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知事定例記者会見(2017年5月9日)

平成29年5月9日
(県政記者クラブ主催)

俳句「ビワイチや 橋渡りてよし 夏来る」を披露する様子

おはようございます。5月、たいへん爽やかな季節となってまいりました。おかげ様で滋賀県では大きな事故、災害、事件なくゴールデンウィークを過ごすことができました。この休みの期間中も、警察の皆様、消防の皆様、救急の皆様、また病院関係者、交通事業者などなどお仕事をして下さった方も大勢おられます。敬意を表し感謝を申し上げたいと思います。また、今、東北地方で、乾燥状態で大きな山火事等が起こっています。消火活動など懸命な作業が行われていますので、早期の終息お祈り申し上げたいと思います。

そういう中で、私も期間中、公務の合間を縫って県内各地を回らせていただくなどして充電をいたしました。5月7日に、南湖1周ではありますが、ビワイチ、既にフェイスブックやインスタグラムにアップしていますが、「ビワイチや 橋渡りてよし 夏来る」ということで、連れ合い、妻と一念発起いたしまして、南湖1周、南湖1周は2回目ですが、今回は洗堰まで行ってまいりまして、瀬田川の状態等も確認をしてまいりました。南湖1周の中でいくつか感じたこともございますので、さっそくビワイチ推進室長に改善点を申し上げながら、今後の作戦会議をしようということを伝えたところでございます。

その他、既に報道等でも出ておりますが、琵琶湖バレイでも大変多くのお客様が、また、県内施設では琵琶湖博物館で4月29日から5月7日まで、対前年で270%のお客様がいらっしゃったと。これはリニューアルの改善効果も一定あると思いますが、たいへん多くのお客様が来られておりますので、こういったことを糧にこれからの諸施策を進めてまいりたいと存じます。

さて、今日は話題を3点申し上げたいと存じます。

まず、1点目は、職員等の採用試験についてでございます。実施計画を発表しました。このうち、5月15日から受験申込みの受付が始まる上級試験につきましてご説明申し上げたいと思います。今年度の変更点は2点ございます。

1点目は、複雑多様化いたします行政課題に対応するため、民間企業志望者を含めたより幅広い層から受験していただきやすいよう、従来の「行政A」に加えて、新たに「行政B」という試験区分を創設しています。このAとBに何か高い低い、優劣といったことはございません。

この「行政B」では、専門試験を廃止する代わりにアピールシートを実施するなど、民間企業志望者を含め特別な公務員試験対策をしていない方にチャレンジしていただきやすい試験になっておりまして、今まで培ってきた能力や経験を滋賀県のために役立てたいとの強い意欲があり、それをアピールできる方の受験をお待ちしています。

2点目は、社会福祉行政を担う職として「社会福祉職」を新設いたしました。県や子ども家庭相談センターにおける福祉行政や、近江学園など児童福祉施設等における生活支援等の業務など、これは大変需要もございますので、社会福祉に関する幅広い業務を担っていただく職となっています。

平成29年度の採用予定数につきましては、全体として、昨年度より4人多い、118人を予定しております。全て遡って調べられたわけではないですが、平成に入ってからは最大規模の募集定員ということでございます。

内訳は、行政Aが54人程度、行政Bが5人程度、社会福祉職が8人程度、総合土木職が20人程度、その他警察事務、環境行政、化学等の職種を合わせまして31人程度となっています。

ぜひ滋賀への熱い思い、琵琶湖への熱い思いを持つ皆さんに、多く受験をしていただきたいと考えております。多くの方に受験いただくためには、滋賀県職員の業務内容や魅力、やりがいなどについてアピールする必要がありますが、私自身も県庁就職セミナーに出席するなど、受験を希望される皆さんに直接お会いして、滋賀県の魅力、やりがいなどについてお話しさせていただいているところです。

お手元に採用案内パンフレットをお配りしておりますが、現役の県職員が自分の担当業務について、またどんな点にやりがい、ある意味では戸惑いもあるのかも知れませんが、感じているかなどについて紹介しています。キャッチコピーに「開け拓け滋賀のトビラ」とありますが、滋賀県職員は、まさに滋賀県の未来をつくっていく。ある意味では日本の様々な行政を引っ張っていく、拓いていく、そういうやりがいのある仕事だと思います。滋賀県のために、また県民の皆様のためにともに頑張ってくれる方、滋賀への熱い思いを持つ方と、ぜひ一緒に仕事がしたいと考えています。

