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知事定例記者会見(2017年4月3日)

平成29年4月3日
(県政記者クラブ主催)

俳句待ちわびし 花便り来し 湖国かな

皆さんこんにちは。新年度になりました。平成29年度もよろしくお願いします。

新年度初めに幹部職員に挨拶をしましたが、その時も申し上げました。今月、今年度の一句でございます。「待ちわびし 花便り来し 湖国かな」ということで、ようやく暖かくなりましたし、新しい年度に、新しく採用した職員もたくさん来てくれました。辞令交付もしましたので一緒に頑張っていきたいと思います。

なお、挨拶の中でも申し上げましたが、今年度は基本構想と総合戦略の計画期間の3年目。いよいよ具体の成果、結果を出していく年。新しい豊かさを具現化していこうということを申し上げました。

また平成29年度の取組方針の再確認をいたしました。4つの視点で作った予算と施策について改めて振り返るとともに、琵琶湖新時代について申し上げました。琵琶湖を世界一魅力ある湖とし次の世代に引き継ぐことを宣言した旨伝えました。その上で、この琵琶湖新時代を作っていく一つの方策として、7月1日、この日を県民の休日にすることを提案しているということ、またもう一つに、国連が2030年を目標年次として進めている持続可能な開発目標SDGsの取組に参画することを表明した旨、改めて確認いたしました。中長期的な視点に立った一年、一月、一日を、また、世界的な視点から私たちの地域を見つめ作っていこうということを強く申し上げました。

大きな3点目といたしまして、仕事の進め方について、心構えについて申し上げました。アンテナ、感性を常に磨いて仕事をしようということ。やってみよう、一緒にやりましょうという姿勢。人こそが最大の経営資源なので若い世代をしっかりと育てるという視点で仕事に臨もうということ、働き方改革こそ最大、最重要の行政改革であると、また最高のイノベーションであると、しっかりと取り組むということを自戒も込めて申し上げたところでございます。

SDGsにつきましては、担当部長を宮川総合政策部長といたします。そのことを既に決定の上、本人にも先ほど私から直接伝達いたしました。世界的な視点から国連の取組にも参加する形で、何もすべてが新しいことではございませんが、これまでの取組を再評価することも含めて滋賀というもの、滋賀の施策というものをさらにブラッシュアップさせていきたいと考えているところでございます。

今日は1点、私から話題提供させていただきます。懸案でございました琵琶湖保全再生施策に関する計画を策定いたしましたのでお知らせします。

平成27年9月28日、本県にとって悲願でありました、「琵琶湖の保全及び再生に関する法律」が公布、施行されました。国においては昨年4月に「琵琶湖の保全及び再生に関する基本方針」を定めていただいたところです。この基本方針を受けまして、昨年度、県議会や環境審議会でのご議論はもとより、県内市町や関係府県市、住民の皆さんや関係団体など多様な主体の皆様方と幅広く意見交換をしながら計画を検討してまいりました。

皆さんとともに作り上げてきた計画案について、主務大臣、5人いらっしゃるんですが、同意が得られましたことから、先週、平成29年3月30日付けで計画策定の運びとなりました。

計画では「琵琶湖と人との共生」を基調に、琵琶湖の重要性や保全再生に対する幅広い「共感」、活力ある暮らしとの「共存」、琵琶湖の価値の「共有」という3つの視点に立ち、琵琶湖保全再生施策を進めていくことといたしております。また、計画の重点事項といたしまして、水源林の整備保全、水草・外来動植物対策をはじめとした「琵琶湖を『守る』取組」、林業の成長産業化や環境関連産業の振興など「琵琶湖を『活かす』取組」、これに調査研究など「琵琶湖を『支える』取組」を合わせまして、琵琶湖を守ることと活かすことの好循環を創りだしていくことを掲げているところです。法律では、「計画に基づく事業が円滑に実施されるよう、国は必要な財政措置を講ずる」と規定されていることから、この計画を国からの更なる支援を得るツールとして活用することとし、待ったなしの状況にございます琵琶湖の諸課題の解決に向け、まずは5月に実施する「春の政策提案」において、琵琶湖に特化した要望を国に対して行ってまいりたいと存じます。

