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知事定例記者会見(2023年8月29日)

令和5年8月29日
(県政記者クラブ主催)

【知事】

今日もよろしくお願いします。来る9月1日は、1923年、これは大正12年9月1日お昼の11時58分だったそうでございますが、関東大震災を契機に設定された防災の日ということであります。今年は関東大震災から100年目となる節目の年でもございます。南海トラフ巨大地震の発生が危惧されているときですし、本県は多くの活断層に囲まれています。特に死者2,000名以上の被害をもたらすと言われている琵琶湖西岸断層帯を震源とする地震など、地震が起こる危険性は高く、備えが必要だと考えております。今朝行いました県政経営会議でも、台風が三つ襲来してきていること、先週も警戒本部の立ち上げなどもありましたし、加えて地震情報がわからないということで対する意識と、そして備えを十分にしておこうということを申し上げたところでございます。来月は、私を含めた全ての県職員を対象にした防災訓練を抜き打ちで行う予定をしています。県民の皆様に置かれても、今一度、例えば家の中の家具の固定など、防災意識を持ち、備えを強化していただきたいと思います。

もう一つは、県のコロナ対応の振り返りに皆さんの御意見、御知見、また御経験をお寄せくださいということでございます。もう既に資料提供をさせていただいておりますが、3年以上にわたる新型コロナウイルス感染症への私を含めた県の対応について振り返り、取りまとめをしようと、一定の取りまとめも行っているところでございます。その内容は、感染拡大防止策や医療提供体制、経済雇用対策等の主な取組、例えば、隣の田渕さんとは、コロナ感染拡大当初からこうして手話も加えていただいて、一緒に情報提供等させていただいてまいりましたけれども、例えばこういう情報提供のあり方がどうだったのかということですとか、様々な取組の課題、また成果などを整理いたしまして、次に生かすべき教訓を残していこうとしているということです。現時点での取りまとめは、県のホームページに記載をしております。今後、県民の皆様、関係者の皆様に幅広く御意見をお聞きしながら、最終的な取りまとめを行いたいと考えているところです。意見募集の方法は主にしがネット受付サービスを活用したいと考えております。メールやFAXでも受け付けます。募集期間は9月の25日月曜日までとなっておりますので、多くの御意見をお寄せいただければ幸いでございます。

またこちらは紙をお配りしていますが、9月の23、24土曜日日曜日の2日間長浜市等と共催で、「木育ワンダーパーク2023in長浜」を開催します。このイベントでは、滋賀で生まれた木と触れ合い、木のぬくもりや香りなどを体感できる機会として、県産材で作られたおもちゃ遊びや木工ワークショップなど27コーナーを設けられる予定です。県ではこうした木に親しむイベントの開催に加えまして、木材利用の意義や森林との関わりを誘う「木育を伝える人」の育成を行っております。さらに今年度は、野洲市にあります近江富士花緑公園で、県の木育推進の拠点となる施設の整備を進めているところでございます。施設の基本的な機能や展示内容等の検討を行っています。準備ができ次第、またみなさまにお知らせしたいと思っております。

あと一点、資料に基づく話題提供ですが、しが省エネ家電買替応援キャンペーンをいよいよ開始いたしますということでございます。こちらは6月の県議会定例会で、予算のお認めをいただいているところです。申請受付の準備が整いました。このキャンペーンは電気料金の高騰に伴う家計負担の軽減、家庭における温室効果ガス排出量の削減の推進を目的といたしまして、省エネ家電を購入された方に、キャッシュレスポイント等を交付させていただくものでございます。対象者は滋賀県在住の個人でありまして、県が推進する「しがCO2ネットゼロムーブメント」に御賛同いただいた方ということになっております。対象の家電は、スライドにもありますとおり、省エネラベル2つ星以上のエアコンと冷蔵庫とさせていただいております。購入および設置が令和5年7月14日から令和6年1月31日までのものということでございます。県内のキャンペーン登録店で本体価格8万円以上の新品へ買い替えられることが条件で、もらえるポイント額は省エネラベルの星の数で異なっておりまして、最大が2万円分、こちらも予算の上限に達し次第終了となっておりますので、ぜひ買い替えとなる方は早めに買い替え、またお申込みをいただきたいと思っています。ちなみにこの登録店舗は、昨日までの時点で173店舗ということでございます。9月1日にキャンペーン専用のサイトをオープンいたします。ポイント交換の申請に必要なキャンペーンチケットの配布を登録店舗の店頭で開始し、申請の受付は9月の14日からさせていただきます。家計にも地球にも優しい省エネ家電への買い替えという、県民の皆様の一歩一歩がCO2ネットゼロ社会づくりに繋がるものと考えております。こうした電気料金高騰に伴う家計負担軽減とCO2ネットゼロ社会づくりの両面を考えたこの事業に、皆様方の御理解、御賛同、また御参加いただければ幸いです。私からは以上です。