上級試験の受験申込受付期間は、5月15日(月曜日)から6月5日(月曜日)まででございます。報道機関の皆様からも、積極的な周知にお力添えいただければ幸いでございます。

続きまして2点目は、びわ湖フローティングスクール「うみのこ」の次の新しい船を現在建造中でございます。平成30年5月、1年後の5月に運航される建造中のびわ湖フローティングスクールの新船の船名を募集させていただきたいという告知でございます。

ご存知のとおり、本県では全国ではただ一つ、主に県内の小学生5年生を対象に、琵琶湖を舞台にして、宿泊体験型の教育を行っています。環境に主体的に関わる力や人と豊かに関わる力を育んできています。私は乗ってないんですけれども、私の一つ下からがうみのこ世代ということだそうです。

昭和58年に就航して以来、約52万人の児童が乗船しています。この数はまさに県民の約3分の1、3人に1人以上が乗船された計算になりまして、最近では、親子二代で乗船された家庭も増えつつありまして、まさに滋賀県のシンボルでございます。

現船は「うみのこ」という名前でございますが、多くの県民の皆様に愛され、親しまれ、定着し、愛着のある方が多いと思いますが、新船の建造にあたり、改めて県民の皆様をはじめとする多くの方々と一緒に、新しい船の名前について考えたいと思いますので、ご意見をお寄せいただきたいということでございます。

募集期間は、5月10日から6月9日(金曜日)の1か月間でございまして、「しがネット受付サービス」または、郵送で応募を受け付けたいと存じます。応募いただいた船名の中から県が設置する選考会において、3点程度の候補に絞り込み、最終的に私が船名を決定したいと考えています。採用された船名の応募者1名には、新しい学習船のペア体験乗船と近江米「みずかがみ」10kgを贈呈いたします。ただし、同一船名を応募した方が複数の場合は、抽選により決定したいと考えています。ぜひ、周知方よろしくお願いいたします。

3点目はですね、「われは湖の子さすらいの 旅にしあれば しみじみと」という琵琶湖周航の歌ですね。私も、学生時代に湖国寮で肩を組んで歌ったことは、故国・郷土に思いをはせる一つのきっかけにもなりましたし、広島で滋賀県人会の皆さんと歌ったことも思い出ですね。国会議員時代もたくさん歌いました。

この琵琶湖周航の歌が誕生してから、今年で100周年ということでございます。これを記念して、県内各地で多彩なイベントが開催されます。本日、私からは、たくさんイベントが行われますが、6月24日に滋賀県と高島市が共催で行います、高島市民会館と琵琶湖汽船ビアンカ船内で行う記念式典についてご案内いたします。

お手元にお配りしているA4版のチラシのとおり、式典は第一部と第二部に分かれております。第一部では、琵琶湖周航の歌の原曲の「ひつじぐさ」の合唱を、作曲者である吉田千秋さんの出身地、新潟市の合唱団に披露していただきます。また、琵琶湖博物館の篠原徹館長と琵琶湖周航の歌の研究者の飯田忠義さんにご講演いただいて、より歌への理解を深める機会になればと思っております。最後には、びわ湖ホール声楽アンサンブルのメンバーと湖西合唱連盟の皆様、来場された皆様で大合唱をするということでございます。

第二部では、ビアンカでのクルーズを楽しんでいただこうということで、船内では、~Lefa~さんのミニコンサートや、滋賀県スポーツ大使の伊勢田愛さんをはじめとするお三方に湖上スポーツの魅力について語っていただきます。その他にも、琵琶湖博物館と近代美術館の学芸員によるワークショップや名産品の販売などもございますので、ご家族で楽しんでいただけると思います。

本日の午後より、応募受付を開始する予定でございます。今日まで歌い継がれてきた歌の情景や歌詞に思いをはせ、改めて歌の魅力を感じ、みんなでお祝いをさせていただきたいと思います。

