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知事定例記者会見(2024年2月7日)

令和6年2月7日
(県政記者クラブ主催)

【知事】

今日もどうぞよろしくお願いいたします。暦の上では立春を過ぎまして、一日一日春めいてまいりました。そろそろウグイスの鳴き声が聞こえるのでしょうか。楽しみにしております。雪解け水も入ってきているからか、琵琶湖の水位も回復傾向にありまして、今朝の時点でマイナス57センチということで、グラフを見てもお分かりいただけるとおり、少しずつ回復傾向、今年に入ってですね、特に先月末からぐっと回復してきているという状況を御覧いただけると思います。引き続き状況は注視しながら対応していくこととなります。

ダイハツ工業の不正事案に係る対応について、また石川県能登半島震災の支援について、いずれも本日午後、ダイハツの問題については滋賀県総合経済・雇用対策本部の本部員会議として、こちらは1530分から。また能登半島の方は本日16時10分から、第2回災害支援本部本部員会議として開催することとなります。後者は、江島副知事が本部長ということになっております。能登半島震災に対しましては、先般も支援に行った職員から報告を受けましたが、一緒にお聞きいただきましたとおり、被災地の状況はいろいろな変化があるということ、また、被災された方、その地域によって様々だということがございますので寄り添った対応を県としてもやろうと。その一環でございますが、日曜日からは、動物愛護業務に対応する獣医師の派遣でありますとか、保健師、介護職の派遣要請にも対応していくと。先々日、長浜市からは水道担当の職員も行かれたようでございますので市町と連携しながら、現地被災地、被災者のニーズに寄り添った対応を引き続き行ってまいることといたします。

今日は私から情報を1点。資料がお手元にあると思います。滋賀県で活動経験のある地域おこし協力隊のOG、OBの皆さんが後輩を応援しようという団体を設立されることになり、設立報告会を2月13日火曜日に開催されるということでございます。地域おこし協力隊は御案内のとおり、まちの活性化など地域の抱える課題を解決するための使命、ミッションに共感してその地域に来ていただく、頼れる助っ人でもあります。他所から来られるということが多いので、化学反応をいろいろな形で起こしていただく存在でもあります。滋賀県内では2010年度以降、平成22年度以降、これまで13の市町で計167名の協力隊員の方々が御活躍いただいております。昨年末現在でございますが、今、ing形で活動進行中という方が、10の市町で45名の隊員の方がいらっしゃるということでございます。それぞれ地域資源を活用した特産品の開発やそのPR、空き家・空き店舗の活用など地域の活性化に向けて精力的に活動いただいているというところでございます。とはいえ、地域に入っていく、もしくは過ごしていく、活動をしていくにはいろいろな御苦労があるそうでございまして、よく知っていらっしゃる協力隊のOG、OBの方がその後輩をサポートしようという組織を立ち上げていただけるそうでございまして、県としても知事としても大変心強く思っているところであります。県もしたがって後押しいたしまして、この度、一般社団法人しがごとまるごと協力隊ネットワークが設立される運びとなったそうでございます。新たな団体では、隊員の活動や日常生活の悩みに関するサポートを予定されているということでございます。その内容はチラシのとおりでございますが、県もこの団体、また市町とも連携いたしまして、隊員の皆さんのサポートを行いながら持続可能でやりがいのある地域づくりに関わりたい、地域を盛り上げたいという方をぜひ増やしていきたいなと思っているところでございます。これは北部振興につながる取組だと思います。私からは以上でございます。

[毎日新聞]

冒頭説明のありました、ダイハツと能登(半島地震)の本部員会議について、今日このタイミングということは、何か新たな支援、対策、方針を打ち出す会議になるのでしょうか。

 

【知事】

内容は担当部局で詰めてくれていると思いますが、いずれも今日的な最新の状況、情報を共有するということがメインになると思います。何かこの時点で皆様方にお知らせする新たな内容があるということは、私は今聞いておりません。

 

[毎日新聞]

琵琶湖の水位は、(引き続き水位を)注視するだけということでしょうか。

 

【知事】

そうですね。随分回復してきたなと思います。まだ雪が積もっていたり、雪解け水が流れていたり。一部では雨が降ったりしていますので、これから回復していくのではないかなと期待していますけれども。(スライドを指さしながら)例年ぐっと回復していますので期待していますが、いろいろな報道等もあって、随分いろいろな方が心配、注目されていることでもありますので、この機会に坂本城の石垣が出てきたなどですね、あれもすごい発見だということだそうでございますし、普段行けないところに歩いて行けるなど、この時期、渇水だからできる工事・浚渫をやっていますなど、いろいろなこともありますので、生かせるところは生かしながらこの変化は注視していきたいと思います。

 

[毎日新聞]

