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知事定例記者会見(2017年2月14日)

平成29年2月14日
(県政記者クラブ主催)

たらの芽のてんぷらを食する様子

おはようございます。2月も14日になりますと、春の便りがたくさん届くようになりました。

今日は、まず、今月のイチオシから申し上げます。永源寺の「たらの芽」ということで、第26弾としてご紹介いたします。

たらの芽は、たらの木という落葉樹の新芽でございまして、代表的な山菜で春の季語にもなっています。天然のたらの芽は桜の咲くころに出荷されるということですが、待ち遠しい春を一足早く感じてもらおうと1月中旬から出荷されているということでございます。永源寺のたらの芽は、農閑期に付加価値の高いものをということで、平成25年から栽培を始められ、琵琶湖や地球環境にやさしい環境こだわり栽培で独特の苦みが強いのが特徴だということです。これはトゲがあるんですよね。トゲがすごくあるのに好んで採り食べられるということで、そのことも俳句になっているようでございます。食べ方は天ぷらが定番でございますが、風味や色を活かして新しいメニューも開発されておられ、本日は、天ぷらとリゾットとパスタをお持ちいただきました。料理番組みたいになってきましたが、これはすごいトゲですね。バラ以上にトゲがある。これを水に差して栽培されるということですね。後程、生産者の方からいろいろとお聞きいただければと存じます。たらの芽はこの状態で採るのですか。天ぷらはもう少し開いた状態ですか。

(生産者)

お客さんによって開いた状態がいい方と、これぐらいがいいという方もおられます。

ちなみにこれは、道の駅「奥永源寺渓流の里」でお買い求めいただけますほか、近江八幡にありますJAグリーン近江の「きてか~な」でも購入できます。1パック300円ということでございます。

(知事試食)

まず、王道の天ぷらですが、今日、ここで揚げてくださったんですか。政所の茶の塩でいただけるということで、凝ってますよね。独特の苦みがありますが、すごく柔らかいですよね。春の味ですね。茶塩がすごく合いますので、これは東近江のお勧めですね。

次はリゾットですね。洋食と和食が混じっていますが、たらの芽が入っているところをいただきます。チーズの甘みとたらの芽の苦みが合いますね。コメントを考えるのがなかなか大変なんですが。

最後はパスタです。これもたらの芽のところを。これは香ばしいです。あまり苦みを感じない。たらの芽の甘みがよく出ています。どれも美味しいと思います。

道の駅「奥永源寺渓流の里」でお料理を作っていただいていますので、皆さんぜひご賞味ください。

続きまして、今回は、3件話題提供させていただきます。

一つ目は、しが「食のおもてなし」プロジェクトでございまして、滋賀県では、平成30年に大型観光キャンペーンを実施予定でございまして、そういった折々に滋賀にお越しいただいた観光客の皆様に、魅力あふれる県産食材を、ぜひ味わっていただきたいということで、県を代表する料理人の方や宿泊施設の団体の方々、そして生産者団体の方々でプロジェクトチームを結成いただきました。そのチームで、今年度魅力的な企画を実施いただくこととなりましたので、報告、PRをさせていただきます。

今回の企画は、おうみの名工など県を代表するような料理人の方々が、近江米は必須、近江牛か湖魚はどちらか使用するという条件を課されて、皆さんで取り決めされた要件のもと、腕によりをかけて、県産食材の魅力を最大限引き出したメニューを、県内の複数の料亭や宿泊施設等で、期間限定で提供していただくということでございます。コンセプトは「魅せる滋賀の食材」で、プロジェクト参加メンバーによるワーキンググループの中でいただいた意見をもとに決定しました。料理の美しさで「見せる」こと、食べて美味しさに「魅せ」られること、「見る」と「魅力」の両方の意味が込められています。

その企画メニューの発表会が3月4日(土曜日)13時から、西武大津店6階催事場で行われます。技能士会料理展の会場をお借りしての開催ということでございます。魅力ある県産食材が、一流の料理人の皆様の手でどのように「魅せ」られるのか、お楽しみいただきたいと思います。

