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知事定例記者会見(2017年7月18日)

平成29年7月18日
(県政記者クラブ主催)

知事就任3周年記念会見に臨む様子

おはようございます。今日はご参集いただきましてありがとうございます。7月19日をもって、知事として3年になりますので、この節目に、どのような取組が行えているのか、また行えていないのか、について検証する機会として会見を持たせていただきました。

特別な感慨はないんですが、節目は大事にしたいと思っています。去年も同じことを申し上げたかもしれませんが、特別な感慨はございませんが節目は大切にしたいと思います。

先週はアメリカに行っておりまして、その際に詠んだ句なんですが、「このいのち 汗も涙も 滝にして」これは、ニューヨークの9.11テロで倒壊したビルの現場は、ご案内のとおり、ご遺族等が追悼するためのナショナルメモリアルミュージアムになっておりまして、そこには滝が二つあるんですよね。様々な方が、ある意味では悲嘆にくれたり、特別な思いを持って見ているそういう場所ではあるんですが、私自身は知事として、自分の流す汗も、そして多くの皆様方の気持ちに寄り添う心も大切にして、職務を全うしていきたいという思いを強くしたところでございます。

また、全米知事会の会議に出席をいたしまして、多くの20人近い米国の州知事と話をする機会をいただきました。とてもポジティブにアグレッシブに自分の取組やビジョンを語る姿に刺激を受けたところでございますし、トランプ政権、特にこういう時期、時代ですので、州ごとに例えば他国とも開かれた取引をする、また、多様性を認め合う、人材育成を積極果敢に行っていく、こういった取組に強い意欲を持った州知事が多いことを目の当たりにいたしました。ぜひ私自身もしっかりと滋賀県知事として、そういった先に向けた取組を行っていきたいと思っております。

また、国連本部を訪問いたしまして「SDGs」の取組について、先月、来県、来日されましたトーマス・ガス氏と話をする機会をいただきまして、滋賀県はこの「SDGs」の取組のパイオニアであるので、とても期待をしているというご発言とともに、特に子供たちの教育の面で、この「SDGs」を活用した取組を充実させていこうじゃないかということで幾多意見交換をしたところでございます。今、岸田外務大臣が国連本部に行かれて国の取組をご説明されているところですので、ぜひ連携して進めていきたい、また率先して施策を作っていきたいと思います。

それでは、手元の資料に基づいて3年間の取組等について報告をさせていただき、皆様方のご質問にお答えしていきたいと思います。

この資料は、大部になっておりますが、前半の17ページまでは私自身の姿勢について、また後半の18ページ以降は知事選挙の折に出させていただきました政策提案集をもとにどのような取組を進めているのか、結果が出始めているのかということについてお知らせをしています。

まず、1ページ以降の基本姿勢のところですね、私が大事にしている基本姿勢を大きく五つ、そして新たにまた一つということで入れさせていただきました。毎年、この会見に出られている方、よく私の話を聞かれる方はご存じだと思いますが、初めての方もいらっしゃると思いますので、お話したいと思います。

私の基本姿勢は五つです。

一つ目は、対話・共感・協働による県政を作っていこう、考えの違う方ともしっかりと対話をし、また、知らないことも多くありますので、しっかりと対話をした上で、そうだなと共感していただき、一緒にやろうという協働姿勢を作っていく、そのことに意を用いているところでございます。3ページにありますように、私が知事になってから始めました「こんにちは!三日月です」、歴代知事もそれぞれのやり方でされていますが、私は「こんにちは!三日月です」ということで各地、現場に出向き、関係の方々と議論をする、この間、12回、12回、13回ですので、合計37回開催をしてきています。また、びわ湖放送等を通じたテレビ対話を積極的に行いまして、4ページにありますとおり、第1回目は人口減少社会について、第2回目はエネルギー社会について、3回目は高校生と滋賀県の魅力について討議をさせていただきました。

また、二つ目の私の姿勢は、6ページにありますように、徹底した現場主義ということでございまして、今日もこの後、東近江市奥永源寺地区で五日間滞在をいたしますが、このそれぞれの地域に出向き、実際に住まいをしながら現地の空気をともに吸い、同じ水を飲み、感じたことを施策に活かしていくという取組を大事にしているところでございます。今回の居住が7回目ということになります。

また、三つ目に大事にする姿勢といたしましては、8ページにありますように、県を売り込むセールスマンになろうということでございます。滋賀県の良いところ、滋賀県でできる良いものをより多くの方に知っていただく取組を私自身が、率先垂範して行っていくということでございます。9ページにございますように、特に今年度から力を入れているものの一つに「ビワイチ」がございます。先般は石井国土交通大臣もご来県され、体験されたと聞いております。

四つ目に大事にしたいことは、10ページからありますように、世界を視野に入れて世界との関わりの中で滋賀の魅力をしっかりと発信をしていくということでございまして、滋賀県に来県される方々との交流、また、本県も積極的に出向いて行って滋賀県のPRをする機会を作っていくということでございます。12ページにございますように、先般、ベトナム社会主義共和国のフック首相が、ご来国、ご来阪された折に、滋賀県知事とも面会をという機会をいただきまして、主に農業分野の議論をさせていただきました。また、13ページにありますように、持続可能な開発目標「SDGs」への参画、これは琵琶湖新時代を創ろうということの主な取組の一つとして、この、誰一人取り残さない「SDGs」の取組に参画することを表明したところでございます。この施策をこれからもしっかりと作っていきたいと思います。

