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知事定例記者会見(2017年6月6日)

平成29年6月6日
(県政記者クラブ主催)

記者会見に臨む様子

おはようございます。6月になりました。今日はまだ涼しいですが、これからいよいよ盛夏に向かいます。6月の一句ですが、私の好きな沙羅の花、夏椿がそろそろ咲く季節になりましたので「この縁 何色似合う 夏椿」と。

先週SDGsのシンポジウムを開催いたしました。「17色のバッジを付けているだけではあかんのやで」と、そういう提起もいただきまして、しっかりこれから県の施策に反映をさせていきたいと思いますし、昨日は、茨城県から笠間市立友部第2中学校の生徒の皆さんが修学旅行で滋賀県に来てくださいました。比叡山延暦寺の根本中堂で交流の機会をいただきました。ビジターズビューローの方々が中心になってセールスプロモーションをかけていただいたその成果の一つとして、滋賀県にご来訪いただきました。もちろん滋賀県だけでなくて京都も訪問されていますが、多くを滋賀県で過ごされ、宿泊も滋賀県でされ、滋賀県に来ていただいた際には、「滋賀県知事もぜひ交流の機会を持ちたいと言っています」というセールストークがどうも効いたというお話のようで、その一環で私も昨日、比叡山延暦寺で交流の機会を持たせていただき、実は、朝お礼を兼ねて、もう一度私が宿泊先のホテルに行きまして、早かったので生徒諸君には会えなかったのですが、改めてお礼を申し上げ今後の交流も引き続きやりましょうということをお願いしてきたところでございます。こういう人の縁を大切にしていきたいと思います。

今日の話題提供は3点申し上げます。

まず1点目は、本年10月から開催いたします観光キャンペーン「日本遺産 滋賀・びわ湖 水の文化ぐるっと博」についてでございます。

本県では、日々の暮らしや祈り、食において、琵琶湖を中心とした水の文化が、県内各所で生まれ人々によって育まれてきました。これら、琵琶湖を囲んで点在する構成文化財29件と人々を結ぶストーリーが日本遺産「琵琶湖とその水辺景観-祈りと暮らしの水遺産」として平成27年に、これは第1陣の認定でございますが、認定をいただきました。この日本遺産を核といたしました観光キャンペーン「日本遺産 滋賀・びわ湖 水の文化ぐるっと博」が、いよいよ10月から来年3月までの間、開催の運びとなりました。

この「水の文化ぐるっと博」は、日本遺産をはじめ滋賀・びわ湖の魅力に触れて楽しむことができる街歩きツアーや、ひと味違う体験プログラムを期間中に約70プログラム程度、準備し展開するとともに、寺社などの特別公開や様々なイベントなど、県内各地で多様な催しを実施してまいります。例えば、彦根市の「古地図で巡る「幻の彦根城外堀ぐるっとツアー」」などの街歩きツアーですとか、高島市の「漁師と行く。春の水辺景観遊覧ツアー」といった体験プログラムなど、聞いただけで行ってみたい、体験してみたいと思うような、工夫を凝らした多様なおもてなしプログラムが用意されております。

次に、文化財の特別公開についてでございますが、例えば、三井寺では、通常は非公開になっております、唐院諸堂と今回初公開となります三重塔初層内部を期間限定でご覧いただける、公開されるということでございます。このほか、比叡山延暦寺、西教寺、長命寺などの寺院のほか、東近江市の近江商人屋敷でも聚心庵などが特別公開されるということでございます。

これら各地域の催しを周遊する仕組みやイベントも実施いたします。びわ湖ぐるっと一周スタンプラリー、ぐるっと博をテーマとしたフォトコンテスト、県内の酒蔵を巡る「パ酒ポート」の販売や特別宿泊プランの販売など、県内を楽しんで巡っていただけるよう、多様な取組を予定しています。

この「ぐるっと博」の開幕を飾るべく、10月7日には、比叡山延暦寺でオープニングイベントを実施いたします。当日は、滋賀ふるさと観光大使の西川貴教さん、しが広報部長の高橋ひかるさんにご出席いただく予定でございまして、日本遺産や滋賀・びわ湖の魅力を語るトークショーや、音楽に合わせたストーリーの朗読、構成文化財である豊年太鼓踊の上演など、日本遺産の魅力をわかりやすく、楽しくお伝えし、キャンペーンの開幕を盛り上げたいと思います。

