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知事定例記者会見(2017年4月11日)

平成29年4月11日
(県政記者クラブ主催)

紙のジャケットをPRする様子

おはようございます。「さまざまの こと思い出す 桜かな」と、これは芭蕉の句でございますが、満開の桜には悲しい雨ですよね。ただ、この桜の風情をたのしみながら過ごす昨今でございます。

今朝、行われた県政経営会議におきまして、私の方から新年度のスタートをスムーズに切ることを前提に、3点幹部に申し上げました。

1点は、公務労働に当たる者として、規律の厳正を求めました。一事の不祥事で万事の労働が無に帰することもございますので、このことをまず申し上げました。

2点目は、災害に対する備えを改めてしっかりしようということでございます。熊本の震災から1年が経ちます。新たな職場になり、連絡先の確認、また備品の確認等しっかり怠りなくやろうということでございます。

3点目は、働き方についてでございまして、新年度新体制であるからこそ、昨年度来行っております働き方改革、もちろん仕事全体の見直しは行いますけれども、より先にできることがあるのではないかということで、例えば、出退勤のチェック、これは人ごと、課ごと、一定の日にちごとですね。また、作業業務の簡素化、会議協議の見直し、さらには繁閑の調整ですね。忙しい時と忙しくない時との調整、また忙しい部署と忙しくない部署との調整、こういったことを柔軟にやって、働き方改革に結び付けていこうということを幹部に伝達したところでございます。

さて、その上で、今日は私の方から3点の情報提供をさせていただきます。

1点目は、いつもの法被とは違って、ちょっとおしゃれなジャケットなんですけれども、ちょっと雰囲気が変わるでしょう。このジャケットはですね、私も作った時からとても気に入っているジャケットですけれども、何でできているかということなんです。これは実は紙でできています。この紙のジャケットはですね、企業が県の工業技術センターの支援を受けて、糸作りから挑戦されて、約3年かけて布、織物を作り、形にして販売されるにいたったものでございます。

そういう素材でできたスーツなんですけれども、今日、私が着ているジャケットには、さらに滋賀ならではのこだわりを付けていただいておりまして、一つ目はこのボタンです。このボタンが琵琶湖の淡水真珠の母貝であります、イケチョウ貝から丸く採って付けていただいたボタンでございまして、もう一つは、この袖にさりげなくちらっと見える、琵琶湖の刺繍ですね。琵琶湖の形の刺繍ということで、琵琶湖新時代と申し上げておりますので、いろんな場面でこのジャケットを着ていきたいなと。また裏地は、あんまり私はこういうのは持たないですけれども、青い琵琶湖カラーの色を入れていただいておりまして、こういったこともできる紙のジャケットということでございまして、ぜひ皆様方にもお知りいただき、お取上げいただけたらなと思い、今日紹介をさせていただきました。

今日は、この紙のジャケットを作っていらっしゃいます「古川与助商店」の河村さんと、ジャケットのボタンを担当していただきました「神保真珠商店」の杉山さんにお越しいただきました。せっかくの機会ですので、お二人から、ジャケットの特徴などをお話しいただきたいと思います。

(河村さん)

株式会社古川与助商店の川村と申します。弊社は今年で55年目になる、もともとは西陣織の金銀糸等を作っていた会社でございます。その工程で部材を細く切るという、カットする技術があるんですけれども、今、こちらに知事のジャケットにもなっております元の糸ですね。これは和紙を4ミリにカットしまして、西陣織の撚糸機にかけましたら、こちらの撚糸になりまして、そこから生地を作りまして、知事のジャケットまでつながったという商品でございます。

特徴といたしましては、まず軽いんですね。綿の糸の2/3の軽さで色も好きな色に染めることができます。このジャケットも120色の色のサンプルから選んでいただきまして、知事は奥さまと相談していただいて決めていただきました。