大きな五つ目は、歴史的な課題への対応ということで14ページにありますように、私が知事になった平成26年度から人口が減少局面に転じました。したがってこれまでのように、人口が伸び続ける時代とは異なる施策経営を余儀なくされていますし、それらをある意味では前向きに捉える、そういう施策づくりも必要ではないかと考えています。これは人口減少を見据えた総合戦略の策定と実施という形で進めはじめているところでございますし、もう一つの歴史的な課題は粘り強く卒原発を成し遂げていきたいと。また、琵琶湖をお預かりする、集水域である山々をお預かりするものとして、福島第1原発事故と同じような事態を招かないと、そのための防災対策や、はたまた、原発を使わなくても生活していける生産していける、そういう社会づくりのために、地道ではあるが着実な一歩ずつを進めていきたいと考えているところでございます。

16ページ以降に、今年度以降進めております、新たな挑戦ということで再掲の面もありますが、「琵琶湖新時代」を創ろうという取組、これは常々申し上げているとおり、琵琶湖周航の歌ができて100年、大規模な赤潮が発生して40年、法律に基づく保全・再生のための計画を作った元年、こういった年だからこそ、改めて琵琶湖を真ん中に、琵琶湖とともに歩む、滋賀県づくりを進めていこうというと、そういう取組を始めたところでございます。また、関連いたしまして、17ページに先ほども申し上げた「SDGs」の取組を始めたということを掲げております。

18ページ以降は7つの政策カテゴリーごとの主な取組を掲載させていただきました。主な取組についてでございますが、18ページにありますように、乳幼児医療費、および多子世帯保育料の無料化を実現したこと、また、28ページに、「うごく」という面では、湖西線の防風柵、これは滋賀県が行ったというよりも、むしろ事業者であるJR西日本の皆様方が積極的に行っていただいた結果でございますが、この間、7.9kmの追加整備が実施されているということ。また、同じページにございますが、スマートインタチェンジの整備を進めていこうという取組を積極的に行っておりますが、小谷城のスマートインタチェンジが開設された。また、多賀サービスエリアの調査が実施されているということがございますし、新名神の大津のサービスエリアにスマートインタチェンジを整備すると、こういった取組も行われているところです。

また、37ページの「つくる」という取組の中では、知事になってもっとも嬉しかったことと表現させていただきましたが、近江米「みずかがみ」の食味ランキングが2年連続で特Aであったと。これも県がやったということよりも、生産者の皆さんや関係団体の皆さんが熱心に取り組んでいただいた結果だと思いますが、この高評価をさらなる生産や、販売促進につなげていきたいと考えているところです。

また46ページ、47ページの「安全安心社会の実現」の中で、もちろん熊本地震への対応など、不断の防災の取組を進めるということと併せまして、特に私が嬉しいなあ、大事だなと思っておりますのは、交通事故を防止したり、犯罪を防いだり、少なくしたり、無くしたりという取組に、県民の皆様方が積極的に参加をしていただくことによって、交通事故も大きく減少させられている、犯罪認知件数も大きく減少することができている、このことはとても心強いことだと思っています。46ページに人口1万人当たりの刑法犯認知件数というのが平成26年の時点で87.5件、平成28年に67.4件、全国平均が77.8件ということでございまして、非常に大きく減らすことができているということでございます。

また、49ページにありますように、滋賀県の魅力、取組、価値、そういったものを全国に世界に発信するということが求められている、そういう時代でございまして、秋葉原「ちゃばら」の開設をいたしまして、産品、産物のPRを行うと同時に、いよいよ東京日本橋に滋賀県の情報発信拠点を開設することを決定いたしました。具体、準備を現在進めているところでございまして、10月29日にオープンすべく、今、取組を進めています。また、関連いたしまして、石田三成の魅力を発信するCM動画の発信等を行ったところでございます。これまでの主な実績といたしましては、この49ページの上段四角囲みの中段にございますように、観光入込客数が平成26年4675万人であったところが、平成28年、これはまだ見込みの速報値でございますが、5078万人ということで初めて5000万人を突破し、過去最高にあるということでございますので、こういう流れをさらに強めていきたいと考えているところでございます。また、先ほども申し上げましたが「ビワイチ」のサイクルツーリズムの取組を行ってまいりました。

こういう取組の成果として先ほども申し上げたように、例えば湖西線をはじめとする鉄道の1日あたりの乗車人員が、人口減少局面に入り、減少することが想定されているのですが、例えば湖西線で平成27年度が4万9564人に対して、微増ではございますが、平成28年度が4万9878人、プラスの314人となっているということでございますし、鉄道全体で申し上げれば、平成25年度36万4900人に対して、平成27年度は36万7426人と約2500人の増加ということがございます。また、先ほども申し上げました「みずかがみ」の特A評価ということでございますが、需要量が増加しておりまして、平成29年産、集荷終了見込み1万トンに対して、需要量が1万2900トンということでございます。また、先ほども申し上げましたが、刑法犯認知件数を減少させられていることに加えまして交通事故発生件数、これも平成28年度5294件ということで、その前の年度に比べて約10%の減少、交通事故の死者数については、昭和29年以降最少となります53人に留めることができているということがございます。

今後の課題としては、大きく4点あろうかと思います。

1点は、何と言いましても人口減少局面にあるということですね。できる限り社会増減を、一定出ていかれるのは仕方ないにしても、入ってこられる方も確保することによって社会増減をゼロにすると。また、自然増減をできるだけ、多く亡くなることは避けられないとしても、希望する出生を増やしていくということによって最小限に留めていく、もって、人口減少をくい止めていくという取組はまだまだ道半ばでございますし、卒原発の取組についても、まだまだ課題が多いということでございます。歴史的な課題への対応というのが一つ目の大きな課題だと思います。

