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知事定例記者会見(2023年10月10日)

令和5年10月10日
(県政記者クラブ主催)

【知事】

皆さん、おはようございます。だいぶ涼しくなってきました。葉っぱの色や山の色も変わってきました。それぞれ御自愛をいただきたいと思います。明日10月11日は中江藤樹先生の御命日にあたるそうです。1648年にお亡くなりになった日本陽明学の開祖、近江聖人でいらっしゃいます。「致良知(良知に致る)」「五事を正す(ごじをただす)」など、数々の教えを残していただいておりますが、一つでも、少しずつでも、体現できるように、共に学び、努めてまいりたいと存じます。

さて、皆さん向かって右側に用意してありますが、近江米新品種「きらみずき」がこの秋、デビューいたしまして、稲刈りも終え、ようやく皆様方のお手元に届けられようとしております。「きらみずき」は環境や生物への影響を減らす栽培、またはオーガニック栽培に限定をして、栽培されている、環境こだわり農業を先導してきた滋賀県の中でも、より高みを目指す栽培方法で育成される新品種でございます。と同時に、炊きたての香りはとてもお米らしくいい香りがいたしますし、一つ一つが大粒ですので、とても食感があります。実は私も今朝食べてきたのですけど、モチモチとした食感、そして噛めば噛むほどにじみ出てくる甘さ、お米の味。生産者の方々からすると、化学肥料を使わない栽培をしますので収量が少し落ちるんじゃないかと懸念されたんですけど、大粒でそこそこまとまった量が取れるということなど、食べる人によし、作る人によし、そして環境によしというお米をつくることができました。御覧いただいているパッケージで、いよいよこの秋、売り出しデビューということでありますので、食べる人、つくる人を繋いで、みんなで応援してもらえるお米として、どうかお育ていただきますよう、よろしくお願いいたします。量販店においては11月から販売開始の予定ということでございます。今年度はちょっと数が限られていますので、できるだけ早めにお買い求めいただければと思います。

しが割の抽選の申し込みがスタートいたします。既に大津割などもスタートしているところでございますが、物価高騰、いろんなものの値上げ、そして円安などが進む状況下で、県民の皆さんの生活、様々な事業環境に多大な影響を及ぼしているところを少しでも支援できればということで、第3弾となるしが割をスタートさせていただきます。申し込みが来週16日から、始まるということでございますので、第1弾第2弾からいろいろと一部改善して実施しております。早い者勝ちではなくて抽選で当たるとか、何回も当たっている人に行くんじゃなくて、当たってない人に当たっていただけるような環境づくりとか、ぜひお申し込みをいただき、御利用いただければと思います。

それでは資料に基づきまして、3点申し上げます。1は、ミシガン州から友好親善使節団が来県されます。今回は38名、今月19日ということになります。コロナもございましたので、4年ぶり今回で22回目ということになります。ご案内のとおり、米国ミシガン州とは1968年、昭和43年、姉妹研修協定を締結以来、青少年交流、文化経済交流、様々な交流を積み重ねてまいりました。先般もホイットマー知事が来県されるなど、知事同士の交流も行ってきております。また一つの特徴であります、ミシガン州の州民の皆さん、私達滋賀県民がそれぞれ総合派遣事業を1976年以来続けてきておりまして、これまで来た人、行った人で、3000名以上の方々が、この使節団交流に参加をしていただいております。ホームステイをしたり、様々な活動を行ったりということでございます。今回の使節団の皆さんは、19日木曜日から26日木曜日まで8日間、滋賀県に滞在される予定です。滋賀県で実施いたします歓迎会、また送別会、フェアウェルパーティーこういったものを行ったり、各姉妹都市間の交流といたしまして、滋賀県内の11の市町がミシガン州の14市と姉妹都市・友好都市交流を行っておりますので、4泊5日のホームステイをされる予定です。今回は県内6つの市町、ホストファミリーは28組の皆さんに御協力をいただきます。コロナも明け、再開されるこうした交流をぜひお楽しみいただきたいと思いますし、いろんなまた取材される方は、御相談いただければと思います。