[読売新聞]

また琵琶湖での水上バイクの事故がありまして、命には別状はなかったですが子どもが2人頭を負傷したということでした。水上バイクが水泳場の近くまで進入し、お酒を飲んでいたという話も一部出ており、事故原因については捜査中でわからないのですが、他府県では水上バイクの飲酒運転や酒気帯び運転、危険運転の罰則規定がある条例があるんですが、県内では飲酒運転の禁止というのはあるみたいですが罰則というのはないということで、地域として罰則の必要性ですとか、このような危険行為、飲酒に伴う水上バイクの運転についてどのようにお考えか教えていただけますでしょうか。

 

【知事】

この公有水面を、みんなでその恵みを享受する、ある意味では楽しさを分かち合う、こういうことも重要だと思いますが、水上バイクについては今回の事故もそうですが、遊泳場近くを大きな音で回られるということですとか、とても景観の良いところをグルグルと楽しまれるということに対する苦情なども、実際知事への手紙もいただいております。こういったことにどのように対処すべきなのかということについては、一昨年に現地を見ながら取り締まりの状況なども確認させていただいておりますが、こういう事態を受けて、どういうルールをつくっていけばいいか。どういう取り締まりや呼びかけをしていけばいいのか。そういったものに従っていただけない場合に、どういう罰則などを設けるのがいいのか。これは不断に考えていきたいと思っています。

 

[読売新聞]

知事が現地に行かれたのは、一昨年でしょうか。

 

【知事】

去年は行けていないので、一昨年だったと思います。

 

[読売新聞]

それはどういう意識で行かれたのかということと、そのときの感想などを教えてください。

 

【知事】

おそらく遊泳場近くの、もしくは湖岸近くのお住まいの方々からの苦情、強い問題提起によるものだったと思います。非常に大きな音で湖岸近くを、時には遊泳されている方々に危険な状態で水上バイクを乗り回される方々に対する取り締まりの強化を求められて、その現状視察に行ったものです。県議会議員の皆さんも一部一緒に船でいったというものだったと思います。やはりそのときもコロナ禍でありましたけれども、コロナ禍だからということもあるんでしょう、屋外の湖上でのそういった楽しみを享受されている方々が、想定していた以上にたくさんいらっしゃるという印象を持ちました。この夏に湖上に出たときにも、たくさんいらっしゃるという光景を目の当たりにしましたし、それはそれで楽しんでいただくのはいいんですけれども、そういった方々と泳がれている方や、近くにお住まいの方々、また漁をなさる方とどのような関係になっているのかということなどについては、これはよく見ながら、必要なルールづくりをしていかなければならないと考えております。

 

[読売新聞]

他府県で導入されている罰則の規定がある条例については、知事としてはどのように受け止めをされてい らっしゃいますか。

 

【知事】

一つの選択肢だと思いますが、罰則をつけるルールづくりをするという場合は、そのルールを守らないということに対する確認ですとか現認のようなものが必要です。それをこれだけ大きな湖でどのように確保していくのかということとの兼ね合いもありますので、慎重な見極めは必要だと考えています。

 

[読売新聞]

現場が大きいということで取り締まるのに可能かどうかとかそういったところでしょうか。

 

【知事】

そうですね。ルールをつくっても、なかなかそのルールの遵守を担保できないという状況があるならば、代わる方法を考えていかないといけないですし、取り締まれないからそれを野放しにするということであってはならないかもしれませんので、このあたりはよく考えていきたいと思います。

