令和7年6月3日
(県政記者クラブ主催)
【知事】
6月になりました。今日も雨で、梅雨、豪雨、洪水の季節になりますので、先ほど行われた県政経営会議でも今一度、こういった時期の体制の再確認を指示したところでございます。
昨日は安土城址、摠見寺、のお参りをさせていただいて、信長忌の法要に参列をさせていただきました。その後、現在行っております幻の安土城復元プロジェクトの発掘現場の視察をさせていただきました。現在、今年度の調査事業の準備中でございまして、この2ヶ年実施しただけでも、これまでわからなかったことが様々わかってきましたので、これから20年かけて行う調査、そしてわかったことを見える化する事業、こういったことを精力的に取り組んでいきたいと思います。
写真にも出ると思いますが、琵琶湖疏水が国宝に、また重要文化財に指定されたことを受けて、先週、びわ湖疏水船に、京都市長、大津市長とともに乗船視察させていただきました。疏水関連のそれぞれの所蔵品等を相互に貸与し、展示し合うということもその場で発表させていただきましたし、疏水感謝金の10年間の覚書締結の際に、様々な連携協力の確認も京都市との間でしておりますので、こういった取組が具体前進するように努めていきたいと思います。
また関連して、5月28日には琵琶湖環境部の主催で琵琶湖のこと、水のこと、そのスペシャリストから学ぶような機会づくりをされたと聞いております。この京都市での会見の場でも申し上げたんですが、琵琶湖、滋賀の世界性ですね。こういったものを今一度私達、再確認をして、もちろん世界有数の古代湖であることもそうですし、世界湖沼の日が、世界湖沼会議が行われた8月27日に国連決議で定められたこともそうかもしれません。世界農業遺産に琵琶湖システムが認定されていることや、琵琶湖畔の彦根城の世界遺産化を目指していること、あの信長が琵琶湖のほとりの安土城で天下布武を、多文化共生でキリスト教の幼年学校も認めて作ろうとしたことなどにも思いを馳せて、琵琶湖、滋賀の世界性を再自覚するとともに、発信に努めてまいりたいと存じます。
これも既に御存知だと思いますが、ベルギーブリュッセルで開催されたエリザベート王妃国際コンクールピアノ部門で久末航さん、大津市出身のピアニスト、私もかねてから注目していたピアニストでございますが、世界最高峰のこのコンクールで2位に入賞されたという快挙でございます。久末さんのこの偉業をみんなで称えたいと思いますし、またこの滋賀県内でも演奏、鑑賞の機会があろうかと思いますので、皆様方と一緒に鑑賞できたら嬉しいと思います。
さて、それでは資料に基づいて3点申し上げます。
わたSHIGA輝く国スポ・障スポ大会、こちらにも記載のとおり、会期前競技まで95日、総合開催式まで117日、障害者スポーツ大会まで144日となりました。開会式、閉会式の観覧者募集、こちらの申込の受付をしております。非常に好評で多くの方、御応募いただいておりますが、まだ今なら間に合うということでございますので、皆様方のお申込をお待ちしております。
また歓迎の気持ちを表現した滋賀おもてなしデザインの制作ですが、先般も琵琶湖グラスおもてなしオブジェの発表をさせていただきましたが、この度、第2弾の作品が2種類完成したのでお知らせをいたします。こちらの前にも現品展示をさせていただいておりますが、この2つの作品は、スポーツの力でつくる共生社会の観点から、障害への理解を深めてもらうきっかけとして、障害者福祉施設「やまなみ工房」に制作を依頼し、作っていただいたものでございます。
縦向きのこちらの作品は、鳥山シュウさんの作品で「滋賀県にあつまる」というタイトルです。日本全国の特産品等が描かれているということだそうでございます。皆さんも探してみてください。
もう一つはNANAさんの作品で「日本全国の鳥たち」という作品名がついております。こちらには各都道府県のシンボルの鳥が描かれているとのことでございます。いずれの作品も琵琶湖の形で表現をされておりまして、ゆかりの都道府県に関して描かれているものを、楽しみながら探していただきたいという思いでこちらを採用させていただいております。