今後、キャンペーン成功に向け、さらには来年度行う大型観光キャンペーンの機運醸成のため、市町をはじめとして、事業者様、各種団体様と連携しながら、さらに充実したものにして、県内外へ積極的な情報発信を行ってまいります。本日お集りのメディアの皆様におかれましても、このキャンペーンをお取り上げいただき、情報発信等にご協力いただきますよう、よろしくお願いいたします。

続いて2点目でございます。滋賀県政世論調査についてでございます。

既に実施をしておりますが、この県政世論調査が、昭和43年の調査開始以来、今回で第50回目の節目を迎えるというお知らせでございます。「へえーそうなの」と思われるかも知れませんが、50回目の節目を迎えましたので皆様方にもお知り置きいただければということで情報提供させていただきます。

少し特徴的なところを紹介させていただきますと、提供資料の4にございますとおり、第1回の調査では、県政へ「関心あり」が23.7%、「関心なし」が69.7%でございましたが、昨年度の第49回の調査では、その割合がほぼ逆転と、時代の流れを感じるとともに、滋賀県の皆さんが県政に高い関心を持ってくださっていることを嬉しく思います。若干補足いたしますと調査方法も違ったというようなこともあるようです。

また、昭和52年に琵琶湖で赤潮が発生いたしました。大規模に発生して40年ということですが、昭和54年に「琵琶湖の富栄養化の防止に関する条例」を制定後、洗濯用せっけんと洗剤の使用状況について、第33回、平成12年度まで継続してお聞きしています。20年以上の永きにわたって、特定の消費行動について調査し続けている県は、ほかにあまり例がないのではないかと感じます。さらに、記憶に新しいところでは、平成27年度、県民の皆さんに県名変更の是非について調査させていただいたといったようなこともございます。

資料の5では、これまでの主な変更を整理しています。昨年の選挙権年齢の引下げに伴いまして、今回の調査から、対象年齢を満20歳以上から満18才以上に拡大して調査を実施しています。今年度の調査項目につきましては、これまでからの継続テーマに加えまして、「びわ湖の日」と「高齢期の生活・活動と介護」についてもお聞きしています。びわ湖の日については、どきどきしながら結果を待っています。

調査票は、5月30日に発送しております。返送期限は6月20日です。年に1度実施している県政世論調査は、県民の皆さんのお声をお聴きし、施策に反映させることにより、明日の滋賀を共に築くための貴重な機会と考えています。調査票が届いた方には、ぜひご協力をお願いしたいと心からお呼びかけ申し上げます。

それでは続いて3点目でございます。今月のイチオシということで、万葉時代を思わせるような装束の方にもお入りいただきましたが、今月のイチオシ、花と緑の滋賀シリーズ、日程の都合で2週連続となりましたが、今回ご紹介いたしますのは、こちらにお持ちいただきました近江八幡市の市の花「むしゃりんどう」、初夏を代表するお花ですけれども、もう一つ、「コスモス」の花、こちらは秋の花でございますが、この二つをご紹介いたします。

むしゃりんどうは、近江八幡市の武佐地域で発見されたのが名前の由来と言われているそうです。私も初めて知りました。このように、高さ30から40cm、初夏に鮮やかな紫色の花が咲くそうでございまして、ちょうど今が見ごろの可憐な気品のある花です。地元で栽培活動に取り組んでいる「むしゃりんどう保存会」の皆さんが、町名に由来した花をまちづくりに生かしたいと、2001年から「むしゃりんどう展」を開いていらっしゃいます。最初は約50鉢の展示から始められたものが、今では約500鉢まで規模が拡大し、武佐地域の街中で数多くのむしゃりんどうが見られるように、熱心に活動されているとお聞きしています。

今年は、6月2日(金曜日)から6月11日(日曜日)まで「むしゃりんどう展」が開催されています。中山道沿いなど10数か所で展示されているほか、数か所の個人宅でも自主展示され、中山道を歩く人たちを楽しませているということでございます。詳しくは資料をご覧いただきたいと思いますが、絶滅危惧種にもなっている大変貴重な花を、ぜひ多くの方に知っていただき、ご覧いただければと思います。ホームページ等によりますと滋賀県より西は、というか滋賀県にもほぼ存在していないというところを、武佐地域の皆さんが大切に守られ広められているというお花です。