 

[NHK]

びわ湖大花火大会についてですけれども、先週の定例会見で知事は大前提として地元住民の理解を得ていく必要があるとおっしゃった上で、来年以降をどのような形でどのような場所でやっていくかはよく考える必要があるとおっしゃっていたと思うんですけれども、先週、一緒に大会の運営委員会に入っておられる大津市の佐藤健司市長も定例会見で、まずは今年の大会を振り返り、検証する必要があるとおっしゃっていたんですが、あくまで県は委員会を構成する一部ではあるんですけれども、知事としては今年の大会についてはどのような振り返りをして、来年度以降の大会をどのように考えていくべきだとお考えでしょうか。

 

【知事】

すいません、前回問われて答えた答え方と記事への掲載のされ方で、まだまだ十分その意味が伝わらなかったところもあるのかもしれませんが、私が考えていますのは、今もお尋ねがあったとおり、当該地である大津市はじめ、実行委員会を構成される方々と、今大会の振り返りと検証をすることが大事だと思います。何より多くの方々が集まられるこういう花火大会の開催運営ということについては、安全第一です。実際そういった場で、事故等も起こってますので、安全に開催遂行、完遂できることが前提になりますので、そのためにどういう対策を取るのかということがあったので、そういったことにその地域の皆様がどういう御理解を示していただけるのか。やはり地元の理解なくしてこういったイベントの開催というのはできないし、仮に無理をしてやらせていただいたとしても続かないんじゃないかということを考えておりますので、そういったことは丁寧に行っていく必要があるだろうということから、来年度以降については、今回の大会のことを振り返り、検証した上で考えていくべきではないかという考えを申し上げたところでございますので、当然今回の大会がどうだったのかということをみんなで考えて、来年度以降のことをつくっていくということだと思います。

[NHK]

今回の大会については、かなり強めに地域住民の方からの反発があったのかなと思うんですが、知事としてはやはり住民の理解を得ていかなきゃいけないとお考えの中で、今年の大会についてはどうしてその理解をなかなか得られなかったのかと知事はお考えでしょうか。

 

【知事】

そういったことも今回の振り返りの重要なテーマになってくると思います。私は今回開催されるにあたり、当該実行委員会の皆様が時には大津市の方々の御協力を得ながら、どういうやり取りをされていたのかというのを一部始終詳らかに存じ上げているわけではないので、そのことが十分だったのか不十分だったのかというコメントは差し控えたいと思いますが、結果的に今回のやり方等に御不満をお持ち、もしくは反対された自治会があったとすれば、十分じゃない面もあったんだと思います。また、そういったことを丁寧にやりとりすることができていなかったということもあったのでないかと思います。コロナ禍を経ての久しぶりの開催でしたので、運営スタッフが変わっていたり、以前にはない不安もお持ちになっていたりということもあったのかもしれないので、そういったことを丁寧にやりとりすることができていなかったということもあったのでないかと思います。また、より多くの方々にお楽しみいただけるようにということで、

 

[NHK]

 振り返りについては、第三者を加えて委員会のようなものを立ち上げて行うのか、どのような形で行うべきだとお考えでしょうか。

 

【知事】

 基本的には実行委員会の議論にゆだねたいと思いますが、何か第三者の方に加わっていただいてまでの必要性は私は持ち合わせておりません。むしろこの大会を大事にする、大事にしてきたメンバーで、今回どうだったかということを真摯に検証することは可能なのではないかと思います。

 

[日本経済新聞]

日中関係がおかしくなってきていて、処理水を巡って、要人の往来もややストップしつつある状況です。山口公明党代表が訪中をやめたと。11月には湖南省のトップの方がこちらに来るという予定がありましたが、この辺は影響は出つつありますか。

 

【知事】

まず今回の福島第1原発の処理水の放出を巡って、日中関係が主要な方の往来も含め、様々な抗議活動やいろんな抗議電話などが寄せられるということに至っていることは、私も残念なことだと思います。とりわけ私達は今月中国湖南省に参りまして、様々な平和友好交流活動を行ってきましたし、湖南省との関係は今年40周年ということで、まだ時期は明確に決まっているわけではありませんが、この秋に湖南省の方に来ていただいての式典、行事を予定しておりますので、今現時点で何か今回のことで影響を受けているということはありませんが、事態の推移によっては影響しないとも限らないので、そういったことがないように、私達にできる努力はしていきたいと思います。

