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知事定例記者会見(2023年6月26日)

令和5年6月26日
(県政記者クラブ主催)

【知事】

おはようございます。今日もよろしくお願いいたします。

6月の26日、だいぶ暑くなってきました。それぞれお体御自愛くださいますようにお祈り申し上げます。

「びわ湖の日」7月1日が近づいてきました。既にこの前後、とりわけこの6月の中旬から、県内各地でそれぞれの方々が清掃活動また湖岸を美しくする活動などにお取り組みいただいております。皆さんも滋賀県内回られると、自治会単位、事業所単位で清掃活動されている様子を目の当たりにされることがあると思います。これは滋賀県の誇りでもあります。大事にしたいと思います。この写真は高島市の鵜川の近くの湖岸の様子で、ちょっと前の写真いうことでございます。

琵琶湖環境部の職員から聞いた話ですが、国立環境研究所琵琶湖分室、筑波から琵琶湖環境科学研究センターに入っていただき、一緒に研究していただいていますけれども、その県外の研究者の方が滋賀県に来られて、京阪電車の中で高校生が友達に「私、琵琶湖のことめっちゃ好き」と話すのを見てすごく驚かれたとおっしゃっていたということを教えていただきました。私達は当たり前に琵琶湖が真ん中にドーンといてくれますし、そことの繋がり、そこからの恵みで生きておりますけれども、そうじゃない人たちにとってみると、この存在というのはわからないというところもあるのかもしれません。石けん運動というこの琵琶湖をきれいにする、より良くするための県民運動も行われましたが、そういう意味で条例が制定、そして施行された日、7月1日を「びわ湖の日」と定めさせていただいております。私達からすると毎日が「びわ湖の日」という、そういうところもあります。行政職員だけではなくて、研究者だけではなくて、また琵琶湖のそばに住んでいる方々だけではなくて、その水源、上流、里山にお住まいの方々含め、琵琶湖というものは私達の暮らしを映す鏡、また地球環境を考える窓としての役割があると思います。特に最近私は生態系のことに強く関心を持って生物多様性戦略の見直しなども今提起させていただいておりますので、こういう観点からも、この琵琶湖というものを皆さんと一緒に大切に眺め、そして守っていきたいと思います。また、飲用水源の水をたたえている湖としては、周辺に100万人を超える人口がいて、これだけのフレッシュウォーターをきれいに保てている地域ということに、世界から来られた方は驚かれることがあります。企業・事業所の皆様方、県民の皆さん、農業者の皆さんの様々な努力などもこれはあると思うんですけれども、こういう生き方、暮らし方、いただき方というのを大事にしていきたいと考えているところです。そういう思いを共有する「びわ湖の日」、また7月になれば、ということを広げているところです。

今日資料を2つお手元に用意していますが、県内で実施を予定しております、お城と鉄道のコラボ企画を2つ御紹介させていただきます。1つ目は、スマホアプリ「ニッポン城めぐり」における滋賀県の期間限定スタンプラリーの開催というものでございます。JR西日本様、京阪電鉄様、近江鉄道様と連携して実施いたします。テーマは「元亀争乱450年~織田信長、近江諸勢力との戦いの軌道~」ということでございます。期間は令和5年7月6日から12月10日までということでございます。アプリをダウンロードし、鉄道を利用して、元亀争乱に関連する城跡など11スポットを巡り、各スポットで獲得できる電子スタンプを集めながら、県内を周遊していただこうという企画であります。電子スタンプの取得数に応じて特典が贈呈されるということです。滋賀県からの独自の副賞として、大人気の「近江の城」お城跡マップ、これはすごく好評なんだそうです。これを全11スポット達成者1名様につき1部プレゼントするということです。これは日本にここにしかないものですから、相当いいものだと思います。滋賀県内にある1,300のお城・お城跡がどこにあるのかという、担当者が腕によりをかけてつくった、日本のここにしかないマップでございますので、ぜひこのマップも目標にしつつ、お城めぐりを楽しんでいただければと思います。