また、資料の最後になりますが、市の秋の花「コスモス」も紹介していただいています。同じく武佐地域の方々が、農村の景観保全のため、20年近く前から休耕田にコスモスの種をまいて、田んぼ一面に咲かせていらっしゃいます。県内一のスケールで大変見ごたえがございまして、近年は県内外から多くの方が来られるようにもなっているということでございます。見ごろは10月になりますが、こちらも同じ地域の取組ということで、あわせてお薦めをさせていただきます。

本日は、近江八幡市から3名のゲストが来られています。

むしゃりんどう保存会 会長 成田傳良さん。

近江八幡市秘書広報課 参事 川嶋嘉治さん。

近江八幡市秘書広報課 副主幹 村田なおみさんです。

せっかくの機会ですので、補足説明やPRをいただけたらと思います。

(成田さん)

今、ご紹介に預かりましたむしゃりんどう保存会の会長をしております成田と申します。今ご紹介いただきましたように、むしゃりんどうは中山道武佐宿の歴史ある中での花ということで、現在まで花を継承して育てております。この花自体の寿命は約6年で終えてしまうということで、また種から、一から始めるということで、人間の手を加えないと絶滅するというようなことから我々保存会が立ち上がって、むしゃりんどうの花を育てております。紫のきれいな気品のある花をぜひとも皆さんに見ていただきたいと、今回紹介させていただきたいと思います。

繰り返しになりますが、今度の日曜日まで、まさに今見頃の「むしゃりんどう展」を開催いただいておりますので、ぜひご取材等、発信等、お力添えいただければ幸いでございます。

長くなりましたが、私からは以上です。

[読売新聞]

先週の中部圏知事会議で出た話で、その後記者会見もありましたが改めて北陸・中京新幹線のことでお伺いしたいと思うのですが、まず知事会議の中では新たな動きとして、事務担当者レベルでの会議を立ち上げるという話が出ていたかと思うのですけれども、まずそういう動きが始まったことについての知事の受け止めというのをお伺いできますでしょうか。

[知事]

先週6月2日に、滋賀県大津市を開催地とする中部圏知事会議が開催されました。その際には琵琶湖の視察とそして会議と、大きく2本立てで開催し、その会議の中で、国に対する提言項目19項目について意見を交わしまして決定をいたしました。

その19項目の国への提言の中で、とりわけインフラ整備の項目が6項目ございまして、その6項目の一つに北陸新幹線についての項目がございました。本県からはその北陸新幹線のテーマに関連するんですが、別項目で新幹線と在来線の乗り継ぎの問題ですとか、ICカードの課題等について提起をいたしました。

その北陸新幹線の議論の際に、福井県をはじめとする複数の知事から北陸・中京新幹線について、どう考えるんだというご提起がございました。もちろんルートの決まった北陸新幹線を早期に開業させることを前提に今、「基本計画路線」である北陸・中京新幹線についてもきちんと議論の土台にあげていくべきではないか、とりわけ愛知県知事からは、やはり人とモノの流動で北陸圏と中京圏は多くの方が移動されているので、当面の「しらさぎ」の運行、拡大、維持も含めてですね、この北陸・中京新幹線のルートは非常に重要であるといった趣旨のお話もあり、「基本計画路線」は山陰や四国、他の地域の路線も「基本計画路線」から「整備計画」に向けた議論の開始が様々言われておりますが、同レベルで扱われていいものだろうかといったような趣旨から当エリアにおいてもきちんと議論をし、整理をし、戦略的に取り組んでいく必要があるだろうといったようなことが多く意見提起されたので、座長でありました私の方で、現場で調整いたしまして、なんとか事務的な事務レベルでの協議を始めようではないかといった提起をさせていただきました。

そうした所が多くの賛同が得られましたので、具体詳細、今後詰めなければならないこともございますが、例えば、どの県市が加わるのかとか、どういう内容のもの、どのようなスケジュールで議論するのかといった詳細な詰めはいりますが、まず事務方の協議会のようなものを設置しようということになりましたので、これから早急に内容を詰めて議論をしていきたいと思います。こういったようなことで、知事会議のような機会に課題を共有し、とりわけ大きな課題であるこの高速鉄道のあり方を議論の俎上に乗せてですね、一定前進できるところまで前進していくという、こういうことこそ私は知事会議の一つの大きな目的だとも思いますので、そういう中でこういう合意が得られたということは、大きな前進だと思うし、その前進を確実なものとするために、しっかりと協議を促していきたいと思います。