 

[日本経済新聞]

現時点では、まだ日程についてどうということは話は出ていないということですね。予定どおり秋に来るという方向で事務方の方で検討していると、そういうふうな捉え方でよろしいですか。

 

【知事】

私たちは検討、そして準備をしているところです。

 

[京都新聞]

私も東京電力の福島第1原発事故の処理水の関係でお尋ねしたいんですけれども、中国政府が日本の水産物の輸入を全面停止した関係で、県内の水産関係者の皆さんに影響が出ていないかということと、反日感情が拡大して福島県内外の公共施設や一般のお店に嫌がらせの電話がかかっているということなんですが、こういった影響が県内で何か知事の方で確認されてることはないかというのをお尋ねします。

 

【知事】

今の時点でお尋ねいただいた県内水産業者に対する影響、また県内施設等への嫌がらせ電話等は確認できておりません。ただ、報告は入っていないけれども、わからないけれども、そういった影響が、もしくは事象がないとも限りませんので、今後は状況は注視していきたいと思います。

 

[京都新聞]

日経さんもお聞きになられましたが、今月の初めに中国の湖南省と今後も次世代を中心に交流を深めていこうということを約束してきたばかりの日中関係の冷え込みですけれども、それを知事としてどのように受け止められているかもう一度お尋ねしてもいいでしょうか。

 

【知事】

私達は湖南省との関係で友好交流を積み重ねてきて、この夏、8月にも、改めて今後の取組等も再確認してきた折に、この事象を巡り、報道にあるようなことが起こっている、もしくは今後も懸念される事態というのは残念に思います。ただ現に観光で来られる方、ビザの解禁を含め、大勢動かれ始めておりますし、日中関係というのは今回の日本産水産物の輸入禁止のみならず、様々な関係がありますので、そういったことに揺るがない友好交流や経済交流を重ねていくということも重要だと思います。ちょうど今8月にお世話になった中国の方にお手紙を書いて届けているところですので、次回の再会や、今後の交流の継続発展を示していますので、そういうやり取りなども積み重ねながら、影響を受けない状況を私達なりにつくる努力をしていきたいと思います。ただ、この間中国に滞在する日本人の安全のことは配慮するように外務省から連絡等もありますので、湖南省に駐在しております職員については十分注意するよう喚起をしているところでございます。また逐次情報を入れながら、対応を行っていきたいと思います。

 

[滋賀報知新聞]

新型コロナウイルスについて、5月に5類に移行して以降、第何波というまとめ方もなされなくなったと思うんですけれども、現状県が出している週報等拝見しますと、高止まりのような感じで、ここ数週間推移しているのかなと拝見しています。県などのまとめによりますと、60歳以上の高齢者の方が多いので感染リスクの高い方は特に対策を徹底してくださいという呼びかけもされてるんですけども、またもう一点ですね、高止まりと言いつつ、20日時点の現在の確保病床数の占有率が50%を超えてきたという数字もありまして、今高齢者の方の感染が多いという情報もあるんですけども、一部もう2学期が始まって、来月から2学期が本格的にスタートすると子どもたちへの心配というのも今後増えてくるかなと思うんですけども、現状の県の動向について知事の御所見と、今後の県の対応、県民への何か呼びかけ等ありましたら教えていただけたらと思います。

 

