令和7年4月15日
(県政記者クラブ主催)
先ほど和歌山県の岸本知事が御逝去されたという報に接しました。痛惜の念に堪えません。痛恨の極みです。私にとっては同じ政党の国会議員でいらっしゃいましたし、年齢は私よりも上で様々な御経験をお持ちで、兄貴分的な存在、また良き理解者、そして関西広域連合の一員として、一緒にこの自治の進展に努力をしていた仲間でありましたので、本当に悲しい思いです。まだ報に接したばっかりですので言葉はそんなに出ないのですが、心から御冥福をお祈り申し上げたいと存じます。
山火事については、既に様々な状況等を報告させていただいておりますが、週末、大津市の湖南アルプスで林野火災が発生し、対応いたしました。私は大阪・関西万博出張中でしたので、防災危機管理監と連絡を取り合いながら、対応を行ってきました。不幸中の幸いで、人的被害、建物被害はありませんでしたが、隣県の防災ヘリを出動いただくなど、御協力もいただきましたし、消防関係者の皆様は現場で御対応をいただきました。心から感謝申し上げたいと存じます。なお昨日、鎮火の確認をいたしまして、その報告を受けたところでございます。今回の対応をよく検証し、今後の対応強化に結びつけていこうということを指示させていただいております。
週末13日に、大阪・関西万博が開幕いたしました。その前日12日には、天皇皇后両陛下、秋篠宮皇嗣御夫妻御臨席のもと開会式が行われ、私も出席させていただきました。13日には招かれ、中国パビリオンならびにインドネシアパビリオンの開館式にも参列させていただきました。既に報道されていますが、初日は12万人近くの方が御来場されたということでございまして、関西パビリオンには約3700名、うち滋賀県ブースには、これまだ速報値ですが、約1200人、中で投影しております映像も大変熱心に御覧いただいたと聞いております。これから180日間余り開催されますので、より多くの方にお越しいただき、また様々な魅力等を御紹介するとともに、滋賀県への誘い、様々な出会いの結び付け、子ども招待、より充実したものになるように努めてまいりたいと存じます。
また、わたSHIGA輝く国スポ・障スポ、週末にはデモンストレーションスポーツの第1弾、近江八幡市西の湖周辺でのウォーキングイベントも開催されました。約300名の方がウォーキングを楽しまれた。ちょっとこの日、JRのいろいろな運休等もあって現場では御苦労されたと聞いておりますが、良いお天気で楽しくイベントができたということでございます。
今週末、20日日曜日には大津市で炬火イベント「Otsu Dream Festival」も開催されるということでございます。この国スポ・障スポの炬火というのは、オリンピックの聖火に当たるものでございまして、この実物がこちら。本番でも使わせていただくこのトーチは、彦根仏壇の色漆と東近江の木地師の技術を用いてつくられているということでございまして、採火した火を灯す炬火受皿は信楽焼で制作。こちらは19市町の子どもたちの力作で装飾もしていただいているということでございます。20日のイベントは、ディズニーパレードも実施されるということで、今後、各市町でこういったイベントが次々と開催されると。そして、19市町で採火された火を9月28日の総合開会式で1つに集めて、炬火台に点火いたします。国スポの総合開会式、障スポの開会式で、炬火走者と一緒に走ってくれる子どもたちを今募集中でございます。式典の炬火入場・点火の場面で、この炬火トーチを持った走者と炬火台まで一緒に走って点火を見守る貴重な経験になると思いますので、御応募いただければと存じます。
また、話題変えますが、ニカラグアの「うみのこ」についてでございます。配布資料もお手元にあろうかと思いますが、昨年11月にJICAの草の根技術協力事業地域活性型というものに提案させていただいておりました、ニカラグア共和国への支援が採択されました。ニカラグアのマナグア湖という湖では、生活排水等による汚染が課題となる中、滋賀県の「うみのこ」をモデルにした環境学習が2021年から実施されております。ニカラグア版「UMINOKO(うみのこ)」では、教育コンテンツの不足、指導者の育成確保等に課題があるとのことで、これまでから滋賀県への連携や協力の御依頼があったところでございます。昨年12月の世界湖沼の日制定を契機として、各国が力を合わせて湖沼を持続可能な形で保全していこうということになっておりますので、その先駆けとなる事例としてニカラグアの「うみのこ」の取組に今後も御注目いただければと存じますし、今調べている限り、万博のナショナルデーにニカラグアは見当たらないのですが、御来訪いただけるのであれば、そういった交流なども探っていきたいと考えております。
