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知事定例記者会見(2024年3月18日)

令和6年3月18日
(県政記者クラブ主催)

【知事】

おはようございます。今日もよろしくお願いいたします。はしかが流行っているようですので、注意してください。ワクチン接種が有効だということでございます。ぜひワクチン接種を検討してください。3月16日土曜日には、北陸新幹線金沢-敦賀間が竣工・開業いたしました。私も関西広域連合長として(式典に)参加いたしました。ぜひ能登震災復興のためにも活用されると同時に、1日も早く小浜、京都、大阪、と全線開業をすることを目指し、さらに取組を強化してまいりたいと存じます。もう一つは、昨年8月湖南省にまいりまして、その際に私が立ち会ったのですけれども、中国湖南省の快楽老人報社と健康に関するツアーをつくろうということで、その初めての訪問団の方が15名、3月20日から22日にかけて滋賀県にお越しになるということでございます。聞いていますと、健康長寿の観点でレイカディア大学の学生との交流ですとか、骨密度の検査の体験、また琵琶湖博物館、ミシガンクルーズなど滋賀らしいプログラムを御体験いただけるということでございますので、歓迎申し上げたいと思います。

それでは資料に基づきまして2点申し上げます。まず、滋賀県未来投資総合補助金、この募集を開始しますというお知らせです。これは物価高騰等が長引いている、厳しい状況にあるという中小企業小規模事業者の皆様方の支援をしようということで、11月定例会議で議決いただいた内容でございます。制度の概要は資料に記載のとおりでございますが、賃上げを伴う場合、補助率を引き上げて対応させていただくこととしておりますので、ぜひこの点も御活用いただき、賃上げにも資する制度として御活用いただきたいと思っております。商工業以外の業種も対象となるということでございます。補助対象となる取組は、生産性向上、新事業展開、人材育成の3種類。そして通常の補助率は2分の1、上限額は50万円となっておりますが、事業期間中に従業員の平均賃金を2.5%以上賃上げ実施していただく場合は、補助率3分の2、もしくは上限額100万円の優遇措置を選択していただける制度となっております。3月26日火曜日に事業者向けオンライン説明会を開催いたします。ぜひこの機にですね、この賃上げを伴う様々な改革、もしくは人材育成に資する取組として、御活用をいただきたいというものでございます。

もう一つも資料をつけておりますが、新生近江鉄道がいよいよスタートいたします。この間、様々な検討をしてまいりました。いよいよ、この4月1日から近江鉄道線の運営形態が鉄道施設を保有、維持管理する一般社団法人近江鉄道線管理機構と運行を近江鉄道株式会社が行うという、こういう民営方式となる歴史的な改革が行われることとなります。この新たな運営形態、新生近江鉄道の出発を記念し、式典と出発式を4月6日土曜日に開催いたします。この近江鉄道線に関しては、私が知事になったのが2014年。その2年後の2016年から民間企業の経営努力による鉄道路線の維持が困難であるとの要請、お話がございまして、様々勉強、検討してまいりました結果、今日に至っているということでございます。4月以降は、沿線の5つの町、5つの市、そして県と一緒に組成いたします近江鉄道線管理機構と運行担当する近江鉄道株式会社が連携を密にいたしまして、地域住民の皆様方、また来訪される皆様方に乗っていただきやすい鉄道をつくる、夢のある鉄道をつくるために努力、邁進してまいりたいと存じます。また、こういう新しいスキームになったのだから、様々な利便性向上策をやろうということも申し上げているところでございまして、来週行われる法定協議会を目指して最終調整、最終検討しているところでございます。ICカードによる乗車が可能になるシステムの導入などを当方から求めているところでございますので、ぜひそういった事々が整ったり、良くなったねと言ってもらえるような鉄道になるようにともに頑張ってまいりたいと思います。一部、3月16日のダイヤ改正で最終の新幹線に接続する近江鉄道線の増便ですとか、そういった事々も行われているようですので、そういった事々を皆さんにお知らせできるようにこれからもともに努めてまいりたいと存じます。私からは以上です。

[朝日新聞]

