令和7年5月27日
(県政記者クラブ主催)
【知事】
おはようございます。今日もよろしくお願いいたします。週末、わたSHIGA輝く障スポ大会のリハーサル大会を県内各地で開催させていただきました。写真にもありますように、私もバレーボールや車いすバスケットボールの大会会場の視察に行きました。手話通訳もそうですし要約筆記など、情報保障等の面で多くのボランティアの皆さんが御参加いただいていましたし、障スポ大会の方は県が主体的にやるということですが、当該開催市町の職員の皆さんや、それぞれ競技団体の皆さんもとても多くの御参加をいただいておりました。また御家族や応援する方々も大勢いらっしゃいましたので、障スポ大会の大きな魅力、そして力というのを感じたところです。例えば、高校生のサポートスタッフも参加してくれていましたが、同じ競技種目でとても勉強になりましたというようなこととか、手話にしろ要約筆記にしろ、どういったところまでを要約したり、手話通訳したらいいのだろうというようなことでずいぶんみんなで議論をして考えていただいている様子で、当日荒天が予想され、風とか雨を心配していつ開催の可否を判断したらいいのだろうというようなことなども課題としてあったようですので、本番の大会に向けて今課題を整理して、対策を打つようにということを今朝の経営会議でも指示させていただいたところです。また、今年は滋賀大会ですが来年は青森に引き継いでいきますので、こういったことがより良い形で引き継いでいかれるよう、そういった県を超えた連携というのも模索していきたいというふうに思います。
関連いたしまして、7月1日「びわ湖の日」を中心とした清掃活動につきまして、今年は今も紹介した国スポ・障スポ大会もございますので、「おもてなし一斉清掃」として実施させていただきます。国スポの総合開会式の100日前となります6月20日金曜日には、主会場の平和堂HATOスタジアム周辺などで大会100日前のおもてなし一斉清掃を実施させていただきます。ぜひメディアの皆様方含めてですね、御覧いただいている多くの方々にこのおもてなし清掃に御参加いただければと存じます。毎年この時期のあたりで、10万人を超える、年によっては20万人近くの方が御参加いただく滋賀県恒例の行事、期間でもございますので、今年は特に奮っての御参加をよろしくお願いいたします。て、産業面での交流も動き出しておりまして「Tech Tour SHIGA」というものを通じまして、海外企業等に対して県内の視察先を御提案・調整するこの枠組みを通じて、既に万博のナショナルデーに合わせて来日された南米・ガイアナの政府・企業関係者、アフリカ・セネガルの政府・企業関係者が県内企業の視察もされたというふうに聞いております。また、明日は関西広域連合長としての面談ということにもなりますが、イル・ド・フランス州の議長をはじめ関係者の皆さんが御来県される予定でありますので、万博を更に充実したものにしていくということと共に、この機会をいかして様々な交流の機会をつくっていくことに取り組んでいきたいと思います。
話題変えまして、3点御紹介、御案内させていただきます。1点目は、関西国際空港と中国・湖南省長沙の直行便が再開しますということでございます。御案内の通り、滋賀県と中国・湖南省とは友好姉妹の県省協定を結んでいるところでございます。先日24日には、ドラゴンボート発祥の地である湖南省のベキラというところで国際ドラゴンボート大会が開催され、滋賀県から参加したチームが3位入賞とスポーツを通した国際友好交流も図れたのではないかと感じております。コロナ禍で運休となっていた関西国際空港と長沙国際空港を結ぶ直行便が6月から再開するという嬉しいお知らせが入りました。長沙国際空港は湖南省の省都・長沙市の空の玄関口であります。長沙市は人口1000万人を超える大都市でございまして、空港は市内中心部から1時間弱というアクセスの良さもございます。北京、上海などの中国国内での乗継が不要となり、約3時間半で関空と湖南省が直接繋がることになります。現状は5、6時間かかっているところが3時間半で繋がると。この好機を生かしまして、直行便再開を前に湖南省にある滋賀県の事務所であります誘客経済促進センターとびわこビジターズビューローが共同で明後日5月29日に県内事業者6社とともに、湖南省の旅行会社等に対しまして現地商談会も実施いたします。これは昨年度、誘客経済促進センターが、湖南省旅行社協会と情報発信、プロモーションを連携してやろうという覚書を結んだ成果の1つとして実施するものでございます。湖南省の旅行会社も20社御参加いただけるということですので、中国、また湖南省から滋賀県へのインバウンド旅行客の増加も期待をしているところです。この間コロナ禍の折にも、湖南省とウェブ交流会を20回近く開催してまいりました。こういったことを実際の誘客に、相互訪問を結び付けていけるよう取組を進めていきたいと思います。来てもらうだけではなく、行くこともぜひみんなでやっていきたいと思います。