[読売新聞]

滋賀県にとってもメリットがあるとお考えであれば、どういったところなんでしょうか。

[知事]

かねてから米原は北陸と中京、そして関西地域の結節点であるという言い方をしてきました。その米原を含みます北陸、そして米原、中京圏の高速鉄道のあり方について、事務的に協議するということですので、滋賀県にとっても大変大きな意味、意義のあるそういう協議になると思うし、そういう協議にしていかなければならないというふうに思います。

[読売新聞]

もう1点だけなんですが、そのまだ基本計画だというのは仰っていただいたとおりなんですが、具体的な敦賀、名古屋市間のルートというのは明示された計画にはなっていなかったと思うのですが、単に始発と終着点しかなかったと思うのですが、それに関して福井県からその具体的なルートも含めた提案があったということについて受け止め、所感をお伺いできますでしょうか。

[知事]

仰ったとおりまだこれからだと思います。どこを通り、どんなスケジュールで、どんなスキームで整備していくのかということも含めて具体詳細はこれから詰めなければならないと思いますので、その詰める作業をぜひ自治体も連携して進めていこうということが確認できたことを礎に次のステップに進んでいきたいと思います。

[NHK]

これまでも伺ってきた高浜原発についてですが、4号機に続いて3号機が今日の午後にも原子炉を起動されるという見込みなっていますので、これについて、知事はどのように受け止めていらっしゃいますか。

[知事]

まだ最終的なご連絡は私の方にいただいておりませんが、かねてから申し上げているとおり、私どもは滋賀県にいます、私は滋賀県の知事です、万が一想定したくないけれども事故が起こった場合には、その影響を受け得るそういう地域にいます。そういう地域として、実効性のある多重防護体制の構築が必要不可欠、急務喫緊の課題だということを申し上げておりました。

加えまして使用済核燃料の処理、管理、処分のあり方、こういったいわゆる静脈の部分、原子力エネルギーの静脈の部分の議論というのも行われておりますが、進んでいない、結論が出ていないという、こういう状況でもございます。

また、さらに県民の皆様方、国民の皆様方に、この原発というものに対する不安が根強く多くある、こういう状況下におきましては、原子力発電所の再稼働を容認できる環境にはないということを申し上げております。こういうことを申し上げているにもかかわらず、前回の4号機に加え、今回の3号機も引き続き動かしていかれるということであるとすれば、私どもにとって大変不安な状況でございます。

それぞれのお考えがありますが、福島原発事故の状況をみても、またその後の様々な課題等みても、原子力発電の経済性というものも、これも先程来申し上げております事故対応や静脈対応や、そういったことを含めますと経済性にも大きな揺らぎが生じている状況でないかと思います。短期的な料金が下げられたとしても、長期的なコストを誰がどのような形で負担していくのかということについて道筋が立っていません。こういう状況下においては、当然のことながらこの原発というものに不安を抱かれる方々が多くいらっしゃるという状況は変わらないのではないかと思います。したがって私どもは、こういう原発に多くを依存しようとするエネルギー政策のあり方を根本的に見直してですね、できるだけ早い時期に転換をして原発に依存しないエネルギー社会を作っていくべきだという国民的議論を基にですね、中長期的なエネルギー政策を構築していくべきだということを先般の国への政策提案、要望の際にも申し上げたところでございます。そういったことを引き続き、本県としては粘り強く関係個所に時々に伝えてまいりたいと思います。

[中日新聞]

県政世論調査ですが、知事は、琵琶湖の日の質問に「どきどきしながら結果を待ちたい」と仰っておりましたけれども、知事の中で、賛成である、どちらかというと賛成、反対、どちらかというと反対ありますけれども、これが賛成反対、何割以上だったらこのまま進めたいなとか、諦めようかなとか、そういう目安のようなものはお持ちでしょうか。

[知事]

特に持っていません。どきどきしながら待ちつつも、これだけではありませんので、市長さん、町長さんの方から提起いただいている様々な課題もございますので、琵琶湖の日の取組を充実させていく、もって琵琶湖の保全再生に資する取組を広げていくことが目的ですので、そういうことも含めて県民の皆様方がまずどういう感覚でいらっしゃるのかというが、まず一歩なので、そういう一歩としての結果に期待、注目をしているということです、だから特に何%だから、この結果だからこうっていうことは想定していません。