今朝の子ども政策推進本部のことで伺いたいのですが、昨年11月からまとめておられた子どもの意見聴取、Webアンケートが11,000件以上集まっており、その中で、「知事に伝えたいことがあるとき、誰を通じてどんな方法があれば言えると思いますか」という問に対して、7,000件の、一番多数の回答が「誰かに聞いてもらい、代わりに伝えてもらう」という回答だったのですけれども、裏を返せば子どもが直接意見を言える環境がなかなかないのかなと思ったのですが、知事はこの回答数についてどのように受け止めていらっしゃいますか。

 

【知事】

昨年の11月から今年の1月末にかけて、小学校4年生から大学生の皆さんに行った調査。回答は11,500件近くあったということでございますが、「滋賀県(知事)に伝えたいことがあるとき、誰を通じてどんな方法があれば言えると思いますか」という設問に対して、回答数7,000件を超える方々が「誰かに聞いてもらい、代わりに伝えてもらう」と答えられたということでございまして、設問に対するいろいろな問題もあるのかもしれませんし、今日この会議でも一部出ていましたけれど、どういう機会があるのか、どういうチャンネルがあるのかということについて、まだまだ御存じいただけていないこともあるのではないのかなと思います。ただ、年代を追って小学校4年生よりも5年生、6年生、そして小学生よりも中学生がいろいろな別の手段、代わりに伝えてもらうこと以外の手段を選択する傾向があるようですので、他国と比べたときに、こういうことはどういうふうに言っているのかなというのは個人的な興味としてありますが、少し内容を見て、いずれにしても県政や知事、また行政等にいろいろな意見、思いがあるときに、こうやれば伝わるんだという方法を明確に示していくことが重要ではないかと考えます。

 

[朝日新聞]

会議でも、「子ども、子ども、子ども」と来年度以降さらに高みを目指して取組を進めていくと決意表明といいますか、御挨拶されていたと思うのですけれども、県立小児保健医療センターのことで伺いたいのですが、先日第5次滋賀県立病院中期計画の改定案が出されて、来年の1月に県立総合病院と県内唯一の小児専門病院の県立小児保健医療センターが統合されて、病床数が今100床あるのが72床に縮小される案が示されています。そのことで先日3月13日に知事あてに昨年12月から集められていた署名16,000筆が提出されたと思うのですけれども、その署名、御意見についてどのように受け止めていらっしゃるのか。関係者の大学教授の方が、子どもや障害のあるお子さんの当事者の声抜きにこの計画が進んでいくのは問題じゃないかと指摘されています。その点についてお伺いしたいです。

 

【知事】

病院事業庁が経営しております県立総合病院と小児保健医療センター、この経営を統合させていただきます。この令和7年1月に統合を目指し、今準備を進めているということでございます。その際には医療の需要等を見ながら、当然、病床数につきましても、どのような規模で行えばいいのか、またそれぞれ今は物理的に道路を隔てた別のところ、組織的にも別の病院で運営しているところを来年以降は同じ組織として、そして、それ以降は近接する建物としても整備させていただいて運営できるようにしようということですので、そういった事々に対して御理解をいただけるように努めていくことが重要だと思います。今お話いただいたように、今ある病床よりも減るということに不安を抱かれたり、特にレスパイトといいまして、医療的ケアを必要とする子どもたちが一時的に入院療養をされながら過ごされるという、こういった環境がどうなるのかということに不安を持たれてる方が多いと思いますので、そういったことにきちんと寄り添って、不安なく対応いただけるという、そういったことをぜひ説明していきたい、御理解が得られるように努めていきたい。ただ、いずれにしろ全県的なこういった医療を担当する県だからこそ、たとえ人手がかかったとしても、こういった医療機能を維持させていくことも重要だと思いますし、それらが持続可能な状態で運営できるようにしておくことも肝要だと考えますので、こういった統合というのは行っていくということが私は必要ではないかと思っております。

 

[朝日新聞]

統合を行っていくのは必要なことだと県議会でも常々おっしゃっているのですけれども、不安の声に対して実際の当事者の方の声を、現状説明会などできちんと聞けていると認識されていますか。

 

【知事】

何をもって十分というかということはあるのかもしれません。今病院事業庁をして様々な説明の機会を設けておりますし、そこに来られる方々のいろいろなお声をお聞きし、私もその詳細を共有させていただいておりますので、どういった方々が、どのような御不安をどれぐらいの規模でお持ちなのかというのは一定掴ませていただいていると思いますが、やはり小児だけではなくて総合病院と一体となって経営するということには、概ね御理解をいただけるのではないかと思います。ただ、病床の数だとか、いざ預けたいときに、入院させたいときにどのような対応が可能なのか不可能なのかといったことに不安をお持ちの方も多いと思いますので、そういったことをもう少しきちんと丁寧にやりとりしながら、どのレベルならどういう御理解が得られるのかというところを探っていきたいと思います。