トランプ関税につきまして、相互関税が90日間一時停止されるとの発表もございました。この1週間も様々な動きがあり、国では日米両国間で協議も開始されると聞いております。県として情報収集を進めており、先週末時点で県内の特別相談窓口等における相談件数は、数件程度と聞いておりまして、皆さんも鋭意情報収集され、様々な御対応をされている状況ではないかと思料いたします。今後の相談の参考になるよう、県のホームページの中に特設ページを開設いたしまして、今年度既に予算化し事業をスタートさせております経営の下支えですとか、稼ぐ力の強化ですとか、様々な事業など御紹介させていただいております。こういう時だからこそ、地に足をつけて付加価値を付けたり、生産性の向上をしたり、取り組まれる企業様を応援していきたいと考えているところでございます。今後も状況を注視しながら、対応等を機動的に行えるよう準備してまいります。
資料に基づいて、今日は3つ簡単に御紹介させていただきます。1つ目は、本県の地場産業の1つである湖東麻織物についてでございます。湖東地域、この産地の伝統的な技術とストリートカルチャーを融合した、新たなブランディング、蒟蒻麻絲に取り組み、県の東北部工業技術センターも技術支援を行ってTシャツが完成いたしました。糸1本1本に湖東産地の伝統的な技術であるこんにゃく糊付け加工がされておりまして、とても肌触りもいいと。また、体温で色が変わる染料によって染め上げられておりまして、見た目はもちろん、生地の細部にもこだわったTシャツだと。産地がこのTシャツを開発されるにあたりまして、県の東北部工業技術センターでは、技術的な支援を行ってまいりました。例えば麻は、従来編むことができなかった、織るしかできなかったそうでございますが、それを編むことができるように細く、柔らかい素材に変えていく。それを機械で編んでいくという工夫等を繰り返し試行しながらつくってきた結果、編むことが難しい麻糸が編めるようになったということでございます。プロモーション動画があるそうですので、ぜひご覧ください。
(動画再生)
万博にも持っていこうということで準備をしています。
続いて、第20回世界湖沼会議が7月21日から25日にオーストラリア・ブリスベンで開催されます。この湖沼会議は、昨年12月に国連で世界湖沼の日が制定されてから初めての開催となります。滋賀県といたしましても、この会議に出席、参加いたしまして、琵琶湖の取組を発信させていただくとともに、国際的な湖沼環境改善、保全に向けた連携の呼びかけを行う予定です。今回初めて現地に高校生を派遣することといたしました。次世代リーダーを育成していきたいと思います。現地で取組発表等を行っていただく高校生を公募いたします。ぜひ奮って御参加いただければと存じます。併せて多くの方に会議に御参加いただけるよう、会議登録費用の一部の補助を行う予定です。この後、担当から御説明させていただきます。知事、副知事、どういう体制で、現地で参加するのかということについては現在調整中でございます。
最後、話題提供ですが、職員の再採用制度、キャリアリターン制度の対象を拡大しますという御案内でございます。どの都道府県もそうなのかもしれませんが、滋賀県においても職員採用試験の受験者数が減少するとともに、中途で退職する方も増えております。持続的かつ安定的な県政運営を行っていく上で、人材確保が大きな課題でございます。したがって、滋賀県を離職された後に、いろんな御経験されると思うのですが、例えば民間企業等で培われた御経験等も県政に生かして即戦力として活躍してもらえたらということで対象範囲等を拡大いたしました。