地域おこし協力隊についてですけれども、こういう名称ではないまちおこしといいますか、林業支援等もあったかと思います。そういう人たちも参加する形でしょうか。

 

【知事】

基本まずは地域おこし協力隊の皆さんのつながりを大事にしつつ、OG、OBの方がサポートする体制をつくりつつ、今おっしゃったように地域おこし協力隊ではないけれども、地域の様々な課題に対応されている方ともゆるやかにつながっていけるようにしていけたらいいなと思います。

 

[毎日新聞]

先日、隣の京都市の市長選挙がありまして、選挙結果について知事の思われるようなことがあれば御感想をお願いしたいです。

 

【知事】

まずは、4期16年、まだ任期中でいらっしゃいますけれども、いろいろと大変な折、市政を牽引してこられた門川市長に心から敬意を表したいと思います。個人的にも様々な御指導をいただきましたので、いろいろな思い出もあります。また、当選された松井孝治さんは、多様なかつ豊富な御経験をお持ちで、御見識も広く高く、そして私も民主党政権時代、様々な御指導をいただいた、ある意味での同志でもありますので、御活躍を期待したいと思います。また、隣の市、政令市、ゆかりの深いまちでもありますので、連携して様々な取組をしていけたらいいなと楽しみにしているところです。とはいえ、投票率のこととか、一緒に立候補された方々に入った票とか、選挙期間中に聞かれた事々あるでしょうから、折に触れ、機会を見つけて、いろいろな情報交換、意見交換ができたらいいなと思っているところです。

 

[共同通信]

しがごとまるごと協力隊ネットワークを設立される4人の方について、知事が御存じでしたら教えていただきたいのですが、今も県内にお住まいで何か活躍されているのでしょうか。

 

【知事】

設立時のメンバーの藤田さん、山瀬さん、前川さんいずれも滋賀にお住まいの方で、藤田さんとか、百済寺のお酒づくりをされた方ですし、前川さんは奥永源寺で紫草の栽培をされている方で、私も移住したときに御一緒したりしたこともあるのでよく存じ上げています。御苦労もあっただろうけれども、地域の方とも連携しながらいろいろな取組をされている、された方々ですので、こういった方々が相談に乗っていただけると次に来られる方も大変心強いのではないかなと思います。

 

[共同通信]

地域おこし協力隊の関連で、今現在稼働している方が10市町で45人とのことですが、これまでの延べ数でいうとどれぐらいの方が滋賀県でお仕事をされてきたのでしょうか。

 

【知事】

2010年度以降、平成22年度以降、13市町で、167名の方が活躍されたとのことです。

 

[共同通信]

地域おこし協力隊の方にあらためて期待されることや、滋賀にせっかく来てくださったので、今後どう活躍していただきたいなどがありましたら一言いただけますか。

 

【知事】

まず、この志に敬意を表したいと思います。滋賀に来て、それぞれの地域に入って、御関心の分野、活動の分野はそれぞれですけれども、その地域のために頑張りたいというこの志に敬意を表すると同時に、先ほど一部申し上げましたけれど、その地域の方とコミュニケーションをとりながら、いろいろなお話をされたり、中には「何を考えているかよくわからん」とか地元の人に言われながら、粘り強く話をされ、「あいつなんか最近頑張っているな」とか、何となくみんなも引きずられるように一緒にやるようになっていったという事例もあるようですので、そういう意味で化学反応とか地域の牽引役として期待していますし、ただ、人知れぬ人に言えない悩みなんかもあるのだと思います。そういうことをよく聞いてあげて、より活動しやすい環境というものをつくっていけたらいいなと思います。

 

[NHK]

能登半島地震についてですが、2次避難で滋賀県に来られたという方は既にいらっしゃるのでしょうか。

 

【知事】

きちんと行政に連絡が入っている方ばかりではないので、公式には、来られていると聞いてますが人数や場所は県として掴んでいませんというのが今の状態だと思います。

[NHK]

つまり、例えば県営住宅やそういった場所に入られている方はいらっしゃらないが、知人を頼ってや行政を通さずに避難してこられている方がいることは把握されているということでしょうか。

 

【知事】

その方の状況もあるので、どこにどれだけというのは公表を控えていますが、県営住宅に対しても御相談があるということは聞いています。

 

[NHK]

以前も質問があったと思いますが、つい最近も三重県知事が現地(被災地)入りをするという報道がありましたが、改めて三日月知事は被災地訪問、現地入りについてはどのようにお考えでしょうか。

 

【知事】

現時点この場で申し上げられる予定というのは決まっていません。またいついつ行こうということを思っているわけではありません。報道で見るだけではなく、間接的に報告を受けるだけではなくて、私自身も自分の目で見たり、空気を感じ取るということはやりたいし、必要なことであると思いますが、被災地の状況を勘案して、入るタイミングについてはもう少し慎重に見極めたいと思っています。

