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知事定例記者会見(2023年7月11日)

令和5年7月11日
(県政記者クラブ主催)

【知事】

おはようございます今日もよろしくお願いいたします。

まず九州地方で、豪雨により、大きな、また多くの被害が出ております。心からお見舞いを申し上げたいと存じます。滋賀県でも警報が発令されるなど、週末も様々な警戒をしておりました。今降雨期に入っておりますので、情報の収集、またリスクの確認、さらには速やかな避難行動など、こちらからも呼びかけてまいりたいと思いますので、皆様方の御協力をよろしくお願いいたします。

本題に入ります前に、いくつか御報告なり、御案内をさせていただきます。まず1つ目、彦根城の世界遺産登録に向けて、彦根城世界遺産登録推進室の体制を強化いたします。兼務になっていた室長を専任の室長にするということや、1名増員をするということなどで6名体制に強化することといたしました。まずは事前評価制度という大切な一歩を踏み出すことができましたので、そこに向けて万全を期していきたいと思います。もう1つ、世界農業遺産に認定されて1年ということですので、7月19日、水曜日に県庁正面玄関前で記念イベントを開催いたします。もう1つ、滋賀医科大学が「がんゲノム医療拠点病院」に国から指定を受けました。全国で32しか受けられなかったということで、「がんゲノム医療」というのは、今後も大変重要な役割を果たすということですので、今後の医療推進に期待をしたいと思います。詳細は本日13時からこの場所で、滋賀医科大学様が会見をされるということです。最後に1つ、先日6月26日の会見で、会議の公開性について御質問をいただきました。原則公開すべきじゃないかといった趣旨の御質問をいただき、改善ができるかどうか検討するとお答えしておりました、琵琶湖博物館水槽破損事故に係る第三者委員会、そして高時川濁水問題検討会議、いずれも公開可能だということでしたので、次回以降公開で実施させていただくことといたしました。

それでは資料に基づいて2点御案内をさせていただきます。まず1点目、北の近江振興プロジェクトに取り組んでおりますが、今週末15日から16日にかけまして、米原市の伊吹地区を訪問いたします。県内の最高峰伊吹山。古来山岳信仰の聖地で「霊峰」として名高い伊吹山。日本百名山の一つでもある伊吹山。これは県民の誇りでもあります。ただ御案内のとおり、様々な山の恵みがあるのですが、ニホンジカによる植生の被害でありますとか、降雨による土砂の流出など痛々しい、いろいろな状態もあるとのことですので、こういったものを登山して現地を確認したいと思っております。また伊吹山の保全再生などに取り組む方々と意見交換をしていきたいと思っております。ぜひどのようなことが今後できるのか、一緒に考えていきたいと思います。またもう1つ、この点に関連して北の近江振興プロジェクトを皆さんに知っていただこうということで、ロゴマークを担当者が作ったということですので、こういった形で、マザーレイクゴールズとも色合いが似ていて、「北」というものを表現した、そういうロゴマークです。今後、多くの方々に目にしていただけるよう、心に届くように頑張っていきたいと思います。

もう1つは高校生の皆さん、高校生世代の皆さん助けてください。こんな滋賀県になったらいいなということで、次世代県政モニターに高校生の皆さん、16歳から18歳、高校生世代の皆さんに、ぜひ御就任いただきたいということで、お願いをいたします。「子ども・子ども・子ども」ということで子ども世代の皆さんとともにつくる県政というものを標榜し、様々なアンケートに答えていただく県政モニターに、高校生・高校生世代の方々に加わっていただきたいということで、300名募集をさせていただいておりますが、高校生は忙しくて、また何となく県政モニターってつまらなさそうで、難しそうでということで苦戦しています。ぜひ、こんな滋賀県になったらいいな、こんな学校になったらいいなというような御意見をお持ちの皆さん、そして我こそはと、私達こそはという皆さんに御登録をいただきまして、いろいろとアンケートに答えていただくという作業が必要になるんですけれども、ぜひ皆さんのお声を聞かせていただきたい。そして、いただいたお声を県政、施策に反映していきたいと考えておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。高校生の皆さん、高校生世代の皆さん、私、知事三日月大造からのお願いであります。どうぞよろしくお願いいたします。私からは以上です。

[NHK]