まず1点目は、再採用の対象者の条件を以前は介護等によるという退職事由に限定しておりましたが、その退職事由を問わない。また、対象期間の要件を撤廃する。2点目は、再採用する際、退職時以下の職階で採用することとし、ケースによっては係長や管理職で再採用することも可能になる。以下というので、同じ位でも、再採用すると。ここは少し検討しようと言っています。さらに改善しようと。人によるのではないかと。規則があるなら変えてもらおうということを今、協議しているところです。3点目、通年で試験を実施することとし、合格者の都合に合わせて採用日を決定いたします。明日4月16日の正午からホームページ上で募集を開始いたしますので、ぜひ琵琶湖をお預かりする、そして「琵琶湖とくらしを守る」、「三方よしで笑顔を広げる」、「豊かな未来をともにつくる」パーパスを実践しようとする滋賀県で、一緒に再び仕事ができることを楽しみにしております。
私からは以上でございます。
[京都新聞]
今しがた御説明いただいた再採用制度について、この制度自体は平成31年4月から始められたということで、これまでの実績は何人ぐらいの方が採用されているのでしょうか。
【知事】
再採用制度のこれまでの実績は1人です。
[京都新聞]
今回対象を拡大するというところの狙いといいますか、何年間かやられてこういう課題が見えてきたから、こういうふうにしたというようなところはあるのでしょうか。
【知事】
やはり先ほども御説明申し上げたように、職員の確保ということにずいぶん苦労するようになってきたということがあります。したがって、窓口範囲を広げて、かつ経験のある方、1回県を離れてもいろいろな御経験され、能力が一定おありの方は再び戻って仕事をしていただくこともやろうではないかということで検討した結果であります。しかし、これまでの制度は、退職したときの事由、理由が限定されていたとか、離職する期間が10年以内ということとか、選考時期が1月から2月ということだったので、こういうことを変えて、広く柔軟にすることで門戸をより広げたということです。
[京都新聞]
採用が難しくなっている、職員の確保が難しくなっているというのは全国的に、いろいろ人手不足の中で各産業ともに人材の確保というのは大変になっていると思うのですが、そういった就職の状況を反映してということなのでしょうか。
【知事】
いろいろな状況、理由があろうかと思います。全体的に人が減ってきているということもあるでしょうし、民間部門が好調で、また給料が非常に良くてそういったところに流れるとか。同じ公務員でも国家公務員へ流れ、辞退されるとかですね。いろいろな理由がありますので、1つ1つ克服しながら、また滋賀県は滋賀県らしい魅力もやりがいもPRしながら、こういう制度も活用して、より多くの方にチャレンジしていただけるようにしたいなと思います。
[京都新聞]
かつて働いていた方に戻ってきてもらう、そしてまた再び働いてもらうということが県にとってどういう力になっていくと考えて、こういう制度を運営されるのでしょうか。
【知事】
基本今の職員は辞めていない職員なので、辞めたことがない職員が多いと思うので、そういう経験というのはあまりないのかもしれませんが、1度は公務員を志し一緒に働いて、そしていろいろな事由、理由等で辞めて、別のところで経験して、やはり滋賀県こんな制度を広げるならもう1回滋賀県で働いてみようかなと思う。そのときにはその間辞めていたときに培われた経験というのも生かされるでしょうし、また違ったモチベーション、志で仕事ができることもあるのかもしれません。皆様もそうだと思いますが、離れてみてわかる魅力はあると思います。そういったところをぜひ組織内で調整してもらえたらいいなと思っています。
[京都新聞]
万博について、開幕初日にも行かれたということですが、初日は結構人がたくさん来られて、出入りが結構混雑したりですとか、運営の上では難しい部分も見えてきたかと思います。そのあたり、万博の初動についての御感想というのはどうでしょう。
【知事】
