文字サイズ

知事定例記者会見(2017年11月1日)

平成29年11月1日
(県政記者クラブ主催)

記者会見に臨む様子

おはようございます。11月になりました。今月の一句は「秋雨と 契り「ここ滋賀」 ここにあり」ということで、先般、10月29日に念願でございました「ここ滋賀」が東京日本橋にオープンいたしました。あいにくの天気でございましたが、おかげさまで沢山の方にお祝いしていただきましたし、後ほど、少し詳しく申し上げますが、その後のお客様の入りも好調だということでございますので、今後にしっかりとつなげていきたいと思っております。

本題に入ります前に、大変嬉しい話題がございます。

「朝鮮通信使に関する記録」がユネスコの「世界の記憶」に登録決定されたという情報が入りました。既に知事コメントも出させていただいておりますが、朝鮮通信使は滋賀県に大変ゆかりが深く、1607年から1811年の間に12回朝鮮通信使が行われたと、そして、隣国朝鮮との交流、交易、回復に当たりましては、旧高月町ご出身の雨森芳洲先生が大変ご尽力されたということでございます。7回目以降の朝鮮通信使では、民衆同士の交流が大変盛んであったということも伝えられておりまして、私の尊敬する先生のお一人であります上田正昭先生、「山川も草木も人も共生(ともうみ)のいのちかがやけ新しき世に」というのが、上田正昭先生が遺された詩でございますが、大事なことは、単なる「世界の記憶」ということだけではなく、雨森芳洲先生の教えでありますとか、それを継承された上田正昭先生のそういう教えでありますとか、さらには民衆同士が交流を深めたという、この歴史に思いを馳せてですね、この素材をさらなる交流の促進に生かしていきたいと考えているところです。

もう一つの嬉しい話題は、先ほども冒頭、拙句で申し上げましたが、10月29日に「ここ滋賀」がおかげさまでオープンを迎えました。当日は、台風の接近に伴う雨が降りましたが、オープニングセレモニーには、滋賀ふるさと観光大使の西川貴教さん、また滋賀ご出身の田原総一朗先生にご出席いただいたおかげで、大変多くの方に、約1000名の方にお集まりいただいてセレモニーを開催いたしました。テープカット後は、入店待ちの大行列が、雨の中、傘をさして並んでいただいたということもございます。オープン当日は、2366人の方にご来館いただき、約150万円のお買い上げをいただきました。

人気商品は、滋賀ふるさと観光大使西川貴教さんの関連商品や、「サラダパン」でありますとか、「湖のくに生チーズケーキ」そして「鮒ずし」また「近江牛肉味噌」などが売れたということでございますし、西川さんがすぐにインスタグラムでご紹介してくださったということなんですが、「ここ滋賀オリジナルブレンドコーヒー」、これは家主であられます赤木屋さんのご協力によるオリジナルブレンドですが、これが100杯以上もご購入いただいたということでございます。1階に設けております「SHIGA’s BAR」では、「滋賀の地酒飲み比べセット」をたくさんご注文いただき、味わっていただいたということでございます。

セレモニーの挨拶でも申し上げましたが、「ここ」に滋賀があると、「ここ」で滋賀に触れてほしいと、「ここ」に来れば滋賀のモノが一堂でお買い求めいただける、「ここ」に来れば滋賀に行きたくなる、そんな場所としてこれからも盛り上げていきたいと思います。

また、ご取材等賜れれば幸いでございます。

それでは私の方から、話題提供2件、今月のイチオシ1件お話させていただきます。

まずは、事後になりましたが、10月20日から25日にまいりました、フランスのナント市への出張、障害者の文化芸術国際交流事業「2017ジャパン×ナント プロジェクト」について、でございます。

4日間、フランスのナント市を訪問させていただきました。本県からは、5名のアール・ブリュット作家の作品の出展がございました。これは、私が鑑賞しているときの写真でございますが、大変多くの方が作品をお楽しみいただいたということがございます。また、「湖南ダンスワークショップ」によるパフォーマンスが披露されました。写真はパフォーマンスの後で、真ん中に写っていらっしゃるのが、フランスの元首相、元外相のジャン・マルク・エローさん、元ナント市長でございますが、約20年に渡り、1989年から20数年間ナント市長を務められて、この方がいらっしゃったから、このプロジェクトができたというところもあるんですが、この方を真ん中にパフォーマーの皆さんと一緒に記念写真をステージ上で撮ったものでございます。