二つ目は、長生きできるようになったからこその課題が、長寿、高齢社会であるが故の問題が顕在化してきています。介護の問題、認知症の課題、医療の問題ですね。こういったことにしっかりと手を打っていくことが必要だと思っています。専門資格者を増やしていくことと同時に、地域ごとにネットワークを作っていく、いろんな事情にあるご家庭や世帯、夫婦や親子、その方々に応じた福祉や見守り、看取りの体制づくりということを進めておりますが、これも皮膚感覚としてやはり、最近、相談を受けることも大きくなってきたということがございますので、体制づくりを急がねばならないなと思っているところであります。

三つ目の課題といたしましては、国体を含め、これから7年、8年、10年先を見通して行う大規模な事業に着実に取組を行っていくということでございますし、四つ目の課題としては、琵琶湖の課題がまた新たなことも含めて顕在化してきている。水草の問題、オオバナミズキンバイの問題、そして今年に入ってアユの問題ですね、こういったことに手を打っていく必要があると考えているところでございます。

こういった主なものを、取組と成果とまた課題として申し上げましたが、政策提案集では、資料の56ページにありますように、マニフェストというほど期限と財源を明確にしたわけではありませんが、こういった政策に取り組みますということで、260項目提案をさせていただいている、その内ですね、256項目で成果が出始めているか着手できているかということでございます。数だけ見れば残すところ四つということでございます。

何が検討中であり未着手かということについては、まず一つ目は、「健康づくり推進条例(仮称)」の制定という項目を提案しておりましたが、現在検討中なこと。また新しい再生可能エネルギーにかかる技術者を育てるなど、高等専門学校の誘致を提案しておりますが、これが検討中であるということ。また、米原駅の鉄道輸送とトラック輸送をつなぐターミナル機能、ハブ機能の強化を支援。この合計3項目が検討中でございます。検討にも着手できない未着手のものについては、新幹線新駅の必要性や負担の議論の開始、これが未着手でございまして、検討にも入れていない、こういう状況がございます。

私の与えていただいた任期4年の内、残すところ1年になりましたので、この政策提案集に書かれた政策を着実に進めていくと同時に、基本、それらを盛り込んだ基本構想、ならびに人口減少を見据えた豊かな滋賀づくり総合戦略、これらをしっかりと進めていきたいと考えているところでございますし、最も知事にならせていただいて、知事という職を担わせていただいて緊張するのは、昨夜から今日にかけてもございましたが、警報、気象の状況でこういったことに対する対応は、一番神経を使いますし、気にかけているところでございます。

これは、全てを予測、対応することは難しいのかも知れませんので、できる限り、想像力をたくましくして、他県、他府県で起こった事例、先災事例をしっかりと我が事にして、本県の対策をとっていくということだと思いますし、特に平時において、情報伝達手段の確認でありますとか、組織体制、機器の整備でありますとか、こういったことに気をつかい、組織内に伝達をさせていただいているところでございます。物事の判断をしていくために、できる限りというか最大限健康でありながら、かつ、一人では何もできませんので、県庁という組織、県民の皆様方と一緒に滋賀県をより良くしていくことの取組をさらに充実させていく、そういう1年を作っていきたいと思いますので、ぜひメディアの皆様方にも、叱咤激励、ご指導ご鞭撻をいただければと存じます。

最後になりましたが、この取組、一定取りまとめをいたしましたので、今後は県政モニターの皆様方からのご批判をいただいたり、またこういったメディアの報道を通じた検証作業も行われるでありましょうし、議会の皆様方からも様々なご指摘等もいただくことがあろうかと思いますので、特に、今年1年ですね、今年の年末まで、より重点的にこの結果を検証する作業を皆様とともに進めていきたいと考えているところでございます。

少し長くなりましたが、私からは以上でございます。ご清聴ありがとうございました。

[読売新聞]

就任されて3年間ということで、たくさん取り組まれたことと、これからの課題という部分をたくさんあげていただいたのですが、改めて、なかなか一つとはあげられないとは思うのですが、先程おっしゃられた近江米「みずかがみ」の特Aが本当嬉しかったとおっしゃっていましたが、改めて印象に残っている事と、逆に3年間やってこられて、これはちょっと思ったとおりにいかなかったという事があれば、あげていただければと思います。

[知事]

印象に残っていること。一つあげるのは難しいのですが、まあ、なんと言っても琵琶湖の施策でしょうね。私自身も国会議員時代から取り組んできた立法がですね、平成27年でしたか、9月に法律として可決、成立された、国の基本方針が定められた。県の計画を定めた。もちろんこの間もやってきましたけれども、より本格的に保全・再生のための取組をスタートした。

これは琵琶湖の中だけで留まることだけではなくて、上流からどうしていくのか、また悪くなった時に対応するのではなく日頃からどうしていくのか、守るためにはより多くの県民が関わる関心を持つ、学ぶということも必要であるとすれば、そういう取組をどう充実させていくのかということだと思いますので、この琵琶湖の取組は最も強く印象に残っている、また、これからもしっかりとやらなければならないという意味においては、心に留めている、そういう事象であります。

だからこそ琵琶湖新時代を作ろうという言葉で表現し、琵琶湖の日を県民の休日にしませんかという提案、ハードルは多いと承知しておりますが、また、「SDGs」の取組に参画するという表明をさせていただいているところでございます。