 

[日本経済新聞]

中小企業向けの補助金について、この制度は新しいものでしょうか。

 

【知事】

はい。

 

[日本経済新聞]

これは3つの対象事業に対して補助金を出し、賃上げをする、あるいは(賃上げを)約束した企業には優遇しますということですか。

 

【知事】

そうです。

 

[日本経済新聞]

賃上げをしなくても通常枠では補助金を出すということですか。

 

【知事】

おっしゃるとおりです。

 

[日本経済新聞]

これは目的として中小企業の生産性向上や発展を助けるという方が主なのか、あるいは中小企業の賃上げを支援することが主なのかどちらでしょうか。

 

【知事】

両方ですね。特に物価高騰、コロナ禍からの脱却、人材不足に対する対応、こういった事々に中小規模事業者の皆さん頑張っていらっしゃいますし、御苦労され、お悩みも持たれているという状況の中で、何か後押しができないかということでこの政策を考え、この3つの分野で補助をさせていただこうと。ただ合わせて課題になっている、やはり賃上げしたいけどできないんだということに対して、どのような寄り添い方ができるのかなと考えたときに、少し通常の事業に補助を上乗せする形でインセンティブとして設けたらどうだろうかということです。

 

[日本経済新聞]

湖南省についてですが、1週間滞在されるとのことですが、そのうち滋賀県に全部いるわけではなくて、20日から22日までで、あとは東京とか京都とか大阪とか、いわゆる太平洋ベルト地帯のゴールデンコースと言われるところを回るようですが、協定自体は滋賀県と湖南省の協定ですよね。

 

【知事】

おっしゃる通りです。

※正しくは「滋賀県商工観光労働部観光振興局」と「快楽老人報社」の協定です。

 

[日本経済新聞]

今回滋賀県以外もかなり時間をかけて回るというのは先方の要求なのでしょうか。日本全体を見たいということでしょうか。

 

【知事】

最終どのようなニーズに基づいてどのような調整が行われているかは承知しておりませんけれども、健康長寿である滋賀と健康に強い御関心のある湖南省の省民の皆さんを繋ぎ、コロナが明けたらこういった訪問をぜひし合おう。滋賀県にも行こうということで協定を結ばせていただきまして、今回15名という団ではございますけれども、相整っていらっしゃるということです。ただ、いろいろ日程的な制約、金銭的なやりくりもして、海外旅行、日本旅行に行くんであれば、滋賀県以外にもせっかくだから行こうということも、これは逆の立場でもよくあることだと思います。ただ、7日間のうち、20、21、22の3日間は滋賀にいらっしゃるわけで、レイカディア大学だけではなくて琵琶湖博物館、また近江神宮なども御訪問なさるので、できる限り御縁のある滋賀県のことを御存知いただいて、帰っていただけるようにしたいなと思います。ぜひツアー参加者からいろいろ御感想なども承って、今後の施策展開にも生かしていけたらいいなと思います。

 

[日本経済新聞]

向こうから来るということは、日本からも行く計画もあるということですか。

 

【知事】

いわゆる快楽老人というメディアが湖南省にありますので、主には湖南省からこられる方というのがツアーとしてはメインになると思います。ただ、やはり相互往来というのが大事だと思いますので、いろいろな機会を通じて、滋賀県から湖南省中国にも行けるような策をつくっていきたいと思います。

 

[日本経済新聞]

この快楽老人報社というのは、要するに滋賀県にあるレイカディア大学みたいなものなのでしょうか。

 

【知事】

私も詳しく存じ上げないのですけど、いろいろその場で流されているものを見ると、体を動かしたり、趣味教養の学びを行ったりということですので、レイカディア大学よりももう少し何かアクティブなような気もしますし、その辺りぜひまた比較交流なんかできるといいなと思います。

 

[日本経済新聞]

近江鉄道についてですが、この手の式典は普通上下分離の当日の4月1日にやるものだと思うのですが、ちょっとずれちゃったのはやっぱり偉い人の都合でしょうか。

 