今、私が特に良かったなと思いますのは、色んな方との連携で最終製品を作ったことによって、神保真珠さんもそうですが、染色の会社、縫製の会社、衰退していて皆さん結構大変なんですね。その仕事が少しでも増えたということを喜んでいます。今後もいろんな方と連携していきたいなと思っております。ちょっと大きな夢ですけれども、この和紙糸を東京オリンピックに使っていただきたいなと思っておりまして、この1週間かけて東京都知事にお手紙を書いています。

そうですか、それは初耳でございました。では杉山さんお願いします。

(杉山さん)

神保真珠商店の杉山です。私は店で琵琶湖の真珠を販売しています。琵琶湖の真珠をつくる母貝ですが、真珠を作るのにこの母貝まず3年間育てます。そのあとに養殖をしまして、さらに3年かけて貝がここまで大きくなって、真珠は6年かけて育つことになります。

琵琶湖の真珠の特徴は、1回だけ貝で真珠を作るのではなくて、生きている状態で真珠を取り出して、またさらに3年かけて真珠を作り、多いもので一生で4回ぐらい作るので、貝がどんどん大きくなっていきます。大きく立派になった貝で何かできないかなと思いボタンを作ることにしました。もともとはシャツのボタンを作っていたんですね。この貝はそんなに厚みがないので、ジャケットのボタンを作るのは難しいだろうと思っていたのですが、今回、河村さんとお仕事させていただき、この貝からジャケットのボタンは2つぐらいしか採れないぐらい希少なものですが、こうやって形になってジャケットに付いているのを見て、すごくうれしく思っています。

この貝はすごくたくさん獲れるわけではなく、養殖業界も少ない人数でやっています。養殖業界を発展させるために、ボタンを作って還元していきたいと思っていますので、こういう全て使って盛り上げていきたいと思っています。

ありがとうございました。今、河村さんと杉山さんからそれぞれお話があったとおりでございまして、私自身も先頭に立って、セールスに取り組んでいきたいなと思いますし、まさに1本の糸から、この思いを形にするような仕事、この素材を、イケチョウガイ、もちろん琵琶パール、淡水真珠もそうなんですが、この母貝まで活かしてシャツのボタンや、ジャケットのボタンを作り活かしていこうと、デザインもそうですし、色んな横つなぎですね。こういったことで県の工業技術センターも役割を果たしていきたいと思いますので、どうか皆さんがお取上げいただき、報じていただいた方々からのお問い合わせやご相談をお待ちしておりますので、どんどんお寄せいただければと思います。

続いて2点目でございます。この度滋賀県と株式会社関西アーバン銀行との包括連携協定の一環といたしまして、関西アーバン銀行から、滋賀県が推進する流域治水政策を応援する「滋賀県流域治水推進住宅ローン」の取り扱いが開始されますので、お知らせします。

この商品は、滋賀県内で水害リスク対策を施された住宅の購入や増改築に関する資金について、一定の条件を満たす場合に災害保障特約付住宅ローンの金利を優遇するものです。滋賀県では、大河川だけではなく、身近な水路のはん濫なども考慮した浸水想定マップ「地先の安全度マップ」を全国に先駆けて整備いたしまして流域治水政策の基礎情報とさせていただいております。こういった情報は、ややもすれば、災害リスクの情報ですので地価が下がってしまうということなど、嫌な知りたくなかった情報と思われがちで、マイナスイメージを持たれてしまう場合がございますが、本来はそうではないと思います。災害リスク情報は、本来は、命を守る対策を取るための大切な情報であるということでございまして、今回の商品は、災害リスク情報を利用して対策していただければ優遇があるということでございまして、災害リスク情報を一歩進んで活用した画期的なものだと考えています。詳細な浸水予測マップ「地先の安全度マップ」を全国に先駆けて公開した滋賀県と関西アーバン銀行とのコラボにより実現したものであります。

この商品が利用できる条件を3つご説明申し上げます。

一つ目は、滋賀県が指定する浸水警戒区域内において、滋賀県から建築の許可を受けた住宅を購入・増改築される場合、中古・新築物件を含めて利用できます。今、米原市村居田区と高島市朽木野尻区の2か所におきまして、浸水警戒区域の指定に向けた条例上の手続を進めています。両地区の方々は、浸水警戒区域の指定以後、この商品をご利用いただけるということになります。