滋賀県の展示ブースも日本庭園に設置いたしまして、大変盛況でございました。特に、アール・ブリュットの冊子、糸賀一雄先生をフランス語で紹介したパンフレット等は、大変好評を博しました。アール・ブリュットの冊子は持って行ったものが全て無くなるほどの反響でございました。

また、私の最終日だったんですが、国際研究フォーラム、これは単に展示パフォーマンスだけではなくて、例えば精神科医の先生方や文化芸術を担当される方、その当事者、施設関係者などなどですね、セッション、セミナーも同時開催をいたしまして、その一部に私も登壇いたしまして、障害のある方の芸術活動を支援する滋賀県の取組の歴史や背景、これから目指す方向について紹介する機会をいただいたというものでございます。

また、併せまして、文化で都市を再生したナント市の関係者との意見交換を行いました。この写真は造船のクレーンで、造船の街ナント市なんですけれども、造船業が廃れた後どうするのかという中で、文化芸術で街を盛り上げようと、都市再生を図られた。写真のこの女性がナント市長でいらっしゃいまして、私の左側にいる方が駐仏日本大使でございます。こちらが文化庁の文化部長ですが、一緒に意見交換、面会をさせていただきました。文化芸術を中心に据えた街づくりというものに大変可能性を感じました。滋賀でも文化政策を基軸として、県政のあらゆる分野に文化の視点を盛り込んでいきたいと感じたところでございます。

この写真は、ナント市はトラムが走る、バス専用レーンがある、BRTがあるなど、都市交通政策でも大変先進的な街でございまして、今、フランス国内の約30の都市でLRT、トラムが走っているんですが、その先駆けとなった街で、都市交通関係の皆さまとの意見交換をさせていただきました。また、文化政策につきましても、市長の文化顧問を務める方、また、メトロポールの文化政策を担当される方と意見交換をさせていただいたということでございまして、この後はウィーンに行って、ウィーンの交通政策も共に学ぶ予定にしておりましたが、台風災害のために緊急帰国をしましたので、私は行っていないんですが、関係部署の職員がウィーン工科大学などを訪問して、都市計画や交通政策について学んできたところでございます。今日は、第1弾のご報告とさせていただきますが、改めて皆さま方にも詳しく報告させていただきたいと存じます。

もう一つの話題提供は、11月12日に男女共同参画センターで開催いたします「滋賀の医療福祉を守り育てる県民フォーラム」について、でございます。

いよいよ人生100年の時代に入ってきています。一人ひとりがどうすれば住み慣れた地域・我が家で、最期まで、旅立ちまで自分らしく過ごすことができるのか、いかに満足して「死」を迎えられるのかと、主体的に考えていく、捉えていくことが必要ではないかと、県内各地では、医療・介護の専門職の方々や地域の人々がつながって暮らしを支えるチームづくりが進んでおりまして、現在、約50の多職種のチームが活動していただいております。私もその一つであります「チーム永源寺」の皆さんと、7月の奥永源寺での短期居住期間中に、永源寺診療所の花戸先生をはじめとした皆さんと意見交換をさせていただきました。訪問診療にも同行して、チーム医療のあり方を学ばせていただいたところです。

今回、パンフレットにもございますが、記念講演といたしまして、終活ジャーナリストの金子稚子さんをお迎えいたしまして、「死ぬことと、生きることは同じ~夫・金子哲雄の闘病と死に併走して~」と題してご講演いただきます。

また、第2回目となります川柳コンテストも同時に開催しておりまして、今回のテーマは「食にまつわる看取り・介護に関するもの」ということでございます。人生の最期にどこでどんなものを食べたいか、また、どんなものをどんなふうに食べさせてあげたいと思うか、食を通じて、自分自身や大切な人のエンディング、最終段階を少し想い巡らせていただければと。昨年は、選出した川柳をカルタにしてお楽しみいただいたんですが、「住み慣れた我が家で最期はみずかがみ」、これは私が詠んだらどうだということで、職員の皆さんが考えていただいた句ですが、みんなで詠みあって楽しく考えられたらと思っています。大変重いテーマなんですが、ある意味では楽しく前向きにも考えられたらということでございます。当日は、最優秀賞者を発表いたします。

フォーラム参加者の皆さんには、先着順で、JA滋賀中央会様、株式会社パールライス滋賀様のご協賛により提供いただきました、「みずかがみ」と「川柳カルタ」のプレゼントもございます。今回の特徴は、「死」ということを真正面から捉えた記念講演をいただくということでございまして、あまり無いのではないかなと思っております。ぜひ、ご取材等、ご報道等よろしくお願いいたします。

