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知事定例記者会見(2024年2月13日)

令和6年2月13日
(県政記者クラブ主催)

【知事】

今日もよろしくお願いいたします。今日、私の方からは話題提供はありません。明日から2月定例会議がありますので、来年度の予算案を含め多くの議案を提出させていただいております。誠心誠意御説明申し上げ、御理解が得られるように努め、御審議いただきますよう尽くしてまいりたいと存じます。私からは以上です。

[毎日新聞]

 コロナの感染者が年末から上昇傾向にあるようですけれども、現状をどのように見ておられるのかお願いします。

 

【知事】

今おっしゃったように、新型コロナの感染状況が昨年末から6週連続で増加ということで、(スライドを指さしながら)こちらのグラフにあるようなこういう状況だそうです。寒くなる頃、乾燥する頃というのは例年増加傾向にあるようでございますが、県もそれぞれ基準を決めて、段階1、段階2ということで病床確保等の対応を考えておりますので、状況を見て必要な対応をとっていきたいと思います。インフルエンザと共通することも多いということでございますので、場面に応じたマスクの着用、手洗い、換気など基本的な感染対策をぜひ呼びかけていきたいと思います。

[毎日新聞]

琵琶湖の水位は順調に回復してるようですけれども、今後の見通しはどのように見ておられますか。

 

【知事】

今朝の時点でマイナス55センチ。(スライドを指さしながら)そしてこのグラフにありますように以前に比べて回復傾向ですけれども、例年と同じような状況になりつつあるのではないかと思いますし、雪解け水がこの暖かさで随分入ってくることもあるのかもしれません。状況を注視したいと思います。それよりも、別途詳しく説明を受ける予定になっているのですけれども、アユの不漁などの方が気になっていますし、後で御質問が出るのかもしれませんが、全層循環が起こるかどうかですね、琵琶湖の酸素の状況。今日も調べに行ってくれているようですけれども、底層の溶存酸素の状況、前回調べに行ったときにある地点で、それに近い状況があるんじゃないかということもあったようですけれども、さらにこういった事々に注視していきたいと思います。

 

[毎日新聞]

全層循環はありそうだとみていていいですか。

 

【知事】

分かりません。起こったということはまだ聞いてません。

 

[毎日新聞]

 いつごろでしょうか。

 

【知事】

去年はちなみに今日起こったのじゃないかと言われています。ただ毎日調べに行けているわけでもないし、波の状況等で、毎回全地点でデータが取れているわけでもないので、確認できた時点で全層循環が起こっていましたという報告になっているようですね。

 

[毎日新聞]

麻生副総理が上川外務大臣に対して、容姿等に対して揶揄するような発言があったことについて知事はどのような御認識か。それと上川さん御自身が明確に反論といいますか、抗議されてない事態はどう受け止めたらよいのでしょう。

 

【知事】

人の容姿に関する揶揄等は公の場で行うべきではないでしょうね。特に立場がある方が行うべきではないと思います。我々も自戒せねばならないと思います。上川大臣のお人柄ゆえのことではないかと思いますが、とはいえ、ここも立場のある方がきちんと反論するということも必要だという御指摘も受けていらっしゃるようですので、そういったことも踏まえて、今後言動をしていかれるのではないかと期待しています。

 

[毎日新聞]

春闘の季節が近づいていますけれども、滋賀県知事として県内企業の経営者に対して何か意見といいますか、お願いといいますか、何かしていかれるのでしょうか。

 

【知事】

今年の春闘も県民としても国民としても、もちろん知事としても大変注目しております。昨年に引き続く、もしくは昨年を上回る賃上げが行われるのかどうか、地方版の政労使会議「滋賀県働き方改革推進協議会」を今週末開催予定ですので、直近の状況などについても皆さんと共有したいと思います。大事なことは、地方のとりわけ中小零細企業を含め、価格転嫁も盛り込んだ賃上げというものが達成できるのかということが、これは暮らしにとっても経済にとっても大変重要なことだと思いますので、こういったことができるようみんなで協力して取り組んでいきたいと思います。価格転嫁に対しては、公正取引委員会がガイドラインを業種別に示されているようなことも聞いていますし、むしろ大きい企業よりも中小の方が動けるようなことというのもあるのかもしれません。こういったことをよく現場の状況も確認して、みんなでその機運を上げていくということも大事なことだと思っています。