二つ目は、「地先の安全度マップ」に基づきまして、1階の床の高さを滋賀県が設定する「想定浸水深」以上にした住宅です。滋賀県ホームページ内のWEBサイト、「滋賀県防災情報マップ」で、「地先の安全度マップ」に基づき、想定浸水深つまり浸水時の水の深さの予測を公表しています。この公表データを参照していただきまして、1階の床の高さをこれ以上にしていただきますと、床上浸水の可能性が低減することとなります。その対策に対し、このローンがご利用いただけるということでございます。

三つ目は、100リットル以上の雨水貯留タンクを設置した住宅です。雨水タンクは、環境にもよし防災にもよし、手軽にできる取組ですので、これを後押ししていただくという意味においては大変ありがたいことだと思います。

水害対策に詳しい何人かの先生にご意見を伺いましたところ、大変評価するコメントをいただきました。詳しい先生方も、こういった例はあまり聞いたことがないということでございまして、すべて調べたわけではないですが、ひょっとして初めての事例かもしれないと考えているところです。今後も、このような、災害リスク情報をポジティブに利用する取組を広げていきたいと考えているところでございます。

最後、3点目は私の海外出張についてでございます。

4月16日、今週末の日曜日から、翌23日の日曜日にかけまして、関西広域連合のトッププロモーションでオーストラリアとニュージーランドを訪問いたします。

オーストラリアでは、クイーンズランド州首相との会談や日本と取引のある現地企業の団体との意見交換会、また、オーストラリア政府観光局の局長との会談を行いまして、インバウンド観光の取組に関する意見交換や関西への観光誘客に対するアドバイスなどもいただきながら、相互交流を図ってまいります。

また、オーストラリア最大の航空会社であるカンタス航空を訪問いたしまして、関西への直行便の運航実現に向けての意見交換や関係の構築を図ってまいります。現地旅行会社やメディア関係者等との交流レセプションにおきましては、関西の魅力はもとより、豊かな自然の中で楽しむことができるスポーツやアクティビティといった本県の魅力を積極的にアピールしたいと考えています。

また、ニュージーランドでは、ワールドマスターズゲームズ2017オークランド大会が開会していますのでこれの視察を行います。オークランド大会を主宰されますIMGAの会長や地元オークランド市長との会談を行いまして、開会式にも参加し、生涯スポーツの祭典に対するオークランド市を挙げたおもてなしの雰囲気と地元の盛り上がりの状況を確認してまいりたいと存じます。また、2021年、次の大会ですね。関西大会が予定されておりますので、本県で開催いたしますソフトボールや10kmロードレース等の会場地も実際に訪れて、大会運営のあり方をつぶさに視察いたしまして、次回関西大会の滋賀での開催準備に生かしてまいりたいと思っております。

少し長くなりましたが、私からは以上です。

[中日新聞]

流域治水のローンについて、1.9%金利が優遇されるということで、県がこの分を補填するとか、県予算の支出はありますでしょうか。

[知事]

今回のこの金利優遇に県予算の支出はございません。

[中日新聞]

銀行さんがこういうものを用意した。

[知事]

はい、そうです。

[中日新聞]

これは、どちらからの呼びかけでできたとか経緯はどうでしょうか。

[知事]

詳しくは担当課にご確認いただければと思いますが、包括的連携協定を結んでいる企業様とは、その取決めに基づいて、「何ができますかね、ほかにどんなことができますかね」ということを常に協議していますので、その過程において出てきた課題だと思っています。とりわけ、今、昨日のプレス資料でも朽木野尻区の縦覧等もさせていただいておりますが、地区指定をする手続を進めているところですので、そういったことを金融面でも応援するものができればという担当者と住民の皆様方との懇談の中で出てきた一つのアイデアではないかと考えているところです。

[京都新聞]

高浜原発のクレーン事故に関して、先日関西電力が福井県や京都府に説明に行ったようですけれども、滋賀県の方にはどのような対応があるのか、ないのかお聞かせください。

[知事]