続いての話題は、琵琶湖博物館とびわ湖大津プリンスホテルの連携によるコラボルームについてです。滋賀県とこのプリンスホテルを有していらっしゃる株式会社西武ホールディングス様との包括的連携協定に基づく取組でございまして、宿泊者に琵琶湖への関心を高めてもらい、来館促進に繋げることを目的に実施するものでございます。琵琶湖を望む客室にビワコオオナマズのぬいぐるみなど博物館のグッズの他、展示で使用しております丸子船やダルマガエルの模型、琵琶湖に関連した図鑑などを並べるということでございます。壁面は、琵琶湖に生息する魚のグラフィックの装飾を施していただき、ビワコオオナマズの特製ベッドスプレッドもあり、寝ても覚めても琵琶湖の魅力に浸れる空間となっているということでございます。本日、5月27日から販売開始となり、宿泊期間は7月12日から9月15日まで夏休みのファミリー層などに大阪・関西万博とセットで滋賀県を旅行していただけるようPRしていきたいと思います。琵琶湖のことを知ると琵琶湖博物館の楽しみ方もまた変わってくると、宿泊を通して琵琶湖、また滋賀県をもっと好きになってもらえたら嬉しいと思います。また既に御案内の通り、土日祝日にはびわ湖大津プリンスホテル近くのにおの浜と琵琶湖博物館があります烏丸半島を結ぶ定期航路も就航されておりますので、湖上交通を活用した観光振興もより一層進めてまいりたいと存じます。
最後になりますが、令和7年度の新たな取組でございます「若年層等確保・定着支援事業」、こちらを今月30日から開始いたしますというお知らせです。この制度は、人材不足がいろいろと指摘される中、県内中小企業等の人材の確保、人材の育成に繋げることを目的に、奨学金返還支援やスキルアップ支援に取り組む県内中小企業等を応援させていただくものです。奨学金返還支援による若者の経済的負担の軽減と、資格取得や研修等のスキルアップによるそれぞれの皆さんの成長や、企業での活躍に向けた支援の両面で取り組むことが、この滋賀県の事業の特色でもございます。奨学金返還支援につきましては、奨学金返済の負担軽減のために従業員に手当を支給する。または企業が従業員に代わって奨学金を返済する場合に、右側のスキルアップ支援につきましては、企業がDX、GXを進めるために従業員に資格を取得していただく、また手当等を支給する場合、または研修等に参加する従業員の代替職員を確保した場合などに補助を行うものです。いずれの支援ともに、補助率は2分の1。それぞれの補助金の額は資料記載の通りでございます。今月30日から受付を開始し、申請期限は12月26日までとさせていただいております。人材を確保、また定着させていただくためにあらゆることをしようという取組でございますので、既に御関心も一定あると伺っております。できるだけ早めの申し込みをしていただければと存じます。私からは以上です。
[京都新聞]
中国湖南省の直行便再開について、コロナ禍以降運休していたということなのですけれども、具体的にはいつからなかったのでしょうか。
[国際課]
運休していた時期について、こちらで確認しておりませんでしたので後ほど御回答させていただきます。
[京都新聞]
直行便があった時とコロナ禍以降の直近では、滋賀県を訪れられる中国の方の数というのはどういう状況なのでしょうか。
【知事】
中国からのインバウンドは、コロナ禍前の2019年が、宿泊者数の統計ですけれども、2019年が11万2000人余。そして、2024年が4万人余となっておりますので、約40%ということになっています。だからまだまだ回復していない状況ということです。
[京都新聞]
やはり友好都市であり親しみのあるところとの直行便が結ばれるということで、回復、増えていくというところが期待されるということでしょうか。
【知事】