2つ目は、彦根城世界遺産登録を応援する近江鉄道様とのコラボ企画ということで、もう1つの資料でございます。6月16日、先々週には国会議員の皆様方による彦根城世界遺産登録を目指す勉強会も発足したところです。とても心強く思っております。県内も盛り上げていこうと。その内容は彦根城天守型の特別デザインワンデイスマイルチケット、(実物を見せながら)これなんです。これを期間限定、枚数限定で発売されるということでございます。自動改札じゃないからできる取組ですね。(合わせて、)江戸時代の城である彦根城と水口城をめぐる御城印スタンプラリーの2つ(の企画)ということだそうでございます。

5月開始のお城めぐり企画第1弾「電車と徒歩でお城をめぐって健康しが!」の武将カードプレゼント企画に加えまして、7月からさらに鉄道で県内のお城をめぐる楽しみが増えるということでございます。お城をめぐりながら、例えば公共交通の鉄道などに乗り、また健康にもいいウォーキングを楽しめればという企画を考えてくれましたので、ぜひ皆さん、御参加いただければと思います。また先週報道で既に御承知おきだと思いますが、平和堂様、キリン様、ブリヂストン様が連携して、彦根城を中心に「笑顔倍増 地域を笑顔 に!」というプロジェクトもスタートさせていただいております。企業の皆様方も一緒にお取り組みいただいていることを大変心強く思っているところです。私からは以上です。

[読売新聞]

スマホアプリの「ニッポン城めぐり」とのコラボ企画は、滋賀県としては初めてなのでしょうか。

 

【知事】

コラボ企画は2回目で、鉄道を利用して行うのは初めてです。

 

[読売新聞]

第1弾の滋賀県鉄道利用促進プロジェクトとして、武将カードのプレゼント企画がありましたが、コンプリートした方がどれくらいいるのか、観光客の増加に繋がっているかなど効果がわかれば教えていただけないでしょうか。

 

【知事】

武将カードの取組はまだ5月から始まったばかりですので、私も参加していますが、年内いっぱいの4つの駅の取組ですので、コンプリートというのはこれからだと思いますが、駅員さんに聞いていますと、多くの方がこの武将カードを求めて窓口に来られるということです。ちなみに5月だけで835枚の武将カードが配布されたとのことです。一方、条件にしている、市町と一緒に行っているビワテクアプリの新規利用というのは、5月だけで1,148名の増加があったということでございますので、通常は1ヶ月で700名程度の増加ということらしいので、一定寄与、貢献というものもあったのではないかと推察をしております。ただ課題は、車で来て、駅前に車を停め「武将カードちょうだい」という人がいるみたいです。公共交通である鉄道を使ってどれだけ周遊していただけるのかということや、県外から来られた方にも知ってもらえるとより良いねという、お話もいただいたことがあります。したがって今回武将ゆかりのお城めぐりなども新たな企画として出てきましたので、さらに、車だけではなくて、公共交通、鉄道やウォーキングを兼ねて、健康と観光を一緒に楽しんでいただければと思います。

 

[読売新聞]

「ニッポン城めぐり」というのはスマホアプリということで、例えばダウンロード数や全国に結構普及しているということも今回のコラボ企画の狙いなんでしょうか。

 

【知事】

30万人を超えるダウンロードがあるそうです。私も早速ダウンロードして、お城めぐりを始めていますが、結構お城の近くまで行くだけでコンプリートということになり、1時間おきにその順位が30万人中、どれぐらいの位置にいるのかというのもでてきますので、ちょっとはまりつつあります。だから気軽に手軽に登録もできるし無料ですし、随時更新されたりしますので、とても面白い企画だと思います。さきほど御紹介したとおり滋賀県にはお城・お城跡が1,300ありますので、全てがこのアプリの中に入っているわけではないのですが、多くのお城・お城跡めぐりを楽しんでいただける企画に繋げていきたいなと思います。

 

[NHK]

例えば知事が1日お休みがあった場合、知事のおすすめのお城めぐりの回り方などはありますか。

 

【知事】

三日月は甲賀ですし、今住んでいるのは大津ですし、国会議員時代は湖南地域にいたので、できれば湖北を1度回ってみたいと思います。しかも湖北の山城は結構しっかりとした山城も多いので、この山城からの平野や琵琶湖を眺める景色も楽しめるのかな。あまり担当者はうなずいてくれていないですが。そういうところも楽しみながら、歩くことと兼ねてやれるといいなと思います。

 

[NHK]

