテムのボックスですが、紙オムツやミルクが入っているのでしょうか。それとも箱だけですか。

 

【知事】

 紙オムツ等が入った箱をお届けいただけると承知をしております。

 

[毎日新聞]

 チャッフィーのファッションショーですが、これは滋賀県立大学の生徒の方がモデルとして登場されるとのことですが、これは男性も女性も登場されるのでしょうか。

 

【知事】

 チャッフィーと一緒にどんなモデルが何人くらい出られるのかというのは、私は今承知をしておりませんが、記載のとおり園児の皆さんも来ていただきますし、滋賀県立大学生活生活デザイン科の学生の方やデビットレイヤーの方にもお越しいただきますので、多くの方に御参加いただけるのではないかと思います。

 

[毎日新聞]

 出生率のデータが出て、滋賀県も下がったという事ですが、どのように受け止めておられますでしょうか。

 

【知事】

 生まれてくる子どもの数が減っているという状況が進行していることを改めて実感いたしました。ただ従来から申し上げているとおり、この数字自体は1つの数字、結果、状況として受け止めますが、むしろ一人ひとりを大切にする視点をより持って、置かれている状況に寄り添い、先ほども申し上げた社会全体で子ども、子育て、若者を応援していけるような、そういう取組を充実させていきたいと思っております。権利条約に基づいて、子ども、若者の声を聞いて社会づくりや施策づくりをする、というのもその一つだと思います。よりそういう姿勢を持って、取組を進めていきたいと思います。

 

[毎日新聞]

 防災庁が来年できるということで、各自治体が誘致に名乗り出ておられますが、滋賀県として来てほしいという声は出されないのでしょうか。

 

【知事】

 現時点で、滋賀県としてそういった場所にこういう形でということを出しておりませんし、現時点で出そうという方針もございません。むしろ、滋賀県も含まれる関西広域連合として、阪神・淡路大震災を経験したり、東日本大震災等でカウンターパートの支援なども行ってきた実績をもとに、関西広域連合域内に、東京の首都圏だけではなく、この防災庁の機能を設置すべきだという要望・提案をさせていただくところです。

 

[毎日新聞]

 その中に滋賀県は入らないわけですか。

 

【知事】

 滋賀県内の場所のここに誘致するということは申し上げておりません。今、現時点でそういうことを言おうという方針を持っているわけではありません。

 

[毎日新聞]

 関西広域連合として、防災庁が来るとなった場合、滋賀県に来る可能性はあるのでしょうか。

 

【知事】

 全くないとは言いませんが、どういう機能を、どれぐらいの数、どういう費用負担で設置されるかというのはまだ定かではありませんので、滋賀県内にそういったものが来る可能性というのは理論的にはあるのでしょうが、何か今の時点でこちらが能動的に動いて、その場所にこういうものを設置したらどうだろうかということを申し上げているわけではありません。

 

[毎日新聞]

 準備や調査もされていないのでしょうか。突然そのような話が降ってくることはないと思いますが、話が来た場合の心構えはありますでしょうか。

 

【知事】

 そういう話があれば、また具体をそれに沿って考えていきたいと思いますがそれぞれの都道府県に何か置くということよりも、少し広域行政の中で役割を発揮していくという、そういう趣旨で大阪府、大阪市であるとか、兵庫県、神戸市等が手を挙げていらっしゃるのを関西広域連合の一員として、また連合長として応援をしている、提案しているという状況です。

[毎日新聞]

 万博関係ですが、レジオネラ属菌が検出されたということで、滋賀県として万博への子ども招待事業をされていますが、心配だから中断されることはあるのでしょうか。

 

【知事】

 様々な水質検査に伴って問題がある事象については、関連するショー・企画等その場所への立ち入りを制限されるなどをしながらですね、安全を考えた対応がとられていると思いますので、その動向を注視したいと思います。万博そのものに子どもたちを招待したり、滋賀県として滋賀魅力体験ウィーク含め様々な企画を準備する、またブースで滋賀県を御紹介する、そういう活動はこれからも継続して行っていきたいと思います。

 

[共同通信]

 北陸新幹線に関して先週末、京都市議会が現在の計画をこのまま進めることは京都市の未来に向けて重大な問題を招くとしてトンネルルートへの反対を表明する決議を可決しました。この京都市議会が延伸を巡って、現行計画のルートに反対したというのは初めてということですが、滋賀県知事としてこのことに対する受け止めと、国に対して望むことがあればお願いします。