 

[共同通信]

3月10日のびわ湖マラソンに、今年、知事はチャレンジされるのでしょうか。

 

【知事】

まだトレーニングはしていません。2回目のびわ湖マラソンですので、実行委員長として温かくお迎えし、安全に遂行できるように努めていきたいと思います。スターターをさせていただく予定です。同時にちょっと去年見られなかったそれぞれのエイドステーションなども見たいなと思っています。またゴールされた方々に対する表彰ですとかメダルかけなども行いたいと思っています。どこかで走りたいなと思っているのですけれども。連れ合いも走りましたので。

 

[共同通信]

 奥様はなんとおっしゃっているのですか。

 

【知事】

妻はもういいと言っています。

[共同通信]

先日、大津市の坂本城の石垣、大変長い立派なものが見つかって注目されています。そんな中で県も安土城の発掘調査を進めておられ、何かすごく面白い展開になるんじゃないかなと思っているのですけれども、知事として今のところ連携して何かしたいなとか、こう活用していきたいなとかあれば教えていただきたいです。

 

【知事】

坂本城の三の丸の石垣が、従前の予測とは少し違った地点で発見・発掘されたということで、大変多くの方に注目をいただいているということに私も注目をしています。週末も少し個人的に坂本の周辺へ行ってきましたけれども、大変多くの方が県外からも年代を越えて見学会に来られていましたし、大杉副知事も現地に見に行かれたということでございまして、熱い視線をいただいているんじゃないかなと思っています。坂本の方々も、石垣のまちですので、しかも明智光秀の居城坂本城の石垣が発見されたということで、地元の方々も誇りに思っていらっしゃると感じていますので、その保存をどうするのか、さらにどのように調べていくのか、こういった事々もぜひ大津市と連携しながらやっていきたいと思います。坂本城をはじめ、安土城もそうですけれども、その時代の文化財も大変豊富ですので、そういったものもうまく生かしながら、また大切に守りながら、歴史を紐解いていくことのできるまち滋賀県という、こういった打ち出しはぜひ今後も強力にやっていきたいと思います。

 

[共同通信]

安土城の発掘調査ですけれども、先日発表もあって一段落し、また引き続き調査を続けていかれると思うのですが、次はどのあたりを発掘するというのは決まっているのでしょうか。

 

【知事】

私もまだ現地に行けていないです。行く予定が少し変更変更になりましたので現地に行けていないのですが、(スライドを指さして)こういった地点を調べにいくようですので、今回出てきたのがこのあたりです。これから20年かけて調べていきますが、最初の地点だけでも今までとは異なることが分かってきました。「破城」ということや興味深い史実なども明らかになりつつあります。特別史跡、大切な文化財ですので調査発掘作業は大変丁寧にやっていく必要がありますが、調査をしわかったことは順次皆さんに公表していきたいと思います。同時に全て調べるまで分かりませんということではなくて、分かったことを御紹介する際の一つのツールとして、おっしゃったデジタル技術を活用した見える化ということもこの450年の一つの節目にやろうとしていますので、ぜひ御注目、御覧いただければと思います。

 

[びわ湖放送]

坂本城のことをお聞きしたいのですけれども、30メートルの石垣が出てきたとお聞きになって率直にどのように思われましたか。

 

【知事】

滋賀県はいろいろなところで出てきますので、ここも出てきたかというのが最初の印象でしたけれど、随分綺麗な状態で、しかも以前とは異なる場所から出てきたということですので、そういう点に注目しているというか、また新たなことがわかることに期待しています。

 

[びわ湖放送]

かつて、1300あった近江の城のPRをしていく滋賀県として、通常であれば住宅地の調査なので、また埋め戻されるのかなというところではあるのですが、残してほしいという声も歴史ファンからはいろいろあると思うのですけれども、今後どうあるべきだとお考えでしょうか。