今回話題提供いただいたどちらの案件も地方鉄道が絡んでいるということで、先週も税制審議会に知事もフルで出席され、その後の囲み取材もありましたけれども、改めてこの夏はどのように交通税の議論や取組を進めていきたいかなど、お気持ちやお話を伺えればと思います。

 

【知事】

まず県内にある公共交通の利用促進をいろんな観点から進めていく。乗る人を増やしてコロナで減ったダイヤを回復させていくとか、より良い公共交通にしていくということに引き続きチャレンジしていきたいと思います。その1つがこのお城とか、戦国武将をテーマにしたスタンプラリーということでもあります。また近江鉄道の新しいスキーム、移行に向けた協議などでも議論になっていますが、観光だけではなくて、通勤、通学、通院、買物、こういった日常利用で、以前は車だったけれども、また出るのを諦めていたけれども、公共交通で移動可能になるということをどれだけ充実させていくか。そこにはいろんなヒントがあって、例えば、もっと乗りやすいダイヤをつくるとか、また企業の方から始業時間を変えて、公共交通利用促進に繋げていく取組、またそれらを見える化することでどれだけCO2削減に貢献しているのか。また社員従業員の健康にどれだけ資するようになっているのかということを見える化すると、もっと取り組みしやすくなるという御意見等もいただいているので、そういったことなどに事業者の皆さん、また市町の皆さんと連携しながら取り組んでいく。そして私達がこの夏から秋にかけてやろうとしている交通ビジョンを示しながら、負担分担の議論とセットで、よりよい社会づくり、まちづくりをどうしていけばいいのかという議論を本格的にスタートするという取組がいよいよ始まります。県内は広いので、いろんな地域の交通事情があると思うので、それをできるだけわかりやすく、現状をお示しし、こうなったらいいなという夢を語り合いながら、こうなったらいいなというものを実現するためには、事業者の取組、利用者の取組、国からの支援、さらには私達住んでいる者、この地域に集う者が連携分担し合いながらできることがあるとするなら、どういうことが可能性としてあるのかということを議論していけたらいいなと思います。その先にビジョンの完成とか、ビジョンを実現するための財源というものが出てくるんだろうと思っています。いずれにしろ、大変重要な期間になりますので、私自身の参加、関与も含めて、積極的に行ってまいりたいと思います。

[びわ湖放送]

今回の企画は彦根城の世界遺産登録応援ということですが、今現在その世界遺産登録に向けてどういう現状にあるのかというところと、改めて知事の意気込みをお聞かせいただけますでしょうか。

 

【知事】

まず国内で推薦していただけるよう、学術者の皆様方からの御指摘に耐えうるための準備を鋭意重ねているということだと思います。顕著な価値というものが、この彦根城、彦根城下、彦根の町のどういったところに見いだせるのか、それらが他とどう違うのか、それらを守り残していく意味というのがどういうところにあるのかということを、誰からもわかりやすく、まとめていくということが求められているようですので、そういったことをしっかり完成させて、国内で彦根城を推薦しようと言っていただけるように、今その準備を鋭意しているところだと承知をしております。あとは、そういった機運を彦根のみならず、県内でどう盛り上げていくのかということも大事だと聞いておりますので、その一環として、こういった彦根城を公共交通でめぐる、また御朱印ならぬ御城印というものを集めていただけるような取組をぜひ動かしていきたいと思います。

 

[びわ湖放送]

彦根城は全国的に知られておりますけれども、もう一つの水口城はどういった魅力があるのでしょうか。

 

【知事】

水口城は江戸時代のお城ですよね。江戸時代は戦国の世から戦乱のない世を築き、そしてどちらかというと街の中心にあって、街全体を統治しながら、政治の中心であるということと同時に、民の暮らしを見守る、そういうお城だったと思います。彦根城は、湖東地域の中心でしたし、水口城はまさに野洲川杣川の上流で、非常に重要な東海道の要衝にあったお城です。ですから国宝彦根城は世界遺産を目指していますけれども、関連してそういった県内各地にあって、町を統治した、戦わなくていい街をつくるお城というものの存在を、ぜひみんなが知り、学ぶということが大事なんじゃないかと思います。先ほども申し上げたように、彦根城は世界遺産登録を目指していますが、彦根城だけじゃないということや、関連するよく似たお城がいっぱいある、県民全体で彦根城の世界遺産登録を盛り上げていこうということも兼ねて、できたらいいなということだと承知しております。これは担当者もうなずいてくれましたので、そういうことで盛り上げていければと思います。