それでは、今月のイチオシ「花と緑の滋賀シリーズ」ということで、本日は、東近江市の「鈴鹿10座保全活用プロジェクト」のご紹介をさせていただきます。

鈴鹿10座は、東近江市制10周年に当たりまして、鈴鹿の山々の素晴らしさを多くの人に知っていただこうと、豊かな森林資源や水資源を財産として次の世代に継承していこうという思いから、平成27年9月に選定されたということでございます。

東近江市では、エコツーリズム推進の一環として、この鈴鹿10座の保全活用に取り組まれておられまして、この10月には、関係機関が連携され「鈴鹿10座保全活用プラン」を策定されたということでございます。「活用」することによって「保全」につなげるエコツーリズム、これは琵琶湖もある意味同じでございますが、まさしく「守る」ことと「活かす」ことの好循環を目指す琵琶湖保全再生の取組とも理念を同じくする、またつながっている取組でありますので、県も一緒に盛り上げていきたいと考えています。

鈴鹿10座の魅力は、配布資料に詳しく掲載されていますが、日本海側気候と太平洋側気候の境界に当たるということで、また、地質の面でも石灰岩地帯と花崗岩地帯に分かれるということで、その多様性から、貴重な動植物が見られると、特別天然記念物のカモシカやイヌワシも棲息しているということでございます。

私も7月に、「竜ヶ岳」に地元山岳会の皆さんと一緒に登らせていただきました。竜ヶ岳は10座の一つで、登山口の石榑峠から約1時間半で山頂まで到着できる山ですが、当日はあいにくの天気で、ガスがかかり雨が降り、山頂まで行くことができず、途中の「重ね岩」という、これはこれで非常に珍しい面白い形の岩ですが、折り返しということになりました。

ちなみに竜ヶ岳の山頂は、360度のパノラマが広がり、琵琶湖と伊勢湾の両方を見渡すことができるということで、ぜひ、皆さま方にもお楽しみいただきたいと思います。ちょうど紅葉のシーズンを迎えてお薦めの時期となっています。その他の10座も登山道の整備が進んでいるとのことですので、ぜひ多くの皆さんに、それぞれのレベルに合わせてお楽しみいただきたいと思っています。

本日は、東近江市から2名のゲストの方にお越しいただきました。

東近江市森と水政策課藤井盛浩さん

観光物産課羽泉亮太さん

せっかくの機会ですので、補足説明やPRをしていただきたいと思います。

(藤井さん)

森と水政策課の藤井と申します。知事からご説明いただいたとおりで、10座は、地質や気候の違いがあり非常に変化に富んでいます。それぞれの山に特徴がありますので、レベルに応じてチャレンジしていただきたいということで、登山道の整備等を地元の方と進めているところです。直近の台風等の状況もありますので、情報収集を事前にしていただいて、道の駅や当課でいろんな情報を集め、また発信していますので、情報を仕入れていただいて、自己責任になりますけれども、登山を楽しんでいただきたいと思っています。初めての方は特に事前準備が一番大事ですので、道具等をしっかり整備していただきたいと思いますし、登山届等も出していただくように啓発したいと思います。

12月10日には、鈴鹿最高峰の「御池岳」の登山ツアーを実施したいと思っています。レベル的には体力は中級クラスの山になりますので、そういった方にPR していきたいと思いますのでお願いいたします。

(羽泉さん)

東近江市観光物産課です。市内に道の駅「奥永源寺渓流の里」がありまして、そこで鈴鹿10座のグッズとして、当駅限定販売のオリジナルTシャツを作成いたしました。速乾性、通気性が非常に良く、登山またはスポーツに最適なTシャツになっています。デザインのセンターには、鈴鹿の鹿をデザインしているおしゃれなものになっています。ぜひこのTシャツを着て、サイズ違い、色違いで着用していただきまして、グループお揃いで鈴鹿10座に登っていただきたいと思っています。資料ではサイズの展開はMとLと記載していますが、男性用はMとLに加えてXLを、女性用はMとLに加えて、SとXLサイズの4つのサイズ展開をしています。お立ち寄りの際はよろしくお願いします。

ということでございまして、エコツアーはこれから力を入れていきたい取組の一つでございます。12月10日の御池岳は先着15名様でございますので、ぜひ早めの申込みをお呼びかけ申し上げたいと思います。