本日15時30分から現地で開所式を行いますが、琵琶湖環境科学研究センター内に国立環境研究所琵琶湖分室を開設いたしました。また、この計画と同じ法定計画で、並行して検討してきた「第7期琵琶湖に係る湖沼水質保全計画」も3月に策定することができました。琵琶湖の保全再生に向けた歩みを着実に進め、国民的資産である琵琶湖からいただく恵沢を将来にわたって享受できる「琵琶湖と共生する社会モデル」を県挙げてつくり、滋賀から全国に、そして世界に発信していきたいと思います。「琵琶湖新時代をつくる」ため、この計画策定を契機といたしまして、琵琶湖の保全再生に向けて新たなスタートを切ったということを、本日ここに宣言、告知させていただきたいと存じます。

私からは以上です。

[中日新聞]

働き方改革に関連して、新年度から36協定を締結している職場について100時間をやめて80時間にされるということを先日、人事課長から伺いましたが、

80時間も複数月の80時間というのは過労死ラインとされている中で、80時間に設定された妥当性について、改めて知事からお考えを伺えますでしょうか。

[知事]

一歩一歩だと思います。今回締結させていただいた職場、そのレベル、ラインも含めて、完全、充分、100点満点だとは思っていません。しかし様々な業務、また、今持っている体制、こういったものを勘案し一歩ずつ改善をしていくということが必要だと思いましたので、今回締結にいたったものと理解しています。引き続き不断に見直しを行っていきたいと思います。

[中日新聞]

知事としては最終的にどれくらいのラインに持っていきたいというお考えは。例えば45時間の大臣告示とか。

[知事]

当然、非常に過酷な労働の蓄積になる時間というものは、配慮、意識いたします。もちろん、ラインを定めたからと言ってその一杯一杯を許容されるものということは認識していませんので、一概にこのレベルでどうということを申し上げられませんが、絶えず意識しながらも一歩ずつ改善をしていくとことではないかと思います。

[中日新聞]

数字上80時間が許容されているけれども、これを一杯一杯でなくて、その中で短くするということになりますか。

[知事]

昨年度末、2月、3月の緊急行動として、時間外労働、長時間労働の是正、縮減というものをやってきましたので、この流れは絶えず持っていきたい。

例えば、始業と終業の時間管理でありますとか、繁閑の調整でありますとか、まだまだ日常の業務の中で、それぞれの組織の中でできることがあるのではないかと感じておりますので、こういったことを積み重ねて長時間労働の縮減を図ってまいりたいと思います。

[中日新聞]

医療福祉拠点構想に関連して、先月31日付で教育会館の使用許可を半年出されましたよね。1年に対して半年だったという点と、普通財産であると主張されている先方の立場から賃貸借契約を望む意見もあったと聞いていますけれども、今回の決定にいたった経緯と知事のお考えをお聞かせいただけますでしょうか。

[知事]

まず、医療福祉拠点、これを県庁に隣接する現在の教育会館の用地も含めて第2別館等の用地もその場所にあてさせていただいて、様々な機関が集結するネットワーク機能、さらにはその場所において今後必要になってくる人材を養成する機能ですね、これらを併せ持つ拠点を整備させていただく。この方針で当該用地の明渡しをお願いしてきたところでございます。

昨年度末の3月31日が期限で、私どもの方針に沿って、協議、交渉してきましたけれども、例えば、財産の普通財産か行政財産かという見解の相違でありますとか、この間、長年の歴史の中で積み重ねてこられた団体の活動の実態ですね、そういったこと等もあり、期限である年度末の時点で理解を得ることはできませんでした。ぎりぎりまで協議、交渉を重ねてきましたけれども、残念ながら年度末において、合意をいただくことができませんでした。

