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知事定例記者会見(2017年9月12日)

平成29年9月12日
(県政記者クラブ主催)

記者会見に臨む様子

おはようございます。よろしくお願いします。

既にご存じのとおり、本県出身の桐生祥秀選手が9月9日の第86回日本学生陸上競技対校選手権大会男子100m決勝において、日本人初の9秒台、9秒98を記録されました。彦根市出身の桐生選手に「滋賀県民スポーツ大賞・最高栄誉賞」を贈呈させていただきたいと存じます。

これは悲願念願でありました。日本人としての9秒台、今回見事に突破されたと、9秒台に入られたということでございます。県民として大変誇らしく思います。この間、桐生選手には「滋賀県民スポーツ大賞・栄誉賞」を受賞いただいていますが、今回の事案に鑑み、最高栄誉賞を創設し、初の受賞として贈呈させていただくことといたしました。追って受賞式等のご案内等をさせていただきたいと存じます。

本日の話題提供の前に1点だけ触れておきますが、週末に米国ミシガン州のリック・スナイダー知事がご来県され、今年度から姉妹県州50周年の祝賀行事を開始させていただきました。私自身もスナイダー知事と一緒にJCMUの始業式への出席ならびにショッピング施設での共同書道作品の制作、また、記念式典に参加させていただきました。大変長きに渡る、そして幅広い交流の歴史に思いをはせながら、今後、若者の交流、文化スポーツの交流、そして経済交流、さらにすそ野を広げ、60年70年、そして100年の歴史をともに歩んでいくことを、スナイダー知事とも確認したところでございます。夢を持って取り組んでまいりたいと思います。

それでは、私の方から4点ご説明させていただきます。

まず、1点目は、平成29年台風第5号に係る災害対応の検証結果について、でございます。

この会見でも、折に触れお尋ねいただき、ご報告をさせていただいておりました。今も、台風18号が日本に接近中ということでございますが、本格的な台風シーズンでございますので、今後より一層、迅速かつ的確な災害対応を行っていくために、検証いたしました。

ポイント三つございます。

1点目は、庁内および県・市町間の情報共有について、今回は台風接近に備えまして、彦根地方気象台による「台風説明会」を開催し、台風の動きや予想される降水量、警戒を要する時間帯等について、庁内はもちろんのこと、市町、関係機関等とも情報を共有し、台風の接近・通過時には、気象警報や土砂災害警戒情報について、防災行政無線を通じて各市町に伝達をいたしました。また、河川の水位情報にきましても、土木防災情報システム(SISPAD)で公開するとともに、避難勧告等の発令の目安となる水位に到達した場合には、所管の土木事務所から関係市町に対し、「洪水対応ホットライン」により、直接、電話で情報伝達もいたしました。

しかし課題としては、今回の台風は、進路、速さ等が前日の予測と異なりました。災害警戒本部、災害対策本部の設置、避難情報の発令について、より早め早めの対応が必要ではないか、といったことも課題として浮き彫りになったところでございます。今後の対応でございますが、彦根地方気象台とさらなる連携強化を図りながらですね、なかなか難しい面もあるんですが、台風の動き等についてより一層きめ細かく情報収集し、市町との情報共有を図ってまいりたいと存じます。この情報の共有も、当たり前だと思わずに、分かっているだろうと過信せずに、絶えず言葉にしてやり取りするということを心掛けたいと思います。

2点目、県民の皆様方への情報提供でございます。

課題といたしまして、「防災ポータルサイト」等により、気象情報、避難情報等についてリアルタイムの情報提供に努めたつもりではありますが、そもそもこの防災ポータルサイトの周知が十分ではないということが課題としてあると認識しています。今後は、防災ポータルサイトがより多くの県民に活用されるよう、様々な広報媒体を活用して積極的にPRをしてまいります。私が企業の皆様方と対話をしても、そもそも存在そのものをご存じないという方が、大勢いらっしゃることを改めて認識いたしましたので、さらに周知を図ってまいりたいと存じます。