関係者への招待状の封筒にも、この両作品をデザインとして入れましてお届けをすると同時に、当日会場で配布する資料袋やフォトスポットなど、様々なデザインにも使用させていただく予定でございます。ぜひみんなで盛り上げていきたいと思いますので、よろしく御活用をお願いいたします。なお先般開催された障害者スポーツ大会リハーサル大会の様々な課題等につきましても、しっかり共有、検証いたしまして、本番に備えていきたい、また青森大会により良い形で引き継いでいけるようにしていきたいと考えているところでございます。
2つ目、THEシガパーク企業フォーラムを7月1日に開催いたしますということについてでございます。コロナ禍でこの広場、公園の重要性というものを私達再認識いたしました。県の面積に占める公園の割合が日本で一番大きいということを私達は誇り、喜びにしているところでございますが、同時に様々な課題、また可能性もあるということで、部局横断、公園連携で、この滋賀の公園の魅力アップの取組をしようということに挑んでおります。企業と公園ということにおいては、これまでもイベント等の連携、イベント等で御活用いただくとか、また御寄附いただくとか、ボランティアで御参加いただくとか、様々な形で繋がりがあるのですが、民間事業者との協働をさらに広げていくために、このフォーラムを開催しようとしております。企業の皆様と滋賀の様々な公園でできることを探したいと思います。また、もっと使いやすくするために、もっと支えやすくするために、どんなことができるのか、ということも話し合えたらと思います。7月1日火曜日14時から県庁東館大会議室で開催いたします。2回目はどこかの公園でやります。1回目は県庁の会議室で実施します。2回目はどこかの公園でやります。チラシにも御案内のとおり、県からこのTHEシガパークの取組説明をさせていただいて、公園での公民連携にもお詳しい兵庫県立大学の赤澤先生による基調講演、また企業の皆さんからそれぞれの公園での取組事例の御紹介をいただく他、県営公園11ヶ所の担当職員が相談等を受け付けます交流会なども予定しているということでございます。御利用いただく方はもちろん、企業の皆様、またそれぞれの参画していただく事業者など、あらゆる方々にとってより良い公園づくりを追求、目指していきたいと思いますので、ぜひ皆様方の御参加、また御報道等をいただければ幸いでございます。
最後になりますが関西MaaSにおいて発売された比叡山おでかけパスについて、でございます。ICOCAを利用してお得に周遊し、比叡山延暦寺までおでかけすることができる、比叡山おでかけパスをJR西日本の皆さんに、「いこうぜ滋賀・びわ湖」の観光キャンペーンに絡めて発売していただくこととなりました。昨日6月2日から10月31日まで発売いただけるということでございます。詳細、説明は割愛させていただきます。資料等御覧いただいて御利用いただければ幸いでございます。私からは以上です。
[毎日新聞]
おもてなしデザインの件ですが、資料袋に印刷するというのはもちろんカラーでされるのですね。
【知事】
(招待状の封筒サンプルを掲げて)これもカラーですし、お土産とかの袋もカラーで印刷したいと思います。
[毎日新聞]
どちらもフォトスポットで展示されるのでしょうか。配布資料には鳥山シュウさんの作品はフォトスポットと書いていないのですが。
【知事】
活用場面の例ですのでいずれの作品もいろいろなところで、フォトスポットでも活用できるようにしたいと思います。
[毎日新聞]
障害者福祉施設に所属の方ということで、お二方とも障害をお持ちの方ということでいいのでしょうか。
【知事】
どういう個性、特性をお持ちの方なのかというのは私も存じ上げませんが、やまなみ工房に所属され、活動されている方と聞いております。
[毎日新聞]
前回のおもてなしオブジェのときは作者さんもこちらお見えになって説明なさったんですけども、今回、御本人の意向もあるかもしれませんが、お見えになってないのは何か理由があるのでしょうか。
【知事】
いや、聞いておりません。また機会があれば、そういった作者さんのコメントや作者さんによる何か発表等もできれば、そういう可能性を探りたいと思います。
[毎日新聞]
他の質問になりますが、知事は前回の会見で、万博会場でのユスリカの発生についてあまり騒ぎすぎるのもどうかと、滋賀県でのびわこ虫との共生ということでおっしゃいましたが、万博協会からどう対応したらいいのか、お知恵を借りたいというような反応がありましたか。