【知事】

まず現状については今もお尋ねの中にありましたとおり、夏になって増えてきて、若干お盆は減少したかに見えましたけれども、直近の週報ではまた増加に転じています。お盆の時期は診察を受けられずに、お盆明けに診察を受けて陽性が確定したという方もいたのかもしれません。そういう意味で、まだなくなってはいないという状況。そして緩んだことによって、増えつつある状況というのはみんなで共有したいと思います。その上で改めて基本的な対策をとることでありますとか、体調の悪い方、また御高齢の方については、例えばマスク、手洗い、そういったことにより気をつけていただきたい。また病床、ならびに必要な検査は引き続き必要なものは確保していきますし、一時的に病床の使用率が上がっているというのは、おそらくそれ以外の症状の方、入院が必要ない方も含めて、病院で御療養いただいているということなども影響、作用しているんだと思います。当面、特にこの8月から9月にかけて、今おっしゃった2学期が始まるということも十分勘案した上で、状況を注視し、特に9月以降はいろんな措置を段階的に緩め、また変えていく、平常モードに戻していくという局面になっていきますので、その影響がどう出ていくのかなども注視して、必要な対策はとっていきたいと思います。

[滋賀報知新聞]

先日県のこれまでの対応の振り返りということで資料提供もあったんですけれども、こちら概要版と本編と資料編とたくさんあって、私も全部見切れてないんですけども、県民への意見募集でどんな意見が集まったらいいかという希望と、集まった意見を踏まえてのまとめの目途というのは今後どのようにお考えなのか教えてください。

 

【知事】

まず今回の振り返りのまとめは年内に行いたいと思っています。どういう御意見御見解かというのはそれぞれの方におまかせしたいと思います。もう3年もたてば、あれ、どうだったっけということもあるのかもしれませんが、ただ、今でこそこうやって皆マスクを外して生活してますが、当時は少し距離を置き、こういった場の設えそのものがはばかられるようなことであったり、私たちもいろんなことをお願いしました。営業時間の短縮ですとか、また学校の休業ですとか、そういったことなどは、最善を尽くしてやったつもりではありますが、どういう影響が出たのか、どういうふうにお感じになられたのかということはきちんと残しておいて、今後の対応・対策に生かしていく必要があると思っています。ですから行政が行ったことについても、厳しいことも含めて、遠慮なく忌憚のない御意見をいただくことが、今後にとって必要なのではないかと思います。

 

[滋賀報知新聞]

来月9月20日からワクチンの秋開始接種というのが、始まるかと思います。こちらはもう各市町が接種の主体にはなると思うんですけれども、公費負担最後のと言われているワクチンとなるということで、もう一部市町では接種券の申請申込みが始まっている市町もあったりと、市町ごとにまちまちになっていて、混乱が一部起こっているような気がします。それも踏まえてこのワクチン接種、最後の公費負担が年度末まで行われることに向けて、県の体制や県民への呼びかけ等ありましたらお願いします。

 

【知事】

基本的にはワクチンは市町が中心となって、接種をされていると思います。必要な情報等が町民・市民もって県民の皆さんに届くように、また町や市の対応で何か支援が必要なことがあれば県も支援するということで臨んでいきたいと思います。以前に比べますと、ワクチンに対する需要というのは減ってきているのかもしれませんが、その有効性をきちんとお伝えした上で御検討いただく方には御検討いただき、積極的に打っていただく、こういうことも必要だと思います。その取組はきちんと継続して行っていきたいと思います。

 

[読売新聞]

伊吹山のことについて伺いたいです。先日の伊吹山を守る自然再生協議会の方で、土砂崩れから登山道の復旧として、9月から11月にかけて復旧工事を行うなどの方針が県からも示されたんですけれども、この山道の復旧に向けてどのように取り組んでいくのか改めて聞かせてください。

 

【知事】

私も7月に現地に伺い、残念ながらその直前の大雨、崩落により、歩いての登山というのはできませんでしたけれども、多くの場所で、その状況を確認することができました。その後県庁内また米原市さんとも協議をして、今月中には米原市と滋賀県とでプロジェクトチームを立ち上げて、今後の応急対策と、そして中長期の対策と、分けて実施できるよう検討準備をしていきたいと思っていますし、必要な予算の補正などは、県議会にお認めいただくべく、成案を受けて提出していければというところであります。

 

[読売新聞]

伊吹山を守る自然再生協議会との関係性というのはどういうふうに位置づけていかれますか。

 

 

【知事】

管理担当する行政として、米原市さんと滋賀県とで、まず対策を構築した上で、当然先般も再生協議会の皆さんからいろんな御意見、御見解をいただいておりますので、そういったものも十分反映した形で対策を講じ、またこういう対策を講じようと思うがということで共有をさせていただいて、連携して取組を進めていければと思います。