2点目は「滋賀の公共交通未来アイデア会議」県民フォーラムを今月28日、いよいよ土曜日28日土曜日に開催いたしますという御案内でございます。

滋賀の地域交通ビジョンを策定しようと様々な御意見、アイデアの募集を行っているところです。今年の7月からいろんなところに出向いて、皆さんのお声を聞こうという活動をしておりまして、実は今日も、大津市役所で開催されているということを聞きまして、私も少し予定が空きましたので、この後、市役所にちょっとどういう様子なのか見に行く予定をしております。もし一緒に行こうという方があれば、ぜひ一緒に行きましょう。こういった皆さんのお声を集約した形でみんなが一堂に会し、ネットでも繋がって、県民フォーラムをやろうというのが28日の企画でございます。これまでの県民トークの結果では、9割以上の方が公共交通は必要だろうとお答えいただいているんですが、約8割の方がどれぐらい利用しますかという問いに対して、月数回以下という(回答だった)ことで、必要だと考えるが、あまり公共交通を御利用いただいていないという状況があります。こういう中で、どういう暮らしをしたいのか、そのためにどういう交通のあり方姿が望ましいのか、それらを実現するためにどういう方策があるのかということなどをみんなで議論し、ビジョンをつくり、また今後に繋げていきたいと考えているところです。県として、知事として、悩んでいることなども隠さずに共有し、議論の素材にできればと考えているところでございます。フォーラムの後半では、チラシの裏面にありますパネリストの方々と一緒に対話、意見交換もさせていただく予定です。今回はイオンシネマ草津で行います。会場定員は300名で、事前申込制でございますので、ぜひ早めにお申し込みをいただければということでございます。会場参加者にはもれなく、イオンシネマギフトもプレゼントされるということでございます。

最後、もう1つは、こちらもお手元にカラーのチラシがお配りされてると思いますが、おかげさまで、東京日本橋の滋賀県情報発信拠点「ここ滋賀」が開館6周年を迎えます。これを記念いたしまして、開館記念日の10月29日、日曜日、この日を中心に記念イベント「北琵琶湖まつり」を開催いたします。長浜市、高島市、米原市の魅力満載の企画を東京日本橋で、北部振興にも絡めて開催させていただきます。1階マーケットは特設コーナーを設け、長浜市から和栗の丁稚羊かん、高島市からアドベリー商品、米原市から伊吹蕎麦などを持ってまいりまして、物産フェアを行いますし、2階レストランでは、北琵琶湖の食材をふんだんに贅沢に使った期間限定ランチ「北琵琶湖めぐり御膳」を提供する予定ということでございます。また29日、日曜日には、長浜市、高島市、米原市の経済団体の御協力をいただいて、「ここ滋賀」横の屋外スペースを活用いたしまして、特産品の試食販売ブースを周遊するスタンプラリーなども開催する予定です。この日は、偶然店舗前の中央通りで、「日本橋・京橋まつり」のパレードなどが行われる予定と聞いておりますので、多くの来場者で賑わうということも想定されます。この日は日本橋、「ここ滋賀」にお越しいただいて北琵琶湖の魅力、美味しさを体感いただき、次は現地に行ってみたいなと思っていただき、誘えるような取組として準備をしてまいりたいと思いますので、報道各社各位の御取材等もいただければと思います。長くなりましたが私からは以上でございます。

[京都新聞]

ミシガン州の友好親善使節団を受け入れについては、以前から予定していたものを予定どおりということになるかと思うんですけれども、先日、県議会の本会議の中で、友好交流都市について、いろんな言及があったと思うんですけども、今年の年頭の知事会見で、第4第5の姉妹交流先の可能性を探ると言ってらっしゃった思いますが、11月には江島副知事をオーストリアに派遣されて、初めての幹部会談をされるという話題が出てきました。オーストリアには世界遺産の湖もあるということで、こういったところが有力な姉妹提携都市の候補になるのかなと感じたんですけれども、どのようにお考えでいらっしゃるんでしょうか。