【知事】
私のところに直接何かあったことはございませんが、報道等でもこれは滋賀県だけではなくて、関西一円でもされているようですし、引き続き博覧会協会でもユスリカがたくさん出ている、ユスリカが海由来のものであるという発表等もされておりますので、今後、様々な対策を検討される際に、私どもたくさんのびわこ虫と一緒にこの時期生きている、そういう知恵を一緒に活かせたらと思います。
[毎日新聞]
万博つながりの質問ですが、知事はバチカン市国のナショナルデーはいつか御存じでしょうか。
【知事】
御案内いただいておりましたので聞きはしましたけど、今いつかというところは存じ上げませんが、御案内いただいて、私か、議会側からか誰かが参加させていただく方向で今準備調整中です。
[毎日新聞]
2年前に安土城の屏風の件で県議会の議長に書簡を託されて、万博の折には是非お会いしたいという趣旨を伝えられたと思うのですが、実現しそうでしょうか。
【知事】
ナショナルデー含め、そして御来国、御来阪、御来県いただく、そういう可能性、交歓できること、御挨拶やお話できることも含めてその可能性は追求したいと思います。
[毎日新聞]
来県される可能性もあるということでしょうか。
【知事】
まだ可能性があるとも可能性がないとも、予定があるともないとも、ということは伺っておりません。
[毎日新聞]
もう1つ万博繋がりなんですが、オーストリアのナショナルデーは御存知でしたか。
【知事】
5月23日だったでしょうか。私も夜のレセプションに大阪で御案内いただきましたので参加させていただきました。昼の万博会場での午餐会には副知事が参加をさせていただき、御来日、御来阪中の大統領閣下とも御挨拶させていただいて、ブルゲンラント州と滋賀県との結びつき・交流の取組ですとか、琵琶湖の形とオーストリア共和国との形が似ていることからの御縁でいろいろなことやっていますというシールを配りながら記念撮影等をさせていただいたということです。
[共同通信社]
高島市の饗󠄀庭野演習場で場外に着弾した可能性があるという事案の発生が2月3日でしたが、まもなく4ヶ月となるというところで、現在の捜索状況で自衛隊から聞いておられる情報、訓練再開の予定、防衛省に対してこれからどういった行動を求めていくのか、お考えがありましたらお聞かせください。
【知事】
2月3日に滋賀県高島市にございます饗󠄀庭野演習場において155ミリ榴弾砲弾、この弾着が不明になっているという事案が発生したということでございます。防衛省陸上自衛隊をして、この事案の発生以降、弾着が予想される地域の地表面の捜索を実施していただいておりますが、弾着地点を未だ特定できず、という状態だと聞いております。砲弾そのものが地中に埋没している可能性があり、民間企業とも連携して専用の機材、金属探知機等により地中捜索を実施されているということでございまして、昨日の時点で予定された地域の約4割の調査を終えられたと聞いております。現在その捜索が完了する見込みについて具体的に聞いておりませんが、梅雨時期で、降雨で作業が中断されることも予想されますものの、その捜索は継続されると承知をしております。「原因分からずして対策打てず、対策取られずして訓練再開できず」という状況もございますのでできるだけ早く、どこにあるのか、何が原因だったのかということについて掴んでいただくように。そういった趣旨も込めて、先だって政府要望する際に、5月21日ですが私の名前で中谷防衛大臣に対して要請書を出させていただいたところでございます。再発防止の徹底等についてということで、こういったことも受けてできるだけ早く、どこに飛んでいったのか、何が原因だったのか、どうやって再発防止するのかということについて明らかにしていただくよう強く要望しているところです。
[読売新聞]
県政と関係あるかはさておきなんですが長嶋茂雄さんがお亡くなりになりましたが受け止めをお願いいたします。
【知事】