長くなりましたが、私からは以上です。

[京都新聞]

知事が不在中のことではありますけども、22日に投開票されました衆院選について、受け止めをお伺いします。自民党が大勝しまして、滋賀県内でも全ての小選挙区、かつて知事も籍を置かれたところも含めてですけども、自民党が議席を獲得しまして、非自民の議席がゼロという結果になったんですけども、滋賀県内の選挙結果ならびに全国的な情勢について、知事の受け止めをお願いします。

[知事]

10月22日投開票で第48回衆議院議員総選挙が行われました。現時点での一つの民意が示され、衆議院の構成が決まったということだと思います。今日、特別国会が行われ、首班指名選挙等も行われるということでございます。

まずは、選ばれた、選出された議員の皆さま方には、有権者、県民の負託に応えるべく頑張っていただきたいと思いますし、その選挙の中で受けられたいろんなお声をですね、国政に届けていただければと思います。特に、少子・長寿化の中での社会保障に対する不安や、また、安全保障環境に対する様々な課題、財政、地方創生、たくさん課題がございますので、その課題克服に向けて、鋭意ご尽力いただきたいと思います。

なお、選挙の直前、解散直後の前後からですね、様々な政党、とりわけ野党の動きがありました。まあ若干、唐突感と言いますか、そのようなものもあって、有権者の皆さま方に分かりにくさもあったように聞いています。これはまあ、聞いた話でございますが、聞いておりますので、今後、新しくできた政党、また新たに代表を決められた政党も、理念と政策を打ち出され、他党との違いなども明らかになる中でですね、国民の皆さま方の選択肢になっていけばいいのではないかと思います。

いずれにいたしましても、与党、野党、ときには対立することもあるでしょうが、違いを際立たせるよりも一致点はどこにあるのか、といったようなことも探り合いながらですね、建設的な国政での議論が展開されることを期待したいというふうに思います。

[京都放送]

今の質問に関連するんですけども、二つあります。民進党がですね、まあご出身は民主党ですけども、あんな形で、実質、候補者を立てずにですね、分裂する形になりました。参院とか地方組織は残っていますけども、現在の民進党の現状についてどうお考えになっているかが一つ目です。

もう一つが、ご自身が後を継がれた嘉田前知事がですね、落選されましたけども、それについてどうお考えになっているか、お伺いします。

[知事]

まず、二つ目にいただいたご質問、今回候補者になられた前知事が当選できなかった、落選されたということについては、まあ一つの民意の表れですので、そのことに私がコメントするのは差し控えさせていただきたいと思います。

なお、民進党の現状についてということでございますが、私も報道と、一部旧来からお付き合いのあった方との交信によるものでしかないんですけれども、先ほども申し上げましたけれども、前原前代表は一つの憂慮の中で、大きな決断をされて、希望の党との合流を考えられたんでしょうけれども、思考されたんでしょうけれども、そのことが当初目論まれた通りいかなかったのではないか、また、その後、生まれてくる、また、分かれていく政党や議員との間に、分かりにくさが生じたのではないか、そのことが有権者の皆さま方のご選択に入らなかったケースが多かったのではないかというふうに報じられていますが、私もそういう面はあったのではないかなあと思っています。かつ、現時点で地方議員の方や参議院議員の方は民進党に所属されていて、新たに合流された希望の党と、そして新たに生まれた立憲民主党と、それぞれ、もともと一緒にいらっしゃった方がそれぞれにいらっしゃるという状態も、今日から特別国会が始まっているわけですけども、国会対応、また様々な政治活動、政策調査活動においても、やりにくいだろうなあとは思います。そのやりにくさ、分かりにくさを、いかに早く払拭をしてですね、皆さま方の期待に応えられる勢力を作っていくのか、というのが課題になると思いますので、ぜひ、渦中にいらっしゃる方は大変だと思いますし、とりわけ私も元党人という意味で、こうだろうなあと思うのは、党職員の方や秘書・スタッフの方からするとね、相当混乱しているだろうし大変だろうなあと想像いたします。こういう方々の力が、一つにぐっとまとまっていけるような体制を1日も早く構築してほしいなあと、こういうふうに思います。

[読売新聞]