 

[読売新聞]

伊吹山の現状だと土砂崩れ、今後も多分おそらく続くだろうなというふうに個人的には思っていて、抜本的な対策が必要かと思うんですけれども、中長期的な対策、具体的にどういうところに注力していきたいなというのはありますか。

 

【知事】

あれだけ大きな山ですので、全体全ての課題を解決するのはなかなか難しいのかもしれませんが、特に私達になじみが深い南側の斜面の裸地化による崩落に手を入れていくということが必要なのではないかと思います。したがって、まずは応急措置としての登山道の安全確保、ならびに裸地化したところを、植生で回復させていくということは、中長期の対策の視野に入ってくる事柄ではないかと考えています。

 

[読売新聞]

山頂のお花畑も国の天然記念物にも指定されていますけれども、実際もうかなり食われてしまっていて、知事も拝見されたと思いますが、そのあたりの復活については、米原市なども柵の対策をしていますけれども、県はこのあたりどうどのように一緒に管理していくかというところを改めて聞かせてください。

 

【知事】

まず、山頂のお花畑の植生回復その保全に対しては、今やっている柵の効果の見極めをした上で、さらに必要な対策等については中長期の対策項目に入ってくる事柄ではないかと思いますので、そのことも含めて、米原市さんもしくは再生協議会のみなさんとよく協議をしていきたいと思います。

[読売新聞]

化学繊維の柵はもう破られて入られてしまってという、イタチごっこということに苦慮されている地元の方の声も聞き、米原市さんは今年から金属柵の設置などにも取り組み始められていますけれども、県としてはどのような見解か伺いたい。

 

【知事】

山頂付近は雪との戦いということもあるでしょうし、つけたものをもう1回外して、またさらにネット化するということの手間と金属柵で、きちんとより強固に立てて守るというやり方と、これは2通りあると思います。既に取り組まれ始めている対策の効果などを見極めて、共有した上で、今後さらにそれをどう広げていくのか、続けていくのかということは、議論、検討していきたいと思います。

 

[読売新聞]

登山道復旧時期やPTでの予算規模とかそのあたりはどのくらい見込んでいるとか、出せるものはありますでしょうか。

 

【知事】

復旧時期というのはまず雪が降り積もるまでに一定のことをやろうとしてくれているようです。ただその後また降って積もって、また流れたらどうなるかということはあるのかもしれませんが、できる限り、降雪時期までにやれることをやるということと、予算規模についてはまだ未定です。

 

[中日新聞]

防災の日に絡んでのことなんですけれども、抜き打ちで訓練をされるということを最初おっしゃいました。抜き打ちというのは従来やってらっしゃることなのか、そして抜き打ちの内容としては、日にちを突然やるということなのか、内容をブラインドでやるということなのでしょうか。

 

【知事】

詳細については今検討中です。ただ今回の訓練はいついつこういう想定でこういうシナリオでやりますという訓練ではない訓練をやろうということで、ただいつやるかわからないということではなくて、来月どこかでやりますよということだけ共有して、参集や対応の訓練をやるということです。どこまで準備してやるのかということは詳細を今詰めているところです。

 

[中日新聞]

抜き打ちでというのは今回初めてなんですか。

 

【知事】

私が知事になってからは、今回初めてさせていただきます。

 

[中日新聞]

今月に既にもう災害警戒本部がもう2回立ってると思うんですが、今月の災害対応のことも含めて何かフィードバックされて、訓練に生かすということもあるんでしょうか。

 

【知事】

今月の対応を踏まえて、フィードバックしてということも当然あると思います。ただ、今度やる訓練はもっと大きな警戒本部だけじゃなく、対策本部も含めて立ち上げていかなければならない災害被害を想定してやる訓練になると思います。ただ、今回の8月の対応で教訓となったことは踏まえていきたいと思います。

 

[中日新聞]

内容は一応抜き打ちですけれど、地震の対応ということでいいんですか。

 