また、関連するイベントといたしまして、たくさんあるんですが、既に報道等でご案内があったと存じますが、6月30日に加藤登紀子さんがいらっしゃって、びわ湖ホールの大ホールで「びわ湖音楽祭」が開催されますので、そういったチラシについてもお配りしていますし、そのほかにもたくさんあるようでございますので、一覧にまとめた広報物も現在作成中でございますので、出来上がり次第お配りさせていただきたいと存じます。

長くなりましたが、私からは以上です。

[中日新聞]

最初に、北朝鮮のミサイルの話から伺えたらと思うのですが、県の教育委員会がミサイルの対応に対して、通知を各市町の教委に出して、そこから子ども達に行き渡っていると思うのですが、4月の末だったと思うのですけれど、滋賀の教職員組合が県教委の対応が無責任ということで、抗議文書を提出されたと思うのですが、またその後日、5月の初めに湖南市長が県教委の対応が通知の内容が実態に伴っていないというような趣旨のことを言われたと思うのですが、知事の受け止め、どういうふうに思われているのかというのをお聞かせください。

[知事]

まずこの北朝鮮の弾道ミサイル対応につきましては、特に4月に入ってからですね、国においても状況について観測が行われるとともに、対応について協議が行われてきました。4月の21日に内閣官房が都道府県防災担当者を対象に説明会を開催されてもおります。私自身もこの問題については、前回の会見の時にも聞かれたかもしれませんが、あらゆる事態を想定し、緊張感を持った対応が必要だということから、関係部署において国の情報を基にした対応に万全を期すように指示をしたところでございます。

その一環で、県教育委員会から市町の教育委員会を経由して学校等に通知文書が配布されたということでございます。

私としては、知事として行政として必要な対応を行ったと思っていますが、例えばご紹介いただいたようにご質問の中にもありましたように、一部市町の長から、また教育委員会から、また関連する団体等から、この配り方等について、意見、疑問や抗議が届いている、こういうこともございますので、この配り方や言い方や表現の内容、そういったことに改善すべきところがあるとすれば、これは謙虚に不断に検討し改善を行って参りたいと思っております。なお、この事態については、一部北朝鮮の高官と米国関係者が秘密裏に対談されているという情報もございますが、なお予断を許さない状況だと思いますので、引き続き緊張感を持ちつつも、この対応については、今後どうあるべきか検討を行っていきたいと思います。

[中日新聞]

今、配り方、言い方や表現に改善するべきところがあればとおっしゃったと思うのですが、知事としては、配り方、表現、言い方のどういったところに。

[知事]

今回は時間が無い中で、また前例が無い中で、この配り方で私たちは良かれと思ってやったつもり、もしくは教育委員会については良かれと思ってやられたつもりであったと思いますが、例えば、事前に照会をする組織が色々と伺いますと、県立学校公務運営協議会に最初に文書を配布して、その内容の確認を行われたということですけれども、この組織で良かったのかということでありますとか、また小学1年生から中学3年生まで色んな成熟度合い、大きな差のある子ども達に同じ内容のものが行っていたとすれば、そういう内容で良かったのかといったことですとか、一部市町で対応が分かれたとすれば、県がそういう危機管理情報として発する文書の配布伝達の仕方として、果たして適切であったのか無かったのか、もし全体に配るとすれば、どういう配り方があったのかというようなことについては、検討すべきところがあるのではないかと考えています。

[中日新聞]

県立学校公務運営協議会で良かったのかどうかとおっしゃったと思うが、これ以外にどういった所が適切だったと捉えていらっしゃるのでしょうか、あと、全部の市町に連絡が行き渡っていると私は認識していたのですが、一部市町に対する説明が良くなかったということをおっしゃったと思うのですが。

[知事]

いえ、一部市町によっては、県が通知したものの内容に沿って通知をされなかったという事態になりました。それが良かったのかどうか、もしそれを良しとしないのであれば、どういう配り方なり伝達の仕方があるべきなのかということですね。従って最終的には県内全ての市町、県の教育委員会をして文書が通知されたと伺っておりますが、最初にその通知を配布された先がですね、県立学校公務運営協議会といったところに配布をされて、内容の確認等をされたとすればですね、そういうやり方が果たして適切だったのか、また繰り返しになりますけれども、県が市町教育委員会を通じて県の教育委員会が市町教育員会を通じて各学校に通知を配布した、しかし市町によって対応が分かれたということなので、そういったことを県当局として是とするのか、こういった危機管理の文書の伝達の仕方としてこういったことは良いのか悪いのか、これについてはよく検証が必要になると思います。