先方からは、更なる1年の期限の延長といいますか、その土地を使いたい旨の申請がございましたが、この間の協議、交渉ということからいたしましても、できるだけ早くその対応を決していく必要もあるだろうということから、当方から半年、6か月間の期限ということで許可を出させていただいたというところでございます。引き続き、私どもが掲げております目標を達せられるように先方とも協議をしてまいりたいと存じます。

[中日新聞]

失礼な質問になるかもしれませんが、3月31日をもって協議が終わらなかった要因とか原因はどこにあると、責任というと少しきつい表現になるかもしれませんがどうお考えでしょうか。

[知事]

いろんな要因があると思います。あの場所も含めた形で医療福祉拠点を整備させていただきたい旨を決めたのは私が知事になってからですし、その場所に現在の教育会館を含む形でということ決めさせていただいたのも、1昨年、まだ最近のことでございます。

教育会館として場所を使われ、様々な活動を展開されたのは、明治の時代から非常に長きにわたり活動してこられた。当然、財産の所有区分によって形式的にまた行政的に取扱いというものは定められるものでございますが、それだけではなかなか割り切れない様々な事情もあるということでございますし、もちろんそういったものが、お互い相反すれば司法の場で解決というそういった手段も選択肢にはあるのかもしれませんが、そうすることが私たちの計画にとってどうなのか、先方のそれぞれの事情にとってどうなのかということを勘案し、今回、期限内には合意を得られませんでしたけれども、期限を延ばす形でさらに協議をしようということにいたったところでありますので、引き続き、私どもが議会をはじめ県民の皆様方にお約束をしている方針が実現するように努力を積み重ねていきたいと思います。

[中日新聞]

司法の場での解決は知事として望まれないということですか。

[知事]

私どもは、あくまで県有財産として持っている土地を有効活用し、県民の負託に応える施策を実施していく、例えば、あの場所においては、医療福祉の拠点を整備し、県民生活に必要な機能を構築するということが主目的ですので、その目的に沿って何が一番良いかということを判断していきたいと思います。

[京都新聞]

年度末にいろんな答申が出ていまして、その一つに情報公開請求の関係の委員会からの答申がありまして、古い話になってしまいますが、高島で木屑が放置されていた一連の問題がありましたけれども、その件について、三重の方が不服を申し立てたことに対する答申ということで、木屑が処理されたまだその先の部分も公開するような中身の答申が出ていますが、これまで県としては、そこはなかなか公開されてこなかった場所ですが、答申を受けて知事としてはどういうふうに判断していこうかと思われますか。

[知事]

すいません、私もすべてを承知、把握しているわけではございませんが、住民の皆様方からの請求、これが正式な手続きに則って受理、若しくは結果が出たことであれば、その結果に従って行政としての対応をさせていただきたいと思います。これまで、開示に踏み切ってなかったのではないか、これにはいろんな事情があったと思います。先方に対する配慮等もあったと承知をしておりますが、時間の経過、若しくは事柄の整理の中から、今回、公開すべしという判断が出たのであれば、そういった判断に従って対応をさせていただきたいと思います。

[京都新聞]

そうすると、一定公開する方向でということになるんでしょうか。

[知事]

内容を精査いたしますが、当然正式な手続きに則って申請され判断された結果であれば、そういったものに従う形で判断していきたいと思います。

[京都新聞]

答申の中では、意見というか付言というか付いていまして、県の対応について、例えば不開示、非公開の理由が条文を連ねているだけだというような、厳しい指摘もあったんですが、県の姿勢なり、対応なりについてはどう思われますか。

[知事]

すいません、どの時点でのどの対応を評して、そう表現されているのかということは私も存じ上げませんが、厳しいご評価をいただいているとすれば真摯に受け止めたいと思いますし、行政は行政で、その都度関係当事者の皆様方の負の影響を最小限に食い止めるべく最善の対応をとってきたと考えておりますが、なお、その事後において再評価して不十分な点があったとすれば、それらはしっかりと承ったうえで、今後の改善に結び付けていきたいと思います。

[読売新聞]