【知事】

御案内のとおり、台風だとある程度くるというのがわかるので、準備できるんですけど、地震は準備できません。その地震と雨と複合になる可能性というのは十分ありますので、まだ私もこういう想定でということが共有できているわけではありませんが、急に来る災害が入ってくると思います。

 

[中日新聞]

この8月の台風7号のときは、特に情報提供の仕方が、当初朝の1回だけで、次は24時間後というようなことがあって、ちょっとこちらも戸惑いがあったんですけれども、そういった情報提供のされ方も、もしよければ検討していただきたいなと思うんですがどうでしょうか。

 

【知事】

重要な御提案、そして御提示として承りたいと思います。強い問題意識を持っています。警戒本部であれ、対策本部であれ、そのとき集められた被害状況等をどうやって報道機関のみなさん、もって県民の皆さんにお伝えしていくかは重要なことだと思いますので、そのことは十分踏まえて対応していきたいと思います。

 

[毎日新聞]

コロナの振り返りですけど、今後の対応対策に生かしたいという趣旨だと思うんですけども、10年後にアレをみたらパッとわかるのかなという気がするんですが。誰が書いたのか、どの部局が書いたのかが一目でわかりづらいので、10年後の担当者が自分の担当分野がわかりにくいという心配はないですか。

 

【知事】

最終どういう体裁にするのかというのは考えたいと思いますが、誰が書いたかわからないから、10年後読んでもわからないということだけではないと思います。

 

[毎日新聞]

当時誰が担当したか直接聞くのが早いと思うのですが。そのアクセスのしやすさは必要ではないかと。内々ではそういう固有名詞で記録を保存して見れるようにされているのか。

 

【知事】

事務的にどうしているのかは私も詳細は把握していませんが、固有名詞で誰がというのは、知事は当然明らかになりますが、担当者はやはり相当変わってますので、変わりながらバトンを繋ぎながら、いろんな対応してきていますので、あまり個人名を出すというのは適切ではないと思います。知事以外は。

[毎日新聞]

知事ですけども、知事の発信力が弱い、という趣旨まで書かれているわけなんですけども。知事への批判をどのように受け止められていますか。

 

【知事】

これは私もまとまれば、きちんと読んで検証しなければいけないなと思っています。そういう御批判が、またある意味では御期待が対策対応途中に寄せられていることは知っておりましたし、実際知事への手紙でもたくさんそういうお声は寄せられておりました。発信力を強化するために何か言うというのも違うと思いましたし、言わなければならないときに、言わなければならないことを的確に申し上げるということに努めてきたつもりですが、都道府県知事が発するメッセージというのを県民の皆さんがよく御覧いただいて、守ろうとしていただいていた一つの証左なんだと思います。そのことは、一定まとまった時点で、良く見て、次の感染症対策をやる知事にメッセージを送りたいなと思います。

 

[京都新聞]

大阪府の高校授業料無償化についてですが、一定成案ができてということで、この制度についての評価をまずお聞かせいただけますでしょうか。

 

【知事】

大阪府の皆さんが知事の選挙公約や様々な議論の中で、調整の中で、決めてきてこられた制度だと思いますので、そういうことの成案が得られたということであれば、それは前進ではないでしょうか。

 

[京都新聞]

大阪府の制度ですと、授業料負担が公費負担が63万円まで個人の授業料、私学なんですけれども、63万円を超える部分については学校側が負担するというキャップ制と言われる制度になっているんですけれども、このような授業料負担の上限を事実上制約するというような懸念があり、私学側から示されて63万円以上の授業料を設定すると学校の持ち出しになるんで、それ以上授業料の高い設定というのがしにくくなる。ひいては私学の独自の教育方針というのがなかなか実現できにくくなるというような懸念の声が上がっているんですけれども、キャップ制という仕組みについて知事の御見解をお聞かせいただけますでしょうか。

 

【知事】

一つの選択肢として提示をされ、今お尋ねの中にいただいたような懸念や不安もあったけれども、最終的には合意に達せられたということであれば、皆さんの理解が一定調整されたのではないかと思います。そのことに何か私がこの立場で申し上げることはありません。

 

[京都新聞]