当日は、生産者による県産食材マルシェも行われ、食材そのものの魅力も発信されます。企画メニューの展示や県産食材マルシェは3月4日、5日の2日間行われますので、ぜひご取材等よろしくお願いをいたします。

続いて、2点目も食べ物に関することでございまして、「環境こだわり米」のキャンペーンにつきまして、応募の状況をご報告するとともに、抽選をさせていただきます。

県民の皆さんや、琵琶湖の水を利用されている京阪神の皆さんに「環境こだわり農業」を知って、応援していただきたいと考え、「環境こだわり米」にキャンペーンシールを貼って、販売していただきました。応募総数は11,260通で、遠くは福島県の方からも御応募いただきました。消費者の皆さんには、ぜひ引き続き「環境こだわり米」をご賞味いただき、この「環境こだわり農産物」のマーク、生産者の思いやご苦労をご理解の上、応援していただきたいと思います。県としては、環境こだわり米を一層生産拡大していくと同時に、本県の環境こだわり農業が日本一であることを全国に向け発信し、ブランド力の向上や消費の拡大を図っていきたいと思います。さらに、有機農業等の推進に向け、先般から申し上げていますように、栽培技術や販売方策等の検討を進め、全国のトップランナーとして環境こだわり農業の深化に向けた取組をスタートさせていく予定でございます。なお、参考でございますが、昨年度は7,207通でございますので、昨年度に比べて多くの方にご応募いただきました。最高ではなくて過去2番目の数字ということでございます。それでは、抽選をさせていただきます。

(司会)

当選者数は100名ですが、この場では10名分を抽選いただきます。

(知事による抽選)

あと90名の方に当たりますので、ご紹介方々抽選させていただきました。

話題提供の3点目は、JR草津線「SHINOBI TRAIN」運行記念イベント開催プレス向けの内覧・体験乗車の実施についてでございます。地方創生の取組で進めてきました、JR草津線へ忍者のラッピング列車、「SHINOBI TRAIN」が、いよいよ2月25日(土曜日)に初運行いたします。今日はプレスの皆さま向けに、運行記念イベントの実施と、体験乗車のご案内をさせていただきます。12月に、小学生の体験乗車の募集(往路)や、日帰りツアーの募集(復路)を発表させていただきましたところ、おかげ様でツアーは即日完売という状況でございます。2月25日は、草津駅で記念セレモニーを開催いたしますほか、手原、甲西、貴生川、柘植の各停車駅では、横断幕や手旗などをはじめ、手裏剣も飛んでくるんでしたっけ、それはないんですね。地域の皆さんによる歓迎イベントを実施していただきます。草津駅のセレモニーでは、私や沿線の市長、議長の皆様方が忍者衣装などで登場する予定で、皆様もぜひ、これらの様子をご取材の上、発信していただければと存じます。

また、2月10日にも甲賀市長から発表されましたが、貴生川駅では、この日に合わせて、信楽高原鐵道が忍者のラッピング列車を運行されます。往路は、沿線の小学生や、台湾の旅行博で草津線のPRにご協力いただいた、関西観光大使の台湾中華大学の張先生をはじめとする御一行様、そして、プレスのみなさんをご招待し、体験乗車会を開催いたします。ぜひ一緒に乗っていただければと存じます。

26日以降は通勤・通学に使用されますので、時間を決めて乗るのがなかなか難しいかもしれません。「SHINOBI TRAIN」ですから、いつ走るかわからないということでございます。復路は、ツアーのお客様が15時20分に柘植駅を出発され16時49分に草津駅に到着されますので関係職員がお迎えします。

プレスの皆様方には、「SHINOBI TRAIN」の初披露や、各駅での歓迎の様子、子ども達や台湾の方のご反応、草津線ツアーのお客さまの感想など、沿線の魅力の感想などについてご取材の上、発信いただければと存じます。

