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知事定例記者会見(2017年5月29日)

平成29年5月29日
(県政記者クラブ主催)

彦根城築城410年祭などをPRする様子

おはようございます。5月も下旬となりました。今日は私の方から5点話題提供申し上げます。

まず1点目は、「働き方改革」についてでございます。

県庁において「働き方改革」実現のための行動計画の策定を目指し検討してまいりました。この度、平成29年度における、行動計画を策定いたしましたので、皆様方にお知らせします。

県の仕事、県庁の仕事は、人こそ最大かつ最重要の経営資源だと考えています。「働き方改革」はその意味で、最大最重要の行政改革でありまして、ある意味では、最高のイノベーションでございます。県では、昨年度、様々なご指摘等がございまして、色々と遺憾な事態もございまして、縷々検討してまいりまして、平成29年2月に、働き方改革の柱と早急に着手する緊急行動について取りまとめ、長時間労働の解消に向けて取り組んできたところですが、さらに取組を進めてまいりたいと考えています。

「行動計画のポイント」にもございますが、さらなる県民サービスの向上に向けて、「生産性の高い働き方」を実現し、仕事の質を向上させるとともに、「ワーク・ライフ・バランス」の実現により職員の資質やモチベーションを向上させることを通じまして、職員がいきいきとやりがいをもって働き、組織としての力が最大限に発揮される職場づくりを目指していきたいと考えています。

今後は、この行動計画に沿って、特に平成29年度を集中取組期間といたしまして「働き方改革」実現のための取組を徹底してまいります。

詳細につきましては、本日の午後1時30分から、行政経営企画室から説明をさせていただきます。

2点目は、アユの問題でございます。

これまでも何度かお話しておりますが、昨年12月からの今期のアユ漁は、これまでに経験したことのない不漁となってございます。アユは漁業者のみならず養殖業や加工業、飲食業など裾野が広く、4月までの5ヶ月間の不漁が県内外に与えた影響は大きいと認識しています。

4月下旬の連休前より、少し獲れだしてはきている状況でございまして、ようやく過去5年間平均の半分に達した状況であると聞いています。全体的に小さな個体が多く、産卵数の減少や産卵期の遅れが予測され、来シーズンの12月からの漁獲も厳しい状況になるのではないか心配しています。県漁連をはじめ関係団体からも、不漁の原因解明、アユの資源維持対策、緊急融資対策を要望いただいているところでございます。

こうした状況を踏まえまして、6月議会においてアユ資源の維持を柱とした緊急対応策を提案したいと考えています。詳細については、補正予算の説明時にさせていただきますが、このうちアユ資源の維持につきましては、県内養殖業者が育てた産卵用のアユ親魚を人工河川に放流していくこととなりますが、当初予算で議決いただいた8トンに加えまして、10トンの追加放流が必要と見込んでいるところでございます。

また、人工河川への放流・産卵のタイミングも重要な要素でございますが、12月の漁開始当初から確実な漁獲が得られることが大切でありますことから、人工河川で9月中に卵から孵化して琵琶湖へ流下させることが必要でありまして、養殖業者における飼育期間の関係から5月中のアユの確保が必須となるため、既決予算の執行において、たちまち必要なアユの量を確保することを優先するように担当課へ指示をしたところでございます。

議会のご協力も得ながら、今期のアユ不漁を次のシーズンに引きずらないように、原因究明も含めて、しっかりと取組を進めてまいりたいと存じます。

続いて3点目でございます。

滋賀マザーズジョブステーション出張相談について、紹介させていただきます。滋賀マザーズジョブステーションは、出産や子育てによる離職後、再就職を希望される女性を対象に、就労にいたるまでの個別相談やアドバイス、求人情報の提供や職業相談、相談中の託児などをワンストップで提供させていただく施設でございまして、平成23年に近江八幡市にあります県立男女共同参画センター内に、平成26年には、草津駅前のガーデンシティ草津内に設置いたしまして、多くの方にご利用いただいているところです。

一方で、長浜や米原など近江八幡、草津の二つの拠点から離れた地域の皆様方のご利用は少なく、湖北地域の就労ニーズに応えるため、このたび長浜市に拠点をかまえる「子育て応援カフェLOCO」さんと連携いたしまして、週1回の出張相談を6月5日より始めることとしました。