[中日新聞]

話は変わるのですが、知事の最初の話題提供の中で、ビワイチの話をされたと思うのですが、南湖一周をされてビワイチをする中での課題や、また自分の目で見て感じるものがあったとおっしゃられたと思うのですが、そういった課題を含めた今後の改善、今後のビワイチを更に盛り上げていくための知事が持っている構想がもしあればお話しいただけたらと。

[知事]

構想というよりも、今回この4月にビワイチ推進室を設置いたしました。早速、室の皆さんでビワイチを完走されるなど、精力的に活動していただいています。改めて、このビワイチをどう盛り上げていくのか、安全快適にどう走行していただけるのか、計画を作っていただくことになっていますので、その中にもしっかりと反映させていきたいと思いますが、より安全に走行していただくという環境ですね、道路環境、走行環境、また案内環境、これが十分なんだろうか、今回新しいパンフレットを作りまして、随分好評だそうです。

各お店で「どうですか」と言ったところ大変好評だと伺いましたが、その中にも掲載されているんですが、レスキューしていただける箇所は1箇所しかないんです。今回のゴールデンウィーク中も、初心者の方が、「人気だと聞いて楽しそうなので、たくさん回られているので私も乗りたい、走りたい」ということで随分レンタルをされて挑まれたそうなんですけれども、行くと、北湖だけでも相当走って途中で疲れたら、パンクしたらどうなるんでしょうかといったことを考えられて、「じゃあ止めておく」という方もいらっしゃったようで、そういったところを、「一度走ってみて下さい。だめだったら途中でちゃんと助ける部隊がいますので」ということがあれば、もっとより多くの方に参加していただけるんじゃないですかというご提案もいただきましたし、例えば琵琶湖大橋を東から西に渡る時、走られた方だと分かると思いますけれども、琵琶湖大橋を守山側から大津に渡る時、北側の歩道を通りますか、南側の歩道を通りますか、本当は、お薦めは北側の歩道なんです。広いし天辺にビュースポットの案内もあるので。しかし何も知らずに南側を通って東から西に渡られる方もいらっしゃって危なかったり、フォトスポットが無かったりということで、随分渡ってから乗換えながら渡り直す方がいらっしゃるそうで、そういった所はやはり案内があっていいんじゃないでしょうかということで、現地で同じようにサイクリングする方から伺ったこともございましたので、そういったことをまずは更なる改善を図っていきたい、そのことをみんなで是非検討をしていきたいと思っています。

[NHK]

県職員採用試験の件で、民間企業を経た方を募集するという部分については、生え抜きの県職員の方に何か足りない部分があるというようなお考えでしょうか。

[知事]

いえ、決してそうは思いませんが、より県庁力を高めるためにもっと多様な方に入っていただく必要があるのではないかと考えての措置です。

[NHK]

どういう部分を期待されますか。

[知事]

全体の奉仕者であるという公務員のある意味では、融通の利かなさっていうのは大事にしたいと思っているのですが、しかし一方で、多様で複雑化する行政ニーズに対応していくためには、しなやかに柔軟に対応する能力っていうものも求められていく、よりしなやかに柔軟に、ある意味ではにこやかに前向きに対応する能力っていうのも求められている。そういう能力が、果たして十分かっていうと、まだまだ高められる余地があるのではないかということから、今回のこういった措置になったということです。

[京都新聞]

同じ採用の話で、過去最大で去年より4人多いという数字だということなんですが、この意味合いというのはどうして増えたかという部分で、なぜ増えたかという部分ではどのようにお考えになられているんでしょうか。

[知事]

以前からの話があったかもしれませんが、退職に応じてどう採用するのか、また効率的な最小の投資費用で最大の効果を求める、こういう二つの原則を守りつつですね、しかし必要な行政サービスを行っていく上で、どう体制を作るのか、そのためにどう採用するのかいう中で、今回はこの採用希望を提示させていただいている、従って福祉職もそうですし、様々な土木、農業土木を含めた仕事もそうですし、必要な所に必要な人が配置できるよう募集をかけるということです。従って何か最大規模を目指すがために作った定数ではございません。