 

【知事】

米国ミシガン州、中国湖南省、ブラジルリオ・グランデ・ド・スール州、3つある姉妹州省、もちろんこの関係を大事にしつつ、第4第5(の姉妹都市が)つくれるといいねということで、今様々な検討をしているところです。県議会でも答弁申し上げたように、滋賀県が世界の都市と、地域を結ぶ友好姉妹協定ですので、やはり湖というのは一つの核になるでしょう。そして、県民州民の交流のみならず、文化、経済、ずっと発展していく可能性、そしてWin-Winになる可能性、こういうものを模索しながら、探していけるといいと思っております。今年の11月、来月には江島副知事がかねてより関係をつくり始めていたオーストリア共和国のブルゲンランド州に参りまして、例えばサイクリングの環境ですとか、森林とか、陶器なんかもあるのかな、いろんな滋賀県とも何か繋がりそうな素材、コンテンツの可能性などもぜひ視察してこようとしてくれていますので、その結果も受けて、また考えていきたいと思っております。それ以外にもいろんな御提案がありますので、先般の県議会では、インドなんかないのかとか、いろいろあります。県職員のマンパワーの関係もありますので、あんまりたくさんというわけにはいかないのかもしれませんが、積極的に探していきたいと思います。

 

[日本経済新聞]

先週、岸田首相が半導体などのいわゆる重要な製品をつくるための市街化調整区域の要件緩和を表明されました。滋賀県としてもかなり関心があるんじゃないかと思うんですが、知事はどうお考えですか。

 

【知事】

大いに関心があります。したがって、既に担当課に調査させていますが、まだ具体の中身はこれからと聞いております。企業誘致のチームが中心となって、今回の場合は都市の関係があるとすれば、土木交通部、農地の関係が出てくるとすれば農政水産部、今も連携していますけど、より連携してどういう対応をするのか考えていきたいと思います。

 

[日本経済新聞]

(滋賀県が関心があるのは)半導体ですか。

 

【知事】

報道では半導体と出ていましたけど、電池なんかも報道がありましたので、そこは政府の動きも見ながら、本県として何か提案できることがあれば用意したいと思います。ただそれ以外にも、今月に入って岸田総理精力的に動かれて、例えば花粉のない人工杉を植える取組ですとか、畜産の支援、また物流の対策、物価高の対策、こういったことを精力的に経済対策にまとめようとされていますので、今申し上げた項目は、いずれも本県にも関係する項目でありますので、積極的に情報を取って遅れないように、盛り込めるようにしたいと思います。

 

[共同通信]

県庁におけるAI活用の試用期間が9月30日までだったと思いますが、10月に入りまして、今どんな状況でしょうか。

 

【知事】

今、手元に資料がありませんので、また試行結果がまとまったところで、きちんとお知らせしたいと思います。ただ、すごく皆さん関心高いみたいで、たくさん利用されて、容量が少し足りなくなって、その期間なのか、容量なのか、少し増やして対応してますので、試行結果は私も注目しています。

 

[NHK]

「きらみずき」について、パッケージデザインも決まったということですが、どれぐらい県民、また県外の人に浸透していくのか、そこら辺の感触を教えてください。

 

【知事】

お米はどこも美味しいものをつくられていて、美味しさだけだと競争優位に立てないところがあるんですけど、滋賀の米は先ほど申し上げたように、環境に配慮して、水環境、生態系の事に配慮しながらつくっている、琵琶湖をお預かりする県ならではの取組をしておりますので、このことは前面に出して、かつ、世界農業遺産、琵琶湖システム、こういったことも連動して、PRしていけたらいいなと思っているところです。どれぐらい売り出すのかというのは、生産量との兼ね合いはあるのですが、生産者を増やすためにも、県内や京阪神だけに限定せずに、首都圏をはじめ、世界をマーケットに売り出しをしようということを担当局には申し上げているところです。どれだけついてこれるのか、一緒に歩いていきたいと思います。