なかなか上手くいかないなあと思っていることは、歴史的課題への対応ですね。とりわけ人口減少を食い止めていきたい、できるだけ多くの方に住んでいただきたいという施策を種々諸々実施しておりますが、まだ少し効果発現、効果確認、効果検証というところにまで至っていない。なかなかそういう取組施策が、すぐに、じゃあ滋賀に住みましょう、滋賀で学びましょうということに繋がっているかというとまだまだ課題が多い、ただ、希望は県内を訪れてくださる観光の方は、着実に増やせているという意味からすると、観光は終の棲家一里塚という考えがあるとすれば、滋賀に来てみたい、また来てみたい、住んでみたいと思っていただく一歩は作れているのではないかと思っているところですので、これからしっかりとこのことを活かしていきたい。

また、施策を進めるにあたって気がかりなことというか、絶えずより強く関心持たなければならないなと、改めて強く思っているのは財政の問題でございまして、ここにきて国の地方財政措置も必ずしも十分ではない、税収も思ったほど上がっていかない、しかし一方でかけなければならない費用というものは社会福祉の問題しかり、大規模事業の対策しかり、これは一定かかるし増えてくる。こういう状況の中でこれまで以上に、持続可能な財政ということについても強く意識しなければならない局面になっていると思いますので、このことは、もっと積極的にやりたいと思う反面、なかなか悩ましいと思いながら対応しているという状況です。

[読売新聞]

知事は、1期目3年ということですが、前任の嘉田知事から承継という形で知事に就任されたと思うのですが、この4年という期間の3年という位置付けでみたときに前の嘉田県政から、知事としてここ3年間やってこられて、これは受け継いだかなと、あるいはこれはこう受け継がなかったかなということがあるんだとしたらお教えいただけないでしょうか。

[知事]

難しいですね、全て県政というのは、知事の1期4年若しくは、1代でつくられ、大きく変わるものではないのかもしれません。その意味で知事、県政のバトンを次の代に引き継いでいかれる、私は嘉田知事から引継ぎ、それをまた次の時代にしっかりと引き継いでいくということだと思います。ただ私が引き継いだのは嘉田前知事から引き継いだということからすると、その嘉田県政でつくられた、例えば危機管理センターであるとか、また琵琶湖博物館のリニューアルであるとか、新生美術館の事業であるとか、こういったものは着実に引き継ぐ形で、それぞれ次の段階に移ってきている。危機管理センターについては、完成させていただいた上で、ハードだけではなくて、非常時だけではなくて、平時からの例えば防災カフェの実施などなどですね、ソフト対策の充実をしているということだと思います。

また、引き継がなかったことっていうのがあるんでしょうか、違うやり方で行っているとすれば、嘉田さんもずいぶん心砕かれたと思いますが、例えば国との対話、これは国会議員の方々含めて政府省庁含めて、滋賀県政のために一緒にやりましょう、お力添えをというそういう対話はより力を入れてやっているつもりですし、関西電力をはじめ、福井県はじめ、それぞれ、なかなか全てにおいて同じ方向を向いて、進めてない方々ともですね、滋賀県の事情をご説明しながらですね、取組を行おうとしている。こういったことは、嘉田県政の時代よりも更に力を入れているという意味において、私がやっていることではないかと思います。

[読売新聞]

1年というところで任期満了という状態なわけですが、知事の2期目や任期満了に向けての今の気持ちというのは如何でしょうか。

[知事]

国会議員時代もそうでしたが、いつ解散されるか分からない衆議院議員時代と比べてですね、任期がしっかりと定まった知事という仕事をさせていただいているということだと思うんです、今は。やはり一日一日、一刻一刻、一月一月、一週間一週間、また1年、これまでにない緊張感で過ごしているというのが率直素直な感想です。

ですから、もう3年経つのか経ったのか、あと1年しかないのかというのが印象です。まあ、その意味で残された1年もしっかりと一人ひとりの県民の方を見て、ある意味では大げさかもしれませんけれども、県内にある一草一木、一つの木や一つの草までですね、心を用いながらこの滋賀県をより良くするために力を尽くしていきたいと考えています。

ただ任期が4年いただいているところ、3年過ぎるということからすると、これまでやってきたことの結果・成果が問われる、そういう時期により入ってきていると思いますので、そういったことをきちんとできたことも、やろうとしていることも、できなかったことや、課題問題も含めて、県民の皆様方への説明責任というものが問われ試される局面に入っているんだろうなと思います。したがって任期一杯一杯は、来年の7月でございますが、特に今年、平成29年というものに一つの期限を定めてですね、これまで知事としてやってきたこと、県政として進めていることについての、ご評価をそれぞれの方にいただくそういう取組を私自身もしていきたいし、県政においては基本構想の進捗状況の確認であるとか、総合戦略の結果・効果の確認ということで行っていきたいと考えているところです。

[読売新聞]

繰り返しになるのかもしれませんが、今現時点では、先のことについてのお考えは、いかがでしょうか。

[知事]

まあ今日があって、明日があってこそ明後日があるので、まず今日1日、それぞれをしっかり過ごしていくことだと思います。

[NHK]

3年間の取組を振り返られて、1番最後のページで256項目を「成果あり」、「着手済み」というふうに分けられましたけれども、「成果あり」、「着手済み」を合わせて256といえば、まあ良くやったということなのかもしれませんが、「成果あり」が123ということをみれば、これだけをみると、半分以下ですが、そういう所をご自身ではどのように評価されているのでしょうか。