 

[中日新聞]

第1弾のお城めぐり企画の際はJRの駅だけで、当時の発表のときに知事から近江鉄道等も含められればという話があったかと思うんですけども、今回は近江鉄道の協力も得て、第2弾がスタートするということですが、今回近江鉄道を含めた理由や意味というのはどういうところにありますでしょうか。

 

【知事】

前回JR4駅に御協力いただいて実施する戦国武将カードの取組を発表したときに、確かにJR以外でも取り組めるといいですねということを申し上げました。江戸時代のお城としては、県内では膳所城、水口城、彦根城の3つが、陣屋を除く中心部として活躍していたということですので、近江鉄道は貴生川、水口と彦根ということで、まさに主要幹線として結んでくれている鉄道ですので、近江鉄道も乗りながら楽しんでもらえたらということを担当の皆さんが考えてくれたんだと思います。ラッピング電車「彦根城世界遺産登録応援号」というのも走らせてくれているそうですので、一緒に連携して盛り上げていけたらということです。これからおそらく秋に昨年の無料デーに次ぐいろんな企画なども検討し発表されてくるでしょうから、夏から秋にかけて県全体で公共交通利用促進を盛り上げていけたらいいなと思っております。

 

[読売新聞]

公共交通に関わることでお伺いしたいのですが、先週の20日に4月に成立した改正地域公共交通法の10月施行が閣議決定されました。この中で想定されているのは、おそらく廃止したい事業者と残してほしい自治体の折衝に国が介入していくというところだと思いますが、県では今のところ事業者と話ができていないという状況ではないと思いますが、改めて国に対して、今後、地域公共交通の再編に対して期待する役割などはありますでしょうか。

【知事】

地域公共交通活性化再生法がこの機に改正されたことはとても意味のあることだと思っています。常々、斉藤大臣なんかもおっしゃっていますけれども、公共交通ネットワークの再構築、リデザインをするんだということですので、そのために、関係者が連携し、共存して競争をしていく。まさに滋賀県がやろうとしていることと同じ理念と思想だと思います。したがって、この改正で充実されたこと、例えばローカル鉄道の再構築に関する仕組みが創設拡充されましたので、いろいろと利害が対立する関係者間を結ぶ役割ですとか、バス・タクシーを含めて公共交通をより良くするための支援、こういったことが必要とされる自治体、事業者等に確実に、かつ迅速に届けられることを期待しています。私達が取り組んでいて非常に難しいのは、前もこの場で申し上げたかもしれませんけど、交通、とりわけ鉄道などに関する経営の状況とか、発せられる専門用語というのはわかりにくいです。どうやって経営がなされているのか、どうやって運行されているのか、安全を守るためにどんな苦労がされているのかというのは、任せっきりになっていて乗るだけというところもあって、非常にわかりにくい。それを聞いて、共有分担するというのはものすごく理解するのに苦労する部分、難しく負担が多いことのように思えてしまう。それらを通訳するという役割などは国に求めたいと思いますし、大変なところに対する支援だけではなくて、大変になることを見通して、先んじて取り組もうとする自治体とか事業者に対して、もしくは大変だからやる、大変になるからやるんじゃなくて、より良くするためにやるんだという事業者に対して、積極的な支援が構築されるようにこの2点のことについては常に求めてきました。今回の法改正で一定そういった思想というのも盛り込んでいただいているのではないかと思いますが、具体、例えば補助を出すときに、いろんな協議をするときに、それらがどのように実践されるのかというのは、よく確認していく必要があると思っています。

 

[読売新聞]

実際に何か県内の鉄道事業者の関係で国に補助を求めたりなどを想定している場面というのはあったりするんでしょうか。

 

【知事】

今回の法改正の中で、道路とか河川、都市公園等で使える社会資本整備総合交付金、これが地域公共交通再構築にも基幹事業として使えるように初めてなりました。これはとても大きな改善だと思います。したがって県内の例えば近江鉄道などでも、ソフト事業だけではなくていわゆるハード整備などにも一部活用できることもあるのではないかと思っていますので、これらは例えば上下分離より、良い状態にしてスタートさせていくためにも、今後大変だから協議しようという状況に陥らせない交通インフラにしていくためにも、とても重要なスキームじゃないかと思っていますので、その活用を積極的に促していきたいと思います。