「子育て応援カフェLOCO」さんは、長浜市在住の子育て中の二人の女性が、ご自身の子育て経験のなかから「子連れ家族に優しい空間が欲しい」「子育て中のママが活躍できる場所があったらいいな」などの声を受けまして、「ママ達が求める空間を自分達で作ってみよう」との思いから始められたもので、ママ達の集いの場になっていると聞いています。

ぜひ、多くの方にお越しいただき、自分らしい働き方を探していただき、今よりもっと輝いていただくとともに、湖北地域の女性の活躍がますます進んでいくことを期待し応援したいと思います。

続いて4点目でございます。

この度、本県農業の発展に向けて、4団体と県が協定を締結し、協働で、より多くの女性農業者を育てる事業として、「女性の力を活かしたアグリビジネス創出事業」を行いますので、報告させていただきます。

まずは、ともに本事業を実施するパートナーである女性農業者の団体の皆さんを紹介いたします。

湖国女性農業・推進委員協議会 会長 池田喜久子さんです。

しが農業女子100人プロジェクト 代表 佐々木由珠さんです。

滋賀県生活研究グループ協議会 会長 西澤恵美子さんです。

こちらの3団体と、農業の人材育成が専門である株式会社パソナ農援隊の4団体が、今回の県のパートナーとなります。

本事業は、昨年6月に、県民の皆さんと一緒に県政の課題を考える場である「協働プラットホーム」で議論を行い、昨年9月、4団体から、事業内容の提案を頂き、その提案を基に、今年度、県で予算化したものの一つでございます。県民の皆さんと一緒に考え、共に事業を行うという取組は、他の都道府県にはない先進的なものでございまして、県民と共に県政を進めると考えている私としても、大変うれしい、心強いことであると考えています。

ここにおられる方も含めまして、女性は、生活者や消費者目線でのアイデアが豊富でございます。国の調査によりますと、農業分野でも、女性が経営に参画する経営体は、そうでない経営体に比べて、販売金額が大きく、収益率が向上するという報告もございます。しかし、農業分野での女性の経営参画はまだまだ進んでいないという現状がございます。そこで、今回、パートナーとなる4団体から、滋賀県農業の発展を目指し、本県でもより多くの女性が農業分野に参入し活躍しやすくなるよう支援策が必要として、先輩農業者自らが後輩を育てたいと、ご提案いただいた四つの事業を実施いたします。

まず、1点目ですが、農や食でこれからビジネスをやってみたい、という女性が、先輩農業者に気軽に相談できる場としての「女性のためのアグリカフェ」の開催でございます。しが農業女子100人プロジェクトのメンバーも、就農時に、相談できる先輩女性が近くにおられず苦労されたそうです。今後は、このアグリカフェが、これから農業にチャレンジしようとする女性の強い味方になってくれるものと期待します。1回目は、6月28日に、近江八幡市の滋賀県男女共同参画センターの1階ランチスペースで行います。続いて7月、10月、11月、2月と年5回開催を予定しています。

2点目は、実際に農業にチャレンジしたい女性が、体験できる「女性のためのアグリビジネスインターンシップ」です。協働団体には、お米、野菜、花、茶、畜産など様々な魅力ある農産物を生産する女性農業者がおられます。また、加工品の販売や、直売所の運営、農家レストラン、観光農園など女性の目線でのビジネスを展開される女性もたくさんおられます。興味のある取組の女性農業者に出向き、3日間程度体験できるものでございまして、随時募集をいたします。

3点目は、既に農業やアグリビジネスを実践している女性を対象に、さらに経営能力のステップアップを図っていただくことを目的とした「女性のためのアグリビジネス経営塾」です。10月から2月にかけて6回の連続講座として予定しています。毎回、経営の専門家による講義に加えて、経営で成功されている女性農業者との交流を行います。

4点目は、女性の農業経営者と他分野の女性経営者の交流です。経営に参画する女性農業者やこれから参画しようとする女性農業者が、他分野の女性経営者と交流し、今後の経営発展につなげようとするものでございまして、12月頃を予定しています。