はい、私もネットニュースで長嶋茂雄さんが御逝去された報に接しました。私は直接お会いしたことないんですが、テレビの画面等で、また様々な報道等で選手時代の御活躍、また監督としての御活躍、さらには各界にいろいろな影響を与えられるスーパースターでいらっしゃいましたので、そういった御様子を拝見しておりました。あんなふうにバットが振れたらいいなとか、ああいうメッセージの発し方って面白いなということをこの20年、議員や政治家になって以降は感じたこともございます。いろいろな影響力のあった方でございますので、その御功績を偲び、謹んで御冥福をお祈りしたいと思います。また日本球界が長嶋さんはじめ多くの方が作っていただいたことをもとに、さらに輝くよう期待し、注目をしたいと思います。
[読売新聞]
知事は野球をされてましたか。
【知事】
私は小学校・中学校は、少年野球・部活動で野球をしておりました。右投げ右打ちですので長嶋さんと一緒です。サードを守ったこともありますが長嶋さんほど華麗な守備はできませんでした。
[読売新聞]
プロ野球で好きな球団はありますか。
【知事】
今はありませんが子どもの時は巨人帽をよく被っていましたね。
[京都新聞]
THEシガパークの企業フォーラムについて第1回目ということですが、企業との連携で公園の活用という意味では継続的に考えていくことが大事なのかなと思います。継続的に活動するためのプラットフォームのようなものをつくるなど、続けていくための取組で何か考えておられることはありますか。
【知事】
例えば先般も現地で報道説明させていただきましたが、近江富士花緑公園において企業の皆さんのお力添え等によって、遊具だとか環境整備が行えたということがございますし、その他の公園においても様々な話し合いや検討が行われているということでございますので私たちはこの可能性を感じているところです。企業の皆さんも仕組みがわかれば、もしくはそれが企業にとってより良い制度であれば、もっと参加したいのに、できるのにそういうお話もあるやに聞いておりますので、そういったことをみんなで共有できるような場があれば良いのではないかと担当者が考えてくれたのだと思います。おっしゃったように、継続はすごく大事だと思いますので1回で終わらず、またこういう場だけじゃなくて、プラットフォーム的なものがあればもっと思ったときに、問い合わせがしやすいということもあるのかもしれませんので、そういうことも含めてこの場でみんなで話し合えたらと思っています。
[京都新聞]
話が変わりますが、この後、漁協さんからアユ不漁に関して要望があるかと思います。今年も去年も不漁だったのですが今年も2年連続で記録的な不漁ということで、昨年は放流量を増やしたり、事業融資の資金の制度をつくったりという対策があったと思うのですが、もうすぐ議会もあり補正も組まれると思うのですが何か対応を考えてらっしゃることはありますでしょうか。
【知事】
この後、現場の事を最もよく知る漁協の皆さんから御要望、お話を伺うことになっておりますので、まずはそこでよく現況をお聞きしたいと思います。その上で、今年は去年もそうでしたけれども、特に今年は、例年を大きく下回る不良の状況続いてますのでどういう対策を講じていかなければいけないのか、視野に入ってくるのは人工河川での放流ということが当然選択肢としてある訳ですが、昨年も実施しました。そのことが産卵や増量に結びついていないとすれば、そのやり方を変えることも含めて現在検討中でございます。また、そもそも川と琵琶湖の関係、温度のこと、餌のこと、水草のこと、こういったことを総合的に少し研究・調査するような、こういうことも必要ではないかと思いますので、先般も経営会議で議論いたしましたが、どういう事をすればいいのかということも併せて考えていきたいと思います。
[京都新聞]
アユは琵琶湖漁業の中でも主要な資源だと思いますので部局横断的に取り組むチームをつくるようなことがあっても良いのかと思うのですが、分かりました、ありがとうございます。
[びわ湖放送]
京都新聞さんに引き続きアユの不漁についてなのですが、過去最低の不漁ということで、まずこのこと自体の知事の受け止めをいただいてもよろしいでしょうか。
【知事】
琵琶湖がどうなっているのか、そのことがアユにどのような影響を与えているのか、単なる不漁だけではなく、先般に共有した内容では、1月から3月に取れたアユが小型化しているという報告も受けていますので、栄養状態がどのような状態であるとか、親になった後の成長がどのように阻害されているのか等も調べていく必要があるのではないかと思います。