 

[毎日新聞]

大阪・関西万博のことについてですが、関西広域連合長として国にもいろいろと要望されていますが、滋賀県あるいは滋賀県民が参加できるイベントや展示などは具体的にお考えでしょうか。

 

【知事】

2025大阪・関西万博に向けて、県としてどのように絡んでいくのか、出ていくのか、もしくは来ていただけるのか、今おっしゃった展示、また周遊こういうことをどのようにしていけばいいのかというのを検討しているところです。子どもたちが万博に参加し、体験できるようにという、こういうことも既に表明させていただいておりますので、入場チケットの料金などもそろそろ決まってくるということも仄聞しておりますので、そういう中でどういう枠組がつくれるのかということも併せて検討しているところです。関西の一員として、関西パビリオンの中に入り、滋賀県のブース枠も一定面積がありますので、その中での表現、さらには多目的スペースですとか、催事場を生かしたいろんなパフォーマンスや展示、イベント、こういうことも施行していきたい。これは行政だけではなくて、県内事業者のいろいろな出展計画もあるでしょうから、そういうものを繋ぎながら、つくっていきたいと思います。

 

[毎日新聞]

県庁内における担当部局、部署はもうあるんですか。

 

【知事】

今年度組織改正の中で、関西広域連合などの広域連携を担当しております総合企画部内にある室が万博担当として、明示・指定され、今業務を行っております。

 

[毎日新聞]

万博会場と淀川を結ぶ水上交通が計画されていますが、万博以降にその交通網が琵琶湖まで伸びるような、繋がるようなイメージや計画はお持ちでしょうか。

 

【知事】

これは大変重要なテーマだと私は思っています。「いのち輝く未来社会のデザイン」ということから、水の繋がりというのはとても重要な要素です。したがって私達は琵琶湖をはじめとする水源の山、これらは瀬田川、宇治川、淀川、大阪湾、瀬戸内海と繋がっていますので、そういう意味での繋がりを表現したいということと、今お尋ねいただいた、川・湖で繋がっているんだから、水上交通・水運なども検討すべきじゃないかということは私達も全く同感で、したがって前回、国土交通省近畿地方整備局長らとの懇談の場でも、そういったことを申し上げましたし、先立って、国に対して行いました要望活動の中でも、これは私からではないんですけれども、経済界の方から、水上交通・水運の検討、もしくはその支援を充実させるようにというお話がございました。国でも国土交通省の淀川河川事務所が、淀川の大堰閘門の工事をなさるということも聞いておりますし、ずっと繋がってきたときに、インクラインで間を挟みますけれども、琵琶湖疏水と琵琶湖への閘門の工事なども行われており、疏水通船から琵琶湖への新たな舟運というものも予定されておりますので、万博からポスト万博に向けて、新たな観光コンテンツとしても磨いていけるのではないかと思っておりますので、ぜひ検討は加速させていきたいと思います。

 

[朝日新聞]

県が実施している検討委員会とか、会議の公開性についてお尋ねしたいと思います。先日、子ども・若者審議会を取材した際に、どうしたら子どもの声とか気持ちというのをきくことができるのかというテーマで議論していたときに、高校生の委員から、機密性・匿名性を担保してほしいと。つまり。親に聞かれてしまうとか、先生に知られてしまったら、言いたいこと言えないとおっしゃったのは非常に印象的だったのですが、子どもたちの声を聞くということであれば、誰が言ったかというよりはむしろ、何を語られたかが非常に重要になると思うので、誰が言ったのかということは秘匿されるということが不可欠というのはそのとおりだと思います。

一方県民に選ばれた議員、あるいは県が委託とか委嘱した委員による検討会などでの議論というのは、何を発言したかとかいうだけではなくて、むしろどういう立場の人、あるいはどういう見識を持った人、どういう専門性がある人が何を言ったのかということが非常に重要なことだと思います。そういうことを考えた場合、検討委員会のようなものは、非常に公開性が不可欠だと思うのですけれども、この点について知事はどういう考えでしょうか。

 