以上の新たな取組を、県と協働団体が共に考え、共に取り組むことで、今後、滋賀県で農業やアグリビジネスに取り組む女性農業者を増やし、近い将来、魅力ある農業が各地域で展開されることを期待します。本日は時間の関係で、パートナーとなっていただく女性農業者の皆様方から、大変強力な女性農業者の方々からお話いただけませんでしたが、この会見終了後、若手や後輩を育てたいという先輩女性農業者としての熱い思いなどを、語っていただく予定をしていますので、ぜひ取材等いただければと存じます。

続きまして、「今月のイチオシ」のコーナーでございます。

平成26年10月からスタートいたしました「今月のイチオシ」コーナーでございますが、少し焦点を絞って、今年度は「花と緑の滋賀シリーズ」と題して、例えば、花の名所や美しい風景、木工製品や草木を使った特産品、植物に関する行事やお祭りなど、あまり知られていないけれどもオススメしたい“モノ”や“コト”を紹介していきたいと思います。

今回紹介するのは、彦根市のオオトックリイチゴでございます。私も初めて知りましたが、オオトックリイチゴは、世界でも彦根でしか見られない貴重な固有種で、国宝・彦根城の天秤櫓の前でしか見ることができないものだそうでございます。彦根城は、お城だけでなく、豊かな自然も楽しめる場所。本日はその一端を紹介させていただきます。

この植物は、資料の写真のように、6月上中旬ころから小さな花を咲かせ、7月に実がなるもので、ちょうどこれから見頃を迎えるそうでございます。オオトックリイチゴは、日本の在来種であるナワシロイチゴと、中国や韓国が原産のトックリイチゴが自然交配して、彦根の地で誕生したと考えられています。ナワシロイチゴは日本のいたるところに自生していますが、一方のトックリイチゴは庭園の植栽にしばしば用いられる植物であること、また、新種として発見された場所が表御殿跡であったことなどから、表御殿の庭に植栽されていたトックリイチゴが、在来のナワシロイチゴと自然交配したのではないかと考えられています。

詳しくは資料をご覧いただきたいと思いますし、今日は彦根市からご担当の方も来ていただいていますので、後ほどお問い合わせいただければと存じます。

この彦根城ならではの、彦根でしか見られない貴重な植物を、多くの方に知っていただき、ご覧いただければと思います。

彦根市からも2名お越しいただいています。

彦根市 生活環境課 副主査 山本 武さん。

彦根市 秘書政策課 主任 吉井 光さんでございます。

せっかくの機会ですので、補足説明やPRをいただければと存じます。

(吉井さん)

彦根市では、本種を大切にしたいということで、平成19年に彦根市指定文化財の天然記念物第1号に指定しております。現在、国宝・彦根城築城410年祭を絶賛開催中ですけれども、彦根城へ来られた際には、祭りにも来ていただいて、彦根城の中で、世界で唯一ここでしか見られないオオトックリイチゴをご覧いただければと思っています。

彦根城は、オオトックリイチゴ以外にも、県内では唯一自生しているオニバスが見られるなど、自然の宝庫です。市内でも、ハマゴウやハマエンドウなど、希少な植物を見ることができます。

(山本さん)

彦根市では、このような豊かな自然を守っていくために、オニバスの保護や外来水生植物の駆除などの活動を、市民団体とともに、市民ボランティア・大学・学生、そして私たち行政など関連機関とともに、一緒になって連携をしながら協働で環境保全に取り組んでいるところです。また、市民や子どもたちに環境のことを知っていただくために、こちらから学校や児童クラブや自治会等に出向いて、環境学習についての出前講座も開催させていただいているところでございます。今、お伝えをさせていただきましたくさんの自然、豊かな自然、観光、それから文化財だけではなく、この豊かな自然というものも皆さんの協力をいただきながら、これまで守り受け継いでまいりました。この宝というべきものをこれからの世代に伝えていくために、今後とも皆様のご協力をいただきまして、豊かな自然を体で感じていただくためにも、ぜひ彦根のほうに来ていただきまして、オオトックリイチゴをはじめとする豊かな自然を見ていただくとともに、皆さんと力を合わせて環境を守っていく活動を彦根市としても取り組んでいきたいと考えておりますので、ぜひともPRをよろしくお願いします。