 

[NHK]

新年度当初予算案のことについてですが、防災対策であったり子ども支援政策であったり様々な要素が集まっているものだと思いますが、改めて知事としてはどういう思いを込めて編成されたのか伺ってもよろしいでしょうか。

 

【知事】

今年度、おかげさまでコロナが5類移行になりまして、3年余り続いたコロナの対応から抜け出せた予算案、事業になっていきます。とはいえ進行する人口の減少だとか、生まれてくる子どもの数が以前よりも大きく減ってきている状況だとか、また世界的にもウクライナの問題、パレスチナの問題、物価高騰、人材不足、こういった様々な状況もございますし、加えて能登半島の地震もあった。夏の酷暑等もあった。したがってこういう変化の中にあっても、「ともにいきる」ということを大事にしていこうじゃないか。また悩みや苦しみを、みんなで力を合わせて助け合って生きる、「水」の恵み、災いにも心を寄せて生きる、また世界とともに生きるという思いを込めて、来年度当初予算は「ともにいきる。未来につなぐみんなでつくる健康しが2.0」ということで表現をさせていただければと考えているところであります。具体の柱につきましては、今もお触れいただいた地震防災力の強化なども入れ込んだ上で、3期目、力を入れております「子ども・子ども・子ども」そして「ひとづくり」、また「安全・安心の社会基盤と健康づくり」、そして「持続可能な社会・経済づくり」、「自然環境や生物多様性の保全・再生」こういう柱立てをつくった上で、北部振興と来年開催させていただきます国スポ・障スポ、そして万博、このレガシーづくりをやろうということで、予算案を取りまとめ、皆さんにご理解いただけるように努めていきたいと思います。

 

[NHK]

一方で、財政調整基金を132億円取り崩し、さらに県債を50億円分発行するなど、正直苦しい部分もあると思います。近いうちに財政調整基金が枯渇してしまうのではないかという懸念もあるということで、改めてそこに対する危機感やお考えを伺ってもよろしいでしょうか。

 

【知事】

地方自治体の財政、滋賀県の財政も油断できない、予断を許さない大変厳しい状況というのはございます。したがってこれまでどおり、これまで以上に、「入りを量りて出ずるを制す」、こういった作業というのはより精緻に行っていきたいと思います。と同時に、今を生きる人たちのために必要なもの、そして未来への投資という観点で必要なものについては厳選した上で、事業を計画的に行わせていただくという説明責任を果たしていきたいと思っております。今お触れいただいた基金につきましても、財政調整基金、来年度予算を収支均衡させるために使って残高が幾分減りますので、できる限り早期に復元できるように、またこの基金が枯渇することがないように努めるということと同時に、そのためにも県債残高の管理などにつきましてもより厳しく見積もっていきたいと思います。

 

[京都新聞]

京都市長選で松井孝治さんが初当選した関連で、何かと滋賀県と繋がりの深い京都市ですが、財政難であるとか、世界中から観光客がたくさん訪れて市民の暮らしに影響するオーバーツーリズムの問題であるとか、いろいろ難題を抱えていると思います。知事は松井さんと同じ元民主党の国会議員でいらっしゃって、新しい公共であるとか地域主権であるとか、そういったところで思いをともにされたと思いますが、今後の京都市で松井さんが舵取りをしていく、難題に取り組むというときにどんな期待をされているか。またエールのようなものがあればお願いします。

 

【知事】

今もお尋ねいただきましたし、先ほども申し上げたように尊敬する先輩です。そして同志です。様々な経験をされていらっしゃる方で、とてもクールでクレバーな方であると同時に、温かい心の方でもいらっしゃいますので、そういう意味で隣の市の市長さんとして、広域連合の一員として、一緒にできることをとても心強く、また楽しみに思っています。今おっしゃった新しい公共とか地域主権のためにも、それぞれ首長として連携していけたらいいなと思いますし、選挙戦で争点とか候補者のいろいろな政策ということでよく出ていたオーバーツーリズムの問題ですね。もちろん一部、一時期、そういったことがあるのかもしれませんけれど、聞いていますと京都全体で見ればまだまだ人の流動をつくっていけるところがあるのではないかという観点ですとか、隣の市もしくは広域の周遊で訪れていただけるような取組ですとか、これも隣の自治体としてもっともっとやれることがあるのだろうなというふうに思っております。まずはいろいろな声を聞かれて当選された松井さんともいろいろなところでお話したいなと思います。選挙を経た首長というのは、いろいろなことを感じて市役所に、庁舎に入って行きますので、その感覚をちょっと私も隣にいて感じたいなと思っています。

[京都新聞]

