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知事定例記者会見(2023年12月5日)

令和5年12月5日
(県政記者クラブ主催)

【知事】

今日もよろしくお願いいたします。先ほど御覧いただいた第5回の子ども政策推進本部に関する御質問も後ほどお受けしたいと思います。琵琶湖の水位は、今朝の時点でマイナス69センチと報じられております。11月27日に、滋賀県水位低下連絡調整会議を設置いたしまして、先週末時点での影響等について調査を実施いたしました。影響として報告がございましたのは、次のような事項でございます。お手元に資料があると思います。一部の港湾、漁港などで岸壁と船舶との高低差があるので、人の乗り降り、荷物の積み下ろしに支障が生じているということがあるようです。また、びわ湖フローティングスクール、「うみのこ」(について)、竹生島港で乗降が危険となってしまうので、竹生島に降りての見学を中止しているということがございます。そういうところにまで影響が出るのかということは私も実感いたしました。また、水深が浅くなって、船舶の航行障害があるということとか、瀬田川等の一部の漁場が縮小してしまったり、舳先やプロペラの破損が生じている、こういったこともあるようでございます。また、えり漁の「えり」の設置がしにくいとか、補修がしづらいとか、漁獲が見込めない一部のエリアでは休漁されているとか、こういったこともございます。特に、県民の生活に直接大きな影響を与える事態というものには現時点なっておりませんが、状況を注視いたします。北部地域で時雨たり、また雪が積もっていたりといったことが水位回復にどれだけ影響してくるのかということもあると思いますが、引き続き状況は注視します。なお、マイナス75センチになりますと、こちらに書いてありますとおり、渇水対策本部を副知事が本部長で設置するということになります。大体、水位1センチで大阪の京セラドーム6個分の水があるのだそうです。ドーム6個分というのがどれぐらいの水なのか、大体そういう水(の量と)御想像いただければと思います。なお、今日夕方に関係の用務に出かけますが、関西広域連合の連合長になって1年が経ち、2年目に入っております。様々な成果実績があった一方で、分権型社会の実現、国の機関を丸ごと移管というのはまだまだ道半ばということがございます。引き続き、「担う関西」、そして、「動く関西」、「つながる関西」、というものを皆さんと力を合わせてつくっていきたいと思っております。なお、こういった連合長をさせていただくことにより、滋賀県に様々な波及効果をもたらすことができるよう、精力的に公務に勤しんでまいりたいと存じます。

それでは一点、今日は資料をつけておりますが、総合開会式まで、今日であと663日となりました、「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ」公式ポスターについてのお知らせでございます。現在、競技会場を整備したり、来県される選手、応援の方々に滋賀らしいおもてなしができるように準備を進めているところです。大会に向けて機運を醸成したり、競技会場の装飾等に活用したりする公式ポスターにつきましては、現在、デザインの審査を進めておりまして、資料にあります、こちらの4つの作品が最終候補になっているということでございます。この両大会の盛り上げにつなげたいということで、それぞれの方の「推し」のデザインを皆様方の御参加のもと選んで、教えてしてほしいということでございます。したがって県民アンケートを実施いたします。このアンケートの期間は、明日12月6日の水曜日から令和6年(2024年)の1月8日まで。受付方法は記載の3種類でございます。しがネット受付サービス、こちらはインターネットです。旧ツイッターのX、そして、パネルやポスターにシールを貼ってもらう方法ということでございまして、4つのデザイン案から「これがいいな」というものにシールを貼ってもらう。このポスターの設置場所は、県庁の新館2階入口、琵琶湖博物館ほか主な県立施設等でございます。期間中、まだ紹介できないそうでございますが、商業施設などでも少し置いていただけるコーナーをつくれないか、今模索をしているということでございます。このポスターデザインは、今御紹介したアンケートの結果なども参考にさせていただきまして、2月に開催予定の国スポ・障スポ広報・県民運動専門委員会で審議の上決定され、3月、日本スポーツ協会・国スポ委員会で承認を受ける予定でございます。ぜひ皆さんで盛り上げるべく、「推し」についてのアンケートに御参加ください。よろしくお願いいたします。私からは以上でございます。

[毎日新聞]

今の(「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ」公式)ポスターについて、今回案は4点ということですけども、全部で何点ぐらい応募があったのでしょうか。

 