滋賀県の関係で言いますと、大阪府の在住者が他府県に出る場合、府外の高校に対してもその制度の方に適用するというようなことを大阪府は今後求めていくということで方針が示されています。滋賀県も大阪から滋賀に通われている生徒が200人以上いるそうなんですけれども、地元の学校からの声としまして、地元の生徒は滋賀県も独自で私学に対する授業料の補助というのはやってるかと思うんですけれども、一定自己負担での授業料の支払いというのは、生じてるという形になると思うんですけども、滋賀県内の私立学校が大阪府の制度を適用した場合、大阪からの生徒さんは、高所得の世帯でも自己負担なしで滋賀県の私学に通えるのに地元の滋賀県の生徒さんは低所得家庭の生徒さんでも私学に通う場合は、授業料負担が生じるという不公平な状況が生じるかなというふうに思いますし、実際に私学の関係者の方もそういった状況が生じることを懸念されていて、制度参加についてはちょっとためらいがあるというような声が上がっております。大阪府の制度が近隣府県まで適用するとなると大阪府と地元の生徒の間でやはり不公平感が生じるという状況が生じると思うんですけど、この辺りについて知事のお考えというのはありますでしょうか。

 

【知事】

大阪府でそのような制度が整い、大阪府民の方で滋賀県内の私学に通われる方は当然いらっしゃいますので、そういう方々との間で、差が生じてしまうということ等をどのように考えるのかということは、よく注意深く伺いたいと思います。それぞれの自治体はそれぞれの考え方があるので、一定制度の違いがあるということは、致し方ないことだと思いますし、現行でも一定所得の方々まで、910万円だったと思いますけども、そのレベルまでは授業料の支援を一定行っていますので、それを超える方々まで大阪府は含めてやろうとされておられていて、しかし滋賀県などはそういった高所得の方々には、授業料を御負担いただくということの差をどう見るのかということだと思いますので、学校側にも伺って、このあたりはどのような影響がでているのか把握していきたいと思います。それ以外にも教育にかかる、子ども子育てにかかる社会的な費用の捻出というテーマはありますので、それぞれの自治体が判断し、住民の理解を得て、どう実行していくのかということだと思います。

 

[京都新聞]

この高校の無償化に関連して、奈良県の山下知事なんかも私立高校を含めた所得制限の撤廃というような方針も示されて、一定近畿で私立を含めた高校授業料無償化、所得制限の撤廃なんかも動きとして出始めており、近畿府県の中でもかなりばらつきというのが大きくなってきてるかと思うんですけれども、関西広域連合の連合長として、その辺りあまり望ましくない状況と捉えるのか、それぞれの各府県の考え方で止むなしということで、ばらつきを容認するというなどそのあたりどのようにお考えでしょうか。

 

【知事】

先ほども申し上げたとおり、それぞれの自治体にはそれぞれの考え方がありますので、一つの関西広域連合という広域自治体を形成していますが、一つ一つの自治体の考え方というのは容認すべきだと思います。全てを揃えるということではないと思います。ただ府県域を越えて通学される方々に学校で勉強されるにあたって、もしくは学校経営されるにあたって、どんな影響が出ているのかということについては、注意深く伺って、把握、共有していくことが重要ではないかと思います。

 

[京都新聞]

広域連合としてこれを議題として、今後話し合っていくというお考えというのはお持ちでしょうか。

 

【知事】

今の時点で予定はありません。そういったことをメンバーから提議されている、もしくは議会議員から提議されているということもございません。

[京都新聞]

教育の無償化に関して大阪公立大ですとか、兵庫県立大を地元在住者に無償化するという動きも出始めておりますけれども、滋賀県立大について授業料無償化等のお考えはありますでしょうか。

 

【知事】

広い意味で、全国知事会の子ども・子育て政策推進本部の本部長をお預かりして、教育にかかる、とりわけ高等教育にかかる費用を社会的にどう賄っていくのか、これは国で支援をしていくべきだという考え方を申し上げているところですので、そういったことを今後国ともよく協議していきたいと思います。また県では、私の今期のマニフェストの中には、そこまで県民の皆さんにはお約束しておりませんので、財政のことなども見極めながら、今後の課題として、どのように考えていくのかというテーマだと思います。

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