 

[毎日新聞]

従来、「みずかかみ」に力を入れてPRされていたと思うのですが、今後、滋賀県産のお米の売り出しとして、「きらみずき」と「みずかがみ」の関係はどうなっていくのでしょうか。

 

【知事】

当然、「みずかがみ」もまだ作られる方はいらっしゃると思いますので、「みずかがみ」と「きらみずき」を一緒に売っていくことになると思いますが、「きらみずき」は、環境にこだわるという意味で言うと、化学肥料、殺虫剤を使用しない栽培とオーガニックに限定しますので、その面では、みずかがみの上をいく。農薬と化学肥料半分以下ということよりもさらに厳しく栽培方法を限定しますので、その上を行く品種として売っていきたいと思っています。いずれはいろんな手法があるんでしょうけれども、「みずかがみ」よりも「きらみずき」が選ばれ、つくられるという状況が望ましいのかもしれません。そこは現場と丁寧に対応していきたいと思います。

 

[毎日新聞]

的外れかもしれませんが、「みずかがみ」が失敗だったという意味はあるのでしょうか。

 

【知事】

「みずかがみ」も暑さに強く、そして全量環境こだわりでつくっています。決して失敗ではなく、むしろそこで培ったノウハウを、今回の「きらみずき」に生かしていると。滋賀は環境こだわり農業を全国で最初にやって、全国で一番広く実施して、ある意味では国の制度を作ってきたという自負もあります。オーガニック栽培または化学肥料と殺虫剤、殺菌剤を使わないという、もう一つ高みを目指してさらに牽引するような役割を「きらみずき」が担えればと、そういう思いを持ってやっていきたいと思います。

 

[中日新聞]

(今月の)12日に、災害対策本部訓練が行われるかと思うのですが、前回9月には初めての抜きうちの訓練も行われて、その結果を踏まえて、どのような体制で行うかというところを、前回の反省も踏まえて一言お願いします。

 

【知事】

当日の内容などは私も説明を受けていないので、詳細はこれからになると思うのですが、災害に同じ災害がないのと同じように、訓練も同じものがないという気構えで、あらかじめ準備したことをやることも大事なのかもしれませんけど、それ以外に出てくる想定外のこと、またその中で気づくことというのを大事にして、災害対応能力を高めようとしています。今、言及があった、前回の抜き打ちの非常参集訓練では、例えば、どれぐらいの人が参集できるのかという把握に対して、まだまだ十分じゃなかったところとか、生き残って出てきた(登庁してきた)人たちで対応しなければならないということの臨場感を持った周知が、まだまだ十分じゃなかったとか、この夏の豪雨対応で、時々の被害の状況について、報道、すなわち県民のみなさま方にお伝えする、そういうプロセスが少し分かりにくかったとか、この間の訓練や災害対応の中で出てきた教訓というものを生かして、実施していくことが重要だと思います。したがって今回、詳細はこれから最終確認しますけれども、今回想定されている訓練も緊張感を持って臨んで、いつでも災害対応が必要になったときに対応できるようにしていきたいと思います。週末も、地震はなかったけれども、津波警報が出るといったこともありましたので、我々海には面してませんけど、琵琶湖をお預かりしていたり、断層もありますので、この緊張感は県民の皆さんと共有したいと思います。

[京都新聞]

「きらみずき」のパッケージデザインについてお尋ねします。黒い丸が並んでいて、黄色いところをなぞっていくと、米の字が見えるということで、決定したときに私が取材させてもらった中では、ちょっとコンセプトがわかりにくいんじゃないかというお声がありました。環境こだわりをさらに進化させたというところをどのようにそのパッケージで反映されたのか、知事はそのデザインについて、もちろんゴーサインを出されたかと思うんですけれども、どのように思っていらっしゃいますか。

 