これは大いに期待しています。やはり直行便があるということはより行き来しやすくなるということですし、湖南省・長沙市は内陸の主要都市の1つでもありますので、湖南省はもちろんその周辺都市から多くの方が来ていただけるように。また大事なことは来ていただくだけじゃなくて、こちらから行くということも大事だと思いますので、相互訪問を促進させていきたいと思います。
[京都新聞]
コロナ禍の間もウェブで交流されたということなので、そういったソフト面でのPRというのは一定されてきたと思うんですけれども、今回実際行かれて現地でということで、この商談会以外に何か関連する取組があるのかということと、今万博も開催中ですので、商談会でそういったところのPRもされるのでしょうか。
【知事】
おっしゃった通り、後段お尋ねのように今万博開催されておりますので、中国館も活況を呈しているということですし、そういったPRは当然させていただくことになります。また、今回のこの直行便が再開されるということを受けて、既にこれまでやってきた交流ではございますが、更なる交流促進に向けて、例えば訪中団、訪湘団派遣の予定もありますので、そういう調整のために既にスタッフも湖南省に行っていますので、こういう調整を進めていきたいというふうに思います。
[京都新聞]
若年層の奨学金返還支援について、県内で導入されている企業も増えていると思うのですが、今の県内の何か状況みたいなもので、どれぐらいのニーズがあるか数字等で把握されている部分というのはございますでしょうか。
【知事】
例えば奨学金返還支援について申し上げると、昨年の2月に県内の企業約1300社を対象にアンケート調査を実施いたしましたところ、162社から回答がございました。うち実施しているとされた社が11社、実施に向けて検討中とされた社が9社ということでございますので、答えていただいてない企業様を含め一定数、やはり奨学金返還を必要とする従業員に対する支援をする、もしくはする予定というところがあるのではないかなと思います。
[京都新聞]
今やっているところの応援という部分あれば、これを機に取り組もうというところの後押しみたいな意味もあるのでしょうか。
【知事】
当然あります。やはり、そういうことをすることで従業員もしくは若者の企業を選択する材料にもなればという思いもございますので、ぜひこの周知、PRには努めていきたいです。併せて、そういう支援だけではなくて、スキルアップをすることで本人の成長、またその企業、事業所での活躍にも結びつけていきたいという思いもお知らせできたらいいなと思っています。
[京都新聞]
東京都が熱中症対策で水道料金の基本料金を無償化するというような発表が先般あったと思います。なかなか財源にある程度余裕があるのかないのかわからないですが、思い切った施策だなと思いました。知事としてはどう受け止めていらっしゃいますでしょうか。
【知事】
東京都の自治、施策の検討の中でそういったことをお考えになってらっしゃるということだと思います。そのことに対して申し上げるつもりはないんですけれども、常々大都市と地方部、とりわけ東京都とそれ以外の道府県との財政格差の問題は全国知事会としても、例えば私は子ども・子育て政策推進本部長ですが、そういう中でも申し上げているところでございまして、財政の格差がナショナルミニマムの制度の格差に繋がることがないように、国における措置、もしくは必要な制度改善を求めているところでもございますので、そういったことはこれからもしっかり提起していきたいと思います。
[KBS]
これから6月に入りますと琵琶湖のレジャーのシーズンに入っていくということで、昨年も琵琶湖で水上バイクやカヤックなどのマリンスポーツの水難事故が複数回発生している中で、また飲酒をして操船する人も結構おられたということで、その辺の啓発も含め今後の対策を教えていただけたらと思います。
【知事】