 

【知事】

私も複数お聞きしました。「今回のこの発見を埋め戻すのはもったいないな」とか、「他にも調べて」というお声は現地でも聞きましたが、私有地もしくは民間の開発、こういうものとの兼ね合いの中で、どう文化財を守っていくかというのがテーマだと思います。どういうことができるのかを大津市ともよく議論していきたいと思います。

 

[中日新聞]

先週お尋ねした全層循環の件ですが、先ほどどこかでは観測されたようなこともおっしゃっていましたが、現状ではどういうような状態でお聞きになっているのでしょうか。

 

【知事】

例年、1月の下旬から2月にかけて確認されるということですので、また昨年は2月13日に確認されたということです。したがってそろそろ起こるといいなということで見ています。通常は月2回の調査ですが、北湖の底層溶存酸素量、これを「底層DO」というらしいですが、DOの調査を月4回の頻度で実施しているとのことです。ただ先ほども一部申し上げましたけど、波の状態とか全ての地点で毎回取れるわけではないということなのですが、直近2月5日に今津沖の地点で行った、これは水深90メートルあたりらしいのですけど、こちらでその非常に多くの溶存酸素量が1地点のみで確認されているみたいですが、このことだけをもって全層循環が起こったということはいえないそうです。すでに一部確認されはじめているということですので、今日行っている調査はとても注目しています。その次は19日にも行くようなので、またわかったら速報で教えてほしいといっています。

 

[中日新聞]

観測されている中で一番遅かったのは、3月とかにもあったのでしょうか。

 

【知事】

平成18年度以降の全層循環の確認日をずっとみていますと、一番遅かったのが3月19日。これは平成18年度。したがって平成19年3月19日。それ以外にも平成27年度こちらも3月の中旬14日ですね。また、平成30年度と令和元年度は確認できなかった。こういった年もあったようです。

 

[中日新聞]

平均でいうと2月の中旬今頃ということなのでしょうか。

 

【知事】

すいません。平均という取り方はしていないのですが、早いときで1月の下旬、20日過ぎ。そして、だいたい2月には起こり、遅くても3月までということですので、(1、2、3、)平均すると2月に起こる、そういったことではないかと思っていますが自然のことなので確認できなかった年もありますので、注視している状況です。

 

[中日新聞]

先ほど月に2回から月に4回調査を増やされたということですがそれは今月からということですか。

 

[担当課]

1月ではなくて、11月など酸素が少なくなったときから実施しております。今月からではなく、秋頃から実施しております。

 

【知事】

11月からだとすれば、立冬に入って暦の上で冬になれば少し調査頻度を上げているという状況かな。10月より11月の調査回数の方が多いのでしょう。

 

[担当課]

はい。多いです。

 

【知事】

※調査回数を増やしたのは「9月から」に修正

ですから11月になるとちょっと増やしている、こういう理解でいいのではないでしょうか。

 

[中日新聞]

引き続き注視をされるということですが、なかなか全層循環が起こらないと湖底の生き物が酸素不足で死んでしまうということもあったりするのですが、そういった影響の懸念というのはどのように考えておられますか。

 

【知事】

そうですね、自然のメカニズムですので十分私達で制御できることではないのですけど状況は注視しています。おっしゃったように酸素が行き渡らなければ、底層にいる生き物の生存がなかなか難しいということですとか、底層の酸素量が十分じゃないと湖底に堆積もしくは沈着しているいろいろなものが染みだしてくるということもあるように聞いていますので、いろいろな影響が生態系もしくは水質に生じうるということだと思います。したがって、まずは毎年起こっているこの時期起こっている、こういう自然のメカニズムが今年もきちんと起こっているかどうかを精緻な調査、そして例年のデータとの比較において、きちんと把握するということがまずは肝要ではないかと思います。

[日本経済新聞]

3月16日に北陸新幹線の敦賀駅が開業しますが、滋賀県は何かやることになっていますか。

 