[京都新聞]

そうすると国体等もございますし、全体的に業務が増えていてそれに対応するための増員という理解でよろしいのでしょうか。

[知事]

そうですね、大きく言えばそういうことだと思います。

[京都新聞]

若しくは退職者が増えているから、それを補充するための規模であるということもあると思うんですけれども、如何でしょうか。

[知事]

個別にみると増減があるんですよ。県庁内のこの上級公務員試験は色んな分野に分かれていますので、個々それぞれ増えたり減ったりというところがあるんですが、全体としてみれば大量退職時代、そして幅広い行政ニーズに対応するための組織づくりというこの二つのことから今回定数が上がったものです。

[毎日新聞]

教育勅語に対する見解でお尋ねしたいのですが、先日、全滋賀教職員組合が知事に要請を出されたということで、その中で触れておられるのは、知事が定例会見の中で教育勅語には今の時代に通じるものがあると、一定評価されたと受け止められたと思うのですが、それに対して組合の方は「訂正されたらいかがですか」という申入れだったと思うのですが、訂正されますか。

[知事]

まずですね、私の教育勅語に対する考え方は前回も申し上げたとおりであります。2回にわたって聞かれたうちの、2回目に聞かれたことに対する答えに対して、そういう抗議文書なり、意見のお手紙をいただいたと承知をしています。

1回目にもお答えしたように、今の時代には合わない、国民を臣民と捉える、そういった発想は、私は違うと思うということを前段に申し上げていたと思いますので、その意見の文書の中にある記述とですね、私の考えとは、そんなに齟齬はないのではないのかなと考えています。

ただ、言葉の使い方とか、ものの言い方で、もっと歴史なり内容を踏まえた会見での回答をすべきだと、こういうご指摘がいただけることは大変ありがたいと思っておりますので、引き続きこの文書の中身、頂いてすぐ読ませていただきましたが、折に触れ読ませていただきながら、咀嚼し、今後の言動に反映をさせていきたいなあと思っています。

[滋賀報知新聞]

安倍自民党総裁が、憲法改正ということで、9条の2項を変えるかと思ったら、2項を変えずに自衛隊の存在というのを追記して、2020年ですか、新しい憲法を施行される年にしたいというメッセージを日本会議の集会で流されたようですけど、これに対する受け止めを伺いたい。

[知事]

私も、その報道に5月3日に触れました。驚きました。率直に申し上げて。通常、内閣総理大臣はどこかの政党の代表なり総裁がお務めになるということが多いのですが、内閣総理大臣がその立場ではない一党の総裁として発言されるということは異例ですので、大変驚きました。と同時に、それだけ憲法というものに対する想いを、憲法を自分たちで作るんだ、必要に応じて改正するんだという、そういう自民党総裁としての、自民党総裁である内閣総理大臣・安倍晋三氏の大変強い意欲、意気込みがあるんだなと、いうふうに理解をいたしました。

あとは、こういった自民党総裁としての内閣総理大臣のご発言を受けて、国会なり、また政党なり、私たち国民がどうしていくのかということが問われていく、そういう状況ではないかなと思います。ただ私は前から申し上げているように、憲法で縛られる権力側は謙虚であるべきだというのが私の持論です。

99条にありますように憲法擁護尊重義務、これをしっかりと持っているということを前提にですね、しかし、この憲法の中にある条文なり内容が、果たして具現化されているのか、日常の生活において、また、国家と国民、権利と義務の関係、さらには権力と自由といったものが、時代の流れの中で、時代の変化の中で、そぐわないのか、合っているのかという、この不断の検証は行っていくべきだと思いますので、こういった議論が、今後、総裁、総理大臣のご発言によって、より深まれば、私たち国民の中で深まれば、憲法に対する理解も広がるのではないかなと思いますので、そういった面は期待をしたいと思いますし、地方自治に関して申し上げれば、以前もこの会見で聞かれましたが、全国知事会でも議論いたしました衆参の関係、国会の両議院の関係ですね、また、合区というもののあり方の問題、第8章92条から4条項のみ規定されている地方自治のあり方ですね、こういったことについては、より議論をし、より中身を明確にすべきだという考えもございますので、そういったことは、われわれ地方自治体、また、首長・知事としてもしっかりと議論をしていく必要があるのではないかなと考えているところです。