3点目、姉川氾濫に対する対応について、でございます。

急激な水位上昇があったということから締切り作業が間に合わず氾濫に至りました。今後は切り通しを閉鎖し、来年の出水期までに堤防を連続した構造にいたします。また、今次の出水における急激な水位上昇を考慮し、洪水対応ホットラインの改善やタイムラインの見直しを図ってまいります。特に、上流に長きに渡り多くの雨が落ちた場合、水位上昇が急に起こってくるということを見通した対応を取ってまいりたいと存じます。

なお、県内の切り通しの調査結果でございます。以前の会見で問われたときに、私の方から十分把握してなかったと言われても仕方のない受け答えをしておりましたので、改めて資料を皆様方にお配りをして、切り通しがいくつあるのかということについての資料です。

一番上が今回の姉川の切り通しでございまして、切り通しそのものが氾濫危険水位より低い位置にあるということで、今回対応をとらせていただきます。

また、切り通しが本堤にあるんですが、氾濫危険水位より高い位置にあることから、当面対応する必要がない、様々な情報提供等で対応するというものが、葉山川と日野川にございます。なお、本堤ではなく副堤に切り通しがあるといったものが4番から8番まで、日野川、余呉川、天野川、安曇川に存在するということが判明いたしましたので、訂正方々、お詫び方々皆様方にお伝えさせていただきます。詳しいことは、流域政策局から説明させていただきますし、週末には総合防災訓練も行いました。その際明らかになったことなども検証しながら、過去の災害をしっかりと教訓としながら対応、対策を高めていきたいと存じます。

2点目は、淡海ネットワークセンター設立20周年記念事業、表彰式・記念講演会の開催について、でございます。

公益財団法人淡海文化振興財団、愛称として「淡海ネットワークセンター」は、平成9年4月に、県域の市民活動の中間支援センターとして全国で2番目に設立され、まちづくり、福祉、文化等の様々な分野における、県民の自主的で営利を目的としない活動を、総合的に支援している団体でございます。20周年を迎えるにあたりまして、9月23日に記念事業として、表彰式・記念講演会が開催されます。この表彰式の中で、私から知事表彰として二つの団体を表彰させていただきます。

一つは、大津市にあります「認定特定非営利活動法人おうみ犯罪被害者支援センター」でございます。その名のとおり犯罪に遭われた方々の、支援・相談対応等きめ細かく役割を担っていただいております。

二つ目は、守山市にあります「認定特定非営利活動法人びわこ豊穣の郷」でございます。赤野井湾の水質改善、赤野井湾に流れ至る川の水質改善等の活動に精力的に取り組まれている団体でございます。近年はオオバナミズキンバイの対応等にもお取り組みいただいています。

これらの活動を展開していただいている皆様方に心から感謝申し上げながらまた、今後の糧とすべく謹んで表彰させていただきたいと存じます。

その他、淡海ネットワークセンター大賞として3団体が表彰を受けられます。同時に、表彰を受けられます5団体から地域課題の解決につながった活動等について事例発表をいただきますので、広く県民の皆様方に知っていただくという趣旨もご理解のうえ、ご取材等お願いできればというものでございます。

3点目は、本日から「滋賀県協働提案制度」によりまして、NPO・企業等からの事業提案の募集を開始することについて、でございます。

県民の皆様との対話・協議した結果を踏まえ、事業化していく「滋賀県協働提案制度」、これは、一緒にやりましょうという、私の県政の姿勢を反映した取組であり、他の都道府県にはない取組でございます。

募集する事業のテーマとして、表の(1)から(11)をテーマとした事業を設定させていただきました。それぞれのテーマは、協働プラットフォームでの対話・協議の結果を踏まえ設定したものでございます。(1)から(5)は、昨年度のNPO・企業等からの提案を踏まえ、今年度すでに事業化しているものでございます。来年度予算に向けて、改めて提案を募集いたします。

(6)から(11)は、新規のテーマでございます。このうち、二つのテーマについて、少し詳しく説明させていただきます。

まず、(9)地場産業等の認知度向上」でございますが、6月27日に開催いたしました協働プラットフォームでの「本県の地場産業等が十分に認知されていない。」とのご意見を踏まえまして、近畿、首都圏そして海外の地場産業等の認知度、知名度を向上させ、滋賀県全体のブランド力強化につなげようとするものでございます。折しも10月29日に「ここ滋賀」もオープンいたしますので、さらに高めてまいりたいと存じます。