2月議会でも杉本議員が質問された件で、先程も滋賀報知さんが報道されていた国体の彦根の総合運動公園の敷地を巡る議論の話なんですが、杉本議員の話では今の彦根の総合運動場を拡張する場所が圃場整備されて、それにも県費が使われて、今回この新しい年度でそれを県の予算で用地取得するというのは、県費の二重払いじゃないかと指摘だったと思っているんですけれども、議会でも知事は答弁されたが、改めてこの指摘について知事のご見解をお伺いできますか。

[知事]

平成26年5月でしたか、国体の主会場が彦根総合運動場と決定されました。その決定には、敷地拡張が必要といった趣旨の意見が付けられ、その時点では、どこまでの土地を主会場の敷地として広げるということが確定していない段階で、周辺の土地において東北部の浄化センターの残土を処分する形での土地改良事業が行われていたということでございます。その後、主会場を整備するにあたり、第3種陸上競技場も含め周辺の土地のどの場所までを敷地とさせていただいて整備する旨決定させていただいたところでございますが、その土地、今、先程申し上げた土地改良事業をされていた土地も一部含まれる形で決定させていただいたところです。

その決定過程においては、それぞれの事業が、それぞれの形で進行していたということですし、主会場の整備にあたっては、そのどこまでを含めるべきなのかという、こういったことを主軸に検討してきたということでございます。もって県費の二重投資にあたるのではないかという指摘は、私どもの見解とは異にいたしますが、なおこういった整備にあたってお聞きしなければならない事項はですね、承りながら事業は進行させていただきたいと思います。

[読売新聞]

その上で、これも杉本議員のご意見に依拠するわけですけれども、拡張先は確かに決まっていなかった。決まっていなかったのは確かにあるんですけれども、地図を見ればもちろん分かるように既存の現在の総合運動場があって、東西は住宅地があって、南は彦根城がありますよね、伸ばすとしたら北方向しかなくて、北方向にも中学校があって、もう必然的にどこに伸ばすかというのは、限られていたのではないかという主張もされていたと思うんですが、決まってなかったとしてもおおよそ、誰が十中八九といいますか、おおよそほとんどの人が、伸ばすことができる方向はここだろうという状況ではなかったかという指摘ではなかったかと思うんですが、そこも知事については、あくまで決まっていないものは決まっていないと、だからそこはどうこう出来ないというお考えでしょうか。

[知事]

もちろん議員の様々なご主張は拝聴いたしますし、今ご質問のあった推論に基づくお話というものも、これは理論上あるのかもしれませんが、あくまで行政の手続上、事実関係としてどうなのかということをもとにですね、私たちは判断せねばならないし、また対応もしていかなければならないのではないかと思います。

[読売新聞]

もう1点だけ、それぞれの手続が進んでいたというのは、それは行政の手続が始まっている以上、それぞれで圃場整備が始まる。それぞれで用地をどう拡張するのかという検討が進んでいるというのは分かるんですが、同時並行で進んでいるというのは分かるんですが、ただ外形上、結果論と言っていいかもしれませんけれども、拡張先は外形的に、直前に圃場整備がされてて、そこにお金が入っていて、新年度、そこはやっぱり県費で買い戻すという外形上の事実はあるわけですよね。それについて手続は正当に行っていたんだよというのは分かるんですが、その外形的な事実が残ると思うんですよね、それについても知事のお考えというのは、先程のお話を繰り返すということになるんでしょうか。

[知事]

あくまで行政の正規の手続に則って行ってきた結果が現在であると思います。そういった外形上いただくご疑念等については、丁寧に説明をさせていただきたいと思います。

[時事通信]

正式に31に日に、総務省からふるさと納税の3割の上限の件について通知があったかと思うんですが、それに対するご見解を改めてお伺いできればと思います。

[知事]

私、まだその通知文そのものを手に取っていませんが、ご質問にありますように、この間のふるさと納税に対する趣旨、現状等を踏まえて出された通知文であるとすれば、私もかねてから申し上げておりますように高額の返礼品競争市場に陥るような、競争激化に陥るようなそういったふるさと納税のあり方というものについては是正されてしかるべきだとかねてから思っていましたので、そういった趣旨に則ったものだと思います。