非常に貴重な自然の恵みを次の世代にしっかりと残していきたいと思います。ご取材等にご協力頂ければと存じますし、そういった取組の一環といたしまして、琵琶湖の日の環境活動のご案内も付けていただいています。6月24日(土曜日)の取組でございますので、併せて周知方よろしくお願いいたします。

少し長くなりましたが私からは以上でございます。

[中日新聞]

国際的な話になるんですが、北朝鮮が今日の早朝にミサイルを発射して排他的経済水域内に落下したというニュースが報じられていると思うのですが、知事の受け止めと、そういった危機に対する対応を改めて伺えたらと思います。

[知事]

私も今日の北朝鮮による弾道ミサイル発射につきましては、早朝秘書課長からの電話でその報に接しました。急ぎ公舎に戻り、散歩中でしたので、ニュースを確認し、あれは6時40分頃だったと思いますが、菅官房長官の会見を目にしたところでございます。

弾道ミサイル等発射実験を繰り返す、こういったことは断じて許せない暴挙でございますし、今回のこのミサイルは本国の私ども国の排他的経済水域に落下したとみられるということからすれば、経済活動、これは漁業や航行船舶、航空機含めて何らかの事態が想定され得るそういう事態だったということで、大変緊張感を新たにしたところでございます。その後政府発表資料等、県庁内でも共有いたしまして、危機管理局を中心に引き続き緊張感の高いレベルで、情報収集にあたるとともに、いざという時の即応体制をしっかりと整えておくよう指示をしたところでございます。

[中日新聞]

アユの追加放流について伺えたらと思うのですが、知事の先程のご説明で、9月中には卵から孵化してというご説明があったと思うのですが、現状では県としては原因はどこにあるというふうにお考えであるのか、あと9月中に孵化させる必要性、意図というのはどこにあるのか、もう少し詳しく教えていただけたらと思います。

[知事]

現時点で今年度のアユ不漁の原因というのは、これが原因ですと、断定、特定できるというところまでは至っておりません。今なお、水産課、水産試験場、琵琶湖環境科学研究センター、国立環境研究所琵琶湖分室と連携して進めているところです。

ただ4月の下旬まで、アユが沿岸に来なかったと、沖合に偏っているということ、すなわち沿岸のエリで獲れない状況になっていたということは、一つの原因として10月以降に孵化し成長が遅れていた、こういったことも一因としてあるのではないかということでございます。また今少しずつ獲れ始めているということでございますが、聞いてみるとこの時期にしては小さいアユが多く獲れているということもあるようですので、そういった産卵から孵化する時期の遅れですとか、加えて餌の環境、こういったことを中心に、今、原因究明を進めているところでございます。

しかしこういった状況を来年度の次の次期の漁に極力影響を引き継がないということから、緊急の対応がいるであろうということで、現在最終の詰めを行っているところでございますが、それでも次の漁に影響を与えないとすれば、先程申し上げたように9月中に人工河川で卵から孵化して琵琶湖に出さないといけないと、まさに昨年度のように産卵から孵化が遅れてしまうことが無いようにしようと思えば、5月中には親をなんとか確保しておかなければならないということですので、10トンの追加放流が必要と見込み、その量の確保について担当課に指示をしているということです。

[中日新聞]

10トンの量について、これまで過去最高の量だとか、どういった数字に込めた思いを伺えたらと思います。

[知事]

10トンの追加放流は、これまでの流れでいきますと、平成17年に16トンの追加放流を行っています。平成24年には7トン、平成25年には10トンの追加放流をそれぞれ行っているということでございますので、この規模そのものが過去に例がないものかというと、そうではございません。

[中日新聞]

知事としては、今回のこの10トンというのは適切、適正な量だとお考えでしょうか。

[知事]

来季のアユ漁獲量を漁の初期から充分量確保するためには、私は適正な量であると考えます。

[中日新聞]