まず初日、私も万博会場に9時前から昼の3時過ぎぐらいまでおりました。大変多くの方が来られていました。各国、各企業のパビリオン展示出展等も、関西パビリオンもそうですが、非常に趣向を凝らして、国によってはその国の最先端の物々をいろいろな工夫技術を生かして紹介しようという魅力にあふれていたのではないのかなと思いました。私はこのインドネシアのパビリオン、中国のパビリオンを見させていただきましたし、午後はガス協会のパビリオン、そして高島市出身の石黒さんのやられているシグネチャーパビリオン「いのちの未来」、アンドロイドの展示等も見させていただきました。どのパビリオンもとても興味深かったです。関西パビリオンも大変多くの方で賑わっており、滋賀県ブースの映像も待つ人が列をつくってお待ちいただくということがございましたので、こういったものはとても楽しみだなと思いました。これからいろいろな交流ができる、いろいろな学びができるのだろうなと思いました。しかし、長蛇の列ですとか、待たない万博にしようと言いながら、たくさん待たないといけないとか。予約について、皆様もされている、私もしていますけど、なかなか難しいと思います。この困難さとか、あと荒天時、天気が荒れたときの待つスペース、座るスペース、食べるスペースの少なさ。こういうことが課題になったのではないかと思います。早速、博覧会協会でもその改善策等、検討されているようですし、一部呼びかけ等もされております。Wi-Fiのいろいろな強化等ですね。こういったことはこれから課題は克服し、可能性はどんどん広げていけるように、我々も努めていきたいなと思います。
[京都新聞]
博覧会協会ということで、知事御自身も副会長をされていると思うので、御自身としても改善というのを強く働きかけていかれるということでしょうか。
【知事】
私自身もいろいろなお声を聞きますので、そういうものを改善に繋げられるよう、必要な提言はしていきたいと思いますし、来週、関西広域連合の会合をやりますので、関西パビリオンとしてどういう改善が必要なのかということも考えていきたいと思います。
[KBS]
先ほど再採用制度の話もあったのですが、先日、兵庫県庁の新規採用の辞退率が46パーセントになったことが報じられまして、いろいろな原因があると思うのですが、現状、滋賀県庁の新規採用の辞退率がどうなのかということ、またその数字をどのように受け止められているのかというのをちょっとお話いただけたらと思います。
【知事】
県庁の職員の内定辞退率、この3年間、令和4年度が18パーセント、令和5年度が23.2パーセント、令和6年度が27.7パーセントとなっています。理由は、国家公務員への就職というのが最多でございます。合格されてから内定を受けられて、入庁されるまでの間、様々なフォロー等、合格者の説明会を開催するとかしておりますが、さらにどういう取組をすべきなのかというのを現在探っているところです。昨年度からは辞退された方にアンケート調査を、どういう理由で辞められましたかというそういうお声を聞かせていただいて、さらにどういう取組をしたらいいのかというのを考えているところです。しかし、基本的には来るもの拒まず去るもの追わず、魅力的な滋賀県庁、滋賀県をつくろうということに努力したいと思います。
[中日新聞]
冒頭ありました岸本知事の死去に関して、三日月知事が最後にお会いしたのはいつになるのでしょうか。万博の開幕日ではないでしょうか。
【知事】
万博の開幕日は会っていません。ニアミスで、これから来られるとかさっきまでおられたとかというところはいっぱいあったのですが。12日の開会式も同じ会場内にはいたと思うのですが、暗くて広くて多くて会えなかったです。
[中日新聞]
ニカラグアの草の根技術支援について、知事としてどういったことを期待されるかというのを教えていただけますでしょうか。
【知事】