【知事】

42件の応募がありました。個人の方から34件、団体から8件。県内在住・在勤・在学の方からは32件、9歳から68歳まで幅広い年齢の方から御応募があったと。

 

[毎日新聞]

(琵琶湖の)水位低下について、フローティングスクールでは、通常竹生島に上陸して見学している、それを外したということでしょうか。

 

【知事】

毎回ではないのでしょうけれど、竹生島に行く航路のときに、今上がれなくなっている、そういう状況です。

 

【毎日新聞】

(琵琶湖の水位低下について)森林関係は影響なしということですけれども、森林関係に影響が出た場合、どういう影響があるのでしょうか。

 

【担当課】

一昨年、令和3年度の渇水の際は、雨が少ないということで、山の木に影響があったということで調査してまいりました。

 

【知事】

水位そのものが下がった影響というよりも、雨が降らないということによる影響等もあるかもしれないということです。

 

[毎日新聞]

子ども政策推進本部の件でお尋ねしますが、市町の先行例があるということでしたけれども、どのような支援の先行例があると把握されているのですか。

 

【知事】

先般の首長会議でも一部紹介されておりましたけれども、市町でフリースクールに通う世帯に対して支援されている、そのことだと思います。

 

[毎日新聞]

他府県の先行事例も収集されているという理解でいいですか。

 

【知事】

はい。

 

[毎日新聞]

このスケジュールを見ると、このプランを今年度中に公表するという流れでいいのでしょうか。

 

【知事】

今年度中にこのプランを定め、公表していきたいと思いますし、このプランに基づく支援策を同時に検討し、公表していくことになると思います。

 

[毎日新聞]

それと不登校支援も含まれているということですけれども、いわゆる学齢期をすぎても不登校というと変ですが、いわゆる引きこもり、そこまで視野に入っているのでしょうか。

 

【知事】

まずは今回つくるプランは、「学びと居場所の保障プラン」。不登校の状態にある子どもを支援するということですので、第一義的にはその学齢期の子どもたちと、もしくはその世帯ということになると思います。ただ、付随して、そういった学齢期を過ぎて、外に出られない状態の方々のことも話題にはなると思います。居場所づくりなどで支えたり、あとは社会福祉協議会などと情報共有をし、連携した取組をつくるということになると思います。第一義的には学齢期の子どもたちだと考えています。

[毎日新聞]

中学校を卒業して進学しないというケースも出てきますが、誰がフォローするのでしょうか。中卒のまま、進学できないまま、不登校の場合は中学校を卒業したから知らないとなってしまうのでしょうか。

 

【知事】

そういった人たち、もしくはそういった青年たちについても、本人からある場合もあれば、親御さん、もしくはその周りの方々から様々な相談を受けるということもあると思いますので、そういった窓口はきちんと開いていくことになると思います。

 

[毎日新聞]

不登校がなくなるのがいいと言っていいのかどうか微妙ですけれども、生み出さないための考えや、もっと言えば原因や背景の研究というのはいかがでしょうか。

 

【知事】

それは様々だと思います。したがって、その原因、背景を探るということよりも、どのような背景、原因にあったとしても、この状況に応じた寄り添いや必要な学びや育ちに対する支援というものを、市町、県、関係機関等でつくっていくということだと考えております。

 

[共同通信]

今日の会議の中で、来年度に向けて個人助成を行う市町の支援の具体化を図るという項目がありまして、これは県内全部の市町でそういう助成をしていこうという意思の表れと受け取っていいのでしょうか。

 

【知事】

今お尋ねのようなところまでまだ決めているわけではありません。まずはそれぞれの市町がどのように考えられるか。市町が支援をされる場合、その支援を県が下支えするという支援のあり方を今検討していますので、県が支援するから全ての市町でやるということには今の時点でなっているわけではありません。

 

[共同通信]

市町の考えを尊重して、やるということであれば県が支えるということでしょうか。

 

【知事】

基本的にはそういう枠組だと思います。

 

[共同通信]

もう一点、「学びの多様化学校」のあり方も検討していくというのがありましたけれども、現状でいうと滋賀県にはない状態かと思います。これは滋賀県内でもこの「学びの多様化学校」をつくっていくという方向性で考えていらっしゃるのでしょうか。

 