伊吹山を視察されるということに関して、2点ほどお伺いしたいと思います。1点目は、今回の伊吹山の視察に関しての狙いや目的について教えていただければと思います。もう1点は、これまでも県はお花畑に柵を設置するなど様々な取組をされてきたと思いますが、今回視察を行って今後県が伊吹山に関して取り組むことがあれば、教えていただければと思います。

 

【知事】

まず県の北部振興、北の近江振興プロジェクト、これは私が3期目になって、力を入れて取り組もうとしている課題です。そして、県庁から見るのではなくて、できるだけ現地に出かけて、現場で関係者の皆さんと意見交換し、実情もつぶさに見せていただくことで、施策化しようということに取り組んでおりますので、まず狙いということで言うと、今回は伊吹山の実情を現場で見て、そして再生等に取り組まれる方々と意見交換をし、後段の御質問にも関連いたしますが、今までやってきたことの効果を確認した上で、今後、例えばこの貴重な植生を守るためにどういった取組が必要なのか。それらをどんな形で行うのか、どういうスケジュールでやるのか、そういったことなど考えを深めていければと思います。北部振興、北の近江振興という意味で、伊吹山というのは象徴的な山です。したがって、この象徴的な山をどのように保全していくのかという考えを、私の中にもそうですし、地域の皆さんも、より強く、より広く醸成できるようになることを願っております。

 

[読売]

先ほど知事からお願いがあった県政モニターの件ですが、今のところどれぐらい集まっているんでしょうか。

 

【知事】

20名ぐらいだそうです。

 

[読売新聞]

募集開始はいつからでしょうか。

 

【知事】

募集は今月からです。

 

[読売新聞]

高校生にはどのように呼び掛けられているんでしょうか。

 

【知事】

高校を通じて高校生にも呼び掛けさせてもらっています。(応募するには)まずはエントリーしてもらわないといけないので、そのひと手間、ひと作業が、ハードルになっているのかもしれません。

 

 

[読売新聞]

これから夏休みですし、登録してくれるかもしれないですね。

 

【知事】

そうですね。学校で習ってはいるけど、県ってどうなっているのかな、県政ってどうなっているのかな、琵琶湖のこともっと知りたいなとか、こういったところに意見すれば、届くかもしれないというようなこともあるのかもしれません。知事への手紙は高校生世代からも結構届くので、この機会にモニターにもなって、「僕らの声届けようよ」、「私達の願い届けばいいね」って思ってもらえればなと思い、呼びかけました。

 

[読売新聞]

彦根城世界遺産登録推進室というのはいつできたんですか。

 

【知事】

令和2年度から設置しております。

 

[読売新聞]

今回初めて増員するということですか。

 

[担当課]

最初は県職員の課長が室長を兼務する形で始まっております。室員につきましては、県職員が2名と彦根市の職員さんが1名でスタートしておりまして、途中からもう1名増えております。県職員の増員は今回が初めてとなります。

 

[読売新聞]

事前評価制度のための資料を作らないといけないという大変な業務かと思いますが、どういった専門性に秀でた方がいらっしゃるんでしょうか?

 

【知事】

これまで彦根城世界遺産登録に向けて、取り組んできたスタッフがいます。彦根市から来ていただいているスタッフも含めて、学生時代からこういった彦根城、城郭調査などをしてきた、そして彦根城世界遺産登録に向けて仕事をしてきた、こういうスタッフがいます。だからこれまでやってきたこと等を成就させるべく、これからの1、2ヶ月頑張っていこうと。ただ時間の制約があって、その中で、世界の評価に耐えうる資料をつくり、もしくは整えていかなければならない。英訳もそうです。いろんな表現の見直しなど。こういった作業が集中的に発生いたしますので、それを乗り越えていくために、増強をさせていただきました。

[読売新聞]

知事が冒頭におっしゃられたように九州で大雨による甚大な被害が出ており、今どこでどんな災害が起こってもおかしくないという状況だと思います。滋賀県は流域治水ということをずっと進めておられて、下流から上流まであらゆる関係者と協議して治水を進めておられますが、去年の高時川の氾濫の際に霞堤から水が入って農地が浸水されたということで、地元長浜から霞堤を締め切ってほしい、農地の補償をしてほしい、収入補償してほしいという様々な要望があげられており、それを受けて、県は国にガイドラインの申請等を要望されていたと思います。このことについて国は、各地域、地形ごとに特性が違うので、個々で判断してもらいたいという資料をまとめているんですけれども、それを受けて県は今後、どのように判断し、施策を進めていかれるのか教えていただけますでしょうか。