二つ目は「(10)再犯防止の推進」でございます。7月11日に開催いたしました協働プラットフォームで「国、県、市町、民間団体等が相互連携を深めることにより幅広い支援が可能となる。」というご意見をいただいたことを踏まえまして、再犯防止のためのネットワークを構築しようとするものでございます。募集期間および募集要項の配付は、2および3に記載のとおりでございます。

最後に「4 協働プラットフォームのテーマを随時募集中」をご覧ください。県民の皆様と一緒に考える場として、私どもから提案するだけではなくて、「協働プラットフォーム」を昨年度から設置して、県民の皆様からも自由にテーマを提案いただけるというものでございますので、協議についても、誰でも自由に参加いただけます。テーマは、広く県民の皆様から随時募集しているものでございますので、ぜひ皆様方からも働きかけ等していただければ幸いでございます。

最後は、9月15日(金曜日)に開催いたします「滋賀県木育シンポジウム」について、でございます。

本県では、県産材の利用促進とともに、森林づくりや木材利用に主体的にかかわる人づくりを目指す活動といたしまして、乳幼児を始め幅広い世代に、森林の重要性や木の文化への理解を深めていただく「木育」の推進に積極的に取り組んでいます。日本一の湖「琵琶湖」の水源林もそうですし、山地災害の防止、土砂流出災害の防止、地球温暖化防止への貢献など大変重要な役割を森林が果たしていますが、現在戦後造成された人工林を中心に本格的な利用期に入っております。そこで、木のぬくもり、木の良さを改めて知りながら県産材を活用していただき、暮らしの中に木を取り入れること、機能性やデザイン性の豊かな木製品を積極的に製造・活用していくこと、そうした取組を進めていくことによって、森林資源の循環利用、持続的な森林の保全・整備につなげていきたいと考えています。

本県では、平成27年度から「ウッドスタート支援事業」を実施しています。特に、乳幼児が直接木の良さ、ぬくもりに触れて感じる木製食器や、保育所、幼稚園への遊具等の導入など、市町が実施する「木育」の取組への支援を行っています。また、本年3月には、全国で木育活動を展開している東京おもちゃ美術館との間で、都道府県としては初めてとなります「ウッドスタート宣言」の調印を行いました。そこでこの度、東京おもちゃ美術館と連携して本シンポジウムを開催する運びとなりました。このシンポジウムでは、東京おもちゃ美術館館長の多田千尋さんにお越しいただきまして、全国の取組状況などをご講演いただきますほか、パネルディスカッションでは、「滋賀の木育を考える」と題しまして、県内の取組紹介、意見交換を行います。

奥永源寺の木地師のふるさともあるなど、古くから木の文化が育まれてきた地域でございますので、さらに木の文化、木の良さ、木育の取組を広めていきたいと考えております。事前申込制としていましたが、若干席に空きがあるようでございますので、当日のご参加も大歓迎でございます。ぜひ広報等にもお力添えを頂けると幸いでございます。

長くなりましたが、私からは以上です。

[京都新聞]

発表案件でお伺いします。冒頭の桐生選手の件で、最高栄誉賞の創設ということでしたけれども、創設であったり桐生選手への贈呈の理由をもう一度教えて下さい。

[知事]

日本人初の9秒台、これは偉業だと思います。かねてからのオリンピック等でのご活躍により、私たち県民に市民町民に大変多くの感動を与えてくれていました。既にそのご実績は栄えあるものでございますが、さらに冒頭申し上げた日本人初の9秒台という偉業を称えたいということが一つ。

また、もう一つはご本人も語っていらっしゃいましたが、さらなる高みを目指されて、東京オリンピックを始め、世界の舞台でご活躍が期待される。そういうご活躍にも期待するという気持ちを込めて、最高栄誉賞というものを創設し、贈呈したいと思います。

[京都新聞]