【知事】

国は全国で300か所という目処を示して、この「学びの多様化学校」のことを検討するように促しているところもありますが、同時にこういう学校をつくることが、新たな特別支援学校をつくっていくことと同類であるかのような御見解を示されることもありますし、300か所だと、大体100分の1の県だと、2つか3つということになるのかもしれませんが、そういった例えば小学校、そういった中学校の通いやすさ、通いにくさをどのように考えるのか、ということなど様々な課題がありますし、カリキュラムをどうするのかというようなことがございます。したがって、そういうことを市や町と一緒に考えていこうということで、スケジュールのところにも来年度以降、3か年かけて検討し令和9年度を目途に運用開始することができないかというふうに考えております。

 

[共同通信]

関西広域連合のことですけれども、連合長になられて1年、これからも滋賀県に良いことをもたらせるように精力的に広報をしたいというふうにおっしゃっていました。逆に、まだ1年ですが、この1年で何か滋賀県にとってメリットをもたらすことができたなと感じてらっしゃることはありますか。

 

【知事】

関西広域連合の会合には、ほぼ皆出席で、そして挨拶の機会、また会見の機会、答弁の機会がございますので、そういった場面で滋賀県の取組を紹介したり、直近では琵琶湖の問題ですね、水位のお話も含めて紹介、発信することがあります。また、万博は「いのち輝く未来社会のデザイン」(がテーマ)ということで、命といえば水だろう、水といえば関西、繋がりがあるだろうということで、例えばそういう行事をつくり、進めることができているということについては、これは上下流連携の一つの礎にはなっているのではないかなと思います。防災、観光など様々な広域行政のそういう基礎の上に、滋賀県知事が連合長を担うがゆえにできていることをぜひ増やしていきたいなというふうに思います。

 

[共同通信]

万博のことで伺いたいのですけども、先週の会見でも滋賀県は子どもを1回必ず行けるようにしたいというお話がありました。大阪市は既に何か補正予算を組んだりというパターンもあるのですけれども、滋賀県でも近々補正を組んで予算確保をするとか、そのようなスケジュールは今のところみえていますか。

 

【知事】

前から申し上げておりますように、4歳から高校生の子どもたちが1回は万博に行けるようにしようということで、詳細、具体を検討させていただいております。前売りチケットの販売もスタートしましたので、どういった予算立てか、いつ、どれぐらい必要なのかを今鋭意検討しているところです。

[中日新聞]

「しがの学びと居場所の保障プラン」についてですが、以前は「しがの学びの保障プラン」だったかなと思います。「居場所」という言葉を入れたということの思いについてお願いします。

 

【知事】

前回お示しした案から今回変わったところの一つ大きなポイントが今御指摘いただいた「居場所」という言葉や概念であったり、あと今日の会議の中でも議論されていましたけれども、福祉との連携、したがって学びだけではなくて育ち、そして学校というところだけではなくて、学校以外の場所、学校に行くことができない、でも学びや育ちをどのように、もしくは居場所として、安心して過ごせるという場所、ここはとても重要なんじゃないかということが、当事者の皆さんとの意見交換だとか大杉副知事を中心に様々な調査活動していただいておりまして、そういう中から出てきたところです。

 

[中日新聞]

今回の原案で初めて「居場所」という言葉が追加されたということでよかったですか。

 

【知事】

以前のプランの中にも同様の概念、例えば(資料の)3枚目にある愛情と連携というところに挟まれる形で、「学びの機会」と「成長できる場所」という概念はあったと思いますけれども、明確に、かつ何度もこの「居場所」というものが出てくるプランになったのは今回からだと思います。

 

[中日新聞]

いただいた資料の中でも、憲法89条を踏まえたフリースクールとの連携・協働についての考え方というページがありまして、こちらの話については例えば前の首長会議を受けて、こういったところをしっかりスペースを割くようになったのか、前からあったのか、このページの意味を教えてください。

 

【知事】

このページに書かれていることは、例えばこういう会見でも問われたことがございますし、首長会議でも同種の議論をしたこともございます。私ども、他の都道府県の取組事例なども調査させていただいた上で、このページをつくらせていただきました。もちろん、この2つ目の丸の例の3つに記してありますように、フリースクールに対する様々な取組事例というのがあると思いますが、それらについてどのようなことができるのか検討していきたい。例示して、検討していくということと併せて、すぐにできることにつきましては先ほども一部話題に出ました個人助成を行う市町の支援のあり方については、来年度から創設できるよう、今、検討準備をしているところです。