フローティングスクール「うみのこ」は滋賀県が誇る、琵琶湖をお預かりする本県だからこそできる特徴的な、とても大切な環境学習、未来に繋がる事業だと思っています。この効果は計り知れないですね。あのとき透明度を測ったとか、みんなでロープワークやったとか、世代によってですがカッター訓練やったとか、うみのこカレー食べたとか、これはもうDNAとして埋め込まれる非常に重要なプログラムだと思っています。かつ、琵琶湖を大事にしないといけないとか、水や生き物のことを考えたいとか、この事業を通じて芽生える気持ち等もあるということを考えれば、有形無形の効果があると。これは世界にも通じる、未来にも通じる事業だと思っていましたので、早速こういうことに目をつけられた国、もしくはそれを支援してくださるJICA、外務省のお力添えがあって、こういう採択がされたということを1つのステップとして、まずはニカラグアでのこの事業を充実、成功に導くとともに、それ以外の国や地域に対しても、こういった事例を御紹介しながら、さらに広げることができたらいいなと思っております。
[中日新聞]
麻のブランドに関して、すごく伝統的なものと、スタイリッシュなものが融合していたと思うのですが、知事としてはどのような可能性を感じていらっしゃいますか。
【知事】
まずこのブランディングが先ほども御紹介したように、元々持っているこのこんにゃくで加工するというものとか、麻絹綿、繊維の産地であるという滋賀県の強み、こういうものをベースに、今までできなかったことを技術で克服してできるようにすると、用途が広がる。かつ、こういったおしゃれなデザインのTシャツ、かつストリートカルチャーというかこういったブランディングでいろいろな世代の方にいろいろな用途で楽しんでいただけるという、こういうことはとても可能性があるなと思いました。かつ、熱で色が変わるなんていうのも面白い試みだなと思いましたので、今日3時から会見もされるようですので、ぜひいろいろと聞いていただければなと思います。
[中日新聞]
奈良県の方で落雷による事故があったかと思うのですが、今度国スポ・障スポでも開会式が外で、競技も外でやられることもあるかと思います。取り止めにするというような判断基準というのは、もう既にしっかり定められているのでしょうか。
【知事】
落雷で被害に遭うということをどのように防いでいくのかということについては、なかなか予報も難しいところがあるのかもしれませんが、最新の知見、また情報、そういったものに基づいて今回の事例も受けて、どのように判断すればいいのか、我々も検討したいと思います。特に、多くの方が集まる大きなイベント、屋外で行うイベントでは、そういった被雷、落雷による事故防止というのはとても大事な要素だと思いますので、少し考えてみたいと思います。
[日本経済新聞]
キャリアリターン制度について、民間で広がっているアルムナイ採用の県庁版だと思うのですが、離職率はどれぐらいなのでしょうか。つまり、測り方はいろいろですが、例えば、入庁5年以内で何人辞めるとか、入庁10年以内で何人辞めるとかについて統計は取っていますか。
【知事】
入庁何年目でという数字はないのですが、退職する定年退職ではない普通退職者は1年間大体60名を超えています。ところが、令和元年、2年は40名台、30名台でしたので、少し増えている状況にありますので、いろいろな理由で辞める人もいるし、また1回辞めて別のところで働いたけど、やはり滋賀県戻ろうかという人もいるのではないかということで今回の制度を提案させていただきました。
[日本経済新聞]
入って何年か経ってやめるというのは別に県庁だけではなく全体のことですが、県庁に絞れば、例えば職場のミスマッチとか、どんなことが理由だと思いますでしょうか。
【知事】
人によってそれぞれではないかと思います。おっしゃったように、思っていたところと違ったというミスマッチ、また配属されたところが私に合わないというミスマッチもあるかもしれませんし、元々やりたかったことがあったので、もしくは別に見つかったので志を持って飛び出すということもあるでしょうし。
[日本経済新聞]
県庁職員の定員の充足率のような数字はあるのでしょうか。
[人事課]
今、充足率という数字は持ち合わせておりません。
【知事】
しかし、これだけ採用したいという数、もしくはこれだけの定数、定員を持って仕事をしようという定員に、年によって、時期によってどれぐらい充足しているのかしてないのかというのは、数えればわかる話ではあります。
[日本経済新聞]
トランプ関税の対応について、この特設ページは、例えば滋賀銀行は独自に相談を受け付けますとやっていますが、そういう県が主体となる以外のものも全部入っているのでしょうか。この間の16窓口も全部入っているのでしょうか。