今のお話にもありました関西広域連合でまた一緒にやっていくというところですけれども、特に関西として一緒にやってみたいこと、やりたいことがあればお願いします。

 

【知事】

今もやっているのですけれど、特に門川市長、西脇知事がリーダーシップをとっていただいて文化庁が京都に移転してきて、文化首都としての様々な取組ですね。万博もあるのでそういった面で盛り上げようとか、経済に文化的な視点を入れてさらに発信力を高めていこうとか、こういう取組というのはやはりその中心的にやっていただける方だと思います。隣にいますので、広域連合の一員ですので、そこはより強力にやっていけるのではないかなと思いますね。もちろん門川さんには門川さんの強みがありましたけれど、松井さんは中央省庁のお仕事もされていたし、大学教授もされていたし、官房副長官でもいらっしゃったので、そういう意味で、どこを押せば何が出てくるかということもよく御存じのことも多いでしょうから。引き出しとかいろいろお持ちですよね。楽しみです。そういう意味で。

 

[中日新聞]

地域おこし協力隊について、おそらくこれは任期が3年ぐらいの制度だったかなと思います。大体よくいわれるのは定着だとか継続性ということですが、そういったところもこういったネットワークでサポートしていくという、そういう思いでしょうか。

 

【知事】

そうですね。一期一会ですから、またそれぞれの方の志とか思いもあるでしょうから、気に入ってもらえるのだったら、ここだと思っていただけるなら、滋賀県で引き続きそれぞれの地域で活動してほしいなと思いますね。何か縛りつけようとかいうことではないと思います。ただ、いろいろな悩みを持って、お互いにとってこんなはずじゃなかったということで出て行かれたり、お別れになったりするのは悲しいので、せっかくの機会、もったいないので、ぜひそういったことがない、できるだけないようにフォローできたら、相談に乗れたら、そういう思いもあるのではないでしょうか。それぞれ苦労されてやってこられて、そういうご経験もおありなので。私も聞いてみたいなと思いますね。こういう方々のOG・OBとしての思いを。

 

[中日新聞]

別の話題で琵琶湖の話ですが、全層循環の話が気になってくる時期だと思いますが、今年の琵琶湖の深呼吸に関して、何か情報は今のところ入っているでしょうか。

 

【知事】

今、全層循環が行われたという情報はまだ入っていません。ずっと見てくれているのだと思います。あるとき突然起こりますので、ただ起こらないと「いつもよりも遅くなっています」という報告が上がるので、ここは水位とともに注意深く見ていきたいと思います。それよりも何よりも、アユの量が例年よりも極端に少ないという報告を受けていますので、そちらのことの方が今は心配です。

 

[中日新聞]

アユの種漁獲量が少ないというのは、今のところ原因について何か思い当たるようなことがあるのでしょうか。

 

【知事】

近く担当から、状況と考えられる原因のレク(説明)を受けることにしています。これがアユだけなのか、またそろそろ鮒寿司の原料になる二ゴロブナなどそういった魚種に影響するのか、しないのかとか。自然のことですからわからないことも多いのですけれど、専門職員から少しレクチャーを受けたいと思っています。

 

[中日新聞]

また別の話題ですが、2月になると春節で中国人の観光客の方もどんどん入ってくる時期かなと思っております。京都に行くと中国語を話される方とすれ違うことが多くなってきています。昨年から湖南省との交流も本格的に再開されている中、中国人の方の誘客やそのための魅力の発信についてどのようにお考えでしょうか。

 

【知事】

湖岸を歩いていても電車に乗っていても、中国語で会話をされている、どこの方かわかりませんけれど、そういったことに触れることが増えたように思います。したがって春節の機会に日本に、そして関西に、滋賀県にもお越しになる方が多いと思いますので心から歓迎していきたいというふうに思います。湖南省との関係で申し上げれば、コロナのときから、今もそうですけれど、ウェブでいろいろな観光スポットを御紹介したり、コロナが明けて旅に出られるようになったらぜひこういったところに行ってみたい、こんなことやってみたいという(ふうに思っていただける)ことをずいぶん訴求なり御紹介したりしてきましたので、そういったところにどういう反応があるのかということもこれから確かめていきたいなというふうに思います。

 

[毎日新聞]

今度の組織改編等に伴って定員数の変更がありましたけれども、警察官とか知事部局を増やされる中で、小中学校の教職員マイナス9(人)となっています。これは理由が何かあるのですか。

 

【知事】

生徒減に伴うこと、そしてクラス数等が減れば減っていくものもあると思います。詳細は教育委員会でないとわからないところがありますが。ただ当然増やさなければいけないこと、増やして対応してほしいと望まれているところもありますので、その相殺の中でトータルとしてはマイナスになっているものもあるのだと思います。

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