【知事】

いろいろ日程を考えたんだと思いますけど、あとどういった方々がお客様として来られるのかとか。もちろん行政ですので、年度初めにはいろいろ行事もあります。そういう中で知事、市長、町長、議長などの日程調整ということも考えてということもあったのかもしれません。

 

[日本経済新聞]

1日は何もやらないんですか。

 

[担当課]

市町では1日から上下分離になることのチラシを撒いたりします。

 

【知事】

 出発式とかはしないの。

 

[担当課]

それは4月6日に予定をしております。

 

[日本経済新聞]

でもメディアとすれば1日に今日やりましたって書かざるを得ないので、何かやった方がいいと思いますが。

 

【知事】

御意見として承り、何ができるのか考えたいと思います。

 

[京都新聞]

先ほどのこども政策推進本部のことで伺います。子ども版の知事への手紙で多くの声が寄せられたということですが、受け止めと、こういう声があってこう思ったということを何点か教えていただけたらと思います。

 

【知事】

10月末に「子ども県民の声ひろば」というものをホームページ上に立ち上げて、そして県内の小中高校などに通う児童・生徒の皆さんに名刺大のPRカードを配りました。そうすると知事への手紙の投稿が前の年度よりも50倍近く寄せられているということがあります。(実物を持ちながら)これがそのカードです。私も先週末、知事への手紙の直近のものを見たときに、「何々さんとの友達関係に悩んでいます」とか、「給食が美味しくないので何とかしてほしい」とか、あとは授業のこと、宿題のこと、学校に持って行く荷物のことなどたくさんの声を寄せてくれました。中には具体的に書いてあるものと、少しざくっと書いてあるものがありましたけれども、いずれにしろ大事なことは、こういう声に応えて、どういうことをしていくのかということだと思いますので、聞いて聞きっぱなし、ほったらかしにならないようにですね、みんなで考えていこうということが大事だと思います。ただ「頑張ってください」とか、「応援してます」とか、何かそんなことまで書いてくれて、いずれにしろ、県政と、また知事と、そういうチャンネルとか身近なものになるというのが大事なのではないかなと思いました。

 

[京都新聞]

こういう声というのは今策定中の「子ども条例」などにも生かしていくものなのでしょうか。

 

【知事】

今、「子ども基本条例」を検討しておりまして、その中でも子どもの権利の保護ですとか、その権利をどのように保障していくのかとか、こういった子どもの声をいかに聞いていくのか、また政策化していくのか、こういったことはこの条例の中でもとても大事にしている点ですので、やはり機会があればこういう声が届くということが事前にわかったことはとても大きなことだと思っています。今回の結果も踏まえて、条例案、具体の施策を考えていきたいと思います。

 

[京都新聞]

原発の乾式貯蔵施設についてですが、先日関西電力が原子力規制委員会に申請するということについて福井県が了承されたと聞いています。これに関して隣接する滋賀県の知事として受け止めをお願いします。

 

【知事】

貯蔵施設の方式が変わったり、また常々私どもが申し上げておりますが、静脈としての処分がどうなるのかということがわからなかったりすることに対する、また長く置かれるということであれば、その間の安全性は大丈夫かといったようなことに対する不安やお声、こういったことに答えていくということが重要だと思いますので、こういったことは専門の委員の皆様方の会議の中でも指摘をされていたと聞いておりますので、県として意見を述べる機会があるとすれば、そういったことなどをどのように伝えるのかいうのを考えていきたいと思います。

 

[京都新聞]

先週も滋賀県などの住民から(乾式貯蔵施設の)安全性はどうなのか、滋賀県には設置に反対してほしいといった記者会見がありましたけれども、こういった住民の声というのはどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。

 

【知事】

設置するということについては、会社なり、またはその当該自治体である福井県を初めとする福井県内の市町がどのように見られるのか、御判断されるのかというのはまずあると思いますが、滋賀県内の住民の皆様方からもそういうお声がある。不安、懸念の声があるということについては、十分踏まえてそれを届けていく。そういった声に応え、説明をしていく。こういったことも姿勢として重要ではないかと思っています。

 

[京都新聞]

乾式貯蔵施設の安全性というのはどのように考えていらっしゃるのでしょうか。

 