詳しくは、担当へお尋ねください。少し長くなりましたが私からは以上です。

[産経新聞]

県産食材マルシェについてですが、しが食のおもてなしプロジェクトということで、会場が西武大津店になっていますが、普段から県産の食材に親しんでいる県民の方が利用させることが多いと思いますが、マルシェのねらいを聞かせてください。

[知事]

まず、このマルシェに参加される方々は、先ほど紹介したプロジェクトチームに参加する生産者の皆様方でございます。環境こだわり米、季節の野菜、近江の茶、県産食材加工品などを販売させていただきます。西武大津店はご質問いただきましたように、多く、県民市民の方がご利用される場所でございますが、私たち県民自身も知らないこと「こうして食べるのか」とか、「この時期はこの食材が旬なのか」とかということを、知るきっかけになればいいですし、もって県外の皆様に、お友達やご親戚等にPRしていただくきっかけになればと思いますので、そういった趣旨で開催していただくということだと思います。

[時事通信]

2月24日に、国が呼びかけているプレミアムフライデー始まりますが、働き方改革の一環ですけれども、県庁としての取組と県内の事業者に対する呼びかけについてお伺いできればと存じます。

[知事]

プレミアムフライデーについては、既にいろんなところで報じられておりますとおり、国を挙げて今月から官民連携で始めようということでございまして、先週、総務省からも事務連絡が出され、県でも、昨日、総務部人事課長名で「プレミアムフライデーに合わせた年次有給休暇の取得促進等について」という通知を出させていただいて、県庁内でも周知をさせていただいているところでございます。

午後3時までに仕事を終えて、帰宅して、お買いものや趣味、余暇の活動を楽しもうということでございますので、ぜひ、それぞれの職場で、仕事を効率的に進めていただいて、機会を活用していただければと思っているところです。

いろいろ予定を調べますと、この日は議会の一般質問日ですので、3時までに終われば帰れるかも知れませんがちょっと難しいかなと、今月は無理かもしれませんが、そういう人もいれば、そうでない人もいますので、いろんな機会を使って、休もう、もっと効率的に仕事をしようという機運が高まればと思いますので、積極的に発言をしていきたいと思います。

[時事通信]

事業者の方に県から何か呼びかけはされますか。

[知事]

事業者、経済界の皆様方には、経団連の方からも呼びかけをされているようですので、こういう会見もそうですし、県庁内の取組をまず、我々は働き方改革もやっていますので、それを実践することから始めて、じわっと県内にも届いていけばと思います。

[時事通信]

環境こだわり農業について、来年度の交付金の関係で県としてはどのように取り組まれるのか、対応されるのかお伺いしたいのですが。

[知事]

環境こだわり農業を進めるための交付金の取扱いだと理解しますが、今年度、作付した、植えたにも関わらず、国の交付金が十分配分されなかったことを受けて、生産者の皆様方に随分ご心配をおかけいたしました。県で予算をやりくりしながら、なんとか予定、約束していた金額をお支払する形で措置させていただきました。来年度につきましても、引き続き平成30年度までに環境こだわり農業の作付面積割合を50%にするという目標で進めていくのが大前提でございますし、国でも環境保全型農業交付金については、一定の予算額を措置されておりますので、それらを活用して目標達成に向けて進めていくと。ただ、今年度の状況を鑑みれば、この予算額では足りないことが想定されますし、全国作付面積の具合にもよるので、そういうものも見ながら足りない部分を国においてもきちんと措置していただくように、今年度から既に要望活動をさせていただいているところでございます。

いずれにいたしましても、県の目標達成に水を差すようなことにならないように、環境こだわり農業をさらに進めていくんだという生産者の皆さんの機運をそぐことがないように県としても万全を期してまいりたいと存じます。

[時事通信]

仮定の話で恐縮ですが、来年度も同じ額だということで足りなくなることも考えられますが、その場合は今年度と同様に県が負担をされるというお考えなのでしょうか。

[知事]