 

[中日新聞]

首長会議からフリースクールにかなりスポットが当たり、いろいろな当事者団体の方々との意見交換をされたと思います。そういうことも含めて改めて国との対話を続けていくというところを示したという、この(首長会議があった)10月からの流れというものが入っているということでいいのでしょうか。

 

【知事】

確かに10月以降議論の深度が深くなったり広さが広がったり、またスピードが上がったりというところはあったと思います。とはいえ、その前から不登校の問題は総合教育会議の場で議論したり、連絡会の皆さんと教育委員会をして意見交換を重ねたりということもございましたので、そういったものの現時点での方向性としてお示しをし、皆さんと議論をしていきたいという思いです。

 

[中日新聞]

国との対話を続けるというのは、やはり憲法との兼ね合いがあるのでフリースクールの位置づけというのをどういうふうに考えていくか、以前も国には示唆を示してもらいたいというようなことをおっしゃったかと思いますが、そういったところについて引き続き国と検討していくということでいいでしょうか。

 

【知事】

国との対話は続けていきます。そして国の見解を一定持たれているものがあると承知をしていますので、そういったものと現場の実態とのすり合わせ、これをしていく必要があると思います。

 

[京都新聞]

同じく「学びと居場所の保障プラン」のことで、フリースクールの取組について、先ほど市町が保護者ら個人助成をする場合に県が下支えをするイメージだとおっしゃったかと思いますが、それは市町がする助成の半額を県が補助するというイメージでしょうか。

 

【知事】

どれぐらい、どう支援するかというのを決めているわけではありません。建て付けとして、県だけがやる、市町だけがやるということではなく、フリースクール等に通われる方々に助成される市町の支援を県ができないか、考えているところです。

 

[京都新聞]

来年度から創設というお話もありましたけれども、先ほどの子ども政策推進本部ではスピード感を重視するようにというような指示もあったかと思います。本年度の補正予算で国の緊急パッケージを使ってというものも考えるということでしたけれども、早ければ今年度中から始めるというような可能性もあるのでしょうか。

 

【知事】

個人助成のところはおそらく来年度予算、当初予算でつくり、動かしていくというのが基本になると思います。国のパッケージを使って取り込んで、予算の補正も含めてと申し上げたのは、他の様々な取組、例えばこども家庭庁ですとか文部科学省が示している支援策等もあるようですので、そういうものを取り込んで、もちろん県を通さずに市町に直接いく支援などもあるようですけれども、予算の補正のときに不登校の状態にある子ども、家庭への支援ということで何かできることがないかという意味で申し上げました。

 

[京都新聞]

もう一点別件で、11月の下旬に湖岸緑地の駐車場有料化社会実験の2回目が行われたかと思います。3日間でどれぐらいの利用があったのでしょうか。

 

【知事】

詳細については担当からまた説明させますが、今聞いている話では、11月の24日金曜日から26日日曜日まで3日間、第2回の湖岸緑地駐車場有料化社会実験を実施しました。利用台数は延べ290台、県内から60.7%、県外が39.3%。どれぐらい停められたかというと、最大の駐車台数が100台の区画に対して39台ということで、そんなに多くなかった。また長時間の駐車とか夜間利用は少なかった。したがって、なぜこういう御利用状況だったのかということも含めて今回の社会実験の検証を行いたい。その上で、今後どうしていくかを考えていきたいということです。

[京都新聞]

私も取材する中で、1日の最大料金の設定がほしいですとか、キャンプで利用される方が多く、長く使いたいので1日いくらというような料金設定がほしいというような声も聞きました。目的は、公園の魅力を高めることやマナーの向上だと思うので、そういったことに今後どのように繋げていこうと思ってらっしゃいますか。

 

【知事】

まさに今おっしゃったとおりで、これ料金を設定することが目的ではなくて、公園の魅力を高めたり、使っていただくマナー、ルール、そういったものを向上させたり徹底し、もって世界一だと思われる公園にしていこうということを目指しています。トイレもそうですね。そういったことに資する制度になるかどうかという見極め、検討が必要だと思います。例えば、紹介していただいたように料金設定は時間単位で刻むのがいいのか、少しアッパーというか1日の単位の料金を設定するという方策があるのかということも重要だと思います。いずれにしろ、2回(社会実験を)行ってわかったことをまとめ、そして様々なアンケートをさせていただいているようですので、そういったものも分析して考えていきたいと思います。