 

【知事】

 こうした沿線、通る自治体で、その議会で、そのことに懸念や意見、反対を議決されるということについては、京都市長も既に表明されておりますが、重く受け止めなければならないということだと思います。市民の皆さんの不安、懸念、そういうものの現れだと思います。かねてから水の問題そしてトンネルを掘って出てくる土の問題、さらにはそれを運ぶときの道路の問題、そしてそうした事々が文化財や歴史的建造物等にどういう影響を与えるのか、与えないのか。こういう心配事が京都府・市から表明されておりまして、今、国や建設主体である機構などにおいて、この間分かったこと、そしてこれから対応しようということについて様々な説明会等が開催されていると承知をしておりますので、そういう不安や懸念の声に丁寧に耳を傾けて説明が行われるように期待したいと思います。

 

[共同通信]

 京都市会のこの決議を受けて、石川県の加賀市長などが米原ルートの再検討を、とおっしゃっているのですが、これに対しての受け止めは。

 

【知事】

 それはそういうことを望まれる方の御意見としてそういうものがあるものだということだと思います。それ以上でもそれ以下でもありません。でも国で決定されたルートは、敦賀以西は小浜を通って京都そして大阪ということで決まっているんでしょうから、その着工条件を早期に整えて1日も早く着工、そして供用、開通に結び付けていくということが望ましいのではないかと私は思います。

 

[京都新聞]

 北陸新幹線の関係で質問ですが、福井県知事が、京都ルートの方が色々課題を抱えているということで、ひとまず小浜までの先行開業の検討を求める意見を出されました。これについてはどのように受け止められますでしょうか。

 

【知事】

 小浜市は福井県内の地域ですので、基本計画の中に示されている小浜市付近ということを1日でも早く通していきたい、繋いでいきたいという、そういう御思いの表れだと思いますので、福井県知事としての熱い思いをそういった形で出されているのではないかと思いますが、今もそうですけど、乗換えとか、また途中で止まるということに伴う様々な負担や煩わしさ、抵抗、そういったものをどう考えて、福井県の立場としてそれでいいんでしょうけれども、交通ネットワークとしてどのように整備していくのかという、そういう観点に立った検討も併せてしていくことが必要でしょうから、多分、小浜まで行けば敦賀以上に乗換えが大変だったり、そこで止まったり折り返したりするということになったとすれば、一時的にそういったことが可能になる施設が必要になってくるということもございますので、結果繋がったそういったものがまた無駄になる可能性もありますので、そういったこと等をどう考えるのかっていう少し広域かつ長期的な視点は必要ではないかと思います。

 

[京都新聞]

 今、敦賀で止まっていて、敦賀からは滋賀県が比較的アクセスが良いので、その辺り滋賀県観光にとっても北陸新幹線の延伸っていうのは今の状況でも一定寄与しているかなと思うのですが、それが小浜まで行くとなかなか繋がりづらくなってしまうのでしょうか。

 

【知事】

 仮にですけども、敦賀以西小浜まで行くことによって、敦賀まで来る新幹線が、敦賀から出る新幹線が減るっていうことは現実的にはあんまり想定しにくいので、今の滋賀県からのアクセス、滋賀県へのアクセスが何か損なわれるっていうことはないのではないかと思いますが、ただどういう形状で工事をされるのか、またどういう運行が小浜延伸でとられるのかっていうのはまだ明らかになっておりませんので、そういうものを見ながら私たちの意見を申し上げていく必要はあるのかと思います。

 

[京都新聞]

 発表された資料の関係で、楽天グループさんの誕生ありがとう事業への参加なんですけど、これは既存の事業と楽天さんの事業というのは併用して申し込めるという理解で良いのでしょうか。

 

【知事】

 私もその点は事前に確かめたら、併用できるということです。

 

[京都新聞]

 分かりました。県の方で実施されてる事業について、以前なかなか利用の割合が低調だ、というような話があったかと思うのですけど、直近はどういった状況でしょうか。

 

【知事】

 例えばこれ令和3年度からスタートさせてますが、令和3年度が5,300件ほど、令和4年度が6,300件ほど、令和5年度が6,400件ほど、そして令和6年度が5,800件ほど、今年度に入ってからももうすでに900件近くお申込みがあるようですので、概ね生まれた子どもたちの7割程度の方々にお申込みいただき、お届けできているのではないかと思います。今回、楽天さんがこういう御取組をしていただくことで、さらに相乗効果をもって皆様方に情報をお届けし、せっかくこういうことがあるんだったら利用して届けてもらおうという、そういうことに繋がれば良いと思っています。