[知事]

おっしゃるとおりで、これはまず二つありまして、今おっしゃたようにこれは私どもの評価で成果あり、しかしその「成果あり」も半分以下である。この「成果あり」だと私どもが考えることが半分以下であり、あくまで私どもが「成果あり」だと思っているということですので、まずはこの成果が出たなと思えることを、より多く数を作っていくということと同時に、「なる程あなた方が言うように成果あるね」と、県民の皆さんと確認し合うことが大事だと思いますので、その作業を進めていきたい。

まあ、全ての項目に全ての方のご評価を確定するというのは難しいのかもしれませんが、この少し細部になりますが、この取組等を多くの方にご確認をいただいて、私どもが考えている成果が皆様方にとって成果なのかどうなのかっていうことを検証する作業をこれからしなければならないと思っているところです。

[NHK]

今のおっしゃり方がよく分からないのですけれども、ではその123は良かったのか、もっとやるべきだったのかという点ではどのようにお考えでしょうか。

[知事]

失礼いたしました。そういう意味で言うともっとやらなければならないと、まだまだ足らないところがあると思っています。

[NHK]

それからですね、3年を振り返られまして、これからの1年で特に力を入れる、これだというのは特にありますか。

[知事]

先程も申し上げましたが、まだ四つ課題があると申し上げました。歴史的な課題への対応、更には顕在化する長寿社会への対応、更には琵琶湖の課題に対する対応と、やっぱり大きくこの三つは、私のある意味使命だと思っていますので、私が知事であり県政を進める使命だと思っておりますので、この三つのことはこの1年特に重点的にやらなければならないと思っています。特に二つ目に申し上げた長寿社会への対応ということについては、今年度様々な計画を見直す作業をしていますので、その中に、いかに次の社会を見通した施策をビルトインしていけるのかどうかということが問われると思いますので、特に高齢化など長寿社会への対応ということには力を入れなければならないと考えています。

[中日新聞]

あまりオブラートに包まず聞きますけれども、現時点で2期目の意欲はおありなのかをお聞かせください。

[知事]

まずしっかりと任期を全うすることに、力を注ぎたいと思います。その後のことはその後考えます。

[中日新聞]

今日のお話を聞いているとですね、年内に1期目についてですね、一定程度検証してということを伺いますと、個人的には年内に検証して、まあ、また頑張ってくれと言われれば、年明けにも表明すると、こういうストーリーなのかなと思うのですが、そうではないのですか。

[知事]

まず私に与えていただいている任期は来年7月まで。今まさに来年度の政策づくりをしていますし、年末には一定、来年度の施策、予算を構築し、議会もって県民の皆様に提案しなければならない、やはりそれまでに一定の自分なりの、私たちなりの検証というものを済ませた上でお諮りするというのが筋だろうと考えておりますので、そういう意味で年内というところを申し上げたところでございます。

[中日新聞]

仮に2期目の出馬を表明されるのであれば、いつ頃になるのが適切だとお考えですか。

[知事]

まず今やらなければならないことに、しっかりと尽力をして、その後のことはその後考えたいと思います。

[中日新聞]

その後のことはしかるべき時期にということですか。

[知事]

その後のことはしかるべき時期に行いたいと思います。

[中日新聞]

分かりました。もう1点お聞かせください。財政のことに触れられまして、先般の議会でも、財政の見通しを公表されたりしましたが、国体の件とか、美術館の件、あげていただきましたけども、一定その嘉田県政の宿題というか継続する部分で、かなり三日月さんの財政運営の選択肢が狭められていると言ったら極端かもしれませんが、なかなかご苦労される局面があるのかなと思っているのですが、前県政からの宿題のような形というのは、重たいものですか。

[知事]

前県政からということよりも、全てにおいてですけれども、継続しているものをどう継続させていくのかというのはいずれも重たい課題だと思っています。

とりわけ国体もそうですし、美術館なども大きな投資を伴いますので、大きな投資を伴いその効果、結果の発現が少しその後になって出てくるようなものについては、とても理解を得るのに時間、また労力を要するなというのが実感です。

だからこそ、前から継続ですからということだけではなくて、この事業を行うことでどういう中身にし、効果を得ようとしているのかということをしっかりとご説明する、説明するということは県庁内でそれを固めるということですし、固めるということは、それらをしっかりと組織内にそれらをオーソライズして、具体の施策を作っていくということにも繋がるので、こういう作業を伴うことがとても大事なので、とりわけ前知事から引き継いでいるからという重さよりも、一定年数かけて事業を行っていくことの難しさというか、大変さ、それ故にやりがいの大きさを感じているというところですかね。

[京都新聞]

先程この3年間を振り返って、成果なりをご紹介いただきました。県政の最初の多様な事業環境というのがあるのかもしれませんが、知事のお話の中にも、例えば湖西線なり、刑法犯とか、あと他者が私だけではないということもありましたけれども、では翻ってこれは三日月大造でなければできなかったということって何かあるでしょうか。

[知事]

禅問答のようなご質問と答えになるのかもしれませんが、そういう対話を重ね、みんなで一緒にやろうという、よりそのことを強く意識してやったということは、私の県政だと思います。それは翻ってみれば私でなければできなかった。私であるからこそよりできたと自負しています。

今日からも参りますが、それぞれの地に住まいをして、それぞれの方に例えば課題を伺ったり、また県で進めていることをご説明しながら、一緒にやりましょうという取組は、ある意味では着実な成果を得つつあるのかなと実感自負しています。