先ほどの衆院選の結果の関連で、嘉田前知事の件で、知事は一つの民意の表れであってコメントできないというご回答だったわけなんですけれども、知事にとっては、ただ単なる前知事ではなくてですね、嘉田さんから後継指名を受けられて今の現職であられる立場だと思うんですけれども、やはり一つ民意の表れというのは、ごもっともなんですけれども、やはりもう少しどういうふうに受け止めておられるのかというのは、コメントをしていただいてもいいのかなと思うのと、あと嘉田さんの今回の結果に関して、前知事からの県政の路線を踏襲されているという現在の立場において、県政運営で何か影響があるかなという部分についてお感じになっていることがあればお伺いできますか。

[知事]

前知事が選挙に出馬されるという報に接し、また私も直接出馬することになりましたというご連絡をいただき、やはり選挙に出るというのは全ての方そうですけど、大変勇気のいることですし、いろんな負担も伴うことですので、私はそういう意味で前知事含め、こういった勇気ある決断をされたことには敬意を表したいと思います。いろんな政党の状況あったわけですが、その中でご自身の思いや政策を訴えられて、一生懸命戦われたということだと思いますので、雨も多かったですし、いろんなある意味ではご批判もご支持も受けられる中での選挙戦だったと推察いたします。そういう中で期間戦われたということにも私は検討を讃えたい。

ただ結果は結果ですので、その出た結果はその結果だということですので、そのことに私がコメントするのは戦われた方々や周りの方々のことを思うと、私は半ば評論家のように評論するのは差し控えたいと思います。そういう意味で選挙や候補者に対する思いは今申し上げたとおりでございます。

しかし二つ目のご質問にもありましたように前知事という方が、私がそのバトンを引き継ぐ形で、今知事にあるというこの状況で、落選されたことの影響如何ということでございますが、そういった国政選挙の影響を県政にマイナスの面で持ち込むことがないようにするのが私の仕事だと思いますので、選挙の結果如何に関わらず、滋賀県政の課題が国政に届き、そしてその時々ある可能性が、国政の力も得て伸ばすことができるように取り組んでいくというのが私の使命だと思っております。

[中日新聞]

先月県に接近した台風21号について、22日から23日にかけて、県の方で瀬田川洗堰の全閉は回避して欲しいという要請があったということですが、洗堰がだいたい1時間半にわたって全閉していると思うんですけれども、これについて知事の受け止めをお伺いしたいと思います。

[知事]

この台風21号の接近、また通過に伴う豪雨、伴う河川、琵琶湖、そして流量の増加を受けて、23日の2時から同日午前3時半まで瀬田川洗堰が全閉されました。これにつきましては、もちろん操作規則等に基づくものと理解はしておりますが、琵琶湖やその流れ込む河川、県内に与える影響も大変大きいということもございますので、全閉は行っていただきたくないということを事前に要請、全閉操作を極力回避してもらうよう、これは22日付で、私名で近畿整備局長に要請しております。しかし、状況をみて全閉をされたという報が入りましたので、翌日付けで、23日、これまた近畿地方整備局長、池田様宛に私名で早期の解消についてということで、緊急要請をさせていただきました。

そういう意味で、私どもとすれば全閉はしてほしくない、してほしくない中でされたということは残念、遺憾だというのが私の思いです。琵琶湖は流れ込んでくる河川による水位上昇、この影響は実は台風が来ている、雨がたくさん降っている時にもありますが、その後にですね、山々に降った雨がずっとこう川を伝って流れ込んできて、台風が去った後にまた上がってくるということの影響もこれまたありで、そういう意味で台風第22号の襲来も大変心配だったんですけれども、そういう状況の中で、多くの県民の皆さま方が不安に思う、そういう事象だったと思います。

したがってこの洗堰の全閉操作をしなくても良い状況を作ってもらいたい。これは下流との関係で、下流により多くの水が流れる状況を作るということだと思います。今、瀬田川の改修、天ケ瀬ダムの再開発、宇治川の改修、こういうものもなされています。これが行われると、全部完成すると、天ケ瀬ダムからの放流量、現在毎秒840トン、これが1,140トンまで増量されるということですので、これらがなされると全閉を回避することができる、仮に全閉したとしても、その時間は最大限短縮することができるということですので、これらを早期に行っていただけるよう、併せて、そこに至るまでの鹿跳区間、この急に細くなってクネクネ曲がる、この区間の事業化も求めているところでございますが、そういったことも強く求めていきたいと思います。

[毎日新聞]