最高賞の受賞基準と言いますか、例えば、どんなことをすると貰えるとかいうのはありますか。

[知事]

今回新たに新設するものですので「スポーツにおいて、日本人初の記録を樹立するなど、とりわけ大きな功績に対して、知事が賞を贈るに値すると認められるもの」という基準を定めました。これまでの栄誉賞、優秀賞、若鮎賞、特別賞とはまた一段違った意味を持つものとして創設をさせていただきました。

[京都新聞]

災害の関係で教えてください。先ほども知事がおっしゃっていました、検証をされてと、3点ほど、それぞれの分野から課題がありますよということでしたけども、ひとつ先ほどのポータルの話もそうです、それとエリアメールの不具合もありますが、毎回と言いますか、結構災害の度に、いつも大体ポータルが繋がらない、Jアラートの漏れがある、ということが毎回繰り返されているような気がするのですが、これはそもそも、いわゆるヒューマンエラーというか、隙のようなものであったりとか、体制に不具合、不備があるのではないかと思うのですが、その辺りはどうでしょうか。

[知事]

今回改めて、どういったことが課題であるのかというのを、この時点で洗い出せるものを全て洗い出したうえで、発表をさせていただきました。

そういう意味で、防災ポータルにアクセスが集中して、一時的に接続が困難になってしまったことであるとか、エリアメールに一部不具合があったことなども、実際ありましたので、報告をさせていただいたというところでございます。

こういったことは無いに越したことはないと思いますが、あったのであれば、その原因を検証し、今後起こらないようにするという不断の、ある意味では気づきと取組が必要だと思いますので、そういったことのために、今回まとめさせていただいたものですので、当然無かった方がいいと思いますが、次起こらないようにしたいと思います。

[京都新聞]

原因はこれから、ということなんでしょうけど、ハード面というよりも、例えば職員さんの連絡体制とか、ソフト面のところの影響が大きいのではないかなと思ったりするときもあるんですが、その辺はどうでしょうか。

[知事]

そういう面もあると思います。常時、災害対応にあたる職員、私どもも含めて、常にそういった場合を想定して、訓練をやったり、設備の確認等をしておりますが、あちらこちらで、水位上昇や降雨増加等の情報が出てしまったり、限られた人数の中で情報収集、また、伝達、連絡等をする中で、充分伝えきれてなかったりという面もあるんだと思います。あったんだと思います。同時に、その担当職員もずっとこの分野を担当する職員もいますが、人事異動等により担当が変わったり、という職員もございますし、全ての人と顔の見える関係を作っておくということが理想ですが、充分そういったことができてない方と連絡対応することもあるんだと思います。

そういう中で、やはり、確実に必要な情報が伝えられるようにするということが必要ですので、先ほど申し上げたように、改めて分かっていることでも再確認しようと、言葉で伝達するようにしようということを決定しているところでございますし、こういったことは平時では、いつも「分かった、分かった」になっているんですが、いざという時に行動でできるようにするということが大事だと思いますので、だからこそ訓練というものが非常に大事ではないかと思いますので、そういったものを積み重ねていきたいと思います。

[京都新聞]

もう1点だけ、まとめていただきました「切り通し」ですけども、全部で8か所あるということでしたけど、今のまとめの中では、即これからの出水期とかで、溢れる等々の危険が高いというものはないと見ておいてよいのでしょうか。

[知事]

今回、暫定閉め切りをさせていただく、地元にもご理解いただいて行う姉川が、まずその対象です。2番目、3番目については、現在実施中の河川改修事業で解消させていただく予定ということですので、そういう意味では、緊急に対応がいるというものは一つと認識しています。ただ、本県は天井川が多いですので、引き続きこういった河川の対応等については、緊張感を持って対応していきたいと思います。

[京都放送]

発表案件についてお伺いします。協働提案制度の件ですけど、1番から5番までについては、すでに事業化されて来年度予算化の見通しだとおっしゃっていましたけど、6番以降11番まで、特に9番の「地場産業等の認知度向上」のですね、予算化の現状と見通しについてお聞かせいただけますか。

[知事]