【知事】

敦賀までの北陸新幹線が開業しますので、そこから滋賀に来ていただけるような様々なキャンペーンや広告、こういったものを従前よりも増やしていきます。

 

[日本経済新聞]

(開業日)当日に何かやるという予定はありますか。

 

【滋賀県】

当日は私は招待いただいています。関西広域連合長としても。当日県内で、もしくは滋賀県主催のイベントをやるということは今は聞いていません。

 

[日本経済新聞]

知事は当日敦賀駅である式典には参加されるということでしょうか。

 

【知事】

御招待は頂いているのですが、公務との兼ね合い、まだ議会会期中でもあるので、どういう日程になるのかというのはまだ調整中と聞いています。

 

[日本経済新聞]

先日話題になった知事の被災地入りについて、敦賀駅での式典に出席するのだったらそのまま(被災地に)行くちょうどいいタイミングかなと思うのですがそのような計画はありますか。

 

【知事】

今そういったものが明らかになっているわけではありません。

 

[日本経済新聞]

大阪への延伸ルートについて、調査費だけつけて調査はしていますが現状京都ルートというのがいつになるかわからないという状況で、米原ルートというのが巷では結構話題になっています。滋賀県知事としてもう一推ししてもいいのではないかと思うのですがいかがでしょうか。

 

【知事】

そのときの経緯経過を御存知の方も少ないのかもしれませんけれども、敦賀以西を決める議論の際には、私達は推して、米原ルートがいいのではないか、早く安く繋ぐことができるという意味で申し上げましたが、結果、政治決断として京都から大阪を通していくというルートが決定されましたので、かつ、そのことに伴う様々な事前の調査費などもついていますので、むしろもう1回決めたからにはそのルートをできるだけ早く通していくということに力を注いだ方がいいのではないかと思います。また、新幹線というのは何となく繋がると大きな効果もありますが、単に高速で停まらない新幹線が走るだけだと、費用のわりに生み出す効果というものに対する疑問の声もありますので、必ずしも通ればいい、通ることを推せばいい、求めればいいということだけではない面もあるのではないかなと思います。

 

[日本経済新聞]

(米原ルートについては)終わった話だということでしょうか。

 

【知事】

私の中ではもう決まった話なので、むしろ京都に早く通すことにみんなで頑張りましょうというものです。

 

[日本経済新聞]

ダイハツの話ですが、昨日京都の工場では2車種について生産を再開しました。滋賀の工場は3月1日までは閉めるということですが、3月2日から再開するのかあるいはまだ延びそうなのか、その辺の感触というのはありますか。

 

【知事】

まだそういった情報というのはいただいておりません。ただ今お尋ねいただいた中で、工場を閉めるという表現がありましたけれども、必ずしもそうではなくて、海外向けのいろいろな製品などは、滋賀工場、竜王工場でも一部つくられているようですので、そういう意味でいくらかの生産はされているのだと思います。ただ、今止められている車種の製造の再開というのは、第1段階がこの2月で、そして第2段階が3月の上旬に予定されていて、滋賀の工場でいつからどの車種でどれぐらいというのはまだ聞けていませんので、この辺りは、できるだけわかったことを早く知らせてほしいと申し上げていますので、情報を待ちたいと思います。

 

[NHK]

(能登半島地震に関して)県内に避難している方が一定数おられるとお聞きしました。基本的にはそれぞれの自治体がそれぞれの被災者にアプローチして支援等を行っていくということですが、滋賀県として何かこういった方々に支援等を行う予定というのはあったりするのでしょうか。

 

【知事】

今のお尋ねというのが、どういう形で避難されているかにもよると思います。石川県が2次避難先、2次避難所として、例えば既に県内からも御提供いただいている旅館ホテル等、もしくは私どもが市町と一緒に提供している公営住宅等ということであれば、石川県との連携の中で県も関与して対応いたしますが、自主的にちょっとまだ揺れるので、もしくはいろいろ被災されたので自主的に動かれている場合というのは、県として何か把握をするというものではないので。前者については石川県との兼ね合いで一定のやり取りはさせていただくことになります。

 

[NHK]