米原駅の東口についてなんですが、5月11日に、知事と国会議員の先生達との意見交換会が議員会館であったと思うのですが、その時に上野議員が米原駅の東口の更地になっている部分は、県有地も含まれていて市側が民間事業者と一緒になって構想を練っている中、県の方はちょっと遅れをとっていて県も一緒に考えるというそういうスタンスでやって欲しいというお話があったと思うのですが、それに対して知事はしっかりとやらせていただきますというふうにご回答されたと思うのですが、それ以降知事の中で考えが変わったところ、考えが膨らんだところ等があればお伺いできればと思います。

[知事]

5月11日ですが、私が国会議員の先生の皆様方と意見交換で申し上げたことから、私の考えが変わったことや膨らんだことはございません。引き続き県有地もございます米原駅東口、米原市と連携してその活用に向けて策の検討でありますとか、課題の克服に向けてしっかりと連携して取り組んでいくということでございます。

[時事通信]

財務省の財政審議会が、自治体の基金増加について、地方交付税等々、地方財政計画への反映をするべきではないかという建議を出されましたが、それについての受け止めをお伺いできればと思います。

[知事]

伺いますと、先週5月25日の財政制度等審議会、いわゆる財政審の建議において、地方財政計画と地方の基金の関係について言及されたことについては承知いたしております。この間、私自身は3年ですけれども、国会議員の時代からみていて、地方団体はそれぞれ財政支出の削減等に努められ、また国よりはより早く透明な形で決算等も公表、また議論等も繋ぎながら様々な地域の実情に応じて、その判断に基づいて予算を組み、決算をつくり基金を積み立ててきたということでございまして、どういう文脈でこのことを捉えていらっしゃるかということは、まだ十分定かでないところもございますが、地方団体全体として基金が増加しているから、以て地方財源を削減することは、全く不適当な議論であると考えます。

以前も問われて申し上げたかもしれませんけれども、地方交付税総額の抑制に繋がるようなことについては強い違和感を持っており、大変憂慮しているところでございます。今後こういった建議がそのまま施策とならぬよう地方六団体、全国知事会も含めて連携協力しながら、国にその思いを伝えてまいりたい、働きかけてまいりたいと思います。

[時事通信]

先程、北朝鮮のミサイル発射の問題がございましたが、他の県では避難訓練をやったりしたりしているところがあるそうですが、これについてお考えをお伺いできればと思います。

[知事]

必要な対策は全て検討し実施してまいりたいと考えますが、まだこういった事案にどう備え、また、どう訓練すれば良いのかということも十分ではないところがございますので、もう少し情報を集め、状況を見極め対応を検討していきたいと思います。

[京都新聞]

県立高校の校長先生が、県教育委員会の職員を宴席の場で大声で叱責し、土下座行為を行ったような後に、休職、昨年度末には退職した、という事例があったかと思うのですが、これに対する知事の受け止めと、教育委員会の方は上司・部下の関係にないので、パワハラに該当しない、よって校長からの聞き取り調査は行わないということを言っているわけですが、それに対する知事の見解、この2点をお願いします。

[知事]

私もこの記事の内容に驚き、内容を確認をさせていただきました。聞いたところによりますと、この当該職員の方も、パワハラを受けて今回の事態に至ったわけではないと仰っていると聞いておりますし、このパワハラというものは、職務上の権限ですとか、まさに今ご質問の中にもありましたように、地位等を背景にした言動が前提であるということから、今回の件はパワハラには該当しないのではないかということで教育委員会から報告を受けたところでございます。

その前後関係、また周りのことも含めて聞いてみますと、色んな事情があって、この記事のとおりが私はすべてではなかったと思いますが、こういった職員の方が先輩職員から色んな指導を受けるということに至り、結果的に仕事の内容が合わずに退職をされる事態に至ったと聞いています。

いずれにいたしましても、学校現場と教育委員会の仕事の内容というのは大きく異なることもあるし、人によっては戸惑いを持ったり、なかなか馴染めなかったりすることもあるだろうから、これまで以上にもっとフォローして、フォローし合って、仕事を進めてもらうように指示をしたところでございまして、今回のこの一件が、この記事の内容のとおりであるとは私は思っておりません。

[京都新聞]

土下座行為が行われた最初の出勤日から、一度も出勤することなく休職が続き、退職されたと、そういう外形的事実、そこを捉えてどう思われるのかと、厚労省の方がパワハラの形態としましては、上司・部下だけの関係ではなくて、部下から上司、もしくは同僚関係、そういった関係も想定しているというように思うのですが、それに関してはどう思われますか。