まず、1番から5番は、昨年度から協議のうえ、今年度、事業化して取り組んでいると。

[京都放送]

予算化はどうなんでしょうか。

[知事]

予算化は、もう今年度しています。今年度すでに実施しておりまして、今年度の予算額が2千万円余、事業によって多寡があるのですが、2千万円余の予算額で今年度、1番から5番の事業を実施しています。お尋ねの9番については、今回まずテーマとして挙げていただきましたので、内容等を今後検討のうえ、予算化の必要性や、また金額等、協議、判断していきたいと思います。この分野は特に、公、官で担うところと、民間で担っていただけるところがございますので、その辺りの住み分け、役割分担等もよく協議のうえ、事業を検討したいと思います。

[京都新聞]

教育会館について伺いたいのですが、退去の期限として示された9月末が迫ってきているんですが、現状の知事のご見解をお聞かせください。

[知事]

すでに本日、9月12日でございます。私どもは、行政財産の使用許可として、今月末を期限とさせていただいているところでございます。現時点、ここで発表できるような動き等はないんですけど、引き続き丁寧に対応していきたいと、また、その都度都度、状況の変化に応じて対応を検討してまいりたいと思います。

[京都新聞]

それに関連しまして、教育会館の運営団体の側が、近く県に対して民事調停を大津地裁に申し立てる方針を決められたようなのですが、そのことについて、今後のご対応はどのようにお考えでしょうか。

[知事]

私はその情報を間接的な形で、管理される団体が、あれは役員会でしたか理事会でしたかでご検討された内容として報道されていたことを承知しておりますが、詳しい中身を聞いているわけではございませんので、まだ、そのことをもって何かという見解も行動もございません。ただ、いずれにしろ、相手のある話で、相手の方々もこの事態にどう臨むのかということを、当然ご検討されているでしょうから、そういった対応等も出されればですね、それにどう応じていくのかということを、迅速に、また、かつ誠意をもって検討していきたいと思います。

[京都新聞]

別件で恐縮ですが、地方創生加速化交付金につきまして、昨年度、国から交付を受けた分を京都新聞の方で調べましたところ、3分の1が県外の企業さんに支出されているというのが分かりまして、県内だけの事業者さんでは受けられない業もたくさんあったりという部分の事情もあるかと思うんですけど、一方で、経済効果が薄れるんじゃないかとか、まちづくりのノウハウが滋賀県に残らないんじゃないかという指摘もございまして、その点、3分の1以上県外に流出しているという点について、知事はどのようにお考えになられていますでしょうか。

[知事]

改めて、そういうまとめをしていただいて、その状況を知ることができましたので、取りまとめに感謝したいと思っています。そのうえで、事業にもよると思うのですが、県内で完結したり、県内事業者でできることはできるだけ県内の事業者様に受けていただきたいと思うのですが、例えば県外発信の事業であったり、県内事業者では担えない事業などなどで、必ずしも県内の事業者様がその受注対象ではないということも、一面致し方ない面もあると思います。ただ、地方創生の交付金、それを加速化させていくための交付金ですので、どういう形で滋賀県内に効果を反映、波及させることができるのかということを、今後、今回、調査いただいたことも踏まえてですね、よく検討していきたい。

2年、3年で終わる取組ではございませんので、この地方創生は、ある意味では息の長い、ある意味では根源的な地方行政の取組の柱だと思いますので、さらに事業の発注、受注、そして実施、その効果といったところにまで、しっかりと目を向けながらですね、事業を推進していきたいと思います。

[毎日新聞]

姉川ダムの台風5号のことですが、この会見でも何度か似たようなことは出たかもしれませんが、改めて、まとめの方に書いてある長浜市の本部の設置ですとか、あるいは彦根、草津も今回は設置しなかったというあたりの話ですが、県全体、県の長浜土木でもだいぶ早くに設置していて、長浜市では、今後市の防災計画に10時間前、8時間前に明記することとされたと2ページにあるんですが、要するに、知事がおっしゃっている、当たり前の事を伝えるという話もですね、早く設置すべきだった、遅かったという、そういう意味なでんしょうか、このあたりの書きぶりですが。