[中日新聞]

先週あったSDGsのシンポジウム、私も伺ってトーマス・ガスさんのスピーチなんか大変熱意があって良かったなと思うのですが、その中で知事がもし何か印象に残った部分あげていただくとすれば、どんな所でしたでしょうか。

[知事]

大変意義深いこれからに繋がるシンポジウムを開催できたと思っています。

しかし肝心なことはこれからでございまして、特に強調されていたのは、ソーシャルネットワーク。行政だけで何か動いていくものではないし、バッジ付けただけで何かが達成されるものではない、様々な具体の日々の生活の中での、生産活動の中での色んな具体的な取組が、この目指す姿の社会像や地球像や地域像に繋がっていくことが大変重要だと思いましたので、具体これから多くの県民市民の皆様方にも分かりやすく、このSDGsの取組を広げていくことが重要だと思いました。

その意味において午前中に中学校に一緒に参りまして、中学生との対話を、短い時間ではありましたが体験しました。もっと反応悪いかなと正直不安に思っていたのですが、皆が食い入るような目で見ていたり、先生が想定する生徒以外からの質問が出たりとか、予想以上に反応が良かったことが印象的でした。それは今ご質問にもあったように、トーマス・ガス氏の非常に熱意溢れるお話ぶりだとか、あと目を閉じてごらん、私たちのこの靴がシャツがどこで誰がどのような形で作っているのか想像してみようという、その一人ひとりの身に着けているものや暮らしの中のイマジネーションからですね、世界で起こっている課題とか、これから私たちが対処しなければならない課題等を考えていくという、こういうやり方というのは、重要だし有効だなと思いました。したがって今申し上げた、今後広げていく際に、そのようなやり方というのは、大いに参考にさせていただきたいと考えております。

[中日新聞]

今日まで県庁敷地内が全面禁煙で、大変画期的な取組かと思うのですが、知事として国の方でも議論されていますが、その辺を絡めた受け止め、ご感想とですね、あと申し上げにくいのですが、昨日、危機管理センターの前でですね、職員さんか来庁者さんか分からないのですが、相当数が歩道に溜まって煙草を吸っておられたというのがありまして、知事はそういう姿をご覧になってないかもしれませんが、知事の所に届いている職員さんなり来庁者さんなり、それから県庁には来てない県民の方から何かご意見を聞かれたりとか、そういうことがあればお聞かせください。

[知事]

今回、県庁内、合同庁舎も含めて、世界禁煙デーおよび禁煙週間に敷地内の全面禁煙の措置を取らせていただいております。愛煙者の皆様方にはご不便おかけしておりますが、しかし健康を考えた新たな取組として、試行させていただいております。私の所にそういうご不満の声等、職員も県民の方もまだ届いてはおりませんが、今回、この一週間の取組を少し総括してみて、どういう反応があったのか、どういう課題があるのか、ということを検証して今後の取組に活かしていきたいと思います。国でも色んな議論をされているようですので、ぜひ県としても積極的な取組を進めていきたいと思います。いずれにいたしましても吸う人の立場も考えますが、望まない受動喫煙を限りなくゼロにするというのが私の基本方針ですので、そういったことに資する対応策等を今後も検討していきたいと思います。

[中日新聞]

知事は吸われないのですか。

[知事]

もう今は吸っていないです。

[中日新聞]

いつまで吸われていたのですか。

[知事]

国会議員の時は、ピースを楽しんでいたんですが。

[中日新聞]

承知しました。

[知事]

内緒にしといてくださいね。

[毎日新聞]

北陸・中京新幹線の関連で2点ほどですが、知事会議のとき、知事は座長として取りまとめていらっしゃいましたけども、先ほどのお話だと、ある程度、滋賀県としても前向きに捉えられているということでよろしいのか、というニュアンスの部分ですが、それともう一点、いわゆる北陸新幹線の「米原ルート」とそっくりそのままと言ってしまえば、乗り入れもできるのであれば、名古屋もですし、大阪まで一緒に行けるのではないかと、そうしたら「米原ルート」だと思うのですが、福井県知事は色々なことを考えて今のタイミングで言われたんだと思うのですが、「米原ルート」との関連と言いますか、何か見解があれば、三日月知事は鉄道にお詳しいと思いますし、教えていただければと思います。