 

[京都新聞]

 もう1点、びわこ文化公園都市・交通活性化プロジェクトについて、今月に第1回の会議をされて、この進め方、スケジュール感なのですが、何かどういうタイミングで、どういうものを取りまとめて、どう進めていくイメージを持っていらっしゃるのでしょうか。

 

【知事】

 改めてみんなで集まったうえで、今日的な課題を共有したうえで、すぐに取り組むべきこと、短期で取り組めること、そして中、長期で取り組むことが必要なことを分けて、短期で取り組めることについては、早ければ今年度中にも実施できるように、そして少なくとも、遅くとも来年度の予算等にきちんと反映させて、そういったものが後押しできるようにしていきたいと思っています。

[京都新聞]

 知事御自身、エリアの課題を見られたうえで、こんなことができるのではないかというような何かアイデアはお持ちでしょうか。

 

【知事】

 この間のいろんなディスカッションや議論の場で、やはり駅からのアクセスというのは、相当大学の皆さん、また施設を利用される皆様方の中で、御不満やニーズとしてあるようですし、そういったことは一つの課題、またイコール可能性だと思います。かつどれだけニーズがあるのかというのは、おっしゃるのですが、ちょっと数字として定量的に把握できてるわけではないので確証はないのですが、例えば県立図書館、美術館と大学とを移動したり、大学間を移動することによってその間のアクセスが、少し離れているけど、車以外で行く手段、バス交通で行く手段等がない、そういったところにシェアサイクルやいわゆるキックボード的なものが気軽にあればもっと良いなと。あとどうしても大津市と草津市の間でもしくはその境界がございますので、これは大津市、これは草津市、そういった調整をやはり県が広域行政として行っていくということ等も必要ではないかと考えているところです。

 

[日本経済新聞]

 先週、財政課が6月補正予算案の説明をしましたが、知事が再三おっしゃっていたトランプ関税の対策については入っておらず、日米協議もやっている最中で日本経済への影響も分からないのでという言い方をされていました。それが少し意外で、知事は、事態が起こる前に、前倒しで早めにやっていくとおっしゃっていたと思うのですが、補正を見送られたのはなぜでしょう。

 

【知事】

 まず、担当課からも説明したかもしれませんが今年度措置している予算がありますので、例えば未来投資総合補助金もそうです。ただ既に申請受付が好評でいっぱいになってるということもございますが、そういったものを活用していただくということですとか、あとトランプ関税に関して申し上げれば、今状況がまだ十分、影響も含めて、どこまでどういうかたちでいけるのか広がるのかという事の見極めが、まだ出来ない状況だということもございますので、今回一部電気ガス料金への補助、これも全く効かないわけではないと思いますが企業経営に。こういったことで御活用いただき、対応いただくということにまずはさせていただいて今後状況は注視して対応・検討していきたいと思います。

 

[日本経済新聞]

 財政課も今後影響がはっきりしてきたらそれには果敢に対応をすることになるであろうということでしたが、そういう認識でよろしいでしょうか。

 

【知事】

 そういう意味で、財政課含む県当局所管する知事としても、製造業も大変多い、アメリカの取引そしてアメリカの今回の関税措置の影響を受ける可能性の業種が多い滋賀県として、状況に応じた対応というのは機敏に取っていきたいと思います。

 

[日本経済新聞]

 必要だったらまた追加補正ということも考えるということですか。

 

【知事】

 はい、それも考えていきます。

 

[日本経済新聞]

 話題提供のあったびわこ文化公園都市構想はTHE シガパークと関係のない話なのでしょうか。

 

【知事】

 もちろんTHE シガパークの一つの場所ではありますが、ここは何年ぐらいだったか、武村知事の前の頃から開発が進み、大学を誘致したり、高速道路のジャンクション・インターチェンジ等を整備しながらつくってきた場所ですので、そういう意味で、公的施設も大学もある可能性のあるエリアだと思っていますが、公共交通、鉄道からのアクセスが遠いので、そこについてどういうソリューションをつくっていくかという、こういう課題があるでしょう。

 

[日本経済新聞]

 市民生活の二次交通を整備していこうという話でしょうか。

 