また一方で、納税者の考えといいますか、タックスペイヤーとしての意思というものをより明確に示す方策、それらをもって地方創生、地域活性化に繋げていく取組、こういうものには意義も感じておりますので、その中でですね、どう工夫をするのか、こういうことが課題だと思っておりますので、しっかりとその通知文も見ながらですね、現在県で進めておりますマザーレイク滋賀応援寄付のあり方等についても、しっかりと検討していきたいと思いますし、県内市町におかれては、それぞれ独自の努力で多額のふるさと納税をいただいておられる自治体等もございますので、そういった自治体のご事情等にもある意味では寄り添った形でいかにするべきか、というのを一緒に考えていきたいと思います。

[時事通信]

先程発表のありました琵琶湖再生保全計画の件ですが、先日のアユ資源の対策会議においても、県漁連の方からお話があったんですが、いわゆる下水の処理水の問題ですね、これが県漁連の方々は魚がいなくなっている原因じゃないかとおっしゃられているんですが、これに関しまして知事はどのようにお考えでしょうか。

[知事]

いわゆる汚水処理、これはある一面、琵琶湖の水質を大きく改善することに寄与してきたと思っています。高度処理を早くから広く展開することで、琵琶湖の水質を改善してきました。一方で、ご指摘のようなご懸念やなお残る課題があろうでないかというご指摘、こういったこともありますので、この琵琶湖保全再生施策に関する計画、本編2ページの(1)水質の汚濁の防止および改善に関する事項1.持続的な汚水処理システムの構築の2ポツ目、下水道および農業集落排水施設のくだりの2行目ですね、必要な調査を行い、計画的かつ効率的な施設の維持管理や更新を推進する、というこの一文を入れさせていただいて、必要な調査を行うということをこの計画に盛り込んだところでございます。

[時事通信]

そういったようなところを、今日発足しますけれども、国環研の一部機能が移転してきますけれども、そこでそういったところを研究していく、そういったことになるんですか。

[知事]

当然、水質、今いかなる状態なのか、今後いかに浄化していくのか、単に今の指標によって水質を浄化していくだけではなくて、生態系の回復に繋がる水質というのはいかなるものなのかという新たな指標についても、検討、研究することにしています。

やはり、見た目やその指標上は綺麗だということだけではない、生態系というものに着目した水質というものを、ある意味では水質だけではない繋がりというようなものも必要なのかもしれません。そういったことを国環研の知見等をいただきながら研究をしていきたいと思います。

[時事通信]

気になったのでお伺いしたいのですが、先程の挨拶の中で、次期基本構想の柱にSDGsを据えて検討したいというお話があったが、任期の関係で30年度というのは微妙な時期に当たるので、何か意図されてお話されたのか。

[知事]

特別な意図はありません。今私たちが持っています基本構想、これは平成30年度まで、27から30まで、その次の基本構想を30年度に本格的に議論する、実は、その挨拶の場でも申し上げましたけれども、今年度から来年度にどういう基本構想を作っていくのか、またどういう議論をするのかということを、今年度から議論することにしているところですので、その柱にSDGsというものを据えて議論をしていこうということを申し上げたつもりです。

[時事通信]

任期のことはあまり直接には関係ないという。

[知事]

はい。

[朝日新聞]

琵琶湖の保全再生計画がようやくまとまってですね、国からの予算措置も入れられるということが一番かと思いますが、県としてこの計画がまとまった中で、一番予算措置を得られることを踏まえて、期待をされている事業はどこなのか、もう一つは計画を作るにあたって県は期待していたけれども、ちょっと外れてしまったなという部分があったなら教えて下さい。

[知事]

今年度ですね、平成29年度、この保全再生計画を作って具体の施策をする初年度になります。この初年度の計画関連予算がいくらなのかということは既に公表させていただいておりますが、約330億円。これは事業費ベースでございますが、これらは平年に比べてどうかということについては大きく変わっていません。