先ほど触れていただいたアユ漁ですけども、なかなか難しい状況になっているということなのですが、これに関しても今後県として増やすための取組が行われたりするのでしょうか。また、毎年増えたり減ったりということがありますが、今後増やすために、漁業関係者とどのように取り組んでいくのかお伺いできればと思います。

 

【知事】

おっしゃったように毎年増えたり減ったりという状況がありますが、アユは琵琶湖産の湖魚の中でも主要産物ですので、とても大事に思っています。したがって、まずは状況どこでどういう状況なのかというのをきちんと把握をさせていただいた上で、どういう対策をすればいいのか、もしくはその対策がすぐに思い浮かばないということであれば、どういう形で検討していけばいいのかということを考えたいと思います。今持っている手段としては緊急の対策として、人工河川からの放流というのは持っていますけれども、果たしてそういうことで対応することで可能なのかどうかも含めて(検討したい)。一年魚ですのでなかなか難しい面もあります。産卵環境が河川で、例えば姉川の河口とか、非常に限られているということもあるので、そういったところの環境の問題が影響しているのか、病気なのか水温なのかいろいろなこともあるので、少しこの辺りは水産課とも議論をした上で、皆様方にお知らせをしていければと思います。

[NHK]

琵琶湖の水位が今日の時点でマイナス55センチとかなり上がってきましたが、現状をどのように知事として受け止められているかお伺いできればと思います。

 

【知事】

以前の70、80の頃に比べると、水位が増してきている、琵琶湖が少し元の姿を取り戻しつつあるのではないかと感じていますが、まだマイナス55センチ。通常ここずっと上がっていくのかどうかを見ていかなければならない。そういうレベルだと思います。年末のこれまでにない水位の減り様で、これから水を使うことを想定されている農業者の方々も大変心配されておられますので、まずはこの水位の状況を確認し続けるということと同時に、限りある資源ですので大切に使っていくということを県内はもとより、県外の方、とりわけ下流府県の方々に引き続き呼びかけていくということはしたいと思います。「滋賀県知事が話すと、いつも琵琶湖の水位の話ですね」と最近言われているのですが、私が言わないと他に言う人がいないので、ここは努めていきたいと思います。

 

[京都新聞]

先ほどの北陸新幹線米原ルートの関係で確認したいのですが、これまでから知事は再考することはないとおっしゃっていて、先ほど少し踏み込んだ表現をされたかと思います。「停まらない新幹線を通しても、費用のわりに生み出すものが少ないのではないか」と。ただ滋賀県内では米原駅が少なくともあり、そこを通ることになるわけですが、現時点で米原ルートというのが実現しても滋賀県にもたらす経済効果は費用の割には少ないと、そういうふうに思ってらっしゃるのでしょうか。

 

【知事】

必ずしも私はそういう趣旨で申し上げたわけではなくて、当然新たなルートができれば、新線の新たな駅をどこにするのかセットで議論されると思いますので、大体これまでの通例でいくと、1県1駅という整備新幹線のルールでつくられるとすれば、その駅をつくること、駅に停まることの効果というのは一定あると思います。ただ、国と地方とで3分の1ずつ負担をするという、この手法でそれに見合うだけの効果が得られるのかということを疑問視される、そういう議論もないわけではないので、そのことを申し上げました。また北陸新幹線の敦賀以西のルートというのは、私どもはもう一定議論の末に決めたことなので、決めたことに従ってできるだけ早く、決めたルートが整うようにやることが肝要ではないか、効果的ではないかという意味で申し上げています。ただその先には、これは以前申し上げましたけれども、基本計画としてそれ以外の路線、中部圏と北陸圏、山陰等を結ぶ中部新幹線構想というのもありますので、北陸新幹線で一定のめどが立ってくれば、今度は中部から北陸をどのような高速鉄道で繋いでいくのかという中に、滋賀県の例えば米原をどう扱うのか。こういう議論というのは今後ないわけではないと思います。

 

[京都新聞]

「停まらない新幹線を通しても」というのは、何を想定した御発言だったのでしょうか。

 