山の取組などもですね、まだ小さい取組かもしれませんが、地域資源を活かした山づくり村づくりをしていこう、また高島朽木に居住した際、中野に居住した際にですね、それぞれの地域資源を活かして外から来られた方に一緒に地域の方々と馴染んで住まいをしていただくという、そういった取組も確認し、それらを私自身が発信することにも繋がっている。まだそれで移住何人、人口減少が何人に食い止められたという大きな結果を得るまでには至ってないのかもしれませんが、土壌づくりや萌芽というものには繋がっているのではないかと思います。

私はやはり国会議員時代の経験や43歳で知事にならせていただいたということからすると、私に課されていることは行動力。その行動力を活かした知事としての職務は全うできているのではないかなと感じています。それが三日月大造だからこそできている結果に繋がっているのではないかと思いますが、独りよがりにならないようにしたいと思います。

[京都新聞]

今もキーワードというんでしょうか、一緒にやりましょうという言葉、これは確かに一緒にやろうという、良い意味でとる方ももちろんおられますが、あらゆるものを分別なく一緒にやりましょうという事へのいわゆる期待度を高め過ぎてないかと、取捨選択をこれからしていく上で非常にこれは大変ではないかというご意見もあるわけですけれども、その辺りはどういうふうに見られますか。

[知事]

反省半分です、そこは。どちらかというと私は議会議員出身でもあり、政党人でもありましたので、知事、首長でもなければ、執行側、与党は一時期やりましたけれども、そういう経験は短かったということからすると、どちらかと言うとなんでもやろうという傾向があると自覚をしていまして、そこはもう少し伺った段階で、これはできません、これは止めましょう、これはこうしましょうということをもっと迅速かつ率直に申し上げた方が良い面もあるなあという反省もあります。これ半分です。

しかし、知事である私がしかるべき方々から伺ったこと、伺うことというのは、一定やはりニーズがあったり、また検討され、熟度があったり、それぞれの経過のある事業や要望だとすれば、それを一概に止めましょう、変えましょうということよりも、行政や予算や事業だけに頼られるのではなく、一緒に考えてどうしたら実現できるのか、よくよく練ろうじゃないかというそういう投げかけっていうことも、これからの時代は必要なのではないかと思いますので、まあ反省半分、またこれからに向けて、私自身の持ち味として、大事にしたいなという思い半分です。

[京都新聞]

先程のお話の中で行動力、まあこれは若さでもありますし、色々知事同士の連携などもされていらっしゃいますが、これもご意見の中には、例えば、前知事が強烈だったという反動だと思うんですが、知事の突破力というんでしょうか、知事の発信力というところを、何かふわっとしている所があるんじゃないかという見立てもあるわけですが、確かにビワイチなり、色々とやっておられることもあるんですが、何て言うんですか、突き抜けるというんでしょうか、知事として1月47日の発信力というのを使いこなせているのかという面も、あるわけですが、その辺りはどうでしょうか。

[知事]

そのお声というのは読者の方や県民の皆様方のお声だとすれば、それは私に対する叱咤激励として受け止めたいなと思います。もっと強烈な発信力を持って、存在感高めて頑張ってよっていう激励と受け止めさせていただきます。

同時に私が発信する際に気を付けていることは、三日月大造としての発信ではなくて、滋賀県としての発信、滋賀県の知事としての発信、滋賀県の発信ですので、ビワイチであったり産物であったり、また滋賀の良いもの、美味しいもの、琵琶湖、そういうものを私の発信を通じて、より多くの方に知っていただくということだと思いますので、どちらかと言うと舞台づくり、照明係、音響係のような形でその発信力を体現できたら良いなと思っているところです。

[びわ湖放送]

毎年お聞きしているかもしれませんが、この3年点数付けるとしたら何点でしょうか。

[知事]

そのご質問はいつも答えにくいのですが、3年働かせていただいたということについては及第点だと思っています。その欠かさず仕事をすることができたということの意味においては及第点をいただけるのではないかと思っています。まあ具体の点数は県民の皆様方に付けていただこうと思います。

[びわ湖放送]

未着手の一つ新幹線新駅の議論ですが、昨年この時も、この問題に関しては北陸新幹線のルートの行方が決まってからというお話だったのですが、米原ルート残念ながらということになりましたけれども、ちょっと進むのかなと思うのですが、この1年でどのように動かされることになるのでしょうか、この未着手の部分。

[知事]

おっしゃるように北陸新幹線のルートは決まりましたが、まだ決まっていないことも多くあるので、もう少し状況を見極めた上で、具体の検討をしていくべきではないかと思っています。まだ決まっていないことは何ですかと言われれば、その北陸新幹線敦賀以西についても、どこをどういう形で、またどういう負担でつくっていくのかということ、大きなルートは京都駅を通って南周りで、新大阪に繋げていくということに決まりましたが、並行する在来線の問題でありますとか、費用負担の問題でありますとか、どこにどういう方法で駅を造っていくのかということはこれからだと思います。

加えて、この決定後もですね、これは国の議論の中でもございましたが、北陸圏と中京圏との高速化をどうしていくのか、先般の中京圏の知事会の時にも議論の俎上に上りましたが、こういった議論がまた起こりつつあるというこの状況も見極めていかなければなりませんし、何よりの課題である米原駅周辺の開発や利活用の促進、今ある駅、また今ある駅前をどうするのかっていうことが、まだ十分示せてない中でですね、新たな駅を造ることだけを突出してやれるのだろうかということからすると、まず今ある駅と駅周辺ではないかということもございますので、大きく申し上げてこの三つのことがあるので、まだ少し時間がかかるのかなと思いますが、三つ目に申し上げた米原駅周辺のことについても、米原市さんはじめですね、様々な事業者の皆様方の新たなご提案もありますので、こういったものも見極めて、この提案をどう取り扱っていくのかということについて検討したいと思います。