発生時以降、本県に対しましても報告、ならびに説明いただいております。私もその報告、説明を後日ではありますが、文書で確認いたしております。また、先だって大飯原発を視察した折にも、クレーン事故に対する懸念の旨や再発防止に向けた対策の徹底について、関西電力側に私から直接伝えたところでございます。その折にも、もちろん真摯に対応する旨ご回答いただいたことに加え、様々な対応対策について現在鋭意検討しているところであり、またその旨報告するということがございましたので、先週ですか、ちょっと正確ではないかもしれませんが、県の防災危機管理局にも関西電力側から説明があったと承知をしております。

こういった事態も、その施設に大きな害が及ぶ可能性もございますし、もとより、施設の安全対策ですね、ハインリッヒの法則にもありますように、そういった些事からしっかりと徹底していくということが極めて大事なことでありますがゆえに、事業者には厳重な対応を強く求めたいと思います。

[京都新聞]

関連しまして、クレーン事故では連絡が遅れたりなど、連絡体制の不備について、他府県からも指摘する声が出ていますが、今回、対策の方も連絡があったということですが、その内容についてはどのように評価されていますか。

[知事]

私もすべてを振り返って見ているわけではございませんが、そういった県に対する情報提供が特段遅かったということは聞いておりません。しかしいずれにしても、例えば立地する県に対する情報提供が遅かったとすれば、そういった点は改められるべきでしょうし、今回クレーンがなぜ倒れたのかということ以外にある課題についても、この機会にしっかりと検証し対応することが必要ではないかと思います。

[毎日新聞]

今日の会見でも知事から出た言葉に「琵琶湖新時代」というのがあるんですけど、これ、申し訳ないですけども、なかなかイメージがしにくいんですけど、枕詞というか、何か改めて説明していただけるとありがたいんですけど。

[知事]

琵琶湖は長年にわたって、私たち県民にとって、また、人間にとって、大切なものでした。したがって、では今年が特別かというと、私は今年は一つの節目になる年だと思っています。なぜならば、1350年前に天智天皇が大津に都をひらかれた。その時代は、私も書により知っているところですけども、律令制度や漏刻制度、こういった今の時代にも通じる大きな改革が、短い期間ではございましたが行われた。これは琵琶湖の畔でそういったことが行われた。

また、琵琶湖周航の歌ができて100年、付随いたしまして「渡船六号」という酒米が開発されて100年、そういう節目でもございます。琵琶湖周航の歌、また、お米の名前ですけど「渡船六号」、何か関連すればいいなあ、と思っているところです。

また、大規模な赤潮が発生して40年、その折に、今年3月ですけれども、大臣との協議を経て、琵琶湖保全再生に関する計画を策定することができた年、本格的にこの保全再生のための取組を進めていく年であります。

したがって、琵琶湖に対する取組・活動等は種々行ってきてまいりましたが、なお一段、私たち県民の意識、関心を高めてですね、取組を強化していきたい。また、そういった取組を発信していきたい。その想いを「琵琶湖新時代をつくろう」という言葉に込めさせていただいているところです。

ちょっと枕詞にしては長すぎましたか。

[毎日新聞]

そうですね。ひとことで。

[知事]

みんなでつくろう「琵琶湖新時代」。

[NHK]

関西広域連合という言葉が先程でてきましたので、大阪万博について、大阪がちゃんと組織を作って取組を本格的に始めたところだと思うんですけど、滋賀県としてはどういった取組を進めていかれるのでしょうか。

[知事]

滋賀県としても関西広域連合の一員として、2025年に大阪を主なエリアとして、関西にも波及する形で開催しようとされているこの万博は、ぜひ開催をしたいということで、誘致に向けても協力をして取り組んでいこうということを確認させていただいているところです。