生産者の皆様方からすれば、作ったはいいけれども、種を買って育てたのはいいけれども、十分な措置がされないということであれば、大きな混乱をきたすことになりますので、今、ちょうど種などを買われる時期ですので、生産者の皆様方にはきちんとこれだけの金額をお支払するということを明示することが基本だと思います。その上で、国の交付金を、来年度どういう作付面積になるかわかりませんが、足りなくなるようであれば、国においてもしっかりと、そのことをどのように補填、措置するのかご検討いただきたいし、それでも足りない場合についても県も責任を持って対応していかなければならない、ということも私達は想定させていただいております。

[読売新聞]

国体のプールのことでお伺いしたいのですけれども、先週の常任委員会でプールの対応というのを新しく方針を示されたかと思うのですけれども、それまでは回答を示したのは大津市だけだったので、大津市と協議を進めていくと。今回は、確かめたところ大津市の回答は県の基本的な考え方に沿っていないということで、意向有りとは判断しないということだったかと理解していますが、まず、この展開について知事の今の受け止めといいますか、思いをお伺いできますか。

[知事]

まず国体のプールと表現されましたが、滋賀県内のプールということで我々は受け止めさせていただいておりますので、あくまで国体というものが7年後にあって、そこに向けた会場整備の一定の必要性はございますが、その後も活用していただくそういう施設をどう整備していくのかということだと思います。

今、ご質問いただきましたように、大津市からは私たち県の基本的な考え方を示した上で、意向有りと回答していただきましたが、そこに条件が付いていました。その条件を詳細に確認し、大津市とも協議いたしましたところ、この県の基本的な考え方に沿った意向有りとの回答では無いと判断させていただいて、私どもとしましては、この事態を受けてどういう考え方を県が持つのかということについて、改めて再検討させていただきたいと考えているとことです。それぞれの大津市さんのみならず市町の皆様方のお考え、御事情、御都合もありますので、丁寧に伺いながら改めての考え方を示させていただきたいと存じます。

[読売新聞]

恐らく検討されている段階だと思うのですけれども、12月の基本的な考え方の中で、費用負担の在り方というのをどうされていくのかというのは、まだはっきりと、費用負担の在り方について検討するというような書き方をされているのですが、知事御自身としては費用負担の在り方というのは、どう在るべきだと、検討中かもしれませんが、今現時点で費用負担。

[知事]

すいません、それはどういった費用。

[読売新聞]

市町と県との費用負担の在り方について、ここで検討するという形になっているかと思うのですが。

[知事]

すいません、ご質問の意図されるところ全て分かっているわけではありませんが、費用というものの中にも色んなものがあると思います。整備にかかる費用、運営にかかる費用、また、その他の費用ございますし、また、どこまで整備するのによってこの費用変わってくると思いますので、その辺りのことをよくよく分析なり検討して、これだけのスペックのものをこういった形で、こういう費用のかけ方をして、分担の仕方をして整備しませんかというようなことが基本になってくるのではないかと思います。

[読売新聞]

先週もお伺いしたのですが、新しい方針を示されたということなので、ご回答は一緒なのかもしれませんが、大津市の県が3分の2以上を負担していただいた上で協議をしたいというご回答だったと思うのですが、大津市の回答内容について、先週と変わらないかもしれませんが、今、知事のお考えっていうのはありますでしょうか。

[知事]

大津市は大津市さんのご事情に沿って出された条件ですし、確認してもその内容でございましたし、私どもとしては私どもが示させていただいた考え方と沿った意向有りということではなかったと理解を致しましたので、そのことに何か私どもが何かどうこうと申し上げるべきではないかと思います。あくまで大津市さんのご検討の上出された条件と受け止めて、今後はそういったご意向があるということを前提にですね、他の市町の皆様方のご意見も伺いながら、改めての考え方を示させていただきたいと思います。

[NHK]