[びわ湖放送]

そうしますと、この1年ではまだ未着手のままになるかもしれない。

[知事]

提案集に書いていますのでね、極力着手から始めて具体の成果を得られる段階に進めていきたいと思いますが、それは状況に応じてだと思います。進めることを念頭に状況をみて丁寧に行っていきたいと思います。

[滋賀報知新聞]

嘉田県政から継承されたときにですね、嘉田さんの色々な大型プロジェクトも含めて、新生美術館も国体も含めて、思い切って見直しをするべきタイミングもあったと思うんですが、知事はそこをスルーされてですね、それが先だっての財政課が出された、毎年150億円くらいの財源不足が出たり、このままいくと平成31年度ですか、基金がゼロになるという、そういう見通しも立てられているわけですが、知事の政策集の中にはですね、国体についても「未来に負担のない国体を」とされている。

そういうことで、改めてですね、大型プロジェクトを、国体も含めましてね、もう一度、聖域にしないで見直す、あるいは限度を500億円とか、色々な意見が出てますけど、少なくともこれくらいに抑えるとかですね、いままで嘉田さんを引き継いだときにやられなかった課題というのは、一番大きいのはここだったと思うのですが、改めてこの1年、本気でやるお考えがあるのかないのか、その辺どうですか。

[知事]

まず、おっしゃった大規模事業ですね、これは国体事業も含めた大規模事業を、聖域なく、ある意味ではどう作り、どう見直していくのかと、財政のことを考えてと、いうことは大変重要なことだと思っていますので、そうですね、この1年は、再来年度以降、31年度以降の財政をどう見通すのかということも含めて、この1年がとても大事な時期だと思っていますので。今日も県政経営会議の中で議論したんですけども、そのことは問われると思います、私に対して。

もちろん必要な事業はやりますが、それらをどの時期に、どれだけの費用をかけてやるのか、ということだと思うんです。国体の事業は、ある意味では年限が決まっていますので、そのときまでにやらなければなりませんが、スペックなり費用のかけ方を、いま想定されているものを是とするのか、また、どう見直すのか、いまテーブルに載っているもの以外にも、リニューアルですとか、拡充というものを要望されておりますが、それらをどう取り扱うのか、また、それ以外にも、例えば教育環境の整備や、文化施設のリニューアル等々、要望、また計画されている事業を、やるのかやらないのか、やるとすればどの規模でやるのか、これはやっぱり一定、今年度から来年度にかけて、方針なりを示していかないといけないと思っていますので、その意味においては、私の任期中にやらなければならない大変重要な課題だと思っています。

[滋賀報知新聞]

もう一つ、発信力の問題ですけども、嘉田さんなんかは、外部というか、無駄な公共事業とかですね、自民党とか、あるいはそういう権益に対して、敵を作って、県民に、あるいは全国に発信していく、日本未来の党も、国政へ、地方政党から打って出たわけですが、改めてこの間の都議選、それに伴って都民ファーストの会が国政に出るというのは、こういうものは、日本未来の党の嘉田さんやらの経験はあるんですが、三日月さんはどのようにお考えか。ありえないでしょうけど、都民ファーストの会の滋賀県版ができたら、誘いがあるのかどうか知りませんけど、国政もそうかもしれませんけど、それが一つ。

もう一つは、非常に自民党の支持率、安倍さんの支持率が下がりですね、なかなかこれは、オバマ人気なんかで便乗して上げたわけで、回復基調、右肩上がりの回復は難しいと思うんですが、受皿がないということで、都民ファーストの会とか、あるいは民進党とか分裂してですね、今のままいくと政界再編とか、当然知事選とも被ると思うんですが、やや被ると思うんですが、その辺どういう具合に、まあ民進党もどうしようもない状況ですけど、お考えあったら。

[知事]

いずれも大変私も関心を持って見ているテーマですので、また、議論できたらなと思うんですが。

まず、小池知事はじめ都民ファーストの動きですね。これは都民の選択、ひとえに都民の選択だと思います。それぞれ自治体ごとに置かれた状況も違いますので、そのことが滋賀県なりにどう影響するのかというのは、私には分かりません。ただ、私は滋賀県知事として、そういったものの、何と言うんでしょうか、混乱なりが滋賀県に及ばないように、安定した滋賀県政を行っていくということだと思いますし、そういったマグマと言いますか、何かこう敵を作って、大きく変えて、というような、もちろん時々の県民の選択としてある場合もあるでしょうけど、そういったことが、ある意味では起こらないようなニーズの把握なり、その実現に私は知事として努めていきたいと思っています。

また、今の政権に対する支持率、分かりません。報道を見ると、以前よりも下がったと、そういう言い方なり書き方が多いようにも思います。都議選の結果を見れば、そういうものが出てきたということかもしれません。なかなか長い間、高い支持率を誇るというのは難しいのかもしれませんね。私がこの世界に入ってから、そんなに長く総理を務められた方というのは、小泉さんと安倍さんしか知りません。ましてや官房長官をあれだけ長く務められた方というのも、そういらっしゃらなかったし、外務大臣、財務大臣がこれだけ長い間変わらなかったという時代も、この十数年では珍しいのではないかと思います。

その意味において、内外に安定した政権運営を示すことができたという時代だったのかもしれませんが、いつまでも時代というのは永遠に続くわけではありませんので、やはり次を見通した準備なり、また、勉強なりを、その世界にいる人達がいかにしていくのかということだと思いますので、私は私なりに滋賀県政をお預かりする身として、皆さんとこの滋賀県をより良くするための運動をですね、地方自治行政を充実させていくための取組を、しっかりと行っていきたいと思います。

[滋賀報知新聞]

国政に対する意欲というのは、将来的にはあるんですか。

[知事]

国政に対する意欲があるのだったら、私は国政をやめて知事にはなりませんでした。ただ、地方行政をやっていて、国政の影響というのは受けますので、色々と国の政策に応じて、地方創生の交付金のあり方も含めて影響を受けますので、そこに対するコミットメントは、知事として絶えずしておきたいと思いますが、いわゆる石川さんの言われる国政に対する関心が強くあるようであれば、私は国政をやめておりませんので、今は知事として職務に邁進したいと思います。

[毎日新聞]

三日月知事のことでは無いんですけども、例えば、現職の市長さん方が、周りから見て間違いなく再選を目指されるだろうなと思いながらも、なかなか出馬表明されないケースがよくあるんですけども、それってどういう心理だと思いますか。

[知事]

分かりません。

[毎日新聞]

それは他人事だから分からないということでしょうか。

[知事]

やったことないから。

[毎日新聞]

促せば、知事も現在、そういうお立場ではないかなと思って聞いたんですけど。

[知事]

やったことないというのは、私は自分自身の人生、すべてにおいて自分で決めてきました。誰かに請われ頼まれ決めたことよりも、自分で決めたことの方が多かった。しかし、首長にならせていただくときはそうだったんですけど、首長である状態で次を、というようなことはやったことありませんので、それぞれの方がどういう心理状態でその時をお迎えになっているのかというのは、ちょっと分からないです。

[毎日新聞]

知事は県民の声に耳を傾けるというのをモットーにされていると思うんですけど、三日月知事は若くて、行動力があって、大きな県政上の失敗もないということで、県民の多くが「次も頑張ってね」という声をだいぶん聞かれていると思うんですが、その声に対して耳を傾けられるご予定は。

[知事]

別にこういう場だから申し上げるわけではないんですが、若いということは分かってないことも多い。行動力があるということは付和雷同してバタバタと動くことも多い、右顧左眄することもあるでしょう。また、何となく良いこと、「頑張ってね」と言われると、そういう声ばかりに耳を傾けがちである、ということからすると、負の部分というか、できてない部分というか、そういうことにも少し目を向ける1年にしたいなと思っているんです。足りないところをどうこれから補っていくのか、ということを考えたいと思います。

[毎日新聞]

今日は各社、知事は次の出馬をいつ表明されるのかな、意思があるのかなと、しつこく手を替え品を替え聞いたんですけども、明確にないということからすると、出馬されないと判断していいんですね。

[知事]

いやあの、それぞれの方のそれぞれの判断まで、私がどうこう申し上げることはございませんが、私は与えていただいたこの任期を精一杯やらせていただくということですし、今のこの滋賀県、また滋賀県政、知事としての職務の中には、国体をはじめ、琵琶湖の課題はじめ、この任期の中だけでは収まらない課題もたくさんございますので、そういったことにもやっぱり一定の責任を持ちながら、決めることを決め、議論すべきを議論し、取組を進めていかなければならないと思いますので、そういったことを着実に行っていきたい。

審判なり評価は、その時点でまたいただくということだと思います。

[毎日新聞]

最後、卒原発ということに対する知事としてできる限界とか限度、到達点とか、限られていると思うんですけど、三日月さんとしては知事としてできる卒原発のゴールというのは、どのあたりを目標にされているんですか。

[知事]

卒原発というその言葉だけを厳密に受け止めればですね、原発から卒業する、すなわちそれは、例えば原発を使わない、もしくは原発を無くしていくということとも、ある意味ではニアリーイコールだと思います。

ただ、仰ったように、それを知事として、また滋賀県として、ある意味では任期中に、すべてできるかというと、なかなか難しい面もあります。

ですから、私がやらなければならないと考えているのは、原発を使わなくても、動かさなくても生活できる、生産できる仕組みづくりであるとか、また、原発というものの防災のあり方をですね、これまで以上に、立地県だけではない自治体についても関与できるようにしていくというようなこと、そういったことは私が任期中にやらなければならないことではないかと考えていますので、そのことを到達点、さまざまな取組をつくっていきたいと思っています。

[毎日新聞]

3年でどのあたりまでいったと、卒原発に限れば。

[知事]

まず、福井県や、国や、関西電力や、様々なところと、滋賀県の立場をきちんと主張できる、そういうテーブルづくりができたと思います。また、例えば、高浜原発の安全協定などもまだ結べていません、高島市と。こういったことは課題だと思っていますし、加えて協定を結ぶにしても、同意権のある協定という目標については、まだまだ道半ば、いや、その以前ではないかと認識しているところでございます。

ただ、そういった方針を曲げることなく、変えることなく、引き続き国に対しても、事業者に対しても、言い続けられていると、滋賀県はそういう考えでもってそれぞれ当事者と向かい合っているという、この状況は堅持できていると思っていますので、これをやはり粘り強く当事者のご理解を得るべくですね、取組を進めていくということではないかと思っています。

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