 

[NHK]

「しがの学びと居場所の保障プラン」について、県によると県内でフリースクールを利用する子どもの保護者に対する金銭的な支援を行っているのは6つの市町で、19市町のうちの中、13の自治体はまだ支援を行っていないとみられます。そういった支援をまだ行っていないところに対しては、その下支えというのか、それとも直接的に支援を行うのか、何かお考えがあるでしょうか。

 

【知事】

今回のこのプランの原案に基づいて、そのあたりのことも市町とよく議論したいと思います。基本は先ほども申し上げたように、個人助成をなさる市町への支援ということを考えていますが、今回のこのプランを示すことによって、また県がそういう考えを持っていることを示すことによって、市町がどのような検討されるのか、そしたらやろうかとなさるのか、いやそれでもしないと判断されるのか、その場合に県がどのように対応するのかということも、これは論点になると思います。

 

[NHK]

水位低下に関して、初めて調査結果という形で具体的に影響が出ているということがわかったのですが、こういった調査が明らかになったことで、知事としての危機感はいかがでしょうか。今日も水位がマイナス69センチ、まもなく70センチというところまで来ているので、取水制限を行う段階ではないと思いますが、それなりに広く県民にもアナウンスしたいというところはありますでしょうか。

 

【知事】

危機感という言葉で称するのがいいのか、琵琶湖への寄り添い、という言葉で象徴するのがいいのか。やはり天の恵み、自然の気候によって影響を受ける大きなものですので、1センチ10センチ(の変化は)さほどという思いもあるのかもしれませんが、その積み重ねで、マイナス70センチとか1メートルということもありますので、ここは細かく丁寧にタイムリーにわかりやすく皆さんにお知らせするということが大事だと思っています。聞いていますと、琵琶湖から水を使われている琵琶湖疏水なども点検のために、第一疏水の方だったかの水を少し止められて、水の出入りを調整するために、洗堰の放流量を少しあげられ、そうすると疎水で止まるから水は出て行かないのかというと、下流の水のトータルバランスのために放流量は上げられるそうでございます。そうすると、琵琶湖の水位は下がっているのに、洗堰の近くにいらっしゃる方は以前よりも水が多く出ていっているけど大丈夫かなということも出てくるのかもしれません。そういう事ごとについて、こうやって水はたたえられ、使われているということを御存じいただくきっかけになったらいいなと思います。今でこそ、こうやって満々とたたえていますけれど、こういった堰がない、疏水がないときには、この水のやりくりというのは、人間の生き死ににも関わる重大テーマでしたので、気候の変動によりややもすれば、そういうフレッシュウォーターが、安全かつ安定的に得られない時代というのが来ないわけでもない。そういう意味で、琵琶湖への寄り添いというのは、一番身近にいる私達がしっかりやって発信していくことが重要だと考えています。

 

[京都新聞]

先ほどのお話に関連して、今回水位低下の状況を調査された結果について周知される場面がありますか。また出ている影響について、県として何か対応をされるようなことがありましたら教えてください。

 

【知事】

まずは状況調査の結果、取りまとめでございます。そして、例えばこういったフローティングスクール「うみのこ」の竹生島港での乗降を取りやめる、こういったことを関係者に周知しながら対応していくことになります。こういう状況をどうやって改善し、対策を取るのかということについては、少し状況を見たいと思います。水位低下があっても乗り降りできる港にする、もしくは船にするためにはどういうことが要るのかとか、「うみのこ」も新船になりましたので、以前の船はできていたのかどうかも含めて、ちょっと定かではないようですので、そういうことも考えていきたいと思います。

 

[京都新聞]

もう一点、生成AIが庁内で今月から導入されるということですけれども、それに対する期待と、知事が利用されていたら感想を教えてください。

 

【知事】

私は出だした頃に自分の名前を入れてもらったことはありましたけど、最近はパソコンに向かう時間もあまりないので、私自身が自分でパチパチ使うということはしておりません。ただ、業務の中でこの生成AIを使いながら、活用場面をいくつか整理して、例えば始めること、つくること、直すこと、こういうこともできるのだなと改めて思ったこともあります。校正をしたり、もしくは作業に入る前のアイデア、「生成AIはこうやって考えるのか、僕らはこう考えているけどな」ということですとか、大いに使ったらいいと思います。ただ気をつけないといけないこともあるので、気をつけようという整理をさせていただいたということです。