いずれにしても、琵琶湖固有種であるアユ、子アユのこういった状況については、琵琶湖の健康状態を確かめるためにもとても重要なことだと思っていますので、現場の方のお話を聞くと同時に、まさに部局横断で、総合力で調べて、手が打っていけるようにしていきたいと思います。
ただ自然のことですので、原因がどこにあるのかという見極めや対策を打ったことの効果等を図るのも大変難しい、あるいは時間のかかることなのかもしれませんので、何からやっていくのか、ということも含めて考えていきたいと思います。
[びわ湖放送]
本日、緊急要望で来られるということですが、県としてもこのことについて緊急事態、緊急生物案件と捉えているということでよろしいですか。
【知事】
緊急かつ重要課題だと受け止めています。春になったら増えるでしょうと年末言われてました。増えていません。4月になったら増えるでしょうと言われ、増えていません。5月になったら増えるかもと言われましたが、十分増えていませんので、どういったところに原因があるのかということをみんなで調べに行く努力はしたいと思います。
[朝日新聞]
THEシガパーク企業フォーラムについて、民間事業者との協働ということを初めて聞いたのですが、この民間事業者を交えるという、その意味はどのようなものでしょうか。
【知事】
まず公園は、公の広場、公の公園で誰でも利用できる場所として、私達は大切にしていますし、管理等にも勤しんでいるところでございますが、こういった公園をより良くするために、企業をはじめとする民間事業者の皆様方の御参画をどのように得ていけばいいのか、またその可能性があるのか、さらに探りたいという、このような公民連携という趣旨でよく使用させていただきます。
[朝日新聞]
県庁だけではなく企業も関わるということで、企業の関わるメリットやまた課題はどのようにお考えですか。
【知事】
例えば、ネーミングライツ等で公表されることが企業のイメージを高めたり、社会貢献の一助として、もしくは企業の従業員の皆様方、労働組合もそうかもしれませんが、応援してる公園だからということで、いろいろな管理やイベントに参加していただきやすいという、またそういったことを世に知らせていけるという、このようなメリットはあるのではないかと思いますし、ただ一方で、我々も公で管理しているものが、どこかの企業の皆様方が抱えていただく公園であるということをあまり強く打ち出し過ぎると、それで良いのかという議論等も惹起される可能性もあります。
琵琶湖側の湖岸緑地も今、有料化の社会実験させていただいておりますし、いろいろな連携方策の仕方があると思いますので、そういったところをみんなで探っていけたらと思っているのですが、メディアの皆さんからもいろいろな問題提起や検証をいただければと思います。
[日経新聞]
THEシガパークと企業との関わりについてですが、県として企業に期待していることは具体的に何かありますか。
【知事】
その方が進みやすいということであれば、我々のニーズのラインナップを揃えていく必要があると思うのですが、いろいろな関わり方があると思います。単に何か企業が事業を通じて得られた収益等から資金的な御力添えをいただくことも当然あるでしょうし、その見返りとしてネーミングライツとしてPRに使用いただくということもあるのかもしれませんし、どれぐらいの方が公園に来てどんな楽しみ方をされてるのか、というのは、我々もアナログな調査だけではなかなかわからないことがあるとすれば、企業の技術等を公園に導入していただいて、調べる、使う、というやり方もあるのかもしれませんし、遊具にしろ、安全管理にしろ、いろいろなノウハウ、テクノロジーを企業の方がお持ちだとすれば、それらを導入してPRするという方法もあるのかもしれません。あらゆる可能性は探りたいと思います。
[日経新聞]
企業の方とお話される中で、既に企業側が何か具体的なアイディアを持っているといったことはありますか。
【知事】
何か特定の企業様からアイディアを伺ったということはないのですが、これまでいろいろな取組を企業の皆さんと連携する過程で、例えば、もっと取組の情報を知れていたら、関われた可能性があったのではないかという御示唆をいただくことは多くありました。