 

【知事】

冒頭お尋ねいただいたように豪雨被害というのは、頻発化していますし、かつ激甚化しています。局地化もしているとも言われています。したがって、ハード・ソフト両面で対応をしていく、流域治水で乗り越えていくということが重要です。今お尋ねいただいた霞堤というのは、川の水を川の中だけで留めることではなくて、氾濫原で留める対策の1つとして機能するもので、洪水を調節する機能や集落等に降った水を排除する機能だとか、また1回氾濫した水を戻す氾濫水の還元機能などがあります。したがって私達は流域治水の取組の中でも、霞提を対策の1つとして取り入れて対応をさせていただいております。ただいまお尋ねいただいたように、昨年の夏の豪雨で、その霞堤から氾濫をしまして、一部被害が出ました。そういったことを受けて昨年の秋の国に対する政策提案で、どういう機能なり、また実際氾濫が起こったときにどういう対応をしていけばいいのかということについて、統一的なガイドラインが必要なのではないかということを国に提案をさせていただきました。国からの見解は、流域ごと地域ごとに様々なので、地域ごとに考えてもらうのが一番じゃないかという回答、見解を受けて、私達は国で一定のものが必要ではないかと思いつつも、まずは地域ごとに考えていこうということで、今流域ごとに検討会をつくり、様々な協議をさせていただいて、これは霞堤のことだけではなくて、流域ごとの対策ということの中で議論を積み重ねているところです。また被害が起こったときにどうするのかということに対しては、収入保険というものに加入をしていただくことを呼びかけており、そういった収入保険の新規加入の方の保険料の一部を補助する制度なども行ってきておりますので、今後、こういったことも含めて、被害が起こったときにそれらを補償する、そういう手立てにも役立てていただきたいと思っております。引き続き霞堤を含めたハード、またソフト両面の流域治水対策を進めていきたいと思います。

 

[京都新聞]

昨日、琵琶湖文化館について落札業者の提案内容の説明がございました。振り返りますと、この文化館が所蔵する仏教美術というのは、2018年に県が断念した新生美術館計画で、アール・ブリュットなどの現代美術と1か所で展示をするという計画だったと思います。その計画は、事業費の上限の47億円に収まらなかったことが主な理由として断念されたと記憶しています。今回の文化館の建設費は落札費の108億円のうち70億円を見込んでいるということで新生美術館の計画事業費だった整備費用を大きく上回っているんですけれども、これについて知事の方から説明をお願いできませんでしょうか。

 

【知事】

以前は新生美術館ということで、現代美術とアール・ブリュット、そして琵琶湖文化館が収蔵している文化財を一体的に収蔵、表現することを考えておりましたけれども、様々な諸事情がありまして、一旦立ち止まり、県立美術館につきましては、一部リニューアルをさせていただき再オープンしました。そして文化財は、この文化館のあり方も含めて検討させていただいた結果、大津港、この地域に新たな文化館として整備することといたしました。やはり大切な文化財をきちんと守る。そして収蔵する。さらには展示をさせていただく。こういう機能を県として、整備することが必要だろうということと、この文化財を御覧いただいて、そこから例えば琵琶湖水運などを利用し、県内各地にいざなうという機能も持たすことができるのではないか。まさに今文化庁が行っている文化観光にも資する、こういうことにも生かしていきたいということでありますとか、昨日の説明にもあったと思いますが、県内各地で収蔵、保全、保管していただいている、お守りいただいている文化財は、相当いろんな課題というか悩みを抱えられながら、人がいないとか、災害が起こったときにどうするのかとか、そういったことにも応えうるセンター機能という役割も果たしていく必要があるだろうということで、そういったことを一体的に行える場所として、新たな文化館を整備させていただく事業に取り組んでいるところです。今般こういった形なり、設計していただく方々から御提案のあったものを一部決定させていただきましたので、令和9年、2027年の開館を目指し、事業を着実に進めていければと考えています。

 

[京都新聞]

今新生美術館の断念の理由を様々な事情があってというふうに表現されましたけれども、主な理由としては県や県議会が設定した47億円の枠に収まらないというところがあったかと思うんです。今回の文化館70億円をかける。また、県立美術館については既に10億円以上を投じて改修をしているというところで、その費用の差というのは小さくないと思います。そのことについて、今振り返って、やっぱりこれが最適だったというふうにお考えになっておられるんでしょうか。