【知事】

どのようなものをどのような方式で、どれぐらいの期間、どのような点検を行いながら、この施設を持っていくのかということによると思います。ですからそういったことをできるだけわかりやすくお伝えいただいた上で、それぞれの判断やそれぞれの感情に寄り添った対応をしていくということが重要ではないでしょうか。ただ施設としてある以上、動かす以上、こういった施設というのは必要になってきますので、これがこういう施設の一つの宿命として、我々は受け止めていかなければならないんだと思います。

 

[京都新聞]

先ほど関電に意見を言われるという話がありましたが、いつどういった内容などの方針はお決まりでしょうか。

 

【知事】

我々が結んでいる協定に基づいて、どういったことができるのか、そのことにより意見等を回答する機会があるのかどうかも含めて、今実務的に検討、判断させているところです。

 

[京都新聞]

そのときは安全性の配慮などを伝えることになるのでしょうか。

 

【知事】

当然、安全性に対してはこのことに限らず常々申し上げていることですので、そういったことも含めて、どういったことを申し上げるべきなのかというのを考えていきたいと思います。

 

[中日新聞]

まず3月16日の北陸新幹線の敦賀までの開通について、今の状態では関西からの直通の特急が敦賀止まりになり、少し不便になった感もありますが、今の開通の状況での受け止めと、冒頭の発言の中で一日も早く大阪まで開通するよう取組を強化するとのことでしたが、どのような取組を強化されていくのかということもお願いします。

 

【知事】

まず高速鉄道ネットワークが制限速度260キロで、今の在来特急よりも速いスピードで都市と都市が結ばれる、その区間が延びるということは、期待感と同時に大きな経済効果をもたらすと思います。その効果がそれぞれの地域に発現することを期待したいと思いますし、東京からずっと新潟、富山、石川、福井と延びてきたということで、敦賀がその場所にまできたということは、隣の滋賀県にもお客様に来ていただけるチャンスになると思いますので、16日にも駅前で観光のPRキャンペーンを行って大変な賑わいでしたので、ぜひお客様の呼び込みに尽力していきたいと思います。

あとは当日の式典でもいわれていましたけれども、同時に16日には、並行在来線の「ハピラインふくい」というのが開業いたしまして、新幹線はこういう広域鉄道ネットワークですけれども、県民の皆さん、住民の皆さんが日々利用される在来線、こういった公共交通、鉄道機関の利便性の確保ということにも福井県の皆さんが相当御尽力いただいていることがよくわかりましたので、そういった会社との連携ということを模索していきたいというふうに思います。

またこういった新幹線の高速鉄道ネットワークは大都市と大都市が繋がってこそ、また太平洋側のリダンダンシー(代替)としての日本海側のルートが完結することがとても重要だと思います。したがって敦賀以西の小浜、そして京都、大阪と、一日も早い全線開業をこれまで以上に強く、ここまで来たのだからあと少しということで求めていくということが重要だと思います。具体的には、事業を推進するための調査費が令和4年度、令和5年度に10億を超える規模でついています。着工してから行うべき事業を少し前倒しして、土の置き場はどこにしようかとか、どこを掘ろうかとかという、こういった調査が行われていると承知をしておりますので、その内容を確認させていただいた上で、政治的な日程でいうとやはり8月の概算要求とか、その前の骨太の方針とか、そして年末の予算の決定とか、こういう時期がやはり新規着工に向けての山場になるという、そういう御挨拶を多くの方々が(式典)当日もしておられました。斉藤大臣はじめ皆さんからも熱い決意とともにそういったことが述べられていましたので、私どもも関西経済界と連携して強く声を上げていきたいと考えています。

 

[中日新聞]

それと同時に、従来から求めていらっしゃったリレー快速の運行についても引き続き求めていかれるということでしょうか。

 

【知事】

そうですね。開業した敦賀まで、そしてとりわけ近い北部地域、中京圏との接続をよりスムーズにするというのはとても重要なことだと思いますので、こういった要望はこれからも引き続き強く行っていきたいと思います。そのためにもどれだけの方が乗られているのか、来られているのか、こういったことが重要ですので、そのこととセットで声を上げていくということが重要だと思います。

 

[中日新聞]