テーマが、長寿社会を展望した健康というものでございますので、まさに、2020東京オリパラ、2021関西ワールドマスターズゲームズ、2024滋賀国体、全国障害者スポーツ大会のその翌年でございますし、ちょうどたくさんいらっしゃる戦後生まれの世代の方々が75歳以上に、また後期の高齢者のゾーンに入っていかれる、そういう時代ですので、我々も含めて健康づくりということについて、例えば、運動や、いろんな最新機器の活用や、こういったことについて知見を広めるという意味においては意義のある、それが関西で行われるとすれば大変意味のあるイベントだと思っていますので、しっかりと誘致を実現すると同時に、その効果を大阪の一部だけにとどまらせずに、ぜひ関西一円にこの関西広域連合のネットワークを使ってですね、広げていけるような、そういう取組に結び付けていきたいと思っています。

[時事通信]

先ほどちょっと長寿社会のお話もありましたが、昨日、社人研の方からですね、人口推計の発表がありました。53年に1億を切って、先の話ですけど65年には8800万人ですかね、になるということで、人口減少が続いていくと。また、逆に高齢化の方がですね、かなり進展して、お年寄りの方を支える若い方も少なくなってくるという状況の中で、滋賀県としてどういうふうに取り組んでいくのか、県として、知事としてのお考えというところ、人口減少に対するお考えをお伺いできればと思います。

[知事]

私も今朝からこの情報に触れて、そうかと、50年後には人口が8808万人になるのかと、ただ、この間の取組が功を奏してか、若干人数が減るスピードについては少し遅れてきていると推計されている。しかしながら、少子長寿化・高齢化は進み、特に15歳から64歳の生産年齢人口が大きく減少するということが推計されている。この時代に対する展望、意識を新たにしたところでございます。

県は、皆さま方もご案内のとおり、人口減少を見据えた豊かな滋賀づくり総合戦略を、すでに平成27年10月、2年前の10月に策定をしています。この総合戦略に基づき取組を進める、ということです。具体的には、県は、2040年に、今のまま何もせずに推移すれば、2040年に約131万人、2060年には113万人に人口が減ると。しかし、このまま手をこまねいているのではなくて、様々な対策を講じていこう。そのことによって、人口を2040年に約137万人に、プラス6万を何とか回復させようと、そして2060年には128万人に、これは15万人を何とか回復させよう、という取組をすでに進めているところでございます。19のプロジェクトを具体的にすでに動かしておりますので、これらにしっかりとした効果を出していく、ということでございます。

基本的な考え方としては、人口減少を何とか食い止めたい、人口構造を安定化させたい、ということが一つ目。そして、人口減少の影響を防止し、軽減していきたい、これが二つ目。三つ目は、これは滋賀県ならではの考え方なのですが、人口急増時代に失ってきたもの、我慢してきたものを取り戻そうということで、自然と人、人と人とのつながり、生活のゆとりというものを取り戻す、そういう取組をしようということでございまして、まさに琵琶湖に対する取組などは、また、人と人との助け合いの取組などは、この典型とも言えますので、そういった取組をしっかりと充実させて、多くの方に滋賀に来ていただき、また、住んでいただき、子どもを持ちたい、育てたい、という夢を応援していきたいと考えているところでございます。

[時事通信]

ありがとうございます。また、話が変わって恐縮なんですけども、少し前の話なんですが、教育勅語の教材への活用ということが話題になっておりまして、それについて知事としてどういうご所見をお持ちなのか、お伺いできればと思います。

[知事]

前の会見でもお答えしたかもしれません。私も読んだことはございます。その内容を、深く深く吟味できるまでは至っておりませんけれども、何となくこういうことが書かれているのかということについては、理解をしているつもりでございます。

その意味において、まあ、その時代の教育の勅語ですので、主権がまずどこにあるのかということ、国民ではなく臣民だったと思います。そういうことからして、今の時代に合うのかどうなのか、ということについては、疑問を持つところも多く、大きくございます。

ただ、もちろんその時代に大事にされていたこととして、今にもつながる教えや想いというものもございますので、そういったものを教育的に憲法や教育基本法に基づいて活用しよう、ということまで阻害されるものではないのではないかと思いますので、そういった良識的な対応に委ねていきたいと考えています。