 

【知事】

お尋ねいただいたように、新生美術館のプロジェクトは、確かにかける費用に対する課題、問題に対して理解が得られなかったというようなこともあったと思いますが、全体的に共感が十分得られていたのかっていうと、そうじゃなかったと思います。したがって最終的には私がこの新生美術館については立ち止まり、断念させていただく決定をし、皆様方に説明をさせていただきました。ところがこの県立美術館が持っている美術品でありますとか、文化館でお預かりし、収蔵させていただいている文化財というのは、大変貴重なものですし、価値のあるものですので、そういったものをどのように収蔵、展示、表現していくのかという、この可能性は最大限生かしていきたい、発揮させていただきたいということで、美術館についてはすぐにやるべき改修を行った上で再開館、そして長年休館させていただいてる文化館についても、新たに大津港で再開館を目指し、移転新築を目指し、現在取組をさせていただいております。確かに以前やろうとしていたものとは全てイコールで比較できるものではありませんけれども、足し合わせると、金額は増えるものにはなりますが、かけた費用に値する表現とか、保全とか、そういった形で還元することができればと思っております。

 

[京都新聞]

今ほど言ってくださいましたけれども、前知事時代からやってきた新生美術館計画というのは、文化財とアール・ブリュットなど、滋賀の趣の異なる魅力を束ねて発信するという構想だったと思います。そのあたり拠点は2つにわかれたままですけれども、一体的に発信していく、そのようなお考えは今もあるんでしょうか。

 

【知事】

おっしゃったように、分野の異なるものを、当時は3つの美を1つの花束にという言い方をしていましたけれども、束ねて表現するという意味、価値というものはあると思います。したがって今後も、美術館だから文化財を展示しないとかではなくて、可能な限りいろんな表現を組み合わせながら、展示していくということは追求していきたいと思いますし、1か所だけではなくて県内各地で、様々な表現をしていくということもできると思いますので、それはやっていきたいと思います。ただその後、例えば私が知事に就任して以降も、日本遺産ですとか、また様々な文化財の価値だとか、そういうものが再評価される、そういうステージにもなってきました。ただ、伴う課題もあり、人材をどうするのかとか、災害が起こったときにどうするのか、地域では守れない文化財をどうするのかとか、そういう課題などにもお応えうる拠点とか施設、そういうものが必要なのではないか。こういうことに対策を見いだしていくということの中で、文化館整備事業というのをつくらせていただいておりますので、ぜひ皆様方の御理解や、御共感がさらにいただけるように、説明なり、発信に努力をしていきたいと思います。

[京都新聞]

文化館が収蔵してきた文化財の保護というのは厳しい財政状況の中でいうと優先順位としては後回しにされがちで、実際文化館は10年以上も休館したままになっているわけですけれども、改めて今回その大きな予算を投じて、この文化財の保存や活用の拠点を整備することについて、その意義を教えていただけますか。

 

【知事】

文化財というのは、先ほど話題に上った大きな国宝彦根城もそうですし、それぞれの地域にある仏様もそうです。形のない例えばお祭りとか、様々な物々事々ありますけれども、こういった文化財は私達が歩んできた道を示してくれるものですし、ある意味では今の世界との比較の中で、私達の独自性を示してくれるものでもありますし、未来に向けて、こういったことを大事にして生きていけばいいのではないかという、そういう道筋を示してくれるものだと思います。したがって、歴史に照らしても、今世界と比較しても、そして未来を歩んでいくためにも、この文化財を大切に守りながら、それを光として観光に生かしていく取組というのは大変重要だと思っております。したがって数多ある行政需要の中で、かける費用というのは、求められるもの全てにかけられるものではありませんので、優先順位をつけながら、そして順番にというようなことは、どうしてもこれは致し方のないことだと思いますが、着実に必要なものに予算が投じていけるように、努力していきたいと思っています。そういったことを可能にするためにもこういった拠点をつくりながら、もちろん保存が前提ですけれども、保存しながら、観光にも生かしていく、活用もしていくという、また見ていただいて楽しんでいただくということも行いながら、こういったことにかける費用に対する理解を醸成していくということも必要なことではないかと思います。場所としても、そういう意味で最適ではないかと思いますので、事業をしっかり進めていきたいと思います。