別件で、先ほど発表いただいた項目の中小企業への支援の話について、今の賃上げに関して、大企業に関しては満額あるいはそれ以上の回答が出ていて、かなり昨年よりも上回るペースでの賃上げが進んでいますが、中小企業に関しては本当にどこまで反映されるのかというのがまだ不透明な部分もあります。こういった賃上げの現在の春闘の状況をどう見ていらっしゃいますか。

 

【知事】

例年になく賃上げムードが強い、そういった春闘になっていると思います。このこと自体は、物価高を上回る賃上げを目指す、これは労使双方でまた社会的にも目指していくのだということですので、大変重要な機運だと思います。この機にこれまで上げられなかった賃金をみんなで上げていくということが重要だと思いますね。ただ今もおっしゃったように、大手だけではなく、また正社員だけではなく、中小・小規模事業者も含め、そして非正規も含め、できれば個人やフリーランス、サービス業の方々含め、こういった賃金を上げていくという、このことが必要だと思いますので、今回御説明するこの補助金もその一助として御活用いただければと思います。当然県は発注者でもありますので、また多くの職員を雇用している事業体でもございますので、こういった側としてきちんとそういったことが叶う事業発注になっているのか、また人件費になっているのかという、こういう視点でも問われ、試されることにも処していきたい、適切に対処していきたいと思います。

 

[読売新聞]

まずダイハツについて、今日から竜王工場が稼働したということで、改めて受け止めについて伺ってもよろしいでしょうか。

 

【知事】

一度ああいった不祥事、信頼を損ねる事象があると、これだけ長く生産体制が止まるという、生産が止まれば、販売にもまた雇用等にも大きな影響を与えるのだということを、おそらくダイハツ社様をはじめ関係者の皆様方が強く自覚されたと思いますので、今後はこういったことがないようにしていただきたい、信頼回復の途を着実に歩んでいただきたいというふうに思います。私どもとしてはこの再開そして再生の起動を見守ると同時に、今回のことで大きな影響、負の影響を受けられる事業者がないように引き続き注視していきたいと思います。

 

[読売新聞]

問題が発生してから数か月間、県としても対応などされてきたと思いますが、今のところ把握している問題などはありますでしょうか。

 

【知事】

こういった会見の場でも申し上げましたけれども、生産できなくなった、注文等を出せなくなったということを受けて、例えば県内の事業者などでも大きく注文が減る、また福祉作業所等でも仕事がなくなるということが出ていた、また出始めたということがございましたけれども、順次生産の再開等を受けて少しずつ緩和されているのではないかと思っています。その後、特にこういった場で申し上げるべき大きな影響等は出ていないのではないかと思いますが、ただなお一部の事業者等にしわ寄せが出ているとすれば、そういったことがないようにしていくということも重要ですので、もう少し注視していく必要はあると思っています。

 

[読売新聞]

別件で、先ほども質問が出た子どものアンケート結果について、意見があったときに「他の人か誰かに聞いてもらう」、「代わりに伝えてもらう」の割合が比較的高いということでした。「子ども県民のひろば」などもそうですが、子どもが知事に意見を言うというのは一つの政治参画の手段みたいなものなのかなと思います。こういう結果を見て、子どもの政治の参加への意識とか、何かそういったものに対して思うところや今後どういう対策に生かしていきたいのかということはありますか。

 

【知事】

これは極めて日本的なものなのか、極めて子ども的なものなのか、もしくはアンケートの設問の仕方が少しそういったことを誘導するような設問になっているのかとか、ちょっともう少し見ないといけないなと思いますね。やっぱりそういうことなんですかね。誰かに言ってもらおう、聞いてもらって言ってもらおうということになるんですかね。ちょっと僕が過ごしてきた子ども時代と違う、(自分は)思うことがあったら言おうという感じだったので。ただみんながみんなこういうわけではないので。どこに言えばいいのか、言ったらどうなるのかということがわからないというのもあると思いますので、別に知事でなくてもいいと思うのです。学校で困ったことがあったら先生に言おうとか、友達と一緒に何か意見をまとめて届けようとか、何かそういうプロセスを。幼稚園、保育園でもどんな遊びをするとか、この小学校がどうなったらいいかなとか、給食が美味しくないから美味しくするようにもっと言おうとか。何か自治、運動としてのこの取組のロールプレイが少しあるのかないのかということも影響しているのかもしれないなと思いますね。ただ、いずれにしてもちょっともう少し見たいと思います。

 

[読売新聞]