[知事]

まず一点目の滋賀県にとってどうなんだ、と言われれば、先ほどもお答えしましたが、北陸圏・中京圏・関西圏の結節点である米原、この米原の機能を高めていこう、そして、もって中京圏の、日本の発展に資すると、もちろん滋賀県東北部地域の発展にも資するということからすると、滋賀にとってもメリットがある、そういうテーマだと思っています。そして、二つ目にもありました「米原ルート」との関連でございますが、だからルートは小浜から京都にしたんだけどこっちのルートにしよう、ということを言うと、たぶんあの合意はまとまらなかったと思います。一定、国がこちらのルートでということで決めたのであれば、財源確保と合わせて早期開業に向けて努力をしていただく。こちらにも一丸になって取り組みつつですね、やはり滋賀県としては、かねてから問題提起していました、これで北陸と中京の流動は大丈夫ですか、ということに、これまた当県ほどではなかったとしても主張されていた愛知県知事ですとか、以前は顕在化していなかったけれども福井県や北陸圏の知事からもですね、そういった同種の、同趣旨のご発言があったことを捉えて、これなら一定の合意形成の上、次の段階に進めるかもしれないという座長としての判断で今回の事務方による協議を開始したということでございます。

その点、微妙だと思います。石川県の知事からもご発言があったように、一方で敦賀以西のルートを決めて、そちらの財源を早くほしいと言っておきながら、北陸・中京圏のルートの提起をするということがどう影響するのか、これはよく注意深くやろうな、というご発言があったように、大変一筋縄ではいかない、そういうテーマだと思いますが、しかし整理したことは整理しつつ、次の段階に進んでいくという、次の時代に向けた対応、対策、布石というのも大変重要だと思いますので、そういう観点でこれからの取組を進めていけたらいいなと思っています。

[滋賀報知新聞]

県の環境事業公社が運営する産廃管理型処分場であるクリーンセンター滋賀ですが、平成27年度以降、45,000ppmから65,000ppm、また160,000ppmという数字もあるのですが、これは一桁間違っているんだろうとは思うのですが、いずれにしてもこのぐらいの高濃度の硫化水素が発生している。RDのときは確か12,000ppmぐらいだったと思うんですけど、これが27年度以降発生して、昨年の夏まで悪臭が1kmから1.5kmくらい離れた神地区にも漂ったと聞いています。今は、悪臭は一応収まったとセンターでは話されていますけども、まず、今の現状認識を知事はどう持たれているのか。それから、今は対処療法的に脱硫剤をガス抜き管の上に設置して無臭効果がされていますが、今後の硫化水素対策の取組について、こういうものでいいのか、これが1点です。

2点目は、そもそも管理型処分場は、非常に高濃度の硫化水素が発生しないという形で設計されているものなのですが、これが出たことと、特に指摘されているのは、搬入量は供用開始時が25,000トン、目標の約60,000トンをずっと下回っていたんですけど、平成26年から70,000トンぐらいに上がったこと、ここが一つ、高濃度の硫化水素が発生したとみられていますが、知事は公社の理事長としてこの硫化水素の原因をどう考えているのか。

3点目は、RDのときもそうですが、硫化水素の発生は石膏ボードであると、県は報告をまとめられたと思うのですが、この石膏ボードの受入れを今後、クリーンセンターで例えばストップするとか、そういうようなお考えはあるのか、この3点をお願いします。

[知事]

クリーンセンター滋賀の臭気問題については、平成27年9月頃に発生して、私のところにも報告があり、対応・対策をしっかりと取るように指示をしたところです。こういった悪臭問題が起こってしまうこと自体、地域の皆様方にもご迷惑をお掛けしておりますし、早急に対応すべき課題だと認識をしています。

原因につきましては、不明のところもありますが、発生抑制対策と発散抑制対策の2本だと思っています。なぜ発生するのか、管理型処分場内における発生原因物質がどう混じっているのか、存在するのか、ということだと思っています。このクリーンセンター滋賀は、管理型処分場であり、展開検査場を持っています。したがって搬入された廃棄物を広げて中身を検査してから、問題ないものを入れることになっています。その展開検査が確実に行われているのかという状況でありますとか、また、何か見えない形で混じっているようなものが有るのか無いのか、こういったことも可能な限り調べた上で、発生抑制と発散抑制を図ってまいりたいと思います。