[知事]

私が申し上げたことは、特に災害対策本部の設置の有無、またその時間と照らし合わせてという文脈では申し上げていません。私が申し上げたのは職員間の連絡、情報伝達等の際に、分かっていることも改めて言葉にしようという意味で申し上げました。

災害対策本部の設置は、その都度、その市町が状況に応じてご判断をされることだと思いますので、かつそのことは、気象台から発表される、また県から提供させていただく様々な情報に基づいて、何時間後にこうなるというタイムラインに基づいて判断されることだと思いますので、それぞれの市町の判断を尊重したいと思いますが、そういうこともですね、改めて県側からどう考えられますかということを、ちなみに他の市町でこういうことになっていますが、こういう情報があり、こういう状況の変化がありますが、どう判断されますかというようなことも、出来るだけ密に連絡相談できるようなことがより望ましいと思いますので、今回のことも生かしていきたいと思います。

[毎日新聞]

ありがとうございます。しつこいのですが、遅かったということなのかという、この文書、理由が書いていなくて、2ページの(2)なんですが、10時から18時に13市町はもう本部を作って、その後も普通の当直体制だったと思うのですが設置していない所は。長浜市は8日0時50分に設置されたが、今回の災害を教訓として、市の計画に明記するとあるんですが、「が」、というのは、設置されたのが遅かったということなのか、言葉の接続と、あと対応の主体も市になっていまして、県としてどう考えているのかがちょっとよく分からないと思われるのですが如何でしょうか。

[知事]

そういう意味では、長浜市においては、「今回の災害対応を教訓として」とありますので、教訓とされて、より早い対応を検討されているんだと思います。県との関わりで申し上げれば、その次のページ、3ページ目の上段にございますように、先程も申し上げた気象情報や、県内各市町の対応状況等について、もっと我々の方からも積極的に、こうなっていますよ、こうしませんかということを働きかけていくということが必要だという、こういうことなので、いずれも今回のことを教訓とした対応だと思っています。

[NHK]

今のことに少し関連するのですが、この台風5号に関する検証の2ページ目の(3)の防災情報システムへの入力に関することなのですが、Lアラートのことなんです。私ども、放送事業者で、Lアラートで入った情報がそのままテレビの画面で出ていた状況なんですが、私達記者が、各市町に電話をして情報を得るよりも、とても遅くLアラートに載っていたので、なかなか一般の方に伝わるのが遅いという実情があったんです。その中で記者が取材をして、テレビで伝えるのが早いもんですから、県の担当者の方から「そんな事は私達は言っていませんよ」というようなことを言われてですね、取材が早いのに、この情報がまだ遅いという状況があったんです。なので、この線引きで書いてあるように、入力の誤りや遅延等が発生したところというのは、とても重要なところですので、今後、本当にこの「努める」という所、強くしていただきたいのですが、今後どのように対応していかれますか。

[知事]

ありがとうございます。また、そういう状況があったということであれば、大変申し訳なくお詫びを申し上げたいと思います。ここにも一部述解しておりますように、現場が混乱している状況があったのでしょうが、しかし、その中にあっても、出来る限り早く、そして正しい情報が入力され、その情報をもって報道機関の皆様方にも、広く県民の皆様方にお伝えしていただけるよう今回のこと、改めてこの部分は、再確認をし、そしてもし必要があれば、少しメディアの皆さんとも意見交換等をさせていただいてですね、例えばどれくらいの精度の情報があれば良いのかとか、どれくらいの間隔で更新すれば、より報道に役に立つのかといったようなこと、また誰がその情報を必要な場合に問合せを受けるようにすればよいのかというようなことも、少し、これとは別に確認の上、また対応を取らせていただきたいと思います。

[NHK]

補足なんですが、先程から県としては、市や町に働きかけていくという言葉で表現されていますが、もっと強くですね、県から市や町に、もっと早くしろというように強く言う立場で、市や町に催促するような状況があればと思うのですが、その点いかがでしょうか。

[知事]