選挙の話になるのですが、前知事に対する対立陣営の皆さん方は、前知事の県政時代をかなり批判的に、それを集中的に訴えてこられたんですけれども、その陣営が当選されたということには、前知事の県政を基本的に継がれている三日月県政に本当に影響が無いのか、あるいは何も感じないのか、それが一つの民意として出たと受け止められている以上、変更ないし何かありますか。

[知事]

私もたくさんのご批判をいただいております。知事、政治というものはそういうものかなと思いながら、そういったご批判、ある意味では、ご提案を糧にしながら県政を進めていくということだと思います。そうですね、それに尽きますね。

[滋賀報知]

今の質問にも絡むんですけれども、嘉田さんが落ちられた、落選されたという影響の問題ですけれども、まず知事が嘉田さんの後継者として、政策集団というチームしが、嘉田さんが代表で出てこられたということで、嘉田さんだけでないんですけれども、どちらかというと自民党でない非自民の勢力というか、連合滋賀しかり民進党しかりですね、あるいは市民団体しかり結集してですね、知事選で勝ってこられたということなんですが、今後、嘉田さんは一つのシンボル的な意味合いもあると思うんですが、民進党のこういう状況も含めてですね、車の両輪で言えば、非リベラルの勢力を軸足にされて、当選されると自民党とも対立は作られていないんですが、三日月知事の土台と言うか、ベースというものが、これをもって少し揺らいでくるのかなと、あるいは車輪がちょっと揺らいで、これは自民党の方の車輪と両輪か、自民党の方の車輪の方に乗り換えないかんのか、その辺のご認識はどうなんでしょう。

[知事]

はい。私は車に乗っているつもりはありませんので、自分の足で立っていますので、どの車輪が、どのタイヤがということは考えたことはありません。

当然もともといた政党、もともと申し上げていた、ある意味では私の政治活動の寄って立つ部分、これはしっかりと持っているつもりですし、今回の選挙でそれが政権を交代し担えるまでご支持が得られたかとか、県内において多くのご支持が得られたかというと必ずしもそうではなかったかもしれません。

いろんなことが原因としてありますので、よく選挙の結果や臨まれた候補者、また当選された方々、そして選ばれた方、実は投票率も低かったですしね、投票に行かなかった方などのご意見なども聞きながら、例えば県政にもお聞きしなければならない事項等、これは、また謙虚に伺っていきたいなと思っております。そういう意味で先ほどのご質問にもありましたが、今回の結果でマイナスの影響が県政に出ないようにするというのが、私の仕事だと思います。

[滋賀報知]

そのとおりなんですけれども、当選された自民党の代議士の一人もおっしゃっていたのですが、今後知事に、嘉田さんが落ちられたことも含めて、今までの流域治水もそうですが、例えば、ダムとか大戸川ダムも含めて、その辺の考え方をやはりご確認する必要があるというか、そういう声もあったんですが、その嘉田さんから継承されている中で、特にダムとかですね等々の、原発もそうかもしれませんが、その辺は変わるのか変わらないのか、その辺はどのように考えていらっしゃいますか。

[知事]

変えるべきは変え、変えてはならないものは変えない。そして当然、今回受けられた民意もあるでしょうが、私が知事選挙で政策提案集を出しながら受けた民意というものもある。それらをどう進めるのか、また進めるために必要な協議・調整はするのか、そういったことだと思います。

それは何もテーマはたくさんありますが、一定の方針をもって臨んでおりますし、それにストレートにご理解いただければ、ストレートに進められるでしょうし、そうじゃない場合は必要な調整を行っていくということだと思いますので、あまりそこは今回のことで右往左往しないようにしたいと思います。

[NHK]

選挙の関連になるんですけれども、それでその結果、今日新しい安倍内閣が発足します。この内閣への思いと言うか、何か期待するものがあれば教えてください。

[知事]

そうですね、誰がやっても難しい時代だと思います。それを長期にわたり担われるというのは並大抵のことではない。したがって果敢に頑張って欲しいけれども、謙虚にやっていただきたい。

ややもすると長くなったり、力が強すぎると少数の意見や自分たちと異なる意見に対する傾聴というものが疎かになる可能性がある。これは何も総理、政権だけではなくて周りにいる人達も含めて、まあ、私自身も含めてかもしれませんが、そういう意味で今回再任され、引き続き政権を担われる方々には果敢に謙虚にやっていただきたいという思いです。

お問い合わせ
知事公室 広報課 報道係
電話番号:077-528-3042
FAX番号:077-528-4803
メールアドレス:[email protected]