[知事]

はい、いずれにしても、人によって受け止め方もそれぞれでしょうから、そういった厚労省の通達でありますとか、そういった教育委員会での様々な仕事の実態、さらにはその中にあっての職員個々の方々の精神状況でありますとか、指導のあり方、そういったことを細かく見ながら、こういった指摘がされるような事態に陥らないということが大事であると思いますので、今、仰ったようなご指摘も踏まえて今後の対応をしっかりと整えて参りたいと思います。

[京都新聞]

再調査は必要ないと。

[知事]

今の時点で再調査が必要であるとは認識しておりません。

[NHK]

先ほどアユの件で仰ったことに関連してですが、今の時点で、徐々に回復しているとは言いますが、このことを今どう受け止めて、憂慮なのか、少し安心されているのか、深刻なのか、どう思っていらして、今回この発表された追加放流でどういう期待をされているか、伺いたいと思います。

[知事]

このことは、年明けからずっと、心配、憂慮しながら、担当職員から説明を受けてきたところであります。何とか4月下旬から5月に入って、少し獲れ始めてきたということでございますが、まだまだ全体として量が少ない、そして、確認される魚群も昨年度と比べて少ない、取れる魚が小さい、ということからすると、現時点のこの状況で、決して安心していると言える状況にはございません。まったくもって楽観できない、そういう状況であると考えています。

何より、自然のことですし、生き物のことですので、すべて解明ということは難しいのかもしれませんが、昨年の時点では卵も多かったし、漁も期待されていたところが、若干孵化が遅くて、この事態に至っているということで、まだ原因が充分解明できていないということが、我々にとって非常に大きな不安であります。

しかし、その中にあっても、この漁の実態を何もせずに来年度を迎えるということではなくて、来年度以降はこの漁の実態を引きずらないために、でき得る手段を最大限やろうと、迅速かつ的確にやろうということから今回この緊急の特別対策を実施すべく、現在準備をしているところでございまして、このことも、ただ放流するだけではなくて、しっかりとその原因究明や今後の対策に繋がっていくような、そういう放流をしていこうじゃないかということで、最終の詰めを行っているところでございます。

[NHK]

別件ですが、明日東京に行かれて政府に提案・要望されると伺っていますので、できれば取材に同行したいと思っているのですが、その中でも原子力災害の時の実効性ある多重防護体制についての要望は副知事がされると伺っているのですが、知事ご本人はどこかの省庁にこのことについては要望されないのですか。

[知事]

今、私の日程、副知事の日程、そして提案・要望を受けていただく先方の日程を最終調整しているところだと聞いています。どのテーマを、どういう時間に、誰がやるのか、ということについては、その全体調整に、ある意味では委ねていきたいと思いますので、そのような答えにならざるを得ないと思います。

ただ、今、仰ったようなことも大変重要な滋賀県からの提案・要望でございますので、どういう方に、どういう内容でお示しできるかというのは、まだ最終調整中でございますが、必要に応じて本県の立場をしっかりと申し述べさせていただきたいと思います。

[京都新聞]

日曜日ですかね、安倍総理の在位日数が歴代3位になったということらしいのですが、知事も一つの自治体の長として、政権と向き合ったりされている中で、どういうふうに受け止めていらっしゃるかということを伺えますでしょうか。

[知事]

長きにわたり総理という重職を務められるというのは並大抵のことではないと思います。それが歴代3位ということであれば、私はその日々の公務のお勤しみに敬意を表し、ある意味では感謝も申し上げたいと思います。

心身の健康があっての様々な判断でしょうし、海外にも、今回のサミットもそうですし、多数赴かれているということからすれば、その状態を健康に保たれるということにも、これまた並々ならぬご努力をされていることと思いますので、そういったことはある意味では見倣っていきたいというふうにも思います。

ただ、長くなると色々と弊害の出てくる面もあるのかもしれません。私は総理をやったことないので分かりませんけれども、ですから先ほど申し上げた健康管理の面、そして様々な情報が総理のところにどう入っているのかといったようなことも含めて、その官邸や権力の体制を点検していただければと思います。

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