 

[中日新聞]

次世代県政モニターについてですが、知事は高校生世代にはどういう意見を期待されていますでしょうか。

 

【知事】

僕が高校生だったら参加するかなと思いながら、スタッフと議論していました。私達の娘や息子の世代がやってくれるかなあとか、電車や町で出会う高校生がやってくれるかなと思いながら、どうしたらいいだろうと考えています。ただ縁あって一緒に暮らして、一緒に学校に通ったり、一緒に働いているわけですから、その場所をより良くするためには、やっぱりみんなで考え、みんなの声が反映されるべきなんだろうと思います。だから高校生にいきなり全てのことをいうのは難題でしょうから、身近なことから言ってもらえたらいいんじゃないかなと思います。「学校がもっとこうなったらいいね」とか、もちろん学校にも言ってくれるんでしょうけど、県政モニターということで意見してもらうのもいいでしょうし、あとは通学路、通学手段、また通勤のときもそうですね。高校生世代でも通勤するでしょうから。そういったことの中で生じる疑問や思い、こういうものを聞き取るツールにもなると思います。アルバイト先で聞いたことや、家族のことで悩むこととか、そういう身近なことを少し自分のいる場所とは違う形で表現するチャンネルの1つとして活用してもらって、「僕らの声、私達の声、聞いてくれるんや」、「一緒に考えてくれる人がいるんや」ということになれば、また幸せとか豊かさに対する思いも変わってくるんじゃないかと思います。こういう滋賀県っていいなと思えるんじゃないかと思います。

 

[中日新聞]

難しく考えず身近なところからということでしょうか。

 

【知事】

そうですね。よく私なんか街を歩いていても、電車に乗っていても、「学校のトイレ綺麗にしてください」とか「琵琶湖もっと綺麗になったらいいですね」とか結構いろいろ言ってくれる高校生世代もいますので。県政モニターはどちらかというと、このテーマについてどうでしょうかという応答をすることが多いと思うので、ぜひこの次世代県政モニターには、次世代の皆さんに関心を持っていただけるようなテーマなども投げかけて、応答できればいいなと思います。

 

[中日新聞]

彦根城の世界遺産登録推進のための体制強化についてですが、先ほど世界の舞台で戦っていかなきゃいけないということで英訳とか表現の部分が重要になってくるという話がありましたが、そういうことも含めた人員体制の強化になっているんでしょうか。

 

【知事】

そうです。今後ユネスコの事前評価制度に取り組んでいくということは、政府が出す書類を用意していくことになるので、日本国政府の見解として耐えうる表現等に仕立て上げる必要がありますので、もちろんこれまでもやってきましたので、それをベースにいたしますが、さらに表現の追加ですとか、見直しですとか、当然英訳なども必要ですので、締切が定められたこの作業を効率的に行っていくためには増強が必要と判断をいたしました。

 

[中日新聞]

例えば英語に長けた職員の方が入っているということもあるんでしょうか。

 

【知事】

テクニカルに英訳をするという作業は一部委託で行うこともありますが、そのベースとなる表現を入れたり、組み合わせたりという作業は、専門スタッフが必要ですし、お城のことでいいますと、彦根城のことばっかりやっているわけではなくて、例えば安土城の調査や1300ある城跡のことなど、多くの文化財を管理してくれていますから、できるだけこの彦根城のことは専任できるような体制をつくって臨んでいく必要があると思いましたので、そういう分担も可能にするための増強をさせていただいております。

 

[滋賀報知新聞]

新琵琶湖文化館についてですが、昨日発表がありまして落札者が決定されたというのと、新しいイメージとして今度は船をイメージした建物を予定をされると伺いました。現行のお城の形からは、また雰囲気が変わってくるなと思いますが、この船のイメージの建物に関して、知事の所感を伺えたらと思います。

 

【知事】

(移転先が)湖岸ですので、場所にも合ったとても良い外観デザインではないかなと思います。あとは中身だと思いますので、今後設計されることなどもよく見て、また見ていただいて、より楽しみになるように期待したいと思います。

 

[滋賀報知新聞]

県立文化館は県立美術館と両輪で、美の滋賀の発信の拠点として整備が進められてきており、先ほどのお話でも、これまで様々な経緯があった中でこういった形で進んでいるとありましたが、具体的に県として、例えばこの文化館と美術館をどう繋ぐのが必要かとか、どういう情報を発信していくことが今後大切だと思われるでしょうか。