国保料率の一元化について、今日の午後の会議で説明されるそうですが、どういうメリットがあるよと、どのように説明されていかれるご予定でしょうか。

[知事]

どのようにと言いますか、今日首長会議でテーマの一つに国保を県と市町で協力し合ってやるということについて、一定の考え方をご説明させていただいた上で、法律に基づいてはこの5月に正式に意見照会させていただくんですが、それでも何度もお伺いした方が良いだろうということで、今日この時点での考え方を示させていただいた上で、市町の皆様方のご意見を伺うということです。

詳細はその時に申し上げますが、いずれにしても大切な組織ですので、またこれまでにない大きな改革ですので、県民の皆様方、また被保険者の皆様方に一時的ではないきちんとした安心感や、またそれぞれの市町ごとの事情や違いというものをどう合わせていくのか、また公平性の観点等々、どうとっていくのかということが基本になってくると思いますので、こういった柱に沿った一定の考え方というのをご説明させていただければと考えているところです。

[中日新聞]

唐突な質問になって恐縮なのですが、昨日一部雑誌等、インターネットでも記事が出ていましたが、滋賀県産の米に偽装があるんじゃないかということ報じられまして、当事者の方が事実無根だと主張されている中でなんですが、あまり滋賀県の米にとってイメージ良くないことだと思うんですけれども、滋賀県として何か御対応等あれば教えてください。

[知事]

詳細について私は存じ上げません。担当者をして詳細確認の上、対応するように指示し、また聞いているところです。

[中日新聞]

今はそれ以上の大きな動きはない。

[知事]

滋賀県産の米のみならず、こういった産地の偽装が行われるということについてはあってはならないことですし、その産地もそうですし、その産品を傷つける、評価を貶める行為でありますので、そういったことが行われないということが前提ですし、行われていたとすれば法律等に基づいて厳格に対応されるべき課題でありますので、その内容が事実であるかどうかも含めて、正され、そして公正な手続きで処置されることを望んでおります。

[京都新聞]

プールの話に戻るのですが、そもそも彦根のスイミングセンターの代替施設ということで整備検討されているかと思うんですけれども、今回県の方針としまして市営ですとか町営のプールの整備とか運営について県として支援していこうというご姿勢かと思うのですけれども、そもそも県営のプールの代替として整備するなら県が県営のプールとして整備すべきなんじゃないかというのは、県内の市町からも聞こえてくる意見なのですけれども、今回こういう形で市営とか町営のプールとかを県として県営ではなく支援していこうというふうにしていかれる理由という部分は知事、どのようにお考えでしょうか。

[知事]

おっしゃったように彦根にあります県営、県立のプールが無くなることを受けて、どうするのかという要素がございます。一方でそれぞれ市立、町立、町営、市営でお持ちになっているプールもございます。これらを例えば改修される、また国体で使用される場合に、県としてどう支援するのか、また関わるのかという課題だと思いますので、それらは必ずしも県立、県営だ、必ずしも市立、町立、町営、市営だという何か型にはめたことでは無いと思っています。

[滋賀報知新聞]

安全保障の技術研究推進制度、国の、これについて伺いたいのですが、県立大学は平成27年に同制度の応募を検討したが見送るとしましたが、今現在、基本理念、同制度に応募するかどうかの判断する基準案の策定が行われるということなんですが、それ以外に県内の大学でも同様のことが起こるかもしれない、まず、知事の大学での軍事研究の在り方をどう考えておられるのかということと、県立大学、大学それぞれの自治権もありますから、ここでどうのこうの言えるものでは無いですが、少なくとも県民の税金を投じて行われている大学ですから、ここについてもどのようにお考えになっているのか、2点伺いたい。

[知事]