[日経新聞]
THEシガパークは、滋賀県全体をあたかも大きな公園であるような形で外部に売り出していくものかと思うのですが、一方でTHEシガパーク企業フォーラムのパンフレットや知事の説明を聞くと、企業が個別の公園の整備等のハード面で関わっていくということも考えられ、今後、企業は、滋賀県全体を公園として実施するTHEシガパークの全体的な取組に関わってもらいたいのか、それとも個別の公園に対してハード面の整備等で関わってもらいたいのか、その点いかがでしょうか。
【知事】
両面あると思います。個別の公園を短期的により良くするためにどういう連携協力の仕方があるのかという問いかけもできるでしょうし、今まさにお尋ねいただいたように、滋賀県全体を琵琶湖も含めて公園に見立て、安らぎや憩いのために、過ごす環境をより良くするために、全体として企業とどう関われるのかという視点もあるのだと思います。
どこかの某新聞で滋賀県の人が相対的に長生きしているようだという記事がありましたが、公園とどのように関係しているのかといったことも含めて、このフォーラムでは、資金的な援助が必要なのか、様々な関わり方を提示してほしいなど、様々な御意見も出てくるのではないかと期待をしています。
[日経新聞]
このフォーラムの参加者は100名を定員としていますけども、参加を期待するのは企業関係者ですか。
【知事】
いろいろな方がいらっしゃって良いと思います。実は協議の中でも言ってたのですが、今回、県として実施させていただきますが、市町にも管理する公園や、いろいろな悩み、またいろいろな連携の種みたいなものがあるとすれば、市町の方の御参加があっても良いでしょうし、もし利用者の方で、フォーラムなどを見てみたい、聞いてみたいということがあれば、ぜひ御参加を歓迎したいと思います。
[日経新聞]
これは全国の中でも米どころとされている滋賀県の首長ということで、お尋ねしますが、小泉農林水産大臣が、選挙前ということもあり、5キロ2000円の備蓄米を出して、自民党の支持率も上がっているといった状況がある一方で、生産者としては、米の値段はこれまで不当に安かったにも関わらず、それらを人為的に下げるのは、我々の生活を侵害するものであるという意見もあります。
これまでの知事の政策を見ていると、県内で高く売れる米を正当な値段で高値をつける、そのために米の品質を高くする、あるいは、なるべくオーガニックなものを作って、それで新しい品種の米を作って、農家の所得を上げようとされています。
それらをふまえた上で、今の政府の対応や生産者の維持などについてどのように思われますか。
【知事】
まだどう思うのかという評価を全て申し上げるには早いのかなと思いますが、物価高騰が続いていく中で、主食であり、たくさん食べることの多い米の価格が高いより安い方が良いということであるとか、また安定的に供給して欲しいということに対して、応える方策として、備蓄米を安く店頭に並べられるということは、一定、消費者のニーズにかなうものではないかと思いますが、今おっしゃったように生産する側、生産者、供給する側の視点として、どう影響するのか、これで良いのかという視点とか、経済学を習った者からすると、供給と需要のバランスにおいて価格が決まり、かかる費用と乗せた付加価値で価格が変動するとすれば、そういったことにある意味、見えざる手のところに政治が関与、介入するとすれば、今後の米政策、価格政策が問われることになります。
ずっとこれをやり続けるのかという疑問に対して、昨日も国会等で水田政策そのものをもう1回考えるという方向性が示されていますので、その中でどういう議論がされるのかというのは注視していきたいと思います。
[日経新聞]
米をやはり1つのコモデティとして視ると、もちろん需要と供給で値段が決まって然るべきですが、一方、日本国民の主食であって、ある意味戦略物資であるわけです。そのため、どこかからそのマーケットに介入するというのも、それなりの理屈があり、そのあたりは知事も理解しておられるということですか。
【知事】
そこは理解いたします。食料安全保障の観点や、多くの方が買い、食べられる米、また価格の弾力性というのが比較的小さい商品であるがゆえに、これを公的にどのように見ていくのか、また公的に見るという時に、例えばそこに税金というものをどう導入するのかしないのか、という合意形成が図れるのかということもとても重要なテーマだと思いますので、こういったことは理解しつつ、持続的なものであるという観点からどのような方策があるのか、というのは一緒に考えていきたいと思います。
[中日新聞]
わたSHIGA国スポ・障スポおもてなしデザイン第2弾のやまなみ工房さんの作品を御覧になられた感想をお願いいたします。
【知事】
面白いと思いました。
先般、福井県での全国知事会にて、私達に1つ1つ頂いたネームプレートの形が恐竜の形で、1つ1つのパーツは都道府県の形を少しくっつけて全体のイメージをされるというものがあり、このようなデザインがあるのだと思っていたところだったので、こういう都道府県ゆかりの方をこのような形で並べて描いて、琵琶湖の形にするのはなかなかできないですし、デザインとしても見て綺麗で、探す楽しみ、喜びみたいなものを兼ね備えているところがとても良いと思います。
【中日新聞】
あくまで活用例ではあるとは思うのですが、封筒や資料袋など無料配布のものが多いと思うので、タオルやトートバッグにして、何かグッズとしても売れるのではないかという気がするのですが、そういったことは権利の都合上など難しいのでしょうか。
【知事】
おそらくこのように使わせていただくことで、今いただいたようなお声とか反応もあるのだと思います。
お菓子メーカーさんにいろいろなパッケージに年々使われて、好評を得られてるという事例もありますので、もし、中日新聞さんのどこか販路で、もしくは関わりの中で良い企業さん等があれば御紹介いただければ、繋いでみたいと思います。
[中日新聞]
国スポ・障スポ関連でチャッフィーの誕生日が6月13日で、キャッフィーの誕生日は結構盛大にお祝いされましたが、チャッフィーについては何か予定されていますか。
【知事】
ちょっとチャッフィーと相談してみたいと思います。最近、キャッフィーの皮膚も頑張りすぎて、ちょっとしおれてきているようなところもありますので、チャッフィーの誕生日も含めてどうお祝いして欲しいと希望するのか望むのか聞いてみたいと思います。
[時事通信社]
国スポ・障スポおもてなしデザイン第2弾についてお尋ねします。知事の説明と重なってしまうところもあるかもしれないのですが、今回のデザインは障害への理解を深めてもらうというきっかけで依頼をされたということで、前の中でもあの表現があるように、全国の人が滋賀県の方に来県するかと思いますが、アール・ブリュット作品を多数所蔵する滋賀県立美術館がある滋賀県としてこれらの2つの作品を始めとして、アール・ブリュット作品を発信するきっかけにもなるかと思うのですが、改めてそのどのような魅力を知ってもらいたいのか、気づいてもらいたいのかお考えをお願いします。
【知事】
私も知事になってからこのアール・ブリュット作品の個性や特性、こだわり、ある面では障害のある方々のこの作品の可能性を大いに感じています。長い時間をかけて、1つ1つの絵や線や色にこだわって作品を作る、また造形等をする、といったことから発せられる何かメッセージ、作りたいから作っている、描きたいから描いている、といった力はある意味、芸術の根源だと思うので、その根源を表現しているところをまず感じて欲しいし、楽しんでもらえたらと思います。その延長線上に作品、作家としての魅力や力、そういったことでご評価が伴うような形になれば嬉しいと思っています。
そして、多くの作家さんがいらっしゃったり、多くの作品を所蔵させていただいているというこの責任から、これらの可能性を皆さんに感じていただけるような機会作りや展示も含め、そういったことは実施していきたいと思います。その1つとしてこういった国スポ・障スポで作品をモチーフにデザインとして使わせていただくということもあるのではないかと思います。
[時事通信社]
今回の両作品の中で、知事のお気に入りのポイントはありますか。
【知事】
どの作品も琵琶湖を必ずデザインしていただいているところです。こちらが大変だと思います。いずれも琵琶湖のかたちを模しながら、これからお迎えする多くの都道府県の方を歓迎するようにこのようなことを表現できることは良いと思います