 

【知事】

 場所としては、びわこ文化公園にある県立美術館と、そして琵琶湖岸にある文化館と、個々を拠点として、アール・ブリュット、現代・近代美術の表現と、そして文化財の展示収蔵、というものをまずは基軸に据えて、時には組み合わせて両館で展示、もしくはそれ以外の県内各地、もしくは全国で展示をしていただくというような形で、県内の表現を滋賀の美にも絡めて、展開していければというのが1つです。あとはちょうど今森さんの企画展なんかも、美術館でやってくれています。今森さんは生物や風景を大切にされていますけど、例えばお地蔵さんとか、いろいろ文化財にまつわる写真なんかも撮っていただいていますので、そういうものと絡めたトークショーや企画などをつくれないかとか、組み合わせ方はいろいろあると思います。そういうものを保坂ディレクターや今後、文化館の館長、スタッフ、学芸員の皆さんと一緒にコラボレーションしていければと思います。したがって新生美術館、美の滋賀の取組で積み重ねてきた人間関係なり、ネットワークが今後さらに生かせるような、そういうつくり方ができればと思います。

[中日新聞]

 送迎バスの安全装置の設置についてで、こども家庭庁の調査で滋賀県は20.3%と最下位でしたが、このことに対しての受け止めと、この調査結果を受けて何かアクションを起こされているのでしょうか。また昨年の11月定例会議に補正予算案として、23年度中に全バスに安全設置を設置という予定を立てられていたと思いますが、今後の見通しを教えていただければと思います。

 

【知事】

結果は結果として受け止めていますが、むしろ装置がなくても、安全を守るために現場の皆さんが頑張っていただいている。そういうことに敬意を表し、また今後装置を設置したいと思う園の皆さん、関係者の皆様方を後押しできるようにしていきたいと思います。設置したいけれどもできないという課題があるとするならば、費用面なのか構造面なのか、多分安全装置もいろいろありますので、どれを設置すればいいのかっていう悩みもあるのかもしれません。当然費用の問題もあるかもしれませんし。おそらくそういう装置に頼らなくても頑張っていただいているというところも大きいんじゃないでしょうか。ただ、そういうマンパワーというのも限られています。忙しいし、大変だし、そういう課題もあると思いますので、いずれにしろ現場の皆さんのいろんな御意見も聞きながら、今後、対応策を検討し、検討した結果を行動実施できるようにしていきたいと思います。

 

[毎日新聞]

次世代県政モニターですけれども、正直これ(募集チラシ)を見ても応募する気にはならないと思います。何を聞くのか具体的に示したり、実名は出す必要があるのかないのかなど、もう少し情報や条件を示さないといけないと思います。

新型コロナウイルス感染症対策の振り返りについてですが、病院関係だけではなく、飲食店等での補助金の不正受給なども後世に伝えた方がいいと思われますが、振り返りの範囲といつごろまとめられるか、今後のスケジュールを教えてもらえますでしょうか。

 

【知事】

まずは前段におっしゃった次世代県政モニター、もう少し参加しやすい呼びかけになるように、さらに努力をしたいと思います。ぜひそういったことに長けてらっしゃるメディアの皆さんのいろんな御意見もいただければ幸いです。

そして後段お尋ねいただいた新型コロナウイルス感染症対策の振り返りについてですが、これはおっしゃったように、幅広い角度で、幅広いテーマでやるべきだと思います。いろんな支援策を国も定めて実施してきました。迅速性が求められましたけれども、公正性の面でどうだったのか、また有効性の面でもということは、当然対象になってくると思いますし、十分表現できてるかどうかわかりませんけれども、まだまだこれからかもしれませんが、県庁体制の総括ということの中に、私は知事の発信や言動がどうだったのかということも検証の対象に加えるようにと申し上げています。多く知事から発信、知事が言うから聞こうということで御協力いただきましたけれども、そういったことが果たしてどうだったのか。もっと良い言い方、やり方があったんじゃないかということを私は省みる必要があると思っていますので、そういった御意見なんかもいただいた上で、先般、県議会の委員会でもこういった項目で振り返りしようと思いますということを御報告いたしまして、できれば年内には取りまとめができるようにしていきたいと思います。

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