[中日新聞]

やわらかい話題なんですが、知事はそのジャケットをいつ頃作られたんですか。

[知事]

今年に入ってからかな。今年に入ってから採寸したり、色を選んだり。

[中日新聞]

そのディテールはどのように決められたんですか。ラベルの形とか色々あると思うんですが。

[知事]

私自身そんなに詳しくなかったりしますので、専門の、これを仕立てていただく方にご指南いただいたり、あとはモノづくりを担当している職員のみなさんのアドバイスをいただいたり。

[中日新聞]

これまでどんな場面で着られましたか。

[知事]

今日、実は人の前で袖を通すのが初めてでして、これから、ちょうど色もいいですし、季節も初夏に入ってきますので、いろんな場面で着ていきたいなと思っています。

[中日新聞]

今の着心地とかも一言を。

[知事]

作ってから着られなくなったらどうしようかなと。すごく着心地いいですいし、何より軽いんですよね。先ほどもご紹介がありましたけど、色々あるものよりも軽くて、まあ和紙だからでしょうね。これからの季節にぴったりだなあと。実はこれ、どこか、NHKさんでしたっけ。テレビで取り上げられたことがあって、それを見て「いいなあ」と思って、すぐに連絡をして、そして作りにかかっていただいた。ですから、これをご紹介いただいた経営者の方にも、作らせていただいた旨ご連絡をして、ぜひ一緒に広めていこうとしているところです。

ぜひ、みなさんも。ご注文を受け付けますので。

[毎日新聞]

何度もすみませんが、教育勅語のことで。

先ほどおっしゃったのは、主権がどうあったかということもあって、今の時代に合うのかというのは疑問に思われると。そういうことですけども、最後おっしゃった活用するのは阻害されないというのは、今、話題になっているのは道徳の授業とかでやる分には、県として駄目だというふうに言うほどではない、というか、都道府県が判断してくれと国は言っているようなんですけども、そのあたりのお考えをもう一度お聞かせ願えますか。

[知事]

先程も申し上げましたとおり、この中に書かれている、家族や周りの人たちに対する想いとか、郷土等に対する想いですね。こういったものは今の時代にも通じるものもあるのではないかと思います。ただ、この教育勅語というものが、当時、天皇の民である臣民という形で、私たちの先人がですね、大事にしていたということも教えたうえで、当時はこうだったと、こういうことが書かれてあったという教え方も必要でしょうし、また、何より、これもいろんなところで語られてますけれども、憲法をはじめとする現行の法律に即した形で教えることや諭すこと、ということも必要となってくると思います。

もちろん、学校だけではなくて、家庭等でこういったことが話題になったときにですね、さまざま、ともに学びあうことも必要かもしれません。

そういう意味で、私は、語られること、使われることを阻害するものではないと申し上げたところでございます。

まあ、いたずらに「こう使え」とか、「こう使ってはならん」ということを都道府県が何か指し示さなくても、教育現場、教員、また県民の皆さま方の良識に委ねたい、というのが私の考えです。

[毎日新聞]

今の関連なんですけども、敢えてということは無いんですけど、プラス面的なことは今、知事の口から出たんですけど、教育勅語に対して。マイナスについては、どのように受けておられますか。教育勅語の問題点というものは。

[知事]

いや、この書かれていること以上に、この教育勅語が説かれていたときには、さまざま、教えがあったと思うんです。例えば、これは、旧文部省の図書局の通釈によれば、一身を捧げて皇室国家のために尽くせというような趣旨の教えがあった、ということも言われています。

こういったことが、今の時代には馴染まない、ということもきちんと、そのことが当時は語られていた、ということもきちんと教える必要があるでしょう。

また、歴史経過を辿ってみると、戦後、国会においても、これは使わない旨、決議されております。そういう経過等もしっかりと踏まえて、教えたり、語ったりする必要もあるでしょう。そういう書かれていることの本当の意味や、この教育勅語というものが辿ってきた歴史というものをきちんと踏まえてやらなければ、マイナス面があるのではないかと思います。

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