【知事】

停まらないというか、例えば敦賀以西で米原まで持ってきたとき、敦賀以西、米原までにどこかに駅ができれば、それは一定の効果はあるのかもしれませんけれど、駅をつくらずに米原まで持ってくるということであれば、線は通るのだけれどもそんなに滋賀県に効果というのが発現しうるのかという意味で申し上げました。

 

[京都新聞]

そうすると、前に米原ルートを推したときと比べて、今は物価が上昇しているとかいう状況が違う、変わってきていると思いますけれども、だからこそもう米原ルートは推さないという意味ではないということでしょうか。もう既に決定したことだから米原ルートを再び推すということはしないという意味でしょうか。

 

【知事】

皆さんそれぞれの御関心、思いの中で問われるとは思うのですけれど、1回決めていますので、もう。敦賀以西は京都を通して大阪まで持っていこうと。そこからまた米原にした方がいいのではないかということを言うことにどれだけの意味があるのか、私はそこが疑問です。やっぱり決めたのなら、決めたことを早く通していこうと。私はその決める過程で、米原の方が近いのではないですか、かける費用は、繋ぐという意味においてはより安くてつなぐことができますよねという観点で申し上げましたけれども、いやいや、米原ではないのだ、京都・大阪なのだと決めたなら、決めたことをやろうということですね。

 

[読売新聞]

先ほどの坂本城の石垣の話について、どういうことができるか大津市と議論していくということですが、どういうことというのはつまり、民有地にあるものを保存ができるかどうかということですけれど、県と大津市で保存ができるのかどうか考えていくということでしょうか。

 

【知事】

いや、まだ何か明確なものを持って申し上げているわけではありません。今回、民間の開発の中で出てきたと聞いていますけれど、もちろんそれをそのままの見える状態で残していつでも見られるのが一つの保存と活用の状況なのかもしれませんし、県内各地の文化財もそうですけれども、地中には埋まっているけれど地上には他のものが建っているということやものもたくさんありますので、例えばそういうことをもって保存という場合もあるでしょうし、これはいろいろな言い方、やり方があると思います。ただいずれにしろ、その当該場所がどういうもので、その先にどういう計画があって、そして大津市さんなり持ち主の方々がどのように思われているのかというのは、よく伺った上で考えていく必要があると思います。

 

[読売新聞]

それはつまり、場合によっては保存することもあり得るということなのでしょうか。

 

【知事】

いや、可能性は否定しませんけれど、全ての可能性を否定しませんけれども、そんなに簡単なことではないと思います。

 

[滋賀報知新聞]

特別支援学校に関する話題で質問します。先週、特別支援学校を利用する児童・生徒の保護者の方などでつくられる団体の方が、知事と教育長に対して教育環境改善を求める署名というのを1万8000筆以上提出されています。その中では学校の新設を求めるという継続した要望も出ていますが、来年度予算案では県南部に新しく分離・新設を進めていくというものも今回要望に組み込まれており、これで利用する児童生徒の教育環境が改善されていくといいなと思います。今後、議会で議論されますが、スケジュール感はいかがでしょうか。教育長に同じ質問したときは、スピード感が大事だというお話でしたが、知事の所感として、まず分離・新設を進めていくとして、どういう気持ちが大事なのか教えてください。

 

【知事】

この特別支援教育に関しては、通われている児童・生徒、またその御家族の皆様方からたくさんの御要望もいただいているところでございますので、そういったものはきちんと受け止めて、どういう対応をしていかなければならないのかというのを、我々、教育委員会とも考えていきたいと思います。来年度に向けては懸案であった草津と野洲の大規模、これらを解消するための知肢併置の特別支援学校1校を分離・新設することと、北大津の養護学校、これが大変狭くなっていましたので、校舎の増築ということをやっていこうと考えています。北大津養護の校舎増築については、もう既に場所も決まっているのである程度スケジュールが明示できるのですけれども、分離・新設については、いつどのような規模でということを申し上げるのは、すみませんがまだできる状況にはありません。ただ、子どもたちの日に日に、年々の成長発育に関わることですので、教育長同様、私もスピード感を持って対応することが重要だと思いますので、この点はきちんと置いて、進めていきたいと思います。