大事なことだと思います。日本最大の湖、またとりわけ夏の期間は多くの方がマリンスポーツをお楽しみになる琵琶湖をお預かりしている県としても、このテーマはとても重視しております。ちなみに発生状況だけ見ると、今年、5月26日現在では16件発生しております。毎年どれぐらい発生しているかというと、令和2年から5年間で239件でございますので、40件から50件毎年起こるという状況です。やはり夏場は発生頻度、件数が多くなるということですので、県内外の方々に幅広く繰り返し周知をしていくということに努めていきたいと思います。特に昨年、酒気帯び操船の禁止を盛り込んだ滋賀県琵琶湖等水上安全条例を昨年7月に施行いたしましたので、酒酔いだけではなくて酒気帯び操船も駄目ですよという決まりになりました。こういったことを関係機関と合同啓発を実施いたしまして、例えば船舶免許の講習を実施していただく機関を通じてですとか、マリーナ等の皆さんにも御協力いただいて利用者への周知をさせていただくということや、滋賀県公安委員会が行う安全講習の機会においてもこの飲酒操船の禁止について呼びかけているところです。警察の皆さんとも協力してパトロールもこの時期重点強化いたしまして、見せる警戒と取り締まりを徹底しながら、安全に御利用いただくことを呼びかけていきたいと思います。この点、報道機関各位のお力も大変大きいと思いますので、御協力いただければ幸いでございます。
[共同通信]
関空と湖南省・長沙市の直行便再開について質問です。私も中国に住んでいたことがあったので嬉しいニュースだなと思うのですが、中国の湖南省と聞くと、やはり中国の中では比較的貧困率が高い地域ということも言われていて、インバウンドの誘客に向けてというところでどのような層にターゲットを絞っていくのかという点と、知事は先ほどこちらから行くこともしていきたいというふうに言われましたけれども、県民とか関西圏の人々にどういった湖南省の良さをアピールしていくのでしょうか。
【知事】
おっしゃった通り、関空と中国・湖南省長沙市との直行便が再開されれば、相互往来にとってとても大きなきっかけになります。まだまだ海外旅行、とりわけ日本旅行に目が向かない方々、経済的に所得的に届かない方々というのが一定数、また一定規模いらっしゃるのかもしれませんが、確実に中国も経済成長してこられ、海外旅行、日本旅行に強い関心を持たれる方というのも増えていると思います。これは私自身が中国に行ってプロモーション活動したときにも感じましたし、先ほど紹介したおよそ20回続けてきた、積み重ねてきたウェブの交流会などでも大変多くの方が御参加されて、次はリアルに行ってみたいという気持ちを示される方も多くいらっしゃったので、当然価格とか、時期にもよりますが、そういった方々に訴求できる、かつ具体的にこのように直行便を再開されたのでということがいえる状況になったことを大いに生かしていきたいと思います。また、こちらからも行くというのもとても大事だというのは、繰り返し私が申し上げていることです。とかく観光というと、インバウンドで来てもらう方、おもてなしする方にどうしても目が向きがちなのですが、こちらから行くこともとても大事だということで、先ほども申し上げた湖南省と滋賀県とが交流する訪問団、訪湘団。今年は訪湘、訪中することを予定して今準備を進めているところですし、中国湖南省の観光地の魅力などについてもまた滋賀県で御紹介するように、そういう機会を旅行会社やビューローの皆さんと協力してつくっていきたいと思います。
[びわ湖放送]
大阪・関西万博で大量発生してるユスリカの件ですが、吉村知事がアース製薬に協力要請したり、博覧会協会が対策本部を設置されたりという報道がありますが、結局殺虫剤でということで、滋賀県でいうとびわこ虫もユスリカの一種で、万博自体が「いのち輝く未来社会のデザイン」ということで命がテーマになっていると思うのですが、滋賀県知事として、関西広域連合の連合長として現在の対策について思われることをお聞かせいただきたいです。
【知事】
ユスリカが大量発生しているという状況になってから、まだ私は現地で見てませんので、状況は吉村知事や博覧会協会にも確認してみたいなと思いますが、ユスリカも万博見たいんでしょう。それぐらいであんまり騒ぎすぎるのもどうかなと思いますよ。ただ、びわこ虫とこの時期一緒に暮らす滋賀県民とは違って、慣れてらっしゃらない方、戸惑う方も多いとすれば、どういう対策をとっていくのかというのは一緒に考えていきたいと思いますね。
[びわ湖放送]
実際に殺虫剤を使われるとか、提供されたという話も報道で聞くのですが、それに対して知事が何かおっしゃったということはありますか。
【知事】