【知事】

とても本質的な大事なテーマだと思います。おっしゃったように、県民のために県民とともに、これ専門家もそうです。若者、子ども(政策)を高校生と一緒につくるものも含めてですけども、県民のために、県民とともにつくる審議会等については、基本公開が原則だと私も思います。そこで話されること、そこで決まることというのは、県民のもの、公のものですのでその過程も含めて、明らかにするというのが、これが原則だと思いますが、今いみじくもお尋ねいただいた、誰が言ったかということが、あまり知られたくないということに対する配慮とか、誰が何を言ったということを明らかにしてもいいのではないかという御見解がある一方で、まだ十分その見解が定まっていないことに対するいろんなやり取りを自由にできるようにするという面も、これは個人情報も含めてですけれども、一定配慮が必要な面もあるかと思いますので、そういう意味で、いろんな規則を定め運用させていただいています。

[朝日新聞]

今までも滋賀県のいくつかの委員会とか審議会とかを取材して、先週ありました税制審議会もそうですし、環境影響評価審査会も、もうほぼ完全に公開されていて、どの方が何をおっしゃっているかというのはその場でリアルに聞くことができています。あと県議会の政治倫理審査会があった際は基本公開だったのですが、一部やはり県職員さんが特定される恐れもあるということがあって、一時非公開になったことがあります。それは非公開にするかどうかというのを、その公開の場で委員の皆さんで議論するというようなやり方もして、できるだけ公開性を保つということに配慮して進めていったことが非常に印象的でした。

滋賀県は公開性については非常に行き届いているなとは思ってはいたのですが、先日あった琵琶湖博物館の水槽破損事故の原因を調べる第三者委員会、それから高時川の濁水の原因を調査する専門家の検討会については非公開にしているという説明がありました。むしろこういう原因究明みたいなことは、専門家がそれぞれの知見に基づいて見解を述べたり、発言したりするものであるので、それが公開することに支障があるということは考えらないのではないかなと思いますし、むしろ科学的根拠に基づいて、どれだけ論理的にあるいは客観的に議論されているかということをきちんと保証するというか担保するためには、この改正ということが不可欠ではないかと思います。

実際、議論をされる側としては、こうして喋ったことが全て聞かれることは鬱陶しいとか面倒くさいとかいうことがあるかもしれませんけれども、それが例えば企業秘密に関わるとか、あるいは個人情報に関わるとかいうようなことがあるならば、それは一部そういうときに非公開にする配慮が必要かもしれませんけれども、基本専門家がそれぞれのその専門性によって発言することであるならば、一般の方に対しての公開性に対して問題になることはないとは思いますので、やはりできるだけこういうのは公開していくことが望ましいかなと思っていますが、知事のお考えはいかがでしょうか。

 

【知事】

そういう問題意識、受け止めたいと思います。また今2つ出された会合で、どのようなことが支障になると考え、今の措置を取っているのか、確認の上、もしできる改善があればやりたいと思います。先ほど私が申し上げたように、基本、こういった会合は公開というのが原則です。そういった県民のために、県民とともに開催される会合というのは、そこで出される情報も含めて県民のものです。ただ、今例に出された2つの会合は、何が原因でこういう結果になったのか、なっているのかということについて究明しようとする会合ですので、専門家の知見に基づく発言という、その専門家の知見というものも様々であったり、知見というものが必ずしも学説的に確立されたものでなかったりした場合に、例えばそういうやり取りの中で、著しくある特定の企業の事業だとか、製品というものを貶めるような内容になる発言をついつい躊躇されるということもあるのではないかと思います。そういう躊躇などがない状態にして、その時点での最新の知見、その方の御意見などが開陳されるようにという配慮があったのかもしれませんが、さりとてできる公開のやり方というのもあるのかもしれませんので、どういう改善ができるのか私も確認したいと思います。

 

[朝日新聞]

専門家としても、社会的責任を負った上での委員としての参加なので、委員の皆さんにとってみても、非公開の場でやるのではなくて公開の場でやるということが専門家としての責務ではないかなと思いますし、安易に非公開にしてしまうということになると、いったい三日月県政はどっちを向いているのだと、委員の都合を見ているのか、あるいは県民・市民の方を見ているのかというような姿勢を問われる問題になるのではないかとも思いますので、それについてはいろいろと御配慮いただければと思います。

 

【知事】

先ほど申し上げたように、確認の上、どういう改善ができるのか対応を考えたいと思います。

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