【知事】
そういったものも紹介しています。各機関の窓口の連絡先も含めてですね、紹介させていただいています。
[日本経済新聞]
25%の自動車関税だけではなく10%部分的に出ている相互関税とか、いわゆるトランプ政権による不規則な関税制度全体に関する相談窓口と考えてよろしいですか。
【知事】
はい。基本的に、全てのトランプ政権による対応についての相談を受け付けたいと思います。
[日本経済新聞]
「うみのこ」について、ニカラグアは難しい国だと思います。独裁政権が憲法を無視してずっと居座っていて、アメリカがずっと制裁しているような国ですが、JICAの事務所があるということは日本の外務省とは結構良好な関係にあるのですね。何かそういった国に対して、民間の草の根だから別なのでしょうが、こういった支援をする、関係を深めるというのはなかなかユニークだと思っていました。そういったことは話題にならないのですね。「うみのこ」を使ってくれると、これが広がることでモデルになればいいというお考えなのでしょうか。
【知事】
政治的なことはさておき、こういった環境学習というのは、先ほども申し上げたように、未来や世界に広がりを持っていける可能性のある取組だと思います。先月も3日に在ニカラグアの日本国大使も御来庁され、知事室にも御訪問いただいて、マナグア湖の取組の可能性を熱く語っていただいたところですので、マナグア湖のあるマナグア市長がお越しになる機会があれば、「うみのこ」にも乗ってもらおうということを今画策しているところです。ぜひ、こういったことはニカラグアでの事業を起点として、さらに他でも行うことができないか考えていきたいなと思います。
[日本経済新聞]
世界湖沼会議について、先ほどの話だと知事、それか副知事がそれぞれ現地に間違いなく行くということでしょうか。
【知事】
私が行くのか、副知事が行くのかどちらかです。両方が行くことはないと思います。しかし、他にもいろいろな行事、出張等があるので、役割分担してどちらかが出られるようにはしたいと思っています。
[日本経済新聞]
副知事の場合は、2人いるうちのどちらかというのはわからないという感じでしょうか。
【知事】
そうです。どちらが行くかということも含めて調整、発表したいと思います。
[NHK]
和歌山県の岸本知事に関して、まだ言葉にはなかなかすぐにとおっしゃったのですが、やはり知事と国会議員の時から深い御関係にあって、どんな方だったのかということと、また県政を取り仕切ってらっしゃってまだまだやりたいことやらなければいけないことがある中でということは、どういった無念さなのか、任期途中で亡くなくなってしまわれるということがどのようなことなのかを、思いを馳せてというか、語っていただけたらと思います。
【知事】
まず人生は有限、必ず人は死ぬのだなという思いを、こういうことがあると改めて強く思います。かつ、それはだんだん弱くなって、病に侵されてという旅立ち方もあれば、こうして突然やってくるということもあるということだと思います。だからこそ、今とか、こことか、これというものにこだわって仕事をしたり、生きていくことが大事だということを改めて刻みたいと思います。岸本さんは、私は2005年からの付き合いなのでもう20年になります。とても人柄がユニークでチャーミング、話題も豊富、そして場を和ませたり、いろいろな話をされる。私にとっては人情味あふれるいい兄貴分でした。かつ、大蔵省、財務省、トヨタ等での御経験もおありで、人のために仕事をするとか、未来のために仕事をするという情熱はとてもあふれる方でしたので、会う方会う方が岸本さんと一緒にやろうとか、岸本さんに言われたからチャレンジしようとか、そういうことが思える人だったと思います。私は2014年に国会議員を辞して、滋賀県知事の選挙に出させていただきましたけれども、そのときも熱いエールを、また支援をいただきましたし、その後、民進党から国民民主党なったとき、岸本さん自身が国会議員を辞職し、知事選挙に出られて、非常に難しい選挙だったと思いますが、当選されて知事になられたときはこれほど心強いと思ったことはありませんでした。かつ、関西広域連合を一緒にやり、相当な時間、御出席御臨席、御一緒していただきましたので、そこでもいろいろな会話をし、広域連合長2期目の推挙の辞は和歌山県の岸本知事がしてくださったということもありますので、まさに和歌山県の中でも地方創生の取組、関西広域連合においても自治深化の取組、万博レガシーを生かしていく取組、こういうことを一緒にやっていきたいと思っていたところですので、とても残念です。それは、多分岸本さん自身もお感じになられていると思いますので、そういう思いは常に我々も持ちながら、残されたもので頑張ってやっていきたいと思います。