[滋賀報知新聞]

今回、分離・新設をされるところ、草津と野洲以外のところでも、もう入っている生徒さんの数がパンクに近いところもあるのではないかという話もあり、1校だけ分離・新設するぐらいではすぐ今と同じ状況になってしまうのではないかとか、現場の教員の数がやはり少し足りないので、もっともっと充実させてほしいという要望、課題はたくさんあると思いますが、こういったことに関して、先ほどしっかり受け止めるというお話でしたので、改めてどのように向き合っていかれるか、お気持ちを聞かせてください。

 

【知事】

現場の課題は共有して、それらをどうするのかを考えていきたいと思います。ただ私どもが今当面、教育委員会として把握をし、将来推計、想定として考えている各校の児童の推移、児童・生徒の推移からすると、まずは北大津養護の増築と、そして新たな特別支援学校の分離・新設というものによって一定対応できるのではないかと踏んでいますけれど、その後のまた児童・生徒の伸びですとか人口そのものが増えていくこと、またそれぞれの地域の学校にも特別支援教育が必要な子どもたちが学んでいますので、そういったこととの兼ね合いでどのようなことが想定されるのかというのは、また常に考えていきたいと思います。

 

[日本経済新聞]

北陸新幹線のルートが議論されたときは、米原には新幹線は停まらないということだったのですか。米原ルートは米原に停まるのかなと思ったのですが、先ほどの京都新聞とのやりとりで「停まらない新幹線」と言っていたので、あれ?と思いまして。

 

【知事】

そのときに、この駅にどれだけの新幹線が停まるということが十分決められていたわけでも、想定されていたわけでもないのですけれど、我々は米原ルートで米原に来た際には、米原に停まる、米原で乗り換える、こういうことは想定していました。ただ通常、東海道新幹線の中では、米原というのは「のぞみ」が停まる駅でもないし。だからどういうダイヤが組まれるのか、列車速度が想定されるかによっては、そうではない可能性というのもないわけではなかったのかもしれません。

 

[日本経済新聞]

仮に「こだま」みたいな各駅停車だけだとしても、米原に北陸新幹線が延伸して停まってくれるのだったら、やっぱり北部振興の一つの大きなピースになるのではないかと思います。意味がないということは全くないような気がするのですが、いかがですか。

 

【知事】

やはり駅とか高速鉄道というものは街にとって大きな起爆剤になると思いますので、私は意味がないということは決して思っていませんし、申し上げていません。ただ同じように北陸以西を考えて、どういうルートにするのかという、もう一定決まった議論がある中で、再度また米原を持ち出してやるということに果たしてどういう意味があるのかということを申し上げていることです。あとはかける費用との見合いで、背負う負担との見合いでどのように考えるのかという、こういうことはあるのだと思います。

 

[日本経済新聞]

いずれにしろ、米原ルートになったら米原には停まる可能性は高いというふうに考えてよろしいわけですよね。

 

【知事】

どういう線形にするかでしょうけれど、停まる可能性は高いでしょう。ただ当時もいろいろ議論して、今も乗り越えられていないのでしょうけれども、JR東日本とJR西日本がずっと伸ばしてくる新幹線が、JR東海の米原駅に繋がっていくことに対するいろいろ乗り越えなければならない事々ですとか、そういったことがまだこの国は乗り越えられていないのだと思います。またもう一つ、当時の米原ルートは早く通そう、安く繋がるぞということで、関西広域連合もその受益を分担し合って費用負担するから米原ルートにしようという、こういう話があったので、米原ルートでしょうということを申し上げたのですけれど、状況が変わりましたよね、費用負担まではシェアできませんという、こういった議論もあったりしましたので、少し前提は変わってきているのではないかなと思います。

 

[日本経済新聞]

わかりました。JRグループの中の話もあるわけですね。

 

【知事】

 中の話もあるのではないかと思います。

 

[日本経済新聞]

東京駅とか品川駅をみていると、まあそうかなという気がしますけれど。わかりました。

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