いずれにいたしましても、RD問題を含め、周辺住民の皆様方には多大なご心配やご不安をお持ちになる施設でございますので、こういった硫化水素問題を注意深く捉えて、しっかりと丁寧に対応していくということが重要だと考えます。今後とも環境事業公社の理事長として、知事としても対処してまいりたいと存じます。

[滋賀報知新聞]

理事長として伺いたいのですが、ここのセンターの搬入量は、当初約60,000トンぐらいを計画していたが、実際、供用開始時が20,000トンで、非常に受入れが進まなくて、議会でも相当指摘があって、ようやく70,000トンへ達したのですが、量を増やせば増やすほど、最終的な期限もかなり早めてしまうこともあるのでしょうけど、経営上から見れば、受入れをどんどんやれば経営は安定しますけども、それをやれば硫化水素の発生等々が起こる。硫化水素というのは単なる臭気だけではなくて、1,000ppmとか700ppmぐらいでも致死量に至りますから、作業員の方も大変だろうと思うのですけど、まず、その経営と受入量バランスというのは、知事はどのように考えますでしょうか。

[知事]

大変苦慮しています。たくさん受け入れれば経営上は安定するかもしれないけれども、様々な課題もあります。その中でも当然起こってはならない臭気問題は極力発生を抑制し、そして発散も抑制するけれども、何か見えないところで混じり合って発生してくるのかもしれません。同時に、たくさん受け入れるほど、その残余容量が減少するので、いつまでその管理型処分場を運営できるのかという課題にも直結してきます。そういう意味で大変苦慮しておりますが、説明責任を果たしながら、地元の方々のご理解ですとか、経営面での持続性、健全性をしっかり維持すると同時に、この処分場を運営していく責任を果たしていきたいと思います。

[時事通信]

北陸・中京新幹線の件なんですけれども、確認で恐縮なんですけど、知事としては、現在、基本計画に位置付けられている北陸・中京新幹線ですけれでも、整備計画に格上げする必要があるというふうにお考えでしょうか。

[知事]

北陸新幹線といいますか、北陸圏と中部圏と関西圏、これを高速鉄道で繋ぐべきだと申し上げてまいりましたので、それを繋げるための計画にする内容のものであれば、私は基本計画から整備計画に上げるべきだと思います。

[時事通信]

基本的には、そうした方が良いというふうに。

[知事]

そうした方が良いというか、今の法律の建付けがですね、基本計画から整備計画になり、整備計画からいよいよ着工へという、ルート決めて着工へということですので、そういう枠組みを維持するのであれば、その枠組みの中で基本計画から整備計画に上がっていくということは、私は必要だと思っています。

[時事通信]

少し前に米国がパリ協定から離脱することを表明したんですけれども、これについての受け止めをお伺いできればと思います。

[知事]

具体と実態はこれからだと思いますし、必ずしも大統領のご発言だけではないのかもしれませんが、せっかく作られた枠組みから超大国である米国が抜けられるという、そういうことを大統領が発してしまわれること自体は、大変残念、遺憾だと思います。

非常に米国とも近い関係にあると言われている日本が、もう少しその間を取り持つことができないのだろうか、また、大統領はそう発言されているけれども、経済界や社会の動きの中で、ぜひパリ協定の内容が履行されるような状況を、一緒に、協調的に作っていくことができないだろうか、これはまた共に考えていきたいと思います。

[時事通信]

先日、ご当地イラストのナンバープレートの募集というものが始まりましたけれども、これについてどういうふうにお考えなのかお伺いできればと思います。

議会や経済界からも、琵琶湖新時代を築くにあたり、滋賀県の知名度や琵琶湖の知名度を上げていくにあたり、琵琶湖ナンバーですとか、この図柄入りナンバープレートについては、かねてから検討していくべきだというご提案やご要望をいただいているところです。今の制度上、県として琵琶湖ナンバーに取り組むということが、なかなか難しいということでございますので、私もこの図柄入りナンバープレートについては、琵琶湖の形になるのかどうか分かりませんけれども、何か模して、表現して、走っていただくということについては、大変有効だと思っていましたので、前向きに検討したいと思います。

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