【知事】

 当然、学生たちも、もしくは利用される方のアクセスはありますが、近隣にお住まいの方もたくさんいらっしゃいますので、この方々の足をどう確保するのかという点はとても重要です。既に例えば駅等に行くバス路線なんかはあるのですが、その路線だけではなくて、もう少しこのエリア内を周遊するようなものをどう置くのかとか、頻度が少ない公共交通だけではなくて、もう少し気軽に乗れる新しいモビリティをどう整備するとか、そういったことを考えていこうと。

 

[日本経済新聞]

 もう一つ、7月24日に滋賀県デイがありますが、これから発表があると思いますがどのような内容やイメージになりそうですか。

 

【知事】

 既にこんな企画というものは発表させていただいていると思いますが、今、詳細準備をしながら、滋賀魅力体験ウィークがまず6月24日からあります。もう一つが8月27日から、万博会場、関西パビリオンの多目的広場で開催する予定です。この滋賀ウィークは6月の前半が「健康しが」を主なテーマに、8月は「世界湖沼の日」が定められたことを受けて「Mother Lake Goals」を主なテーマとして発信する予定です。それとは別に7月24日にEXPOホールで開催する滋賀県デイということですので、ここには滋賀県内で様々なパフォーマンスをする団体であるとか、発表・展示等を主にホールやステージになると思いますがPRをさせていただきたいと考えています。

 

[日本経済新聞]

 滋賀の様々な特色をPRするということでしょうか。

 

【知事】

 来週の会見でまとめて発表させていただく予定です。

 

[中日新聞]

 先ほど出生率の話がありましたが、知事の受け止めとして比較的ポジティブな発言だったという印象を受けました。今、滋賀県の合計特殊出生率が1.32という状況の中、このままだと人口の維持は不可能で、厳しい状況、危機的な状況にあると思うのですが、そういった認識はお持ちでないでしょうか。

 

【知事】

 今までに無かった、今までに無いペースで、また過去最少というものを更新する形で少なくなってきているという、この状況は、状況として見たい、受け止めたいと思いますが、これはそれぞれの年代、それぞれの方々の選択の一つの結果として出ているものだと思いますので、そういうものを見ながら、やはり何か少ないからということは、僕たちも絶えず希望を叶えるということで、結婚の応援をしたり、そして子育て、子ども若者にまつわる様々な政策を充実させようとしてますが、やはり一人ひとりを大事にするっていう視点を持った対応というのが必要ではないかなと、こういう思いを私は持っておりますので、常々それは申し上げているつもりです。

 

[中日新聞]

 県のビジョンとしては2060年度までに合計特殊出生率を1.60人にするというビジョンを掲げていますが、今は低いというか下降傾向にあります。それを、一人ひとりを大切にするということでV字回復していこうということでしょうか。

 

【知事】

 V字回復というか、やはり希望を叶えていきたい、持ちたい子どもの数を持てるようにしていこうというテーマの中で、異性のパートナーとなかなか出会えないんだということについて、しが結の取組をしたり、また結婚するけれども経済的負担があって、一人目の子ども、二人目の子ども、三人目の子どもを持つ時に躊躇するという、そういった事々については、様々な手当を支給したり、教育費を軽減したり、保育所、医療費こういう負担を社会でみんなで分担したりというこういう取組をしています。それ以外にも、やはり子どもたちが結婚すること、また子どもを持つことにポジティブなイメージを持てるような、ライフデザインを持てるようにということでプレコンセプションケアの取組なんかも今進めておりますので、こういう中で希望を持って、そしてその希望をみんなで叶えていけるような、そういう社会づくりにしていきたいなと思っています。一朝一夕にすぐに生まれてくる子どもの数が増えてくるということには繋がらないかもしれませんが、やはり急がば回れの視点を持って、この取組を地道に、着実に続けていくということが必要ではないかと思います。

[中日新聞]

 その点に関連して、婚姻数は11年ぶりに増加に転じたということですが、これは、しが結の効果ということでしょうか。

 

【知事】

 しが結の効果で、ということまで言い切ることは難しいのかもしれませんが、それぞれの選択があっても良いと思います。それを認められる社会というのがまず根底にあった上で、異性のパートナーと、同性も含めてですけど、自分の愛する人と一緒に家庭を持ちたい、カップルになりたい、夫婦になりたい、こういう希望はそれぞれが叶えるために努力をしつつも、社会全体で応援するっていう、こういう視点は常に持って、さっきの「滋賀で誕生ありがとう事業」もそうですけど、機運をぐっと高めていけたら良いと思います。滋賀県で結婚する人が増えたというのは一筋の光として見ていきたいなと思います。

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