 

[びわ湖放送]

琵琶湖の水位について、先ほど知事が琵琶湖の水位1センチで大阪ドーム6個分とおっしゃいましたけれども、大体こういう比較をするときには東京ドームが出てきます。大阪ドームで計算されたというのは、下流の京都や大阪に関心を持ってもらうためにといった思いからでしょうか。

 

【知事】

これは独立行政法人水資源機構琵琶湖総合開発管理所が出している資料に書いていただいています。おそらくこの管理所も、関西だから東京ドームでなくて大阪ドームにされたのではないかなと思います。私もこれを見たとき大阪ドームなのだと思いました。ドームなので容量は同じぐらいだと思いますが。行く機会は東京ドームより大阪ドームの方が、関西の方は馴染みが多いでしょうから、ここを一杯にして6杯分というイメージはつきやすいかなと思います。

[びわ湖放送]

今の段階で、京都・大阪の人に知ってほしい、呼びかけたいことというのはどういったことでしょうか。

 

【知事】

繰り返し申し上げているのですけれど、こういった繋がりの中で水がある、そして利水が可能になるということですので、水を大切に使ってくださいということとか、「飲水思源」という言葉があるように、水を飲むときに源に思いをはせるというか、こういったことは常にやっていきましょうということを繰り返し申し上げています。ただ、私が挨拶するときに最近こればっかり言っていますので「またか。滋賀県知事はこればっかり言うな」と思われています。でもそれぐらい発信してわかっていただけることなのだろうなと思います。ぜひいろいろなところで知っていただけたらなと思います。未だに琵琶湖の水がこんなに広く使われていることを御存じない方もいらっしゃいますし、今、こういったことをネタにした映画もありますので、いろいろなところで関心を持っていただくチャンスだと思います。(モニター画面を示しながら)これがその上流の県境ですが現在は一面雪化粧という状態らしいです。全然天候が違いますよね。

 

[朝日新聞]

「しがの学びと居場所の保障プラン」についてお伺いします。今後、市町と議論をしたいということですが、先般のような首長会議でこの原案を出される御予定はあるのでしょうか。

 

【知事】

首長会議は3か月に1回ですから、次回は1月開催予定ですので、テーマの案としてはあると思います。ただ、テーマを何にするかというのは合議で決まりますので、最終的にこのテーマになるかどうかというのはまだ定かではありません。ただ、こうやってプランを、原案をつくり、予算や制度に反映させていこうというものですので、例えその場でテーマにならなかったとしても、何らかの議論の場は必要と考えています。

 

[朝日新聞]

(資料の)(1)(2)(3)の具体的なフリースクールの支援策の中には民間団体に対する直接的な経費補助というのは想定されていないように見受けられますが、そこについては、今のところ検討はされていないということでしょうか。

 

【知事】

この点は、一番上の丸に書いてありますように、民間団体に対する経営費補助は、憲法89条の後段との関係があるので、どういうやり方ができるのか、またそのためのルールが必要なのか、国との対話を重ねたいということで整理させてもらっています。この国との対話をしている間は何もしないのかということもありますので、この2つ目の丸に書いてあるようなやり方もできるのではないか。うち例の3つ目については、市町と議論をした上で、来年度から、やる方向で考えていこうという考えです。

 

[朝日新聞]

以前の会見でも憲法89条に抵触するので、民間団体に対する経営費補助というのは難しいというような御回答だったと思うのですけれども、その点については今のところ見解は変わってらっしゃらないということでしょうか。

 

【知事】

基本、最高法規である憲法ですので、その法規に基づく見解というのは尊重して対応すべきだと思います。ただ、この会見でも以前問われたことがあると思いますが、それでもやってらっしゃるところがあるんじゃないかということとか、そこに対する国の見解が少し曖昧になっているようなこともあります。その状態で県が踏み出すという選択肢もないわけではないのですが、やはり整理すべきは整理した方がいいだろうということで、一番上のところに県の今の時点での考え方を示しております。だからそういう見解の相違なり、そういう法規がある中でやるということではなくて、そこはきちんと議論し整理した上でやろうというのが今の県の立場です。

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