検討します。状況自体にもよると思いますので。そういったことが必要な場合もあるかもしれません。今回のことを受けて検討したいと思います。

[京都新聞]

桐生選手の件ですが、日本人初の9秒台、県民として誇らしいということなのですが、桐生選手かなり苦しい時期もあってですね、大変記録出るまで4年間足踏みしたような状態であって、その辺を踏まえて、もう少し知事の個人的な思いというのを教えていただければと思います。

[知事]

私も全て見ていないんですが、報道で一部で見ますと、とても喜びを爆発させていらっしゃいましたね、それは相当なご努力を重ねてこられたということと併せて、今、ご質問の中にもあったように苦しい時期というものがあって、そういうものを乗り越えられての結果であったのではないかと推察しています。あれは高校生の時でしたか、9秒台に近い記録を出されたのが、そして今大学の4回生ということでいうと、途中五輪や、選手権等もありましたが、その間の頑張ろう、やろうというような気持ちというのは、私達には想像できませんけれども、相当なものがあったんじゃないかと思います。だから、すごく良い表情をされていましたしね、そういうことを乗り越えての結果だったから、更にまだこう伸びる可能性というものも感じましたね。しかも最近、ご活躍の著しい多田選手の先行を許し、それを抜き去る形で超えられましたので、感慨もひとしおではないかと思います。よく折れずにここまでこられたなと思います。改めで敬意を表して、更に今後も頑張って欲しいなと思いますし、県民皆で応援していきたいと思います。

[朝日新聞]

台風の検証結果に戻らせていただくのですが、日頃、こういう命に係わることに対して、知事、非常に緊張感を持って対応したいということで、今回のこともきっちりと検証してお答えしたいということで、こういう1ヶ月経って、検証結果が出てきたことについては、非常に、こちらとしても評価と言うか、結果をよく拝見したいと思っているのですが、この中でのエリアメールの不具合とですね、それと県の防災システムのアクセスですね、問題ということでご指摘になりましたけれども、やはりこの不具合に関しては命に係わるものであり、この検証結果を発表していただく中でも、一番最初にご説明いただくべきことなのかなと、しかも1ヶ月という期間ではなく、もっと早くに、こういうことがあって原因究明していますという報告があって良いものではないかと、関係市町の声を聞いても実感するところなんですけれども、そのあたりの所、どのようにお考えかお聞かせいただけばと思います。

[知事]

ご指摘は受け止めたいと思います。先程もご質問の中にあり、一部お答えしたように、もちろんそういった不具合だとか、遅れだとか、そういったことは無い方が良い。いつも無いことを目指して我々やっていますが、結果として反省すべきところや改善すべきところがあったということですので、それらは次の災害に備えて、しっかりと正していくということが必要だと思いますので、かつそのことは我々行政の内部だけでやるのではなくて、県だけでやるのではなくて、市町と協議の上、関係機関ともお話しした上で、皆様方にも随時ご確認いただきながらですね、先程NHKさんからお話がありましたように、「こういうことがあったよ」ということもぜひ伺いながらですね、不断に高めていくということが必要だと思いましたので、今回こういう形でまとめて発表させていただきました。もっと早くやるべきではないかということも受け止めて、今後に生かしていきたいと思います。実は先般行った訓練でも、もう少しこういうこと検討しようということがいくつかありましたので、これは都度都度、高めていかなければならない課題だと思っています。

[朝日新聞]

防災ポータルに関してはですね、我々取材の方でも頼るというか、迅速な情報収集のために頼っている、防災危機管理局の方にお問い合わせしてもですね、一番早い情報はポータルですね、とご案内されることも多くてですね、やっぱり皆が頼りにしているシステムなんですけれども、私が残念だったのは、前回の8月の台風の時にはですね、長浜の避難指示の一番アラートが高いわけですけれども、そのことがポータルにずっと反映されずにですね、朝の解除まで確認できなかったということもあったりして、やはりアクセスの問題もそうですし、いろんな事情があるのは承知しているのですが、命に係わるところですので、やはり改善を急いでいただきたいと思います。

[知事]

ありがとうございます。しっかりと改善を急ぎたいと思います。

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