[NHK]
中日新聞さんからも質問があった奈良県の学校での落雷の件について、部活中だったということで、やはりその保護者、子どもたち自身も不安が広がっているのかなと思います。しかし、知事おっしゃったように落雷の判断がなかなか難しい中で、学校とか部活の顧問の先生に委ねられるのであれば、今後部活動の地域移行も進んでいく中で、やはり責任が重く、かつ難しい判断が1人の大人に委ねられるということは、誰にとってもプラスではないのかなと思います。何か滋賀県として、今回の落雷に対しての対策はお考えになってらっしゃいますでしょうか。
【知事】
どういうことを考え、また言えばいいのかというのは、少し我々も検討したいと思います。部活のときもそうでしょうし、子どもたちの外遊び、県内はゴルフ場もたくさんありますので、例えばそういったところでの呼びかけ、基本御自身で楽しまれているときは自己責任ということがあるでしょうけれども、そういった学校の活動等で地域連携をするときにどういう形で呼びかければいいのか。しかし、自然との関係の中で生きていくというのは、そういうリスクもあるということをそれぞれが知るということも大事なことだと思うので、悲しい事故自体ではありましたが、その教訓はこれからに生かしていくべきだと思います。
[朝日新聞]
先ほどの和歌山県知事の話について2つありまして、まず訃報はいつどこでお知りになりましたでしょうか。また、滋賀に来られたこともあるかと思いますが、そこでの印象になった場面とか、あるいはやり取りなど覚えていらっしゃれば教えてほしいです。
【知事】
まず、訃報は先ほど秘書課長からニュースで速報されていますということで知らされました。昨日、朝出てこられずに病院搬送されたという情報も秘書課を通じて聞きましたので、御容態案ずるとともに御回復を祈っていましたし、珍しく夢を見ました。私あまり夢は見ないのですが、夜寝ているときに岸本さんの夢を見たということがありました。知事御就任後、滋賀県に御来県されたことは私の記憶ではないと思います。よく言っていたのは、「今度国スポがあるので岸本さん来てや」ということは言っていましたし、「万博一緒に盛り上げていこな」というのは常々言っていましたので、そういったところで一緒にやれないことは残念です。関西パビリオンの中でも、和歌山県ブースは最も多くの面積をお持ちで、今は県内の勇壮なお祭りのお神輿を展示されていて、そういうものを担ぐんだというようなこともおっしゃってらっしゃいましたので、無理をしない方がいいよということも申し上げていました。しかし、本当に精力的にいろいろな活動に県内外出向かれたり、しかも洋服もスーツだけではなくてラフな格好で親しみやすく、いろいろな方と接するということは大事にされていらっしゃる印象でしたので、こういったことを学ばないといけないということとか、よく言われたのは「三日月さんの俳句面白いな」と。「僕も詠みたいけどそんななかなか詠めへんわ」みたいなことはよくおっしゃってくださっていました。とても親しい方でしたので、本当に残念です。
[朝日新聞]
神輿を担ぎたいとおっしゃっていたのでしょうか。
【知事】
担ぐんだということをおっしゃっていました。そのことは一緒に担ぐ方々も楽しみにされておられ、ちょうどその前後に和歌山県のパビリオンブース行かせていただいたのですが、そのときの御様子までは私は聞いていません。
[朝日新聞]
どのような夢だったのでしょうか。
【知事】
岸本さんが出てきて、いろいろな話をして、何か大丈夫でしたか、みたいな。回復された後の夢だったと思います。