【知事】

当初は「黒か」と思いましたし、今おっしゃったように、このデザインに込めた思いが(消費者のみなさんが)分かるかなということに疑問はないわけではありませんでした。ただ、「きらみずき」という名前をより分かりやすく表現するということとか、殺虫剤、殺菌剤を使わずに、もしくはオーガニックでやるという、こういう逆手に取ったメッセージ性として今回これでいきたいんだという担当者の考えに私はゴーサインを出させていただきました。この(オーガニック版と通常版のパッケージデザインの)セットで、より光る、先進的に光る米として、みなさんに浸透、選ばれる米になればと思います。前回「みずかがみ」が青で、お米の売り場には珍しいカラーリングでいきましたので、色合いで少し目に付くというのは、今回も試行したのかもしれません。確かにあんまりないデザインだと思います。だから、良かったんじゃないかと言われることにも少し期待をしたいと思います。

 

[京都新聞]

草津の矢橋帰帆島公園の遊具について、今のメインのものが使えなくなっているという件で、30年近く前に設置されて現在の基準で診断されると不適合ということになって、使用中止されているということですが、人気のある公園なので、今後の見通しであるとか、現状どうなのかというところを御説明いただけないでしょうか。

 

【知事】

まず多くの方にご利用いただいている矢橋帰帆島公園における遊具について、今多くの遊具が使用禁止になっております。安全第一に考えた措置とはいえ、せっかくの遊具が使えない状態になっていることに私自身も心を痛めており、関係者の皆さんにもお詫び申し上げたいと思います。その上で、今は矢橋帰帆島全体の活性化方策を取りまとめようと、その中でこの遊具をどのように更新していくのかということについても考えようとしているようですので、できるだけ早くこの方針をまとめ、必要な改修を終え、使っていただける状態にしようということを、先ほども担当者に厳命したところです。当然、どのような形にするのかという設計がありますし、かかる費用をどのように工面するのか、下水道の関連施設であるということからしますと、その会計の中で関係する市町との合意形成ということもございますので、一定経なければならない時間というのがあるのですが、全部を使えない、また全部が使えるという時間のかけ方ではなくて、部分的に使える遊具やエリアをつくっていくなどの工夫もできると思いますので、いずれにしろできるだけ早く利用再開ができるように努めていきたいと思います。またその過程もきちんと御説明できるようにいたします。

 

[京都新聞]

できるだけ早くということですけれども、目途としては今年度中とか今年中とか、そういったところをめざしているのでしょうか。

 

【知事】

どれぐらいの改修が必要なのかということにもよると思います。ちょっと結んで終わり、ちょっと塗って終わりということではなくて、根本的に安全が問われるということであれば一定の改修が必要です。改修するとすれば設計・工事が必要になってきますので、今年中、今年度中に利用再開というのは難しいと思います。ただ、やはり一つのエポック、タイミングとして国スポ・障スポ大会がありますので、ここは一つ意識しながらいろいろな作業スケジュールを組もうと申し上げているところです。一定時間はかかると思います。

 

[京都新聞]

 国スポ・障スポには間に合うようにしたいと考えてらっしゃるということですね。

 

【知事】

今、公園の魅力を高めようという「THEしがパーク」という取組をやっていますので、そういう中でせっかく多くの方が楽しむ矢橋帰帆島公園の遊具が使えないというのは、我々にとってもとてももったいないというところがあります。したがって、湖岸の公園の駐車料金の社会実験を今やろうとしていますけれど、そういった手法も参考にしながら、財源を集めるとか、お手洗いの場をきれいにするとか、そういった取組もあわせてつくっていけるようにしたいと思いますので、一定時間はいただくことになりますが、できるだけ早くやりたいと思います。

 

[朝日新聞]

県のいじめ対策についてお伺いしたいです。今年、いじめ防止対策推進法が施行されて10年で、明日には大津市立(中学校の)の中学生がいじめを苦にお亡くなりになった事件から12年を迎えます。昨年度、県内のいじめの認知件数が初めて1万件を超えたという公表もありました。(県教委に)県いじめ対策支援室もありますが(知事として)県のこの10年の取組を振り返っていかがでしょうか。