あともう一点。子ども政策推進本部の中で、「養育費の支払いの確実な履行確保」が要望の中で挙がっていました。国会でも今議論されているところだと思ういますが、その辺りは国の施策として実現してほしいというような趣旨の要望という認識でいいのでしょうか。

 

【知事】

はい、今回行った第7回の子ども政策推進本部で一つ目に議論した国の政策提案に関して申し上げれば、今お尋ねいただいた、国に求めて改善をしてもらおうというという趣旨で内容を検討しているものですけれども、私もその場で申し上げましたけれども、全国知事会で本部長を預かる県として、また「子ども若者部」を設置してより積極的にやろう、子ども・子ども・子どもといっている県として、もっと高みを目指せないかと、諸外国と比較して、こういう制度があったらいいなということについても、もっと志高く作っていく求めていく、提言していくという、こういう姿勢が必要ではないかと思いましたので、今回の方向性で何か具体にまとめていきますということではなくて、もう少し広く考えた上でまとめて届けていきたいと思います。

ちなみに養育費のことで申し上げれば、父子家庭、母子家庭、とりわけ母子家庭で、その後の生活が養育費がきちんともらえないから苦しくなるという事例があるので、国が立て替えて支給するという制度でありますとか、一定の強制力を持って支給させるようにするということは大きなテーマとして議論・検討されていますし、今親権の問題が法務委員会等で議論が始まっておりますので、こういう法改正なども十分踏まえながら、地方からどんな声を上げていくのかということを考えることも重要だと思います。

 

[読売新聞]

それでいうと、共同親権をどうするかどうかというのは意見がすごく分かれていて、党派を超えて分かれるものだと思うのですけれども、知事自身がこの共同親権をどういうふうに捉えているかということと、共同親権を導入したら虐待があったときに困るのではないかとかいうこともいわれていますが、そのあたりのお考えをお聞かせください。

 

【知事】

私が何かこちら側で、この制度でということを今の時点で明確に持っているわけではありませんが、おっしゃったようにメリット・デメリット、いろいろなどうしてその状態に陥っているのかということによる影響というのはそれぞれ違うと思いますので、一概にはいえないと思いますが、いずれにしろ子どもにとってどういうことが望ましいのかという視点も重要ではないかと思いますので、この点で国会審議の中で注目したいと思います。

 

[毎日新聞]

「子ども県民の声ひろば」は県のホームページに開設したということですが、知事は県民としてホームページから見られたことはありますか。

 

【知事】

利用者として(そのサイトを)開けたことはありません。

 

[毎日新聞]

なるほど。私も朝、ホームページを開いたのですがどこにあるかわからない。ちょっと探すと最終的にはわかったのですけれど表に出ていない。「子ども県民の声ひろば」というタイトルで出ていますか。

 

[担当課]

 出ています。

 

[毎日新聞]

 じゃあ申し訳ないです。それはそれとして、子どもの回答で「誰かを通じて」という声が多かったのですけれども、その「誰か」の中に県議会議員さんというのが数字に上がってこないレベルというのは、子どもだからなのか、あるいは県議会議員さんが子どもを向いてないのか、どう思われますか。大人ならもう少し県議会議員というのが出てきそうな気もするのですが、子どもと県議会議員という関係性はどう思われますか。

 

【知事】

なかなか難しいですね。でも僕らは小学生のときに県議会議員って知らなかった。僕らが子どものときはですよ。もしくは「僕は」ですよ。そんなに身近かというとそうでもないのかもしれません。ただ、議員さんという人がいて、みんなの声をそれぞれ行政に届ける人が何かいるらしいという、そういうことぐらいは、おぼろげながら小学生高学年、中学生、高校生になると同時に学んでいくことになるのでしょうね。むしろそれよりも、地域のことをどうやって決めるかとか、学校のことを先生含めてどうやって解決するかとか、そういうことの方が身近で、その延長線上に、そういう議員さんとかがいるという、そういう理解にしていった方がいいのではないかなと思いますけれどね。ただ、いずれも先ほど申し上げたように設問の仕方がどうなっているのかどうかにもよると思います。今回の結果は。ただこの(「子ども県民の声ひろば」の)カードを見ると、「知事さん、聴いて」と書いてあるので、知事に言おうと思ってアクセスしてくれる子どもたちは多くいたのだと思います。

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