[滋賀報知新聞]

憲法9条の1項と2項というのがありながら、自衛隊の、現実的には自衛隊は存在するわけですが、自衛隊の存在を明記するという、そういう選択をしたと、安倍さんらしくなく、この辺の9条のいじり方については、知事はどのようにお考えですか。

[知事]

9条については、まず、安倍自民党総裁もどうおっしゃっているかと言えば、昨日の予算委員会の質疑、私も一部しか、報道を通じてしか見ていないのですけども、読売新聞にインタビュー載っています、みたいなご答弁もあったように聞いています。

この読売新聞のインタビューを見ますと、「そこで例えば」という前置きで、「1項2項をそのまま残し、そのうえで自衛隊の記述を書き加える、そういう考え方もある中で」、という表現をされていることからすると、まあこういう考え方もあるので、ぜひ議論しようという提起ではないかなと思っています。

ただ、この9条というのは、太平洋戦争、第2次世界大戦を経て、深い反省や平和に対する強い想いを持つ中で作られた条項、さらには、このことをもって日本に対する大きな信用・信頼がある、こここそ平和の礎だという想いも一方である中での条文ですのでね。今回の安倍総裁の真意がどこにあるのかということを、もう少し深く確かめつつ、各政党がこれについてどう考えるのか、一部報道によれば、自由民主党の中にも、このことに、それでいいのだろうか、というお話があるやに承知をしておりますので、この点についても、先ほど申し上げたように、今回の総裁のご発言を受けて、どう考えたらいいのかということを議論していく必要があるのではないかと思います。

[滋賀報知新聞]

2020年という形で切ったという、非常に、ある意味では拙速かもしれませんけど、この切り方というか、切迫感というか、この辺はどのようにお考えですか。

[知事]

2020年というと、今から3年ですよね。安倍総裁がどういう工程で2020年というのをターゲットにされたのかというのを、私も承知しておりませんので、そのことに対して詳しく答えることはできませんが、非常に短すぎる時間だなという印象はあります。

[びわ湖放送]

フローティングスクールについてお聞きしたいのですけど、県が設置する選考会というのは、どういったメンバーになるのかというところと、あとは、「うみのこ」という愛称は、非常に県民が愛着をもって慣れ親しんでいるかと思うのですけど、やっぱり「うみのこ」がいいという意見が多かったら、また「うみのこ」になる可能性というのもあるのでしょうか。

[知事]

まず、選考会については、すみません、私の手元にいま資料ございませんので、詳しくは教育委員会等にお尋ねいただければと存じます。

二つ目にお問い合わせのあった、「うみのこ」という今の船名に対する強い愛着、これは私も持っていますし、多くの方が親しみをもって呼んでいただいていることは私も知っています。したがって、それが今回の船名募集でどう現れてくるのかということも、よく確認させていただいて、今後の船名の検討に付していきたいと思っています。

色々と伺いますと、船の船籍の登録上、今ある船と、次つくる船と、同じ船名でということには、ずいぶんハードルもあるようでして、そういったことをどうクリアできるのか、できないのか、そういったことも考え合わせながら船名を検討していきたいと思います。

[びわ湖放送]

今回はネットと郵送ということですけども、子どもたちの意見を学校で聞くとか、そういったことはされないのでしょうか。

[知事]

大事な視点だということで、例えば、今回この募集期間中にも、今の現船に乗っていただく子どもたちがいますので、その子どもたちには聞いてみよう。また、できる限り広く、新しい船に乗る子どもたち、これは今の4年生ですね。これについても県内各地の学校に、こういった船ができます、いま名前を募集しているんだけど、今の船は「うみのこ」だけど、どんな名前がいい?という問い合わせをしようと考えておりますので、そういう意味で子どもたちにも参画してもらう形で決めていきたいと思っています。

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知事公室 広報課 報道係
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