 

【知事】

残念ながらいじめで大切な命をなくされて、そしてその後、法律も施行されました。県も市町も現場も、それぞれ対応組織、対応方針などをつくり、様々な呼びかけや教育、そして対策など行っておりますが、お尋ねいただいたように多くのいじめが認知されるという状況ですので、まだまだやらねばならないことはあるのだと思います。我々はもちろん、いじめは深く大きな人権侵害だという認識のもと、例えば早期の発見ですとか、一部の人たちだけで対応するのではなくて社会的な課題として全体で対応しようということ、そしてあったことをみんなで共有して教訓としていけるような、私も毎年1回入っていじめの状況を確認する会議の場を設けておりますので、そういう中で、県全体の感知能力、対応能力を上げていく取組を、これは粘り強く進めていきたいというふうに思います。

 

[朝日新聞]

私学とか国立の学校のいじめ対策は法人に任せているので体制や研修が弱くて、専門家から不備も指摘されています。例えば先日、10月4日に文科省が全国の国公私立のいじめ認知件数、不登校もですが、認知件数を発表して、その日に県の幼少中教育課が県内の県立学校について発表されました。先ほども知事もおっしゃっていましたが、県全体の対応を全体でしていかないといけないと思う中で、県立学校と私学を分けた対応というのは、特に今の時代、そうではなくて滋賀県全体として、私学に通っていらっしゃるお子さんであろうが県立に通っていらっしゃるお子さんであろうが、行政として支援していく仕組みが必要なのではないかと思うのですが。

 

【知事】

今お尋ねいただいた問題意識は受け止めたいと思います。現状は所管する課が違いますし、私学の建学の精神なども尊重しながら対応させていただいているということですが、そういった国立・私立と公立との隔てがいじめ対策を何か疑問に思わせるようなことがあるとすれば、改善をしていきたいと思います。折しも、県としても再調査(並行調査)をお願いしている案件があります。この中でもちろん学校当事者のこともお調べいただいておりますが、県当局の対応も何か問題があれば指摘してほしいという諮問をしておりますので、例えばそういった中にも、そういう私学と公立と所管課が違ってということも言及されるのかもしれません。そこはしっかり承って、今後の改善方策を見出していきたいと思います。

[読売新聞]

いじめの質問に関連して、重大事態と認定して調査組織を設置するという対応が遅れている原因として、県教委や各市町の教委は当事者性が高く、保護者と関係性がこじれることがあるという理由で、市長部局や知事部局にいじめの問題、いじめの相談窓口などを設置する取組を今、文科省が進めています。最初から知事部局や市長部局がいじめの対応を担うといった取組が進んでいますけれども、滋賀県としても県教委が最初の窓口ではなくて、県(知事部局)の方が最初から引き受けて対応するような仕組みづくりについての検討や考えていることはあるでしょうか。

 

【知事】

第一当事者性というのは現場にありますし、それを所管する教育委員会にあると思いますが、今おっしゃったように当事者であるがためにより関係性が強く、どうしても表に出にくい構造がある面もあるのかもしれません。今はそれを補完するために、再調査ですとか重大事態を県当局でやるという仕組みがありますので、まずはそれをきちんと運用しながら、第一報はできる限り我々も共有して、教育委員会の対応を見守るように、また寄り添うようにしています。市町も含めてそういう対応がどのようになされているのかということについても、都度確認しながら必要な対応を行っていきたいと思います。

 

[読売新聞]

今の段階で、例えば県の部局(知事部局)の中に「いじめ対応室」みたいなものを設置するというところまでは、まだ検討されていないのですか。

 

【知事】

今すぐに何か組織をつくって対応するということは考えていません。今ある仕組みがより機能するように努めるということが今の考えです。ただ、そういったことに何か不備、不能というものがあるなら、そこはきちんと伺って対応方針を考えていきたいと思います。

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