大変重要な問題で、ご関心が高い課題だと受け止めておりますが、それぞれの大学で詳細にどのような協議がされ発表されているのかについては、私は詳らかではありません。個人的な事で恐縮ですが、私の大学時代の卒業論文のテーマは「国防費の経済学」。稚拙なものでございましたが、東西冷戦が終わった後の途上国における国防費の推移を調べ、それらの功罪を述べたというものでありまして、そういう国防費というものの一定のスピンオフ効果、教育訓練効果というものを述べたものでございました。ただ軍事にまつわる研究というものに、多くの方々が不安を持たれるということは、これは我が国の学術の分野においては、当然至極のことだと思いますので、そういったことに歯止めをかけよう、かけねばならないというご主張は、私はある意味では当然のことだと思います。ただ、どこからどこまでをミリタリー、軍事のものにする線引きでありますとか、我々が日頃使わせていただいている様々な技術も元はと言えばそういった研究の中から出てきたものもあるとすれば、そういったものとの整合性をどうとるのかといったような課題もありますので、このことはそれぞれの大学もそうですし、それらに研究費を支給するその当局との兼ね合いの中でも議論されるべき課題ではないかなと思います。

[滋賀報知新聞]

今のお答えは分かるのですが、具体的に県立大学が同制度に応募するかどうかの判断基準を策定を進められているようなんですが、県としてですね、部局としてのどういう線を引くかですね、この辺の具体の取組というのは始まっているのか、あるいはこれから始められるのか、それを伺いたい。

[知事]

県としては、現時点何か取組なり考えを持ち合わせておりません。県としてはですね。大学の自治というものの中で整理される課題もありましょうし、何かそれを設置主体である県として関わらねばならないということであれば、早急に具体内容を検討して参りたいと思いますが、大きくは大学の自治等に委ねられる領域の課題ではないかなと考えています。

[毎日新聞]

今の関連質問になるのですけれども、県も色々な研究施設等、研究者抱えておられると思うのですけれども、県が今後その国防的な防衛省との共同研究というような可能性はあるのですかね、県は。

[知事]

すいません、ちょっと今そのことに答えられるだけの情報は持ち合わせていないのですけど、それは具体中身にもよるんじゃないでしょうか。一概に防衛省発注の研究だから全てが御懸念の内容かどうかっていうのは決められないでしょうし、そこはその都度その都度、その案件ごとではないかと思いますが、何か具体のことが。

[毎日新聞]

いえ、無いのですが、場合によったら一緒にすることもあるということですか。検討の結果。

[知事]

ですから、防衛省発注の研究だから全て悪いということではないと思います。これは基本ベースでございますし、その内容が何を目的に行われる研究なのかということだと思います。それに県なり県の施設がどう関わるかということだと思いますし、広い意味で見て、我々が研究しようとしている「水」というものをどうみたらいいのか、これはまぁ、私たち人間のまさに基本的なものですので、そういうことも含めて生死に関わるということであれば、それも広い意味での、これは防衛省だけではないですけれども、研究分野としては大変重要な分野であろうと思いますし、そのことが1点とって、軍、国防、防衛ということに照らしてどうなのかっていうことが当てはまるのか当てはまらないのか、そこは一概には言えないのではないかと考えます。

[共同通信]

今週末に国立環境研究所の地方移転の協定式があると思うんですけれども、改めて地方移転、一部移転について、期待とか、そもそも地方移転についての考え方、実現することになると思うんですけれども知事のお考えをお伺いできますでしょうか。

[知事]

とても期待しています。また関係者の皆様方のご理解、ご努力に敬意を表し感謝を申し上げたいと思います。国立環境研究所の一部機能の移転、水の生態の研究分野のある意味では分室の設置ということでございますので、まあ、文化庁や消費者庁に比べると小さい移転かもしれませんが、今後の人類や滋賀県、琵琶湖、水の研究にとっては、小さくない私は移転だと私は考えておりまして、例えば水質の研究、新たな指標の研究、またビジネスに繋がる、また様々な機器の開発に繋がる研究に結び付けていきたいと思っていますので、今週末、協定を締結させていただいて、様々なそういう対話に繋げていきたいと考えているところです。

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