実は、うみのこ等の大型事業が一定の区切りをみたことからですね、若干の減とも、こういう予算でもあります。今後この計画に基づく国の支援等もいただきながら事業を進めていきたいと思います。しからば、どういったところに予算措置、支援を期待しているのか、琵琶湖の課題は全てが待ったなしの課題でございますが、例えば一部直轄でも実施していただいておりますオオバナミズキンバイをはじめとします外来水生植物対策、また南湖の漁業資源の回復、これはホンモロコしかり、シジミしかりですね、こういった所などは喫緊の課題として、また短期的に効果が得られやすい事業として、期待もしていますし、強く要望していきたいと思います。

[HNK]

今回、ご挨拶であえて最後に働き方改革について触れられたのは、昨年の1,000時間のこともありましたけれども、あと、イノベーションというのはどういうことをご期待されるのかをお伺いできればと思います。

[知事]

やはり昨年度、これは国全体でもそうですし、本県のある意味由々しき事態も含めて滋賀県の働き方がクローズアップされた、問題視されたそういう年度だったと自覚しています。その意味で新年度になり新体制になり議会にもお認めいただいて定数増も行いました。様々な組織の割り振りも、しなおしたところです。

一定体制は改め整えたんですが、じゃあ仕事の仕方が変わるのか、それによって成果がどうなるのか、折しも働き方改革の長時間労働是正のための緊急対策を2月、3月に行ってですね、一定の時間外労働が縮減できましたけれども、仕事、業務の棚卸しというのはこれからになります。

やはり今年度は、働き方改革というものが、県の仕事のやり方として非常に重要なテーマではないかなと思っておりますので、それをあえて最後に強調して入れさせていただきました。なお、この働き方改革というのは、どちらかと言うと、ただ仕事を小さくするとか時間を短くするということに捉えられがち、もちろんその視点も大事なんですが、もって私たちの生き方や働き方を見直す、生産性を改善する、短い時間でより良い成果を上げていくという、経済の原理からいう最も基本的なイノベーションと捉えた取組も必要ではないかと提起させていただいたところです。この点、行政組織であるが故にあえて生産性向上といった言葉をもって推進していければと思います。

[滋賀報知新聞]

琵琶湖保全再生計画の施策について伺いたいのですが、これにも関わりますけれども、嘉田県政時代は、流域治水ということでダムだけに頼らないという治水というか、あるいは生態系の保存といった観点があったんですが、先日も2月定例会議終わった後ですね、自民党の方で佐野さんが総括されていたんですが、知事が知事選出馬されるか別にしてですね、一つの自民党としての判断基準として、大戸川ダムに対して知事がどういうスタンスをとられるのか、これはポスト嘉田さんの問題もあるのかもしれませんが、そういう政治的なことは除きましてですね、その大戸川ダムに対する考え方というかこれについて伺います。

[知事]

まず、私の治水観がですね、治水と人との関わり、営みの中で、100年、1000年単位で捉えられるものであると。もちろんハード、施設、ダムを含むこのハード施設、治水効果ございますが、ダムだけで守れない、かわせない、そういう治水上のリスクもある。従ってダムだけに頼らない流域治水を推進していくというのが基本的な私の治水観です。その中で条例に基づく流域治水の治先の安全度対策について地域指定をし、地域指定ができるための協議をですね、現在地区ごとに進めているという現状です。

丹生ダムについては、この間、国の検討もございましたが中止の決定をさせていただき、それに代わる生活再建の取組を、これは国にも先週末、交付決定していただきましたけれども、社会資本整備総合交付金を活用しまして、ダム無き後の地域再建にも一定取り組みはじめているところでございます。ご質問にありました大戸川ダムにつきましては、一定の治水効果ございますが、しかしなおその下流、淀川中上流こういったところの治水効果の見極め、これは事業の進捗に伴います見極めというものもまだまだ必要であるということからですね、河川整備計画に盛り込む必要は現時点ではないというのが私どもの考え方でございますので、大戸川が建設されなくても、治水効果が得られるように必要な事業をしっかり推進していくというのが私の考え方です。

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