ありません。皆さんもそうですし私もそうですが蚊取り線香をたいたり、何か虫が発生したときに殺虫剤を使わせていただくということもあるんでしょう。ただ万博の会場で、屋外でそういったものがこの時期どうしても大量に出るユスリカ等にどう効果があるのか、影響するのかということについては協会も考えられるでしょうから、その状況は滋賀県での経験もまた共有させていただけることがあるとすれば、議論、共有していきたいと思います。
[びわ湖放送]
SNSでも賛否両論あるという話も聞くのですが、滋賀県は昔からびわこ虫とともにあって、知事も前の会見の際に、例えば魚の餌になったりであったりとか、そういったお話もされていたと思うので、滋賀県だからこそ言えることもあるのかなと思うのですが、その辺りいかがでしょうか。
【知事】
こういう質問が出るかもしれませんということでいろいろスタッフが書いてくれてるのですけど、なかなか難しい用語も多くてですね。「オオユスリカ」や「アカムシユスリカ」とか、琵琶湖には172種のユスリカがいるとかですね。どんな違いがあるのか私はよくわからないのですが、どうしてもこの時期多くのユスリカが発生するということなんだと思います。幼虫のときに、水生動物のエサになるとか、生態系の中でのいろいろな営み、連鎖というのもあるんだと思います。私はそうやって少しユスリカとの共生ということも申し上げましたが、琵琶湖岸にお住まいの方、とりわけマンション等にお住まいの方は窓も開けられないくらいユスリカが来るんだということで随分困られてる方もいらっしゃることは事実なので、状況を見て、どういう対策が必要なのか、また共生策をつくることができるのか。比較的身近に暮らしている滋賀県民ならではの発信ができたらいいなと思います。
[NHK]
コメの件ですが、小泉大臣が5キロ2000円台を目指すということで、昨日も備蓄米の随意契約についての詳細が発表されました。一方でコメ価格は高騰しているので対策が必要なのかな、各地に影響が出てるのかなと思うのですが、現状と今回の国の政策についてどう考えてらっしゃるかお願いいたします。
【知事】
主食、日々多くいただくお米というものの値段、価格がこの間上がってきている、5キロで4000円を超えてきていると。また数量もなかなか買いたいっていうときに買いたい量を買える状況にはないということに対する多くの方々の御不安や御心配、こういうのに応えようということで政府が手を打って、価格も2000円、備蓄米の随意契約による放出ということを今打ち出されていますのである意味では注目もし、そして期待もしているところです。ただ、既に報道等でも言われていますが、このやり方、また結果等については十分検証することも必要なのではないかと思います。例えば公平性の観点でどうなのかと。年間1万トン以上の取り扱いをされている業者に線引きをされてるようですが、そういったことが公平性の観点でどうなのかという視点とか、あとは持続性ですね。備蓄米の放出、古いお米のこういった取り扱いということですけど、どれぐらい続くのかということ。そして波及性ですね。価格を下げるためにやった施策だと思われますが、このことが他の、例えばこれから出てくる新米にどういう影響を与えるのか。またブランド米にどういう影響を与えるのか。消費段階で安くても、生産段階でかかる費用との見合いがありますので、そういうものをどう見ていくのかということを、縦と横の波及性というのは我々生産県としてもとても重視しているところですので、ただ一時的に安ければいいということだけではないことを政府はどのように考えて説明していかれるのかということも含めて注視していきたいと思います。
[NHK]
近畿農政局の発表を見ると作付面積は増えていて非常に増産対応は整っているということなんですが、一方で価格が下がらないことに対して消費者からすれば、どうしてだろう、なぜだろうという不信、不安が広がっているのが現状かなと思うのですが、知事が従来おっしゃっている米のトレーサビリティみたいなところとか、まず県としてできることというのはどういうところにあると考えられているでしょうか。
【知事】
まず県としても、全国有数の近畿の中でもトップクラスの生産県として、生産数量を上げていく取組というのは令和7年産米に対しても行っていまして、昨年は14万1700トンということでしたけれども、今年は14万8000トンを目指して、今生産者の皆さんが頑張っていただいてるということです。ただこれは目標として定めましたけれども、実際の生育によって、気候等の影響によってどれぐらいお米が収穫できるのかにもよりますので、確実に植えたものがとれる、目標とするものがとれる、こういう状況をつくり出すのがまず1つですし、かねてからお米が一体どこで買われ、どう流通し、どう消費者に届くのか。また今年のものだけじゃなくて古いものも含めて海外のものも含めてどうやって入ってくるのか、出回るのかという、この点が非常にわかりにくいという情報のギャップがございましたので、まず滋賀県としてこの近江米の生産、流通、販売のトレーサビリティをもう1回今日段階確かめて、そしてブランドが守られるとか、生産者に適正な価格で反映されるとか、支払われるとか、あと消費者も高すぎない価格で安定的に買うことができるという体制をこれから確立できるようにしていきたいというふうに思っています。
[NHK]
昨日、超党派の国会議員の方々と子育てについて御意見を交換されたと聞いているんですが、その後、会見をされて会談の内容を聞いたときに体験格差が非常に話題になったということで「しがのこどものなつやすみ」に非常に関心を示されたということをお聞きしたのですが、夏休みの体験格差を是正するこの県の取組というのはどれぐらい進んでいて、どのようなものになりそうなのでしょうか。
【知事】
昨日、超党派の子ども政策頑張ってやっていただいてる議員の皆さんと1時間懇談した機会は私たちにとってもとても有意義で、これからの政策づくりに繋げたいと思った機会でもございました。とりわけ冒頭、細野議員からの学校入学時にかかる費用の問題とか、あと学童保育、特に夏休み等の長期休暇の間に子どもたちが過ごす環境、またその間行える体験のことについて言及がございましたので、私の方から今年度「しがのこどものなつやすみ」という、そういう取組をやろうとしてますということを紹介したところ、今おっしゃったようにとても強い御関心を示されたということでございます。来月、夏休みを少し前にした段階に「しがのこどものなつやすみ」にどういうメニューを用意できているのかということを紹介する機会をつくろうということで、今いろいろな内容を整理させていただいております。いずれにしても、この夏休みという期間に得られること、遊ぶことも含めて感じられることって、皆さんもそうですけど、とっても大きいので、将来にとってもいろんな影響を与えるので、その間の体験が広がるように、充実するようにあらゆる分野の施策を集めようという趣旨で今回挑戦しようとしてますので、当然なかなか家庭の事情で、経済的な理由で行けない、楽しめないんだという子どもたちにもそういう機会が得られるよう、受けられるようにしたいなという、そういう趣旨で今準備をさせていただき、改めて御紹介します。
[日本経済新聞]
関西広域連合長としてお聞きすることになると思いますが、万博について全体で一般入場者数が400万人を超えて、関西パビリオンは30万人をこの間超えて10分の1未満ぐらいですが、このあたりの数字はどうでしょう。こんなもんかなという感じか、あるいはもうちょっと増えてもいいかなという、そういった感想はありますか。
【知事】
今週関西広域連合の会合がありますので、そこで直近の状況を共有した上で議論することにしています。おかげさまで、現時点、概ね、ある面では予想を超えて、多くの方が来られている好評な状況、結果ではないかなと思っています。ただ前も言ったかもしれませんが、まだまだお楽しみいただける状況をつくれるのではないかということとか、あと来ていただいた方の満足度をどのように上げるのかということと、元々この関西パビリオンはゲートウェイにしたいということを申し上げていましたので、どれぐらいこの関西パビリオンを見て関西各地を周遊したり、訪問したりしてくださってるのかということを、これからどう見ていくのか。この3つは考えていく必要があるのではないかなと思っています。
[日本経済新聞]
今おっしゃった3つのことは、やはり追跡調査しないとよくわからないですよね。
【知事】
おっしゃる通りで、特に最後に申し上げたゲートウェイでどうなっているのかということ等は、どうやってそのデータを取るのかということもとても重要ですので、一定の前提を置いて、もしくはウェブ、SNS等でMaaSなどを使って来られた方をどう取れるか取れないのか、若干定性的になるのかもしれませんが、アンケート等でどのように取るのか取れないのか、そういう手法も含めて考えていく必要があると思います。
[日本経済新聞]
関西パビリオンの中では人気の差というか、特に人気の館というのははっきりわかれているのでしょうか。
【知事】
どこの県のブースがどれぐらいの人数、どういう状況というのを全て今日時点で持てているわけではないのですが、直近聞いておりますところ、いつも列をなしてお待ちいただく方が多いブースは、鳥取県とか恐竜のいる福井県があるやに聞いてます。滋賀県も負けず劣らず、その両県にはとても及びませんけれども、とてもいい映像、そして球体のキネティック・ライト・ビジョンで楽しめるという、そういう御好評で、比較的多くの方がお越しいただいている状況だと聞いています。
[日本経済新聞]
1週間ぐらい前、吉村知事が夜間の営業時間延長というのを言って、非常に唐突な感じを受けたんですけれども、事前に他の知事の方々に相談があったのでしょうか。それとも何か彼の独断で言い始めたのでしょうか。
【知事】
何かもう少し伸ばして営業できるようにということの事前の相談があったわけではありません。これから博覧会協会を含め、議論され決定されていく事項だと思います。もう既にいろいろな方が、しかるべき方々がそれぞれコメントを出されていますが、当然期間を延ばそうと思うと人件費を含めてかかる費用もありますので、そういったことをその主催者としてどう見るのか。また働く人たちのこともございますので、そういう観点での体制がとれるのか。当然安全のことも含めてになると思いますので、その辺りを踏まえて議論、決定されることではないかなと思います。
[日本経済新聞]
中国と関空の話について、滋賀県から向こうに行って現地商談会で参加する6社。これはどうやって選んだのでしょうか。推薦ですか、それともこっちから指名したのでしょうか。
【知事】
どういう過程で参加される企業を選ばれたのかというのは、私も承知をしておりません。主催が県の誘客経済促進センター、そしてびわこビジターズビューローの海外誘客部ということですので、それぞれの部会もビューローにはございますので、その中でお声掛けがあったのではないかと思います。
[日本経済新聞]
株式会社きゅうべえは本社が京都の会社ですよね。ただ大津港でレンタルサイクルをやっているから、多分そういう絡みなんだと思いますが、要するに向こうに行って旅行会社の人に売り込んで、旅行会社の人に何かパッケージツアー組んでくださいよといった話をするわけですよね。
【知事】
という要素もあるでしょうし、やはり例えば松喜屋さんにしろ、元三フードさんもそうですけど、近江牛、こちらで美味しいものを食べられるという訴求ですとか、雄山荘さんは早くからこういった中国旅行者に対するいろいろなサービスの御案内等、精力的にされてますしそういったこともあるのではないかと思います。琵琶湖汽船のクルーズなどは大変湖南省でも喜ばれると思いますので、そういう要素も加味しての選択ではないかなと思います。
[日本経済新聞]
琵琶湖博物館とプリンスホテルのコラボについて、これはLAGOクルーズの支援策でもあるのでしょうか。
【知事】
何か特定の、たねやさんの、LAGOさんのということよりも、目の前に琵琶湖がどんと広がっていますので、かつ見て楽しむだけではなくて、食して楽しむだけではなくて、博物館等で深く生き物のこととか暮らしとの関わりのことを知れると、より一層興味も湧きますので、そういう視点の層にこういう機会が与えられたらということだと思います。
[日本経済新聞]
たねやは関係なくて、におの浜、つまりプリンスの前のところから琵琶湖博物館まで行くルートを紹介したんですよね。
【知事】
はい。先ほども御紹介した土日祝日ですけど、プリンスホテルの近くの桟橋から大津港や雄琴温泉、琵琶湖博物館の近くの桟橋に定期航路も出てますので、より行きやすくなったということもあわせて紹介できれば、特に夏休み御家族連れで来ていただく方の楽しみも増えるのではないかなと思います。
[日本経済新聞]
面白い試みだと思うのですが、これは1部屋だけですよね。
【知事】
まず1部屋でやってみてということです。
[日本経済新聞]
ロビーとかに置いた方が何か訴求効果があるのではないかと思いました。要するに、予約した1組しかわからなくて、他の人誰もわからないですよね。それを見て博物館にも行ってくださいということであれば、やはりもう少し多くの人に訴求するような工夫をしてもいいのかなという気はします。
【知事】
おかげさまで琵琶湖博物館は昨年50万人を久しぶりに突破するという好評を博してますし、私も聞いてびっくりしているのは、意外にこのビワコオオナマズ。ぬいぐるみもたくさんありますけど、結構かわいくて人気で、特にぬいぐるみは大きくてふさふさしてて、抱き枕にもいいんだとか。いろいろ密かな人気も集め始めているみたいなので、これからどういう展開を図るのか考えていきたいと思います。
[毎日新聞]
知事もおっしゃったように滋賀県は米どころと思うのですが、知事は支援者からお米をもらわれたことはありますか。
【知事】
あります。
[毎日新聞]
倉庫にいっぱいになるぐらいぐらいでしょうか。
【知事】
そんなにないです。当然多くは買ってます。行くたびに米売り場行って、どれぐらいの価格なのか、先般も、竜王町の70周年の式典の後アグリパーク竜王に行ったら、5キロで3400円。ただ数量限定、1家族1袋限定という売り方でやってますということでしたし、常に気にしながら、私自身も買い求めながらやっていますが、いろいろな方がいらっしゃって、こういう米つくってるから1回食べてみてくれとか、魚のゆりかご水田でこんなのできたしちょっと食べてみてくれとか、そういう形でいただくことが多いです。
[中日新聞]
万博の営業時間延長に関して、博覧会国際事務局からの御提案だったかと思うのですが、知事としてはこれに関しては賛成、反対でいうとどんな感じでしょうか。
【知事】
どういう体制でその延長ができるのかというのは聞いてみたいなと思います。私はまだ夜の時間の万博に行ったことがないので、ただこれから暑くなって、夕方からとか夜の時間帯の楽しみ方というのがいいのではないかという方が多いので、そういうことには一定貢献できるのではないかなと思いますが、終電の時間とか、特にスタッフの皆さんが大変ではないかなと思います。だからこのあたりどうなるのか、パビリオンや食べるところもどれぐらい開けられるのか開けられないのか、そういったところは見てみたいなと思います。
[中日新聞]
県立高専について、先生の追加公募というのがあったかと思います。追加と聞くとなかなか上手く集まってないのかなという印象を受けるのですが、準備状況、先生の集まり状況も含めて、順調という感じでしょうか。
【知事】
まず、県立高等専門学校の準備はおかげさまで順調に進めることができています。用地の造成工事もそうですし、開設準備体制、これはスタッフを揃え集めることも含めて、既に校長予定者ということで北村先生に御就任いただき、認可申請に向けてのカリキュラムづくりは当然先生方が必要ですので、コアになる先生の採用、募集も終わっていますのでそういう意味で順調です。ただ、学校で教育をする先生の体制をしっかりとつくっていくということが必要ですので、追加というよりも、次の募集、またこの時点での募集ということをかけさせていただいている段階です。
[読売新聞]
ユスリカについて、万博会場で発生した命の1つ、ユスリカを封じ込めるということについて知事はどのように受け止めていますか。
【知事】
まずどれぐらい発生してるのかというのは1回見たいと思います。写真、映像で見ると、ひとところにわっといるような、そういう印象は持ちますが、滋賀県の琵琶湖の状況からすると比較してどうなのかということとか、ユスリカも生き物ですので、この時期どうしても出ますので、もうちょっとみんなでユスリカの命も考えながら、未来のことを考えてもいいのではないかなというのは滋賀県知事としては思います。
[読売新聞]
滋賀県のホームページではユスリカの対策について、「季節の風物詩だと思って温かく見守ってあげてください」と書いてありますが、さっきおっしゃった滋賀県ならではの発信というのは、どういうことを発信していきたいですか。
【知事】
そのホームページは私も一言一句調べているわけではないのですが、滋賀県らしい言い方だなと思って今聞きました。たださっきも申し上げたとおり、琵琶湖岸でお住まいの方、時期によっては、場所によっては、多く来て窓も開けられない、困ったんだという方も多いので、そういった方々に対策等適切にお知らせするということは必要だと思いますが、やはり根本にあるのは、この時期、気温によっては、場所によっては出てくるこのユスリカの命のことも考えて、どう共生するのかということをみんなで議論